- 着物
- 2025.07.31
木綿着物の買取相場は高い?安い?価値ある木綿と高価買取の条件

木綿の着物は、丈夫でお手入れがしやすく、普段着として根強い人気があります。
しかし、普段着というイメージから「木綿の着物は売っても値段がつかないのでは?」と不安に思う方も少なくありません。
実は、木綿の着物の中にも希少価値が高く、高価買取が期待できるものが存在します。
この記事では、木綿の着物を少しでも高く売るために、
● 価値の高い木綿の種類と買取相場
● 木綿の着物の買取価格を左右する重要な査定ポイント
● 損をしないための買取方法の選び方
など、知っておくべき情報を徹底解説します。
後悔しないお取引のために、ぜひ最後までご覧ください。
そもそも木綿の着物とは?

木綿(もめん)とは、ワタ(綿花)の種子から取れる繊維、およびその繊維から作られる織物の総称です。
そして「木綿の着物」とは、この木綿の生地を用いて仕立てられた着物を指します。
その歴史は古く、日本では江戸時代頃から人々の日常に欠かせない「普段着」として広く浸透しました。
丈夫で肌触りが良く、家庭でも手入れがしやすいといった実用性の高さが、定着した理由です。
正絹(シルク)との違い
着物の価値を考える上で、まず理解しておきたいのが、最高級素材である「正絹(しょうけん)=シルク」との違いです。
正絹の着物が、主に結婚式や式典で着用される「ハレの日」のフォーマルウェアであるのに対し、木綿の着物はあくまで、日常の延長線上にあるカジュアルウェアです。
この「素材の格」と「着用シーン」の違いが、買取価格の基本的な考え方の土台となります。
木綿ならではの魅力と特徴
木綿の着物には、正絹にはない多くの魅力があります。
● 優れた耐久性
非常に丈夫で、摩擦にも強いため、正絹ほどデリケートに扱う必要がありません。
● 肌馴染みの良さ
吸湿性・通気性に優れ、肌触りもやさしいのが特徴です。着れば着るほど肌に馴染み、柔らかな風合いに育っていく楽しみもあります。
● 単衣(ひとえ)仕立て
裏地を付けない「単衣」で仕立てるのが基本です。そのため、盛夏(7月・8月)を除く春・秋・冬、つまり10月から5月頃までと、非常に長い期間着用できるのも大きなメリットです。
● 浴衣との違い
よく混同されがちな「浴衣」も同じ木綿から作られますが、浴衣は夏の湯上り着がルーツであり、より薄手でラフな位置づけです。
一般的な木綿の着物は、浴衣よりも厚手で、長襦袢(ながじゅばん)の上に着る「外出着」という点で明確に区別されます。
このように、木綿の着物は「あくまで普段着」である点が、最大の魅力であり、その価値を理解する上で最も重要なポイントなのです。
査定・出張費・手数料はすべて無料。

