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  • 2025.05.23

買取可能な長襦袢とは|知っておくべき買取の注意点とコツ

長襦袢って買取してもらえるの?手放したいけれど、捨てるのはもったいない!

長襦袢は肌着に近いアイテムだけに、「買取は無理」と思い込んでいませんか? 実は、長襦袢は着物の着こなしを左右する重要な役割を担っており、買取業者によっては買い取ってもらえるケースがあるのです。

そこで今回は、「長襦袢の買取」をテーマに、どのような長襦袢なら買取可能なのか、その特徴を詳しく解説します。

さらに、買取価格アップを目指せる「保管方法」や「お手入れのコツ」もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

この記事を読めば、長襦袢の買取に関する読者様の疑問やお悩みが、きっと解決するはずです。

長襦袢とは|肌襦袢・半襦袢との違い

長襦袢とは

長襦袢(ながじゅばん)は、着物専用の下着(インナー)である、「襦袢」の一種です。

襦袢には、長襦袢のほか、「肌襦袢(はだじゅばん)」「半襦袢(はんじゅばん)」といった種類があります。

● 肌襦袢
● 長襦袢
● 半襦袢

一般的に、肌襦袢の上に着物を直接着ることはなく、肌襦袢と着物の間に「長襦袢」または「半襦袢」を着用します。

ここでは、それぞれの襦袢の役割と特徴について見ていきましょう。

肌襦袢|汗や汚れを防ぐ直接肌に着る下着

肌襦袢は、素肌の上に直接着用する和装用の下着(インナー)です。

主な役割は、着物や長襦袢に汗や皮脂などの汚れが付着するのを防ぐことです。袖は短く細めの筒袖で、着物のような衿(えり)はありません。

着物を着用した際に、肌襦袢が外から見えないように仕立てられているのが特徴です。素材は吸湿性の良いさらしやガーゼといった木綿が使われることが多く、色は白が一般的です。

長襦袢|着姿を整え、おしゃれも楽しむ下着

長襦袢は肌襦袢の上、着物の下に着用する和装用の下着です。

形状は着物に非常に似ており、着物本体の汚れを防ぐだけでなく、防寒の役割も果たします。また、着物の衿周りや袖口、振り(袖の開いた部分)から長襦袢がのぞくため、コーディネートの一部としても非常に重要です。

長襦袢に付ける「半衿(はんえり)」は、フォーマルシーンでは白無地を、カジュアルシーンでは色柄物や刺繍入りのものを選ぶなど、TPOや着物に合わせて使い分けます。

長襦袢を正しく美しく着付けることは、着崩れを防ぎ、着物姿全体のシルエットを美しく見せるための大切なポイントです。

半襦袢|手軽に着付けできる便利なアイテム

半襦袢は、「肌襦袢」と「長襦袢」の機能を一部併せ持ったようなアイテムです。

多くの場合には肌襦袢の上に着用し、長襦袢を省略して着物を着られます。そのため、着付けを手軽に済ませたい場合に便利です。長襦袢と同じように衿が付いていますが、丈がおおよそ腰までのため、裾よけやステテコなどと組み合わせて使用するのが一般的です。

素材は通年使える、「綸子(りんず)」「縮緬(ちりめん)」「ポリエステル」などのほか、夏用として「絽(ろ)」「紗(しゃ)」「麻」などが用いられます。

長襦袢の素材

長襦袢の素材

長襦袢の価値を左右する4つの素材

長襦袢に使われる主な素材には、以下の4種類があります。

● 正絹(しょうけん)
● 木綿
● ウール
● 化学繊維

着物と同様に、長襦袢も素材によって特徴や、適した用途や買取時の評価が異なります。

それぞれの違いをしっかり確認しましょう。

正絹|最高級素材でフォーマルにも対応

絹100%で作られた正絹は、長襦袢の素材として最高級とされています。なめらかで肌触りが良く、上品な光沢と高級感が魅力です。通気性や吸湿性にも優れているため、汗ばむ季節でも比較的快適に過ごせます。

