• 着物
  • 2025.07.06

着物は素材で変わる!生地の種類や見分け方を知って着物美人に

この着物、いつ着るのが正解?
お手入れはどうすれば…?

そのような着物の疑問は、“素材”を知ることで解決します。
着物には絹や綿、麻などさまざまな素材があり、それぞれに最適な季節やTPO、お手入れ方法が異なります。

素材ごとの特徴を知れば、シーンに合わせた着こなしができるようになり、和装がさらに楽しくなるはずです。

当記事では、着物の代表的な5つの素材について、その特徴から見分け方まで詳しく解説します。

この機会に、お手持ちの着物について、深く知ってみませんか?

着物の「素材」で何が変わる?知っておきたい格・季節・お手入れの違い

着物は素材によって何が変わるのか

着物は、生地の素材によって「」や「印象」、さらに「着ていくべきシーン」が大きく異なります。そのため、着物を着られる際は、素材が何かを認識しておくことが非常に重要です。

たとえば「格」です。

最も格調高いとされるのは、美しい光沢と滑らかさを持つ「」です。

結婚式で着る「黒留袖」や「振袖」は絹で作られており、これが他の素材との大きな違いです。反対に、木綿やウールは普段着として楽しむための素材であり、フォーマルな場にはふさわしくないとされています。

また、「季節感」も素材によって表現します。

通気性に優れた「」は蒸し暑い夏を涼やかに過ごすために、保温性の高い「ウール」は寒い冬を暖かく過ごすために選ばれます。季節感を無視した素材選びは、着心地が悪いだけでなく、見た目にもちぐはぐな印象を与えてしまうのです。

そして、忘れてはならないのが「お手入れ」の違いです。

ご自宅で気軽に洗える「ポリエステル」や「綿」がある一方で、「」は水に弱く、専門のクリーニングが欠かせません。素材に合わないお手入れは、大切な着物を縮ませたり、傷めたりする原因になってしまいます。

このように、素材の特性を理解することが、自信を持って着物を選び、楽しむための第一歩です。

それでは、具体的に5つの代表的な素材について、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

5種類の着物素材と特徴

5種類の着物素材と特徴

着物の生地には、主に、以下に挙げた5つの素材が使われています。

● 絹(きぬ)
● 綿(めん)
● 麻(あさ)
● ウール
● ポリエステル

それぞれの特徴を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしていただき、「着用時期」や「着用シーン」にふさわしい、素材選びをしていきましょう。

絹とは

絹は、蚕(カイコ)の繭を原料にした絹糸から作られる天然繊維。

留袖や振袖といった格式の高い着物には、絹100%の「正絹(しょうけん)」と呼ばれる素材が使われるのが基本です。蚕を育てることから始まるため、生産には大変な手間と時間がかかっています。

上品で奥ゆかしい光沢があり、肌触りはしっとりとなめらかで、きめ細かいのが最大の特徴です。

絹素材の着物|メリット

● 軽くて丈夫
● 静電気が発生しにくい
● 汗をかいても肌に貼り付きにくい

絹は、適度な吸湿性と放湿性を兼ね備えているため、季節を問わずさらりとした極上の着心地を楽しめます。

絹素材の着物|デメリット

● 洗濯が難しい(水に弱く縮みやすい)
● 汗ジミになりやすい
● 日光や経年劣化で変色しやすい
● 虫食いの被害に遭いやすい

このように、絹素材は非常にデリケートなため、ご自宅でのお手入れには知識と注意が必要です。

着用時期や着用シーン

絹素材は、夏には「絽(ろ)」や「紗(しゃ)」といった、涼しげな織りの生地を選べば、1年を通して着られます。保温性にも優れているため、寒い冬でも暖かく過ごせるのが魅力です。

留袖や振袖のように格が高い着物も絹で作られており、結婚式や式典といったフォーマルなシーンに最適です。その美しい光沢と、体に沿って優美なラインを描く特性から、着る人を華やかに、そして上品に見せてくれます。

綿とは

綿は、綿花の繊維を紡いだ糸で作られた生地のこと。

繊維が太く丈夫で、生地の表面が滑りにくいため、初心者でも着付けがしやすいのが特徴です。

綿素材の着物は、素朴で気取らない、カジュアルで親しみやすい印象を与えます。

綿素材の着物|メリット

● 自宅で洗濯ができる
● 耐久性に優れている
● 吸汗性が高い

気兼ねなくお洗濯できる手軽さが、綿素材の大きな利点です。

綿素材の着物|デメリット

● 乾きにくい
● 日光で変色しやすい

お洗濯後は、風通しの良い日陰でしっかり乾かすことが長持ちの秘訣です。

着用時期や着用シーン

綿素材の着物は、普段着やおしゃれ着として着用するのがオススメです。通気性や吸湿性が良く、肌触りも優しいため、初夏から初秋に着る「単衣(ひとえ)」の着物や、浴衣にも多く使われています。

