着物は海外で需要が高い？人気がある理由や海外での展開などを解説

時代とともに日本では着物を着る機会が減り、現在では着物市場がピーク時の1/7に縮小しているといわれています。
そのなかで注目されているのは、海外での着物需要です。

海外では日本の着物が人気を集めており、さまざまな場面で着物を楽しむ方が増えています。
この記事では、着物が海外でなぜ人気なのか、着物が海外でどのように展開されているかなどを紹介いたします。

着物が海外で人気な理由

着物が海外で人気がある理由は、上記6つの理由が主なものであると考えられています。

ジャポニズムの影響

ジャポニズムとは、19世紀後半にヨーロッパで西洋の芸術家たちが日本美術や工芸品に強い影響を受け、それらを取り入れた作品を多く手がけた現象を指します。

画家「ジェームズ＝アボット＝マクニール・ホイッスラー」の「陶磁の国の姫君」などは、日本的要素が強く出ている代表作です。

ジャポニズムの影響は芸術家だけではなく、大衆にも広がっていきました。その結果、着物文化が海外でも浸透し、着物を楽しむ習慣が芽生えたと考えられています。

芸術的な色彩と模様

日本の四季や文化を表現した色彩や模様は、着物の大きな魅力です。

日本の歴史や慣習に根差し、深い意味を持つ柄も多く、美しいだけではない奥深い部分が海外で高く評価されています。

赤は祝い事、青は高貴さ、緑は自然、ピンクは可愛らしさなど色ごとに意味や印象が異なることも着物の特徴です。

単なる衣服ではなく、日本の文化や感性を体現できるものとして注目されています。

素材の高級感と伝統的技法

着物の素材は主に、絹・木綿・麻・ウールなどが使用されています。とくに絹は海外でも高級品として扱われ、特別な素材のひとつといえるでしょう。

そのため、美しい光沢がある絹の着物は海外からも人気があり、価値あるものとして認識されています。

また、友禅染めや西陣織など、日本の伝統的技法が見られる着物は芸術品として高く評価されており、海外で着物の価値が高まっている所以です。

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ファッション性の高さ

昨今、海外セレブや世界的デザイナーが着物をファッションに取り入れるケースが見られます。

着物の色彩の豊かさや高級感などのファッション性を生かし、ルールに囚われない楽しみ方が増えてきました。

着物は日本の伝統衣服であるため、日本で着る際は作法やしきたりといったものが重んじられる場合が多いですが、海外では自由に着物を満喫するスタイルが見られています。

所作が美しくなる

着物は着崩れを防ぐために、しっかり腰紐や帯などを締めて着用するのが特徴です。

そのため、自然と背筋が伸び、美しい立ち姿を演出してくれるでしょう。

また、着物の構造上、小さい歩幅で歩いたり袖を意識したりすることから、一つひとつの動作が丁寧になります。

所作の美しさを生み出し、上品な振る舞いとなることも、海外で着物の人気が高い理由です。

日本文化の体験

日本の伝統が詰まっている着物を着用すると、日本文化に触れて体験できる貴重な機会となります。

海外の人々にとって、着物は日本文化を深く体感できるアイテムともいえるでしょう。

また、着物は着る方の美しさを引き出すともいわれており、まったく違う自分の印象や新しい自分を発見できる特別なものとしても注目されています。

海外で展開される着物

着物の海外需要が高まるなか、海外向けに着物をアップサイクルして販売するブランドが立ち上がったり、海外ブランドが「KIMONOスタイル」と称して着物を取り入れたりなどの動向が見られます。

ヨーロッパや中東などからバイヤーが訪れ、日本で直接着物を購入する動きも活発です。

着物の展覧会が海外で開かれるなど、国境を越えて愛される衣服となってきました。

日本の伝統衣服というだけではなく、芸術性や多様性などが世界で認められ、ますます可能性が拡大していくことが予想されます。

海外で人気が高い着物

着物はさまざまな種類があり、海外で人気がある着物は上記3つが挙げられます。

振袖

振袖は未婚女性が着用する格式高い着物です。

鮮やかな色彩や長い袖などの華やかなデザインは、伝統的な着物を象徴する形であることから海外の女性に人気があります。

豪華で美しいものほど海外からの需要が高いといわれています。

浴衣

浴衣は本来、部屋着として使われていた着物です。現在は夏祭りや花火大会などで着用されています。

着付けが簡単であることや、振袖などより締め付け感がないことなどから、海外でもよく着られています。

また、バスローブ感覚で部屋着として購入する方もおり、お土産にも喜ばれているようです。

袴

着物の上から着用する、腰から下を覆う和装の衣服です。洋服でいうズボンやスカートに相当します。

現在は、大学や専門学校などの卒業式や、茶道などで着用されることが多いでしょう。

袴は「サムライ」や「剣士」のイメージが強いため、海外で非常に人気があります。また、日本のアニメから袴を知った方も多く、広く認知されているといわれています。

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まとめ

ジャポニズムの影響やファッション性の高さなどから、海外で着物の人気が高まっています。

着物に見られる日本の四季や文化を象徴したデザイン、伝統技法など、鑑賞するだけではなく日本文化を体現できるアイテムとしても、海外からの評価は上昇中です。

海外向けに着物をアップセルする日本ブランドや、着物のファッションスタイルを取り入れる海外ブランド、着物の展覧会開催など、海外ではさまざまな形で着物が展開されています。

とくに、着物のシンボルともいえる振袖や、着付けしやすく初心者にも取り入れやすい浴衣、サムライや剣士のイメージがある袴は、海外で人気が高い種類です。

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