冠婚葬祭といったフォーマルなシーンでは、正絹の長襦袢を着用するのが基本的なマナーです。もちろん、カジュアルなシーンでも着物の格や雰囲気に合わせて使用でき、非常に汎用性の高い素材といえるでしょう。

木綿|普段着に最適、お手入れ簡単な丈夫な素材

木綿の長襦袢は、通気性が良く、さらりとした着心地が特徴です。ご自宅で洗濯ができるため、お手入れが簡単なのも嬉しいポイント。比較的安価でありながら、耐久性も高いのがメリットです。

ただし、木綿の長襦袢はカジュアルシーン専用で、フォーマルな場には適していません。主に普段着の着物に合わせて着用すると覚えておきましょう。

ウール|冬の防寒対策に優れた温かい素材

冬場や肌寒い季節の防寒対策として、最適なのがウールの長襦袢です。

繊維の間に空気を含む性質があるため、保温性に優れ体を温かく保ってくれます。また、吸湿性にも富み、吸収した水分をゆっくりと放出するのもウールの特徴です。この性質により、たとえば暖房の効いた室内と寒い屋外との気温差がある場面でも、体温調節を助けてくれます。

ウールの長襦袢は、カジュアルなおしゃれ着や普段着の着物に合わせて着用しましょう。

化学繊維|手頃な価格でお手入れ楽々な現代素材

ポリエステルに代表される化学繊維は、ご紹介した4種類の素材の中で最も安価で手軽に購入できます。洗濯機で丸洗いでき、乾燥も早く、シワになりにくいなど、お手入れが非常に楽なのが最大のメリットです。

一方で、吸湿性が低いため、汗を多くかく季節の着用にはあまり向いていません。また、乾燥する季節には静電気が発生しやすいというデメリットもあります。

長襦袢にはあまり予算をかけたくない」「とにかく手軽さを重視したい」という場合には、選択肢の1つとなるでしょう。

買取可能な長襦袢とは

買取可能な長襦袢とは

どのような長襦袢なら買取可能?3つのチェックポイント

では、実際に買取業者はどのような長襦袢を買い取ってくれるのでしょうか?

買取が期待できる長襦袢の主な特徴は、以下の3点です。

● 素材が優れている(とくに正絹)
● 状態が良い(シミ・汚れ・傷みがない)
● 人気の色や柄である

長襦袢は下着(インナー)という性質上、すべての買取業者が積極的に取り扱っているわけではないのが現状です。

そのため、買取をご希望されるなら、上記3つのポイントを押さえておくことがより重要になります。

素材が優れた長襦袢|正絹はとくに高評価

素材が優れている長襦袢、とくに正絹のものは買い取ってもらえる可能性が高まります。正絹のような高級素材の長襦袢は、新品で購入すると高価になりがちです。

そのため、質の良いものを中古で手に入れたいという需要があり、買取業者もその需要を見込んで買い取ってくれることがあります。

また、新しく状態の良い正絹の長襦袢ほど、買い取ってもらいやすい傾向にあります。

状態の良い長襦袢|シミ・汚れ・傷みがないことが基本

長襦袢の状態が良いことも、買取の可否を左右する重要なポイントです。肌に近い場所で着用する長襦袢は、どうしても汗ジミや皮脂汚れなどが付きやすいアイテム。そのため、シミや黄ばみ、汚れがなく美しい状態が保たれていれば、査定額アップも期待できます。

もちろん、虫食いやカビ、生地の擦り切れなどの傷みがないことも重要です。たとえ一度も袖を通していない未使用品であっても、正絹やウールといった天然素材は、保管状態が悪いと虫食いやカビが発生しやすいため注意が必要です。日頃からお手入れや保管方法に気を配り、良い状態を保つことが高価買取への近道となります。