麻とは

麻は、植物の繊維から作られる生地です。

とくに上質な麻織物として知られる「上布(じょうふ)」は、苧麻(ちょま)という植物を原料にしています。

独特のハリとシャリ感があって丈夫な麻素材は、絽や紗など夏用の着物にも使われる場合が多く、涼やかでおしゃれな印象があります。

麻素材の着物|メリット

● 軽い
● 吸水性がある
● 通気性が良い

日本の蒸し暑い夏を、最も快適に過ごせる素材といえるでしょう。

麻素材の着物|デメリット

● 生地が硬く伸縮性に劣る
● シワになりやすい
● カビに弱い

麻特有の風合いと上手に付き合いながら、シワや湿気の対策を心がけましょう。

着用時期や着用シーン

麻素材の着物は通気性に優れているため、主に夏(7月〜8月)を中心に、単衣の時期である6月や9月にも着用できます。着用シーンに関しては、あくまでもおしゃれ着としての着用が基本です。

高級着物として知られる上布であっても、麻素材はフォーマルなシーンには向いていません

ウールとは

ウールは、動物由来の素材で、主に羊の毛から作られるのが一般的です。ほかの素材よりも厚みがあり、暖かい着心地のため、多くは冬の着物として用いられています。

着物の素材としては比較的新しく、昭和時代に入ってから広く作られるようになりました。

ウール素材の着物|メリット

● 肌触りが柔らかい
● 吸湿性が良い
● 保温性が高い
● 汚れに強い

高い保温性と扱いやすさを両立した、冬の普段着にぴったりの素材です。

ウール素材の着物|デメリット

● 虫食いの被害に遭いやすい
● 日光で変色しやすい

保管の際は、何よりも虫食い対策を徹底することが大切です。

着用時期や着用シーン

冬のイメージが強いウール素材ですが、「夏ウール」と呼ばれるサマーウールの生地もあり、盛夏を除けば比較的長いシーズン着られる着物です。

普段着として着用するのが一般的であるため、フォーマルなシーンには向きません。

観劇やショッピング、友人とのランチなど、気軽なお出かけに楽しめるのがウール素材の魅力です。

ポリエステルとは

ポリエステルは、石油を原料とする化学繊維です。大量生産が可能で、着物素材としては比較的手頃な価格で手に入るのが特徴です。

かつては「安っぽい」というイメージもありましたが、技術の進歩により、近年では正絹と見紛うほどの美しい光沢や、しなやかな風合いを持つ「高級ポリエステル」も登場しています。

特別な保管方法も必要ないため、気兼ねなく着物を楽しみたい初心者の方にも最適です。

ポリエステル素材の着物|メリット

● 耐久性に優れ丈夫
● シワになりにくい
● 型崩れしにくい

天候や汚れを気にせず着用できる、現代のライフスタイルに合った素材です。

ポリエステル素材の着物|デメリット

● 通気性・吸湿性が低い
● 静電気が発生しやすい
● 生地が滑りやすく着崩れしやすい

機能性を理解し、季節や着付けを工夫することで、より快適に着こなせます。

着用時期や着用シーン

熱がこもりやすいため夏場にはあまり向きませんが、それ以外の季節であれば一年を通して着られます。

お手入れが簡単なことから、普段着やカジュアルシーンで重宝するほか、最近では成人式の振袖や卒業式の袴などにもポリエステル素材が使われるようになりました。

見た目の質感が向上しつつあるポリエステルは、現代の着物における可能性を広げています。

着物の素材の見分け方

着物の素材の見分け方

着物の素材は、見た目や質感がそれぞれ異なっています。

しかし、着物に慣れていない方にとって、生地を一目見ただけで素材を正確に見分けるのは難しいでしょう。

そこで、ご紹介した5つの素材について、ご自宅でできる簡単な見分け方を解説します。

絹の見分け方

上品な光沢があるか
● 手触りがしっとりとなめらか
● 触れていると人肌のぬくもりが伝わるか

絹素材を見分けるには、まず光沢と手触りを確認しましょう。

絹には、内側から発光するような、上品で奥ゆかしい光沢があります。手触りは非常になめらかで、しばらく両手で挟んでいると、じんわりとぬくもりが伝わってくるのも絹ならではの特徴です。

