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  • 宝石/ダイヤモンド
  • 2025.12.23

赤珊瑚の見分け方とは?自宅での簡易チェックや価値を守る保管方法

手元にある赤珊瑚は本物なのか、それとも精巧な偽物なのか、気になっている人もいるでしょう。赤珊瑚の中でも特に希少価値の高い「血赤珊瑚」は、その美しい深紅色と希少性から高額で取引されており、残念ながら偽物も多く出回っています。

自宅でできる赤珊瑚の簡単な見分け方から最高級品とされる血赤珊瑚の特徴、高知県産が世界最高峰と評価される理由まで、赤珊瑚にまつわる知識を確認しましょう。専門家に依頼すべきケースや費用相場なども、併せて紹介します。

赤珊瑚の偽物を自宅で見分ける簡単チェック法

赤珊瑚のネックレス
珊瑚とダイヤのネックレス

赤珊瑚の価値を見極めるためには、まず本物と偽物を正しく見分けることが大切です。市場には精巧な模造品も多く、見た目だけで判断するのは容易ではありません。

しかし、専門の道具を使わずに自宅で確認できる方法もあります。まずは自宅でも実践しやすい、赤珊瑚の見分け方を確認していきましょう。

手のひらで「ひんやり感」を確認

赤珊瑚は熱伝導率が低いという性質を持っているため、手のひらで触れた際の温度で真贋を判別できる場合があります。本物の赤珊瑚は熱が伝わりにくく、触ってもひんやりとした感触が持続するのが特徴です。

一方、プラスチック製などの偽物は体温ですぐに温かくなります。より正確に判断するには、室温が安定した場所で、清潔な手で確認しましょう。

ただし、赤珊瑚は熱に弱い性質があるため、家庭では火や熱源に近づけないよう注意が必要です。電球の光に一定時間さらした後も冷たさを保っているかを観察するのが、赤珊瑚の真贋を判別する方法として挙げられます。

虫眼鏡で表面に特徴的な模様があるか見てみる

血赤珊瑚の真贋を見極める上で、表面を詳細に観察することは非常に重要です。虫眼鏡や10倍程度の拡大鏡(ルーペ)が自宅にあれば、それを用意しましょう。

本物の珊瑚には、木の年輪のように「成長線」と呼ばれる同心円状または平行な縞模様が見られます。これは、珊瑚が時間をかけて成長した証です。

また、珊瑚の骨格の中心部にあたる「フ」と呼ばれる白い斑点や、成長過程で自然に生じる「ヒ」と呼ばれる微細なひび割れが確認できることもあります。これらはいわば天然の証であり、ひとつひとつが持つ個性ともいえるでしょう。

逆に表面が完全に均一で、これらの特徴が一切見られない場合は注意が必要です。特にガラスやプラスチック製の偽物には、製造過程で生じた気泡のようなものが内包されていることもあります。天然の珊瑚には気泡が存在しないため、偽物を判断する際の明確なポイントとなるでしょう。

重量を量ってみる

赤珊瑚の重量も、偽物との判別における大きな手がかりです。本物の赤珊瑚は比重が約2.5で、手に取ると適度な重みを感じます。

プラスチック製の偽物は比重が軽いため、明らかに軽量です。同じ大きさのネックレスを身に着けてみると、本物の赤珊瑚なら首元に確かな重量を感じますが、プラスチック製の偽物だとこの重量感がありません。

ただ、重量だけで判断するのは早計です。ガラスや貝殻を使った偽物は赤珊瑚と比重が近く、場合によっては赤珊瑚より重いこともあります。重量だけで正確に見分けるのは難しいため、重量測定とほかの検査方法を組み合わせて真贋を判断しましょう。

最高級品といわれる「血赤珊瑚」とは

艶がきれいな赤珊瑚

赤珊瑚の中でも特に価値が高いとされる「血赤珊瑚(チアカサンゴ)」は、その深い赤色と独特の艶やかさで世界的に高い評価を得ています。濃密な色合いが放つ気品は、見る人を魅了してやみません。

血赤珊瑚と呼ばれるのは、厳しい基準を満たした最高グレードの珊瑚のみです。血赤珊瑚の産地や特徴、評価基準となるカラーグレードについて詳しく見ていきましょう。

日本の温かい海域で採れる赤黒い珊瑚

血赤珊瑚は日本近海で採取される赤珊瑚の中でも、特に濃い赤色を持つ最高級品です。主な産地は高知県土佐湾で、水深約100メートル〜300メートルの海底に生息しています。ほかにも沖縄の近海や小笠原諸島、長崎県の五島列島でも採取が可能です。

海外では地中海沿岸やハワイ沖でも赤珊瑚が採取されますが、日本産の血赤珊瑚は「オックスブラッド(雄牛の血)」と呼ばれ、その深紅の色合いと品質の高さから国際的に高い評価を受けています。