人気の色・柄の長襦袢|コーディネートしやすいものが狙い目

需要の高い人気の色や柄の長襦袢であれば、買い取ってもらえる可能性はさらに高まります。長襦袢は着物の袖口や振りから、ちらりとのぞくため、着物とのコーディネートを意識したおしゃれな色柄が好まれる傾向にあります。

たとえば、絞り染めが施された絵羽(えば)模様の襦袢や、手の込んだ刺繍(ししゅう)があしらわれたものなど、新品では高価な長襦袢は中古市場でも人気です。

一般的にフォーマルシーンにも使える白のほか、淡いピンクや水色、クリーム色といった顔映りの良い優しい色合いのものは、さまざまな着物に合わせやすく汎用性が高いため人気があります。

長襦袢の買取相場

長襦袢の買取相場

気になる長襦袢の買取相場は?

残念ながら、長襦袢単体での買取相場は、着物に比べると大幅に低いのが一般的です。状態や素材にもよりますが、多くの場合で購入時の価格の1割以下、場合によっては数千円程度の査定額になることも珍しくありません。

素材が正絹以外の長襦袢(木綿・ウール・化学繊維など)については、とくに注意が必要です。ほとんどの場合、買取価格がつかないか、買取自体を断られる傾向にあります。

どうしても長襦袢を買い取ってもらいたい」という場合は、着物とセットにして査定に出すのが最も現実的な方法です。着物の種類や価値によっては、長襦袢も一緒に引き取ってもらえる可能性が高まります。

長襦袢の買取|保管に注意!

長襦袢の買取|保管に注意!

買取額アップの鍵!長襦袢を良い状態で保つ3つの保管方法

長襦袢は、適切な保管を心がけることで、長期間良い状態を保てます。素材や色柄そのものを変えることはできないものの、虫食いやカビ、シワといった状態の悪化は、日頃のちょっとした努力で防ぐことが可能です。

ここでは、買取査定額アップにもつながる、長襦袢の基本的な3つの保管方法をご紹介します。

ぜひ実践して、大切な長襦袢を良いコンディションで保ちましょう。

しまい方|湿気を避けて優しく保管

長襦袢は、着用後やお手入れ後、丁寧に畳んでから「たとう紙(文庫紙ともいいます)」に包み、桐たんすや着物専用の収納ケースにしまいましょう。

桐たんすは調湿効果に優れており、湿気を嫌う着物や長襦袢の保管に最も適しているとされています。

もし桐たんすがない場合でも、湿気がこもらないように注意すれば問題ありません。除湿剤を適切に使用したり、風通しの良い場所を選んだりするなど、保管場所の環境に工夫を凝らしましょう。

長襦袢を何枚か重ねて収納しても構いませんが、重ねすぎると下のものが圧迫されてシワの原因になるため、詰め込みすぎないよう注意が必要です。

防虫の仕方|虫食いから守るために

正絹やウールといった天然素材の長襦袢は、とくに虫食いの被害に遭いやすいため、防虫対策も忘れずに行いましょう。

衣類用の防虫剤を使用する際は、においの少ない着物専用のものを選び、直接生地に触れないようにたとう紙の上などに適量置くのがオススメです。

ウール素材は正絹よりも、さらに虫食いが発生しやすいといわれています。

可能であれば、ウール素材のものと他の素材のものは分けて保管するか、とくに注意して防虫対策を行ってください。

防虫剤は、必ず使用期限を守り、効果が持続しているものを使うようにしましょう。種類が異なる防虫剤を同時に使うと化学反応を起こすことがあるため、1種類に絞って使用するのが基本です。

虫干しの仕方|年に数回の風通しでリフレッシュ

定期的に「虫干し(むしぼし)」または「陰干し(かげぼし)」を行うことで、湿気を飛ばし、虫食いやカビのリスクをさらに減らせます。

虫干しは、年に1~2回程度、空気が乾燥した晴れた日に、風通しが良く直射日光の当たらない場所で行いましょう。春先の湿度が低い時期や、秋の空気が乾燥した頃が適しています。

