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  • 時計
  • 2025.12.18

スイス時計のブランド12選。歴史や業界知識、人気の理由も解説

スイスには、数多くの有名時計ブランドがあります。高級時計といえば、スイス製をイメージする人も多いでしょう。しかし、なぜスイスに時計の名門ブランドが集中しているのでしょうか。

本記事では、スイスで時計産業が発展した歴史的背景を分かりやすく解説します。人気12ブランドの特徴や、スイス時計の魅力、スイス製の時計の価値も併せて確認してみましょう。

時計メーカーがスイスに多い理由

スイスの風景

スイスは世界の高級時計市場を牽引する国として知られ、実際に数多くの名門ブランドが工房を構えています。時計大国スイスが誕生した歴史的経緯と地理的な条件、危機を乗り越えて世界のトップに君臨し続ける理由を解説します。

宗教戦争による職人の亡命

16世紀のヨーロッパでは、ドイツのニュルンベルクやフランスのパリなどの都市が時計産業の中心地として栄えていました。 しかし1562年~1598年にかけて、フランスでユグノー戦争と呼ばれる宗教闘争が起こります。

カルヴァン派の新教徒(ユグノー)への弾圧が強まり、高度な時計製造技術を持つ職人たちは、信仰の自由を求めてスイスへの亡命を余儀なくされました。 彼らはカルヴァン派の本拠地ジュネーブや、フランス国境に近いジュラ山脈のル・ロックルといった地域に向かいます。

当時、ジュネーブ近郊では宝飾品製造が盛んでした。高い彫金技術と時計製造の技術が受け継がれ、スイス時計産業の発展につながったといわれています。

精密機器製造に適した環境

亡命した職人たちが定住した地域は、時計産業を発展させる上で理想的な環境を備えていました。 ジュラ山脈は標高が高く空気が澄んでいるため、精密機器製造において大敵となるほこりやちりが少ない環境です。

時計部品の洗浄や研磨作業に欠かせない、きれいな水も豊富にあります。さらに、温度や湿度の変化が少ない穏やかな気候は、精密部品の品質を安定させる上で重要な役割を果たしています。

経済面でも有利な条件がありました。冬が長いスイスでは農閑期の農家の副業として時計製造が広がります。これにより低コストでの生産体制が確立され、競争力のある価格で高品質な時計を供給できたのです。

国を挙げた政策とメーカーの努力

「世界一の時計大国」と呼ばれるほどに成長したスイスの時計産業ですが、19世紀後半にアメリカで機械による部品の大量生産が始まり、売上を大きく減らします。この危機に、各ブランドはカルテルを結んで対抗し、国もそれを容認しました。

1970年代には日本製クォーツ時計の普及により、スイスの時計は壊滅的な打撃を受けます。スイスの機械式時計に比べて、クォーツ時計は正確な上に製造コストが安く、ユーザー・メーカー共にメリットが多かったのです。

多くのブランドが廃業に追い込まれる中、安くておしゃれな「スウォッチ」や、芸術品としての機械式時計の製造などメーカーの努力もあり、スイス時計は復活を遂げています。

スイスの時計ブランド12選

横向きに置かれた腕時計

数百年の伝統を誇る老舗ブランドから、世界3大ブランドの一角を担う名門、市場で高い人気を集める実力派まで、以下のスイス時計の12ブランドを紹介します。

  • 現存する最古のブランド「ブランパン」
  • 推定売上高1位「ロレックス」
  • 月に着陸した「オメガ」
  • 高級スポーツウォッチの先駆け「オーデマ ピゲ」
  • モータースポーツに貢献「タグ・ホイヤー」
  • 革新的なデザインで地位を確立「フランク ミュラー」
  • 世界3大時計ブランドのひとつ「パテック フィリップ」
  • セレブ愛用の老舗「ヴァシュロン・コンスタンタン」
  • 新時代を牽引する「リシャール・ミル」
  • カジュアルで手頃な「スウォッチ」
  • 天才技師と呼ばれた「ブレゲ」
  • 創業者はアメリカ人「IWC」

各ブランドの創業年や特徴、代表的なモデルなど、購入や売却を検討する際に役立つ情報をまとめています。

現存する最古のブランド「ブランパン」

1735年にスイスのヴィルレ村で創業したブランパンは、現存する時計ブランドとして世界最古の歴史を誇ります。創業者ジャン=ジャック・ブランパンが、村民名簿に時計師として記録されたことがその証です。