血赤珊瑚は、宝石として使える大きさになるまでに数十年を要するケースもあり、とりわけ希少とされています。現在では赤珊瑚を含む宝石珊瑚全般がワシントン条約で保護され、輸出入が制限されるようになりました。手元に本物の血赤珊瑚があるなら、高額買取を期待できるでしょう。

参考:ワシントン条約について(条約全文、附属書、締約国など) 「ワシントン条約全文」PDF P.3 第5条、「ワシントン条約附属書(動物界)」PDF P.115(METI/経済産業省)

カラーグレード「A以上」が血赤珊瑚とされる

血赤珊瑚は「赤珊瑚」という大きなカテゴリーの中でも、特に色が濃く品質の高いものです。赤珊瑚は以下のように、S・A・B・C・Dの5段階のカラーグレードで評価されます。

  • Sランク:色むらや欠けがほとんど見られず、質の安定した最上級品
  • Aランク:ごく小さな傷や色の薄い部分があるが、全体として良好な品質
  • Bランク:肉眼で多少の傷や色むらが確認できる標準的な品質
  • Cランク:ひびや白っぽい部分が目立ち、やや劣る品質
  • Dランク:傷や欠けが多く、加工素材として扱われることが多い

このうち、SランクとAランクの赤珊瑚が「血赤珊瑚」として扱われるのが一般的です。Sランクの血赤珊瑚は「オックスブラッド」と呼ばれ、非常に高い価値を持ちます。

血赤珊瑚はほかの宝石と科学的にどう違う?

血赤珊瑚は、ほかの宝石とは明確に異なる科学的特性を持っています。最も顕著な違いは硬度です。血赤珊瑚のモース硬度は3.5~4程度とされており、これは宝石として高い値ではありません。

モース硬度10ダイヤモンドやモース硬度9のルビーと比較すると、血赤珊瑚は非常に柔らかくデリケートな宝石であることが分かるでしょう。

成分面も宝石としては独特で、主成分は炭酸カルシウムです。そのため汗や果汁などの酸性物質に弱く、変質しやすい性質があります。研磨された血赤珊瑚の表面は、独特の艶を放つのも独特の魅力です。

高知県産の血赤珊瑚が「世界最高峰」と評価される理由

海底に生える赤珊瑚

高知県の土佐湾で採れる血赤珊瑚は、ヨーロッパでは「TOSA(トサ)」と呼ばれ、深みのある赤色と輝きで世界から高く評価されています。その美しさを育むのは、黒潮の流れがつくる理想的な海洋環境です。

さらに江戸時代から続く職人の技術が、その品質をより一層引き立てています。「TOSA」が別格とされる理由を詳しく見ていきましょう。

土佐湾の地質的・環境的優位性が生む最高品質

高知県の土佐湾は、血赤珊瑚の生育環境として国内随一の優位性を誇ります。海底の水温は年間を通じて安定しており、黒潮により豊富な栄養分も供給されるのが特徴です。

この独特な海洋環境の下、土佐湾産の珊瑚は他産地に比べて密度が高く、色むらのない均一な深紅色へ成長します。水深100m~300mの高圧下で、時間をかけてゆっくり形成されるため組織も緻密です。

採取した中で宝石として加工できる大きさのものは非常に少なく、その希少性が価値向上につながっています。

国内外で評価される伝統の研磨・仕上げ技術

高知県には、江戸時代から続く珊瑚加工の歴史と、その中で培われた世界トップクラスの研磨・仕上げ技術があります。

どれだけ質の良い原木でも、加工技術が伴わなければ、その価値を最大限に引き出すことはできません。高知の職人が手がける滑らかな曲線や深い艶は、まさに芸術品といえます。

珊瑚の加工で重要なのは、原木の特性を見極める目利きの技術です。珊瑚には「フ」と呼ばれる白い斑点や色むら、亀裂などが存在し、これらを避けながら最大限の美しさを引き出すことが求められます。この技術力の高さも、高知産珊瑚の価値を高める要因です。

海外マーケットでの希少価値

海外のバイヤーやコレクターは、「高知産(TOSA)」というブランドを最高品質の証と認識しています。需要の高い中国市場では、その希少性から投機対象ともなっており、価格が年々上昇している傾向です。世界が認めるブランド価値によって、高知産血赤珊瑚は高価になっています。

特に最高級ランクの「オックスブラッド」は、その深紅の色合いが珍重される希少な存在です。ワシントン条約で保護対象となったことで、国際取引には輸出許可書が必要となり、希少価値はますます高まっています。

参考:ワシントン条約について(条約全文、附属書、締約国など) 「ワシントン条約全文」PDF P.3 第5条(METI/経済産業省)

赤珊瑚の価値を下げないためのポイント

個別に収納されたジュエリー

赤珊瑚はとても繊細な宝石なので、長く美しさを保つには丁寧な取り扱いが欠かせません。使用後は柔らかい布で汗・汚れを拭き取ったり、直射日光を避けて涼しく湿度の低い場所に保管したりすることが大切です。