着物専用のハンガーに長襦袢をかけ、表面のほこりを柔らかいブラシなどで優しく払い、4時間程度干すと良いでしょう。

この機会にシミや汚れ、生地の傷みなど、長襦袢全体の状態を隅々までチェックしておくのもオススメです。早期発見できれば、対処できることもあります。

虫干しが終わったら、前述の「しまい方」のとおり、丁寧に畳んでからたとう紙に包んで保管しましょう。

買取の前に|長襦袢のお手入れ法

買取の前に|長襦袢のお手入れ法

長襦袢は肌に近い場所で着用するため、見た目の清潔さや衛生面を考慮し、着用後のお手入れが非常に大切です。1日着用した長襦袢は、目に見える汗をかいていなくても、体温や湿気をたっぷりと吸収しています。

そのため、長襦袢を脱いだらまずは、着物用ハンガーにかけて風通しの良い場所で湿気や熱を十分に逃がしましょう。半日~1日程度陰干しするのが理想です。

ご家庭で洗える素材(木綿や化学繊維など)の長襦袢であれば、洗濯表示を確認の上、優しく手洗いするか、洗濯ネットに入れて洗濯機の弱水流(手洗いコースなど)で洗いましょう。

正絹などご家庭での洗濯が難しいデリケートな素材の場合は、無理せず着物専門のクリーニング店に依頼するのが安心です。

福ちゃんの無料査定がオススメ!

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長襦袢の買取なら「福ちゃん」へ!着物と一緒の査定がオススメ

お手持ちの長襦袢の買取をご希望でしたら、ぜひ着物買取専門店「福ちゃん」の無料査定をご利用ください。

福ちゃんでは、長襦袢単品での買取は難しい場合がございますが、お手持ちの着物(できれば長襦袢とサイズが合うもの)とセットであれば、喜んで査定させていただきます。

振袖・訪問着・留袖・付け下げ・小紋など、さまざまな種類の着物買取を行っており、着物の種類や状態、作家物や希少品などの付加価値によっては高価買取も。また、着物や長襦袢だけでなく、帯・帯締め・帯揚げといった和装小物をまとめて査定にお出しいただくと、買取額がさらにアップする可能性もございます。

福ちゃんでは、専門知識豊富な査定士が、お客様のお品物を一点一点丁寧に拝見し、価値に見合う買取価格をご提示いたします。査定後に買取成立とならなかった場合でも、手数料や出張料などは一切いただきませんので、どうぞご安心ください。 

「まずは相談だけしてみたい」「この長襦袢と着物、どれくらいの価値があるのかな?」といったご要望も大歓迎です。

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まとめ

長襦袢1つで、着こなし全体の印象は驚くほど変わります。

単なる下着(インナー)としてだけでなく、着物を美しく着こなし、ときには個性を表現するおしゃれアイテムとして、長襦袢は和装に欠かせない存在です。

着物のおしゃれにこだわる方ほど、長襦袢の素材や色柄に加え、着心地にも気を配るものです。この記事をきっかけに、ぜひ長襦袢の奥深い魅力に触れ、こだわりの和装を楽しんでみてください。

そして、もしお手元に着なくなった長襦袢があり、その処分にお困りでしたら、今回の内容が少しでもお役に立てれば幸いです。

長襦袢単体での買取は、対応している業者が限られます。しかしながら、あきらめる前に、まずは着物とセットで専門業者に相談してみるのが賢明なご判断といえるでしょう。

買取実績が豊富な「福ちゃん」には、着物の価値を熟知した経験豊かな査定士が在籍しております。お客様の大切な着物や長襦袢を丁寧に査定し、ご納得いただける適正価格の提示を心がけております。

お客様がこれまで大切にされてきたお品物への想いも汲み取り、次の方へと大切におつなぎするお手伝いができれば幸いです。

無料の出張買取サービスも、お品物が多い方や、ご自宅での査定を希望されるお客様に大変ご好評いただいております。

まずはお電話やウェブサイトから、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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