1953年にブランパンが発表した「フィフティ ファゾムス」は、ダイバーズウォッチの元祖として知られています。高い防水性と水中での視認性を実現し、その後のダイバーズウォッチの基準となりました。

クォーツショック時には機械式へのこだわりを掲げ、6つの複雑機構を全て搭載した「1735」モデルを発表します。「1735」は機械式時計の芸術性を世界に再認識させると同時に、ブランパンの完全復活を印象付けました。

推定売上高1位「ロレックス」

ロレックスは、推定売上高においてスイス時計業界のトップに君臨するブランドです。その市場シェアは約30パーセントに達し、2位以下を大きく引き離しています。

1905年にロンドンで創業したロレックスは、1919年にジュネーブに移転し、数々の革新技術で時計業界をリードしてきました。1926年に発表された世界初の防水腕時計「オイスターケース」や、1931年の自動巻き機構「パーペチュアル」は、現代の腕時計技術の礎となっています。

代表モデルの「サブマリーナー」や「デイトナ」は中古市場でも安定した人気を誇ります。確かな品質とブランド力が、世界中で社会的ステータスの象徴として認められている理由です。

月に着陸した「オメガ」

1848年創業のオメガは高い技術力により、多くのスポーツ大会や海洋探査での計測に貢献してきました。1965年には「スピードマスター」がNASAの過酷なテストをクリアし、公式装備品として認定されます。

1969年7月20日、スピードマスターはアポロ11号の宇宙飛行士の腕に巻かれて、月面に降り立ちます。この瞬間からスピードマスターは「ムーンウォッチ」という愛称で呼ばれるようになりました。

翌年のアポロ13号の危機では、スピードマスターがエンジン逆噴射のタイミングを正確に計測し、宇宙飛行士の生還を支えています。スピードマスターのほかには、「シーマスター」「デ・ヴィル」などのコレクションが知られています。

高級スポーツウォッチの先駆け「オーデマ ピゲ」

1875年に誕生したオーデマ ピゲは、「世界3大時計ブランド」のひとつとして知られています。他の2ブランドはパテック フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタンです。

創業以来の独立経営を貫き、妥協なき品質追求が今も息づいています。ブランドを象徴するモデルが、1972年に発表された「ロイヤルオーク」です。金ではなくステンレスを採用し、直径39ミリメートルという大型ケースを持つデザインは、当時の高級時計の常識を覆しました。

発売当初は不評だったものの、オーデマ ピゲは信念を曲げずに生産を続けます。やがてロイヤルオークはスポーツラグジュアリーウォッチというジャンルを確立し、ブランドの柱となりました。

モータースポーツに貢献「タグ・ホイヤー」

1887年にクロノグラフの操作を瞬時に行える「振動ピニオン」を発明したタグ・ホイヤーは、精密な計時技術でモータースポーツの発展に貢献してきました。1916年には1/100秒を計測できるストップウォッチを開発し、多くのスポーツ大会に採用されます。

1971年にはF1のフェラーリチームに電子計時システムを提供し、1992年から12年間F1の公式計時を担当しています。代表モデルの「カレラ」はメキシコのレース「カレラ パンアメリカーナ メキシコ」から名付けられました。

1969年発表の「モナコ」は角型ケースが特徴的で、ハリウッド俳優のスティーブ・マックイーンが映画の中で着用したことでも知られています。

革新的なデザインで地位を確立「フランク ミュラー」

1992年創業のフランク ミュラーは、老舗が多いスイス時計業界で、異例のスピードで名声を確立しました。天才と呼ばれる創業者フランク ミュラーの卓越した技術力が、その成功の鍵となっています。

ブランドの代名詞ともいえるモデル「トノウカーベックス」は、フランク ミュラーがブランドを立ち上げる前に開発したものです。

どの角度から見ても美しい曲線美が感じられ、手首にもよくフィットするデザインが魅力です。独特のビザン数字とギョーシェ彫りが施された文字盤は、一目でフランク ミュラーと分かる個性を放っています。

世界3大時計ブランドのひとつ「パテック フィリップ」

1839年に創業したパテック フィリップは、オーデマ ピゲ、ヴァシュロン・コンスタンタンと並ぶ世界3大時計ブランドのひとつです。 製造から100年以上経過した時計でも修理を拒まない「永久修理」を掲げています。