高価買取が期待できる木綿の着物

木綿の着物は素材の特性上、正絹(シルク)の着物に比べると買取相場は控えめです。
しかし、国の伝統的工芸品に指定されているものや、有名産地で織られた希少な木綿は着物愛好家からの需要が高く、高価買取が期待できます。
ここでは、とくに価値が認められている「代表的な木綿の着物」を6つご紹介します。
伊勢木綿(いせもめん)
三重県指定の伝統工芸品です。
綿に近い「単糸(たんし)」を使い、糸の撚り(より)を甘くすることで、ふんわりと柔らかく、シワになりにくいのが特徴です。肌触りが良く冬でも暖かいため、非常に人気があります。
現在は「臼井織布」一社のみが生産しているという希少性から、木綿着物の中でもとくに高値で取引されています。
久留米絣(くるめがすり)
福岡県久留米市周辺で作られる、日本三大絣の1つ。
国の重要無形文化財および伝統的工芸品に指定されています。糸の段階で染め分け、織ることで模様を表現する「絣(かすり)」の技術は非常に高度で、緻密で美しい幾何学模様は芸術品としても高く評価されています。
国内外に、多くのファンがいることでも有名です。
弓浜絣(ゆみはまがすり)
鳥取県の弓ヶ浜地方で織られる、国の伝統的工芸品。
藍色の地に白い絣模様で描かれる素朴な絵柄が特徴です。
熟練の職人による手織りのものは生産数が少なく、その希少性と民芸品としての温かみが、根強い人気を支えています。
会津木綿(あいづもめん)
福島県指定の伝統工芸品。
会津の厳しい気候風土から、厚手で丈夫、優れた保温性と吸湿性を誇ります。
色褪せしにくく、洗うほどに風合いが増すため、長く愛用できる実用性の高さが価値として認められています。
片貝木綿(かたかいもめん)
新潟県小千谷市片貝町で織られる木綿。
太さの異なる糸を使うことで生まれる「生地の凹凸(シボ)」が、肌にまとわりつかない快適な着心地を実現します。
型崩れしにくく、現代的なデザインも多いため、中古市場でも需要が高い木綿です。
阿波しじら織(あわしじらおり)
徳島県で生産される、国の伝統的工芸品。経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の張力の差を利用して生まれる、独特の「シボ」が最大の特徴です。
この凹凸のおかげで肌にまとわりつかず、軽くて涼しい着心地が得られるため、とくに単衣の時期、とりわけ初夏から夏にかけての着物として絶大な人気を誇ります。
爽やかな風合いと豊富な色柄は、現代のニーズにもマッチしており、高価買取が期待できるでしょう。
ご覧いただいたように、高価買取となる木綿の着物には、その土地の歴史や気候風土に育まれた、伝統的な技術と希少性という共通点があります。
以上は代表的な例ですが、価値ある木綿はこれらだけではありません。
もし、ご自宅に眠っている着物の産地や種類がわかる「証紙」が残っていましたら、ぜひ一度、本記事でご紹介した名前と照らし合わせてみてください。
思わぬ価値が発見できるかもしれません。
木綿着物の買取相場はどのくらい?

木綿の着物は普段着とされがちですが、ご自宅の箪笥に、思わぬ高値がつくお宝が眠っていることも少なくありません。
その価値は一体どのように決まるのでしょうか。
まずは、種類ごとの買取相場の目安を下の表でご確認ください。
種類 | 買取相場(目安) |
---|---|
一般的な木綿の着物 | 〜5,000円 |
有名産地の木綿(会津木綿など) | 5,000円~15,000円 |
伝統的工芸品(久留米絣など) | 10,000円~50,000円 |
有名作家物・希少品(伊勢木綿など) | 20,000円~80,000円 |
※上記はあくまで目安です。着物の状態や証紙の有無、サイズによって価格は大きく変動します。
では、なぜこれほど大きな価格差が生まれるのでしょうか。
それは、「製作にかかる手間(時間・技術)」「希少性」「芸術性」の3つの要素が大きく関係しています。
たとえば、機械で大量に織られる一般的な木綿に対し、久留米絣は熟練の職人が図案の作成から数か月かけて一反(いったん)を織り上げる、まさに工芸品です。
その手仕事の価値が、買取価格に正しく反映されるのです。
ただし、これらの相場はいずれも「状態が良い場合」を前提としています。
たとえ表の中で高価とされる久留米絣であっても、落ちない「シミ」や生地の「破れ」などがあれば、価値は大きく下がってしまうため、買取価格は一概にはいえないのです。
【補足】人間国宝の作品など、相場を超えるケースについて
ごく稀なケースですが、お品物によっては、ご紹介した相場を大幅に超える価格がつくことがあります。その代表例が、松枝玉記氏のような、「人間国宝」や「著名な工芸作家」が手掛けた作品です。
これらの作品は「着物」という、日常の道具の枠を超えた「美術工芸品」として特別な価値を持ち、査定基準もまったく異なります。
ただし注意点として、オークションサイトなどで見られる落札価格は、市場での最終的な「販売価格」です。私ども買取業者がご提示する「買取価格」は、そこから再販までにかかる経費や利益などを考慮した価格となるため、必ずしも同額になるわけではありません。
とはいえ、人間国宝の作品や希少な作家物は、たとえ木綿であっても「非常に高い価値がつく可能性を秘めている」といえるのです。
では、お手持ちの着物が実際にどのように価値基準に当てはまるのか、次の「買取価格を左右する4つの重要ポイント」で詳しくチェックしていきましょう。
木綿着物の買取価格を左右する「4つの重要ポイント」