また、密閉できる袋・容器に入れ、空気やほかの宝石との接触を防ぎましょう。保管とメンテナンスについて、具体的な方法を紹介します。

肌に触れた後は汗を拭き取る

赤珊瑚は主成分が炭酸カルシウムのため、酸に対して非常に弱い性質を持つ点に注意が必要です。汗に含まれる塩分や皮脂が付着すると、表面が白く変色したり艶が失われたりする原因となります。特に夏場など汗をかきやすい季節には、汚れを残さないよう気を付けましょう。

赤珊瑚のジュエリーを身に着けた後や手で直接触れた後は、柔らかい布で優しく拭き取ることです。汗以外にも果物の汁や酢、化粧品など酸性の物質に触れさせるのは同様に避けましょう。

日常的なお手入れは、使用後に乾いた柔らかい布で、表面を優しくなでるように拭くだけで十分です。強くこすると傷が付く恐れがあるため、力を入れずに拭き取りましょう。

ほかの宝石に触れない冷暗所で保管する

赤珊瑚を保管する際は、ほかの宝石と接触しないよう個別に収納することも大切です。赤珊瑚のモース硬度は3.5~4程度と比較的低く、ダイヤモンドやルビーなどの硬い宝石とこすれると簡単に傷が付いてしまいます。仕切りのあるジュエリーボックスや、個別の小袋に入れて保管するのが理想です。

保管場所は涼しく暗いところが適しています。赤珊瑚は熱に弱く、高温環境下では表面にひびが入ったり割れてしまったりする恐れがあるためです。暖房器具の近くは避け、温度変化の少ない場所で保管しましょう。

紫外線も赤珊瑚の大敵です。長時間紫外線にさらされると、美しい赤色が褪色する原因となります。窓際も極力避け、直射日光が当たらないような工夫が必要です。

赤珊瑚の鑑定は専門家に依頼しよう

ルーペで鑑定をする男性

赤珊瑚の真贋を確実に見極めるに当たって、自宅でのチェックでは限界があります。近年は模造品の精度も高く、見た目では判断が難しくなってきました。確実に本物なのか、どの程度の価値があるのかの判断には専門家の鑑定が欠かせません。

特に高額な血赤珊瑚や相続品の場合は、正確な評価が必要です。専門鑑定の重要性と鑑定書の見方について解説します。

自宅での真贋の判別には限界がある

赤珊瑚の見分け方として、手のひらで温度を確かめたり虫眼鏡で観察したりと、自宅でできる簡易的なチェック方法はあります。しかし、これだけで本物と偽物を完全に判別するには、限界があることを理解しておきましょう。

染色技術や模造品の製造技術は年々巧妙化しており、特に骨や象牙を染色した「偽珊瑚」は、質感や模様が本物に極めて近く、判別が非常に困難です。断面を確かめてみないと分からないケースもありますが、自分で品物を傷付けると宝石としての価値が失われてしまいます。

専門の鑑定機関に鑑別を依頼する場合、数千円〜数万円程度の鑑定料がかかりますが、本物で価値が高かった場合は鑑定料をはるかに超える買取額が付くことも珍しくありません。

鑑定書・鑑別書の評価が市場価値に合わない場合も

手元の赤珊瑚に鑑定書や鑑別書が付属している場合、まずはその内容を確認しましょう。一般的に鑑定書や鑑別書には、天然であるか、「染色」などの処理が施されているか、重量(カラット)・サイズなどの基本情報が記載されています。

ただし、宝石の鑑定や鑑別を行う機関は国内外に多数存在し、その信頼性や評価基準は決して一律ではありません。非常に厳格な基準で鑑別する機関もあれば、そうでない機関もあります。

また、鑑別書に記載されている品質の評価が、必ずしも現在の市場価値と一致するとは限らないのが実情です。鑑定書や鑑別書はあくまで参考情報として捉え、最終的な価値は珊瑚そのものの色や光沢、大きさといった品質を直接見て判断する必要があります。

まとめ

赤珊瑚の指輪

自宅で試せる赤珊瑚の見分け方には、手のひらでひんやり感を確かめる、虫眼鏡で表面模様を観察する、重さを量るという3つの方法があります。ただ、自宅で真贋や価値を完全に見極めるのは難しいため、高額な赤珊瑚の真贋鑑定は専門家に依頼するのがおすすめです。

本物の赤珊瑚であれば、高い値が付くことも珍しくありません。特に最高級品の血赤珊瑚は、カラーグレードA以上の希少品であり、市場価値は右肩上がりです。中でも高知県産の血赤珊瑚は世界最高峰と評価され、土佐湾の特殊な環境と伝統技術が宝石としての価値を高めています。

赤珊瑚はデリケートな宝石です。買取に出そうと思っているなら、保存時は汗を拭き取り、冷暗所でほかの宝石と分けておきましょう。

福ちゃんでは、これまで数々の血赤珊瑚を取り扱ってきた実績があります。海外の販路も開拓しているため、世界の需要に見合った査定額の提示が可能です。赤珊瑚の買取は福ちゃんにお任せください。

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