この姿勢は、自社製品への絶対的な自信と責任感の表れです。 代表的なコレクションには、1932年発表のドレスウォッチ「カラトラバ」、1976年登場の初のスポーツウォッチ「ノーチラス」、永久カレンダーやミニッツリピーターなどの高度な機能を搭載した「グランド・コンプリケーション」シリーズがあります。

セレブ愛用の老舗「ヴァシュロン・コンスタンタン」

1755年にジュネーブで創業したヴァシュロン・コンスタンタンは、一度も途切れることなく歴史を紡いできた世界最古級のブランドです。世界三大時計ブランドのひとつとして確固たる地位を築いており、多くのセレブが愛用しています。

ブランドアイコンのマルタ十字は、かつて香箱に使用していた部品の形状から着想を得ています。世界最高水準の規格「ジュネーブ・シール」を取得し続ける技術力と、卓越した芸術性が融合した時計作りが特徴です。

代表コレクションには、1996年発表のラグジュアリースポーツウォッチ「オーヴァーシーズ」や、1950年代のモデルを現代風にアレンジした「パトリモニー」があります。

新時代を牽引する「リシャール・ミル」

リシャール・ミルは、2001年に創業し、スイス時計業界に革命を起こしたブランドです。ファーストモデル「RM 001」は1,900万円という価格設定にもかかわらず、限定17本が完売しました。

「エクストリームウォッチ(過激/極端な時計)」をコンセプトに、モータースポーツや航空宇宙産業で使われる革新的な素材を応用したり、コストを度外視した研究開発を重ねたりする姿勢が特徴的です。

プロテニス選手のラファエル・ナダル協力の「RM 27-03」や、F1コンストラクターのマクラーレン協力の「RM 50-03」など、過酷なスポーツシーンでも使いやすい耐久性・軽量性を誇るモデルが多くあります。

カジュアルで手頃な「スウォッチ」

スウォッチは、クォーツショックで衰退するスイス時計業界を救ったブランドとして知られています。1983年に登場し、個性的なデザインとリーズナブルな価格で人気を集めました。

樹脂製ケースに直接クォーツムーブメントを組み込み、フルオートメーションで生産する画期的な手法により、低価格ながらスイス品質を維持することに成功しています。

シーズン毎に新作を投入するファッションアイテムのような販売戦略も功を奏し、1990年代には世界的なブームを巻き起こしました。近年も環境に配慮した素材の開発や、機械式腕時計のフルオートメーション化などの革新的な話題を提供しています。

天才技師と呼ばれた「ブレゲ」

1747年にスイスで生まれたアブラアン=ルイ・ブレゲは、「時計界のレオナルド・ダ・ヴィンチ」と称される天才時計師です。1775年にパリで時計工房を開設し、1795年の「パーペチュアルカレンダー」や、1801年の「トゥールビヨン」など、現在も受け継がれている技術を多く発明しています。

1810年には、ナポリ王妃からの依頼で世界初の腕時計のひとつとされる「クイーン・オブ・ネイプルズ」を製作しました。1976年、ブレゲは創業者の故郷、スイスのジュラ渓谷に工房を移転しています。

代表的なコレクションにはフォーマルなデザインが美しい「クラシック」や、ムーブメントが透けて見える「トラディション」などがあります。

創業者はアメリカ人「IWC」

1868年にスイスのシャフハウゼンで創業したIWCは、ドイツ語圏に拠点を置く数少ないブランドです。企業名「International Watch Company(インターナショナル・ウォッチ・カンパニー)」の略称がブランド名となっています。

創業者フロレンタイン・アリオスト・ジョーンズは、アメリカ出身の時計技師です。ジョーンズは、アメリカの先進的な技術を活用するため、水力発電所のあるシャフハウゼンを本拠地に選びました。

代表コレクションには、1939年にポルトガルの時計商人からの依頼で誕生した「ポルトギーゼ」や、英国軍に納入していた歴史を持つ「パイロット・ウォッチ」があります。

知っておきたいスイスの時計業界の基礎知識

黒い腕時計

スイス時計の魅力を理解するためには、「SWISS MADE」の表記に見られる業界独自の基準や、業界を支える巨大企業グループの存在を知っておくことが重要です。スイス時計を選ぶ際や売却を検討する際に役立つ、業界の基礎知識を解説します。