査定に出す前に、お手持ちの着物がどのような点で見られるのかを知っておきましょう。
これらを意識するだけで、買取価格が変わる可能性があります。
1. 産地・種類
最も重要なポイントです。前述した「伊勢木綿」や「久留米絣」といった有名産地の着物は、それだけで高価買取の対象となります。
2. 証紙の有無
「証紙(しょうし)」は、その着物が本物であることを証明する品質保証書です。産地や織り元、伝統工芸品マークなどが記載されており、査定において非常に重要な役割を果たします。
証紙があることで信頼性が格段に上がり、買取価格も大幅にアップします。着物と一緒に大切に保管しておきましょう。
もし証紙を紛失してしまった場合でも、あきらめる必要はございません。
福ちゃんには着物の専門知識が豊富な査定士が在籍しておりますので、生地の風合いや織りの特徴、絣模様の技法などから産地や価値を判断することが可能です。
「証紙がないから価値がない」と決めつけず、まずは一度ご相談ください。
3. 着物の状態
有名産地の着物であっても、状態が悪ければ査定額は下がってしまいます。
● シミ、汚れ、黄ばみ
● カビや臭い
● 生地の破れ、擦り切れ
● 日焼けや色褪せ
これらの状態にならないよう、日頃から着物のお手入れを定期的にしておきましょう。
また、ご自身で「これは売れないだろう」と判断してしまうようなシミや汚れがある場合でも、すぐにあきらめるのは早いかもしれません。
なぜなら、買取業者によっては専門のクリーニング技術(洗い張りなど)で、価値が蘇るケースがあるからです。また、たとえ着用が難しい状態でも、希少な生地のリメイク素材として価値が見出される場合もあります。
自己判断で処分してしまう前に、一度プロの査定士に見てもらうことをオススメします。
4. サイズ(寸法)
意外と見落とされがちですが、着物のサイズも査定額に影響します。
いわゆる「標準サイズ以上」の着物は、高値がつく傾向にあるのです。具体的には、身丈(きたけ)が160cm以上、裄丈(ゆきたけ)が、65cm以上ある着物を指します。
高値がつきやすいのは、現代の日本人女性に合いやすく、中古市場での需要が高いためです。
以上が、「木綿着物の価値を大きく左右する4つの重要ポイントでした。
ご覧いただいたように、着物の本来の価値を見極めるには、専門的な知識が不可欠であることが、おわかりいただけたかと思います。
では、これらの価値を正しく評価してくれる売却先とは、一体どこなのでしょうか。
次のセクションで、後悔しないための「買取方法の選び方」を詳しく見ていきましょう。
損をしないために。木綿着物の「買取方法の選び方」

木綿着物の売却にはいくつかの方法がありますが、どこに売るかによって買取価格は大きく変わります。
「知らずに損をした」と後悔しないために、それぞれの特徴をしっかり理解しておきましょう。
以下の比較表で、3つの買取方法の違いをまとめました。
買取方法 | メリット | デメリット | このような方にオススメ |
---|---|---|---|
リサイクルショップ | ・店舗が多く、気軽にすぐ処分できる | ・着物の専門知識がないため、価値を正しく評価されず、買い叩かれる可能性が非常に高い | 価格は気にせず、とにかく早く手放したい方 |
フリマアプリ等 | ・自分で価格を自由に設定できる ・希少品は高値で売れる可能性がある |
・撮影・梱包・発送の手間がかかる ・購入者とのトラブルが起きるリスクがある |
手間を惜しまず、自分のペースで売却したい方 |
着物専門の買取業者 | ・プロが着物の価値を正しく評価してくれる ・出張買取などで手間なく安全に売れる |
・業者によって査定額や対応が異なるため、信頼できる業者選びが重要 | 着物の価値を正しく知り、適正価格で安心して売りたいすべての方 |
上の表からわかるように、もしお手持ちの木綿着物の価値を、少しでも正しく評価してもらうためには、選択肢は「着物専門の買取業者」一択となります。
リサイクルショップでは、前の章で解説した『証紙』の有無や、『サイズ』の重要性が考慮されることはまずありません。伊勢木綿のような価値ある着物も、ただの「古い服」として安価に買い取られてしまう可能性も否定できないのです。
また、フリマアプリはご自身で価格設定をする手間がかかる上、価値を正しく伝えきれなければ、かえって安く売ってしまうリスクも伴います。
大切な着物を安心して託し、納得のいく取引をするためには、着物の価値を熟知したプロが在籍する、「買取実績が豊富な専門業者を選ぶこと」が何よりも重要です。
木綿着物の査定額をさらに上げる「3つのポイント」