また、高級な絹の着物は、基本的に手縫いで仕立てられています。

麻の見分け方

● 独特のハリ感があるか
● 生地が硬めでシャリ感があるか
透け感があるか

麻素材は、特有のハリ感や硬さがあるため、触ってみるのが一番です。

比較的、織り目が荒く、生地自体に透け感があるのも「麻素材を見分けるポイント」として、覚えておくと良いでしょう。

綿の見分け方

● 生地の質感がマット
素朴で優しい肌触り

綿素材を見分けるには、光沢の有無を確認します。

綿素材の着物には、絹やポリエステルのような光沢がありません。

肌触りは優しく、どこか素朴な印象も感じられます。

ウールの見分け方

ザラザラ・チクチクした肌触り
● 生地に厚みがあるか

ウール素材の見分け方は、生地を触ったときの感触です。

ザラザラやチクチクとした「ウール特有の肌触り」が感じられれば、ウール素材だと判断できます。

生地自体が厚く、他の素材よりもふっくらとしたボリューム感があります。

ポリエステルの見分け方

化学繊維特有の強い光沢があるか
つるんとした無機質な感触

ポリエステル素材は光沢があり、一見すると絹の着物と見分けが付きにくい場合があります。

見分けるポイントは「手触り」です。

ポリエステル素材は、つるんとした滑りの良い感触ですが、絹ほどのしっとりとした柔らかさや、ぬくもりは感じられません。

着なくなった着物は買取も視野に入れてみる

着なくなった着物は買取も視野に入れてみる

親や祖父母から受け継いだ大切な着物や、気に入って買った着物も、環境や気持ちの変化などで、着る機会がなくなってしまうケースはよくあります。

お手入れを続け、良い状態を保てるのであれば、そのまま保管しておいても問題はありません。しかし、デリケートな着物のお手入れや、かさばる保管に負担を感じている方も多いはずです。

そのようなときは、「着物買取」も視野に入れてみてはいかがでしょうか。しまいっぱなしの着物が、次に大切に着てくれる方の元で、再び輝いてくれるかもしれません。

高価買取になりやすい着物の素材とは

高価買取になりやすい着物の素材とは

この記事でご紹介した5つの着物素材には、高価買取になりやすいものと、そうでないものがあります。

中でも最も高価買取になりやすいのは、絹(正絹)の着物です。

素材自体が貴重な上、生産に大変な手間と時間がかかっているため、買取価格も高く評価される傾向にあります。また、絹以外では麻素材の「上布(じょうふ)」と呼ばれる、織物(宮古上布・芭蕉布など)も希少価値が非常に高く、高価買取が期待できます。

一方で、綿やウール、ポリエステルの着物は主に普段着用するものです。これらは比較的安価で大量生産されたものが多いため、高価買取となるケースは少なくなります。

もちろん、着物の価値は素材だけで決まるわけではありません。

人間国宝に認定された作家の作品や、希少な伝統工芸品などは、素材の種類を問わず、非常に高い価値が付く可能性があります。

ただし、どのような価値あるお品物であっても、最終的な査定額を大きく左右するのはお品物の状態です。

虫食いやシミ、カビ、色褪せといった傷みが目立つ場合は、残念ながら価値は下がってしまいます。

着物買取は「福ちゃん」にご相談ください

着物買取は「福ちゃん」にご相談ください

着物の買取が初めてで、迷いやお悩みがある方へ。

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安心できる着物買取なら、ぜひ福ちゃんにご相談ください。

着物買取に関するQ&A

着物買取に関するQ&A

Q1.素材がわからない着物でも、買い取ってもらえますか?
A1.もちろんです。専門知識豊富な査定士がしっかりと素材や価値を判断いたしますので、お客様ご自身で素材がわからなくても、まったく問題ございません。安心してお任せください。

Q2. シミや虫食いがある着物でも、買取は可能ですか?
A2. はい、買取可能です。状態によって買取価格は変動しますが、古い着物や多少の傷みがあるものでも、価値あるお品物は多くございます。「これは売れないかも」とあきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。

Q3. 絹以外の素材(綿やポリエステル)の着物は売れますか?
A3.買取対象となります。一般的に高価買取になりやすいのは絹や麻ですが、デザイン性の高いブランドの浴衣など、綿やポリエステルでもお値段が付くケースはございます。どのような素材の着物も、まずは査定をご依頼ください。

無料でご相談・
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お電話が混雑しており繋がらない場合は大変申し訳ございませんが時間を空けてお問合せください。

まとめ

今回は、着物の基本となる5つの素材について、その特徴から見分け方まで詳しく解説しました。

素材ごとの違いを知ることは、単なる知識の習得に留まりません。

TPOに合わせた品格ある装いや、大切な着物を美しく長持ちさせるお手入れ方法を知るための、「重要な道しるべ」となります。

この記事が、お客様の着物ライフをより豊かに、そして自信に満ちたものにする一助となれば幸いです。

また、もしご自宅に眠っている着物があり、「価値を知りたい」「次に大切にしてくれる方へつなぎたい」とお考えでしたら、ぜひ私たち福ちゃんにご相談ください。

お客様が安心して第一歩を踏み出せるよう、福ちゃんは「不安を解消する3つの無料・安心サービス」をご用意しております。

● 出張料・査定料・キャンセル料など各種手数料はすべて無料

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