信頼の証「スイスメイド」

スイス製時計に刻まれる「SWISS MADE」は、単なる産地表示ではありません。1971年に制定されたスイスメイド法により、厳格な基準をクリアした時計のみに許される信頼の証です。

当初は、以下の3点を満たすことが条件とされていました。

  • 本社のスイス所在
  • ムーブメントコストの約50%がスイス国内発生
  • スイスでのケーシング・最終検査

しかし2017年の改正により、ムーブメントと外装の60%がスイス製であることが新たに求められるようになります。 製造国表記にこれほど明確な規定を設けているのは、現状スイスのみです。

業界を支える3大グループ

スイス時計産業は現在、スウォッチグループ・リシュモン・LVMHという3大企業グループによって支えられています。いずれも傘下に複数のブランドを擁し、業界全体の方向性を左右する存在です。

スウォッチグループにはスウォッチ・オメガ・ブレゲ・ブランパンなどのブランドが含まれ、2024年時点でのシェアは18.3パーセントとロレックスに次ぐ2位となっています。

リシュモンはヴァシュロン・コンスタンタンやIWCといったブランドで知られ、17.8パーセントのシェアを占めるグループです。高級ブランドルイ・ヴィトンを傘下に持つLVMHは、タグ・ホイヤーやウブロ、ブルガリなどのブランドを展開しています。

スイス時計の魅力と価値

硬貨に囲まれた懐中時計

スイスの時計が支持される理由は、単に正確に時を刻むという機能だけにとどまりません。長期間使用できる耐久性・所有者のステータスを示すブランド力・そして投資対象としても注目される資産性など、多面的な価値を備えています。スイス時計が持つ魅力と価値について、詳しく見ていきましょう。

メンテナンス次第で長く使える耐久性

スイス時計の魅力は、世代を超えて使い続けられる耐久性にあります。機械式時計は内部の歯車や潤滑油が消耗しますが、定期的にオーバーホールを行うことで、精度を回復させ長期使用が可能です。主要メーカーの多くは古いモデルの純正部品を長期間ストックし、世界中に修理拠点を展開しています。

永久修理を保証するブランドもあり、祖父母から孫へと3世代にわたって受け継がれる事例も珍しくありません。充実したアフターサービス体制により、場合によっては100年以上使い続けることもできるのです。

社会的ステータスを示すブランド力

高級なスイス製時計は、所有者の社会的地位を象徴する力を持ちます。ビジネスシーンや社交の場において、ロレックスやオメガなどのブランド名は、時計に詳しくない人に対しても、高級感を認識させる効果があるといえるでしょう。

スイス時計は徹底したブランド戦略により独自の地位を確立してきました。職人による手作業の価値やオーバーホール前提の体制を啓蒙し、「使い捨てではなく修理して長く使う」という価値観を浸透させます。

さらに、少量生産と流通チャネル制限で希少性を維持し、スイス時計の名を社会的ステータスの証として定着させることに成功しています。

高価買取が期待できる資産性

スイス高級時計は、単なる実用品を超えた資産価値を持ちます。中古時計市場の規模も大きく、限定生産による希少性と世界中のコレクターからの需要が、スイス時計の資産価値を支えているのです。

ロレックスのデイトナやパテック フィリップのノーチラス、オーデマ ピゲのロイヤルオークなどの人気モデルでは、希望小売価格に対して50パーセント以上のプレミアムが付くケースもあります。購入価格を上回る価格での売却が期待できるため、投資対象としても注目されています。

スイス製の時計を売却するなら「福ちゃん」

時計を鑑定している男性

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記事のまとめ

手袋をはめて金色の腕時計を持つ人

スイス時計は、宗教迫害による職人の亡命と山岳地域の地理的条件が重なり、世界的な時計産業の中心地として発展してきました。ブランパンやパテック フィリップなどの老舗から、リシャール・ミルのような革新的ブランドまで、多様な選択肢があります。

スウォッチグループ・リシュモン・LVMHの3大グループが業界を牽引し、「スイスメイド」という厳格な品質基準が信頼性を保証しています。スイス時計は耐久性、ステータス性、資産価値という3つの価値を兼ね備えており、売却時には専門知識を持つ買取業者の利用が適切な評価につながります。

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