最後に、査定に出す直前でも間に合う、少しでも高く買い取ってもらうための「具体的なコツ」を3つご紹介します。
1. 付属品をすべて揃える
購入時に着物が入っていた「たとう紙(畳紙)」や、生地の切れ端である「共布(ともぬの)」、そして前の章でも触れた「証紙」があれば、必ず着物と一緒に査定に出しましょう。
とくに、百貨店や有名呉服店の名前が入ったたとう紙は、それ自体が素性の良さを証明する1つの材料になります。
付属品が揃っていることで、買取店側も再販しやすくなるため、査定額がアップしやすくなります。
2. 帯や和装小物も「まとめて査定」に出す
もし、その着物に合わせて使っていた帯や帯締め、帯揚げなどの和装小物が不要であれば、単品ではなく一緒に査定に出すのがオススメです。
着物と帯の組み合わせが良い場合、「セット」として価値がつき、それぞれを単品で売るよりも高値になることがあります。また、買取業者側も一度に多くの品を買い取れるため、全体の色を付けて(サービスして)くれる可能性が高まります。
3. 着物の「ストーリー」を伝える
意外かもしれませんが、その着物にまつわる思い出やストーリーを担当の査定士に伝えることも、ときにプラスに働くことがあります。
たとえば、「母が久留米に旅行した際に、工房で直接購入したものです」や「この片貝木綿の風合いが好きで、大切に着ていました」といった情報が、査定士の価値判断の手助けになる場合があるのです。
愛情を持って保管されてきたことが伝われば、査定士も誠意を持って応えようとしてくれるでしょう。
木綿着物の買取なら「福ちゃん」にお任せください

この記事を読んで、「私の持っている木綿の着物も、もしかしたら価値があるかも?」と思われた方へ。
木綿着物の価値を正しく見極めるのが、私たち福ちゃんの役目です。
福ちゃんには、着物の知識と査定経験を積んだ専門性の高い査定士が在籍しています。
伊勢木綿の柔らかな風合いから久留米絣の精巧な絣模様まで、有名産地の木綿の価値を正しく評価することはもちろん、証紙がないお品物でも、生地や技法から価値を丁寧に見出すことが可能です。
お客様が大切にしてこられた想いも汲み取り、ご納得いただける買取価格をご提示することをお約束します。
査定方法も、お客様のご都合に合わせてお選びいただけます。査定士がご自宅までお伺いする「出張買取」のほか、お近くにある福ちゃんの店舗へお持ち込みいただく「店舗買取」もご利用可能です。
もちろん、査定料や出張料、万が一のキャンセル料も一切いただきません。
「まずは価値を知りたいだけ」という場合でも、無料でご利用いただけますのでご安心ください。
お電話またはWebから、どうぞお気軽にお申し込みください。
まとめ
今回は、木綿の着物買取について詳しく解説しました。
普段着としてのイメージが強い木綿の着物ですが、伊勢木綿や久留米絣といった「伝統的工芸品」や「有名産地」のものは、高い価値を持つことを、おわかりいただけたかと思います。
そして、その価値は「産地・種類」「証紙」「状態」「サイズ」といった、専門的なポイントで見極められます。
お手持ちの着物に秘められた本当の価値を知り、適正な価格で売却するためには、これらの価値を正しく判断できる、着物専門の買取業者に依頼することが何よりも重要です。
もしご自宅に、価値がわからないまま眠っている木綿の着物がございましたら、ぜひ一度、福ちゃんにご相談ください。福ちゃんでは、本記事で解説したような専門的な査定ポイントを熟知した査定士が、お客様の大切な着物を一点一点丁寧に拝見し、最大限の価値を見出します。
査定料・出張料などは一切無料ですので、「まずは価値を知りたい」という方も大歓迎です。
お電話一本、または下記のWebフォームから、まずはお気軽にお問い合わせください。