- 着物
- 2025.07.13
綿さつま絣は高価買取を期待できる?査定額アップのポイントとは

タンスに眠っている「綿さつま絣」は、ご自身が想像している以上の価値を持っているかもしれません。
宮崎県都城市でつくられている藍染めの木綿絣、綿さつま絣。その滑らかな肌触りはまるで絹のようで、綿織物の中でも最高品質とされています。
木綿の着物は一般的に、絹の着物と比べて買取額が低い傾向にあります。しかし、綿さつま絣はその品質の高さから、予想以上の価格で買い取ってもらえる可能性があるのです。
この記事では、所有者なら知っておきたい、綿さつま絣の価値を最大化する査定額アップのポイントをご紹介します。
「綿さつま絣の買取で後悔したくない」「できるだけ高く買取してもらいたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。
綿さつま絣の歴史

「綿さつま絣」は代表的な呼び名で、そのほかに「薩摩絣」「綿薩摩」「薩摩木綿」と呼ばれることもあります。
ここでは、その歴史を簡潔に見ていきましょう。
綿さつま絣が高く評価される理由がおわかりいただけるかと存じます。
綿さつま絣の始まりは、薩摩藩が琉球王国へ進攻した1609年にまで遡ります。当時、琉球で織られた絣が献上品として薩摩藩へ納められ、その技術が伝わったことがきっかけで、綿さつま絣が生まれたとされているのです。
その頃はまだ、「最高品質の綿織物」という位置付けではなく、「庶民が着る普段着」として扱われていました。
その後、ある出来事がきっかけで転機が訪れます。
第二次世界大戦後の鹿児島では、奄美大島を中心につくられる高級絹織物「大島紬」の生産が主流となり、さらに、日常着としての着物需要が減少したことも相まって、綿さつま絣は衰退の一途をたどります。
このような状況下で、伝統を守りながら、絹にも負けない「新しい綿さつま絣」を創造しようと考えた人物がいました。その人物こそが、宮崎県都城市にある工房「東郷織物」の創設者、永江明夫氏です。
明夫氏の祖父は、大島紬の絣模様作りに用いる「締機(しめばた)」の開発者の1人、永江伊栄温氏であり、幼い頃から織物は身近な存在でした。
明夫氏は、大島紬の絣技術を応用し、絹の大島紬にも劣らない着心地や風合いを綿で表現しようと考案。
絹を前提とする技法を綿に用いることは極めて困難でしたが、明夫氏はあきらめませんでした。そして試行錯誤の末、15年もの歳月をかけて「最高品質の綿織物」を完成させたのです。
こうして「綿さつま絣」は、最高級の綿織物として現在の地位を確立しました。
査定・出張費・手数料はすべて無料。

綿さつま絣の制作工程

大島紬とほぼ同じ工程でつくられている「綿さつま絣」。
具体的には、どのような工程を経て完成するのでしょうか。
綿さつま絣の制作工程は、大きく3つに分類され、それぞれに独自性があります。
・絣括り
・染色
・織り
各工程について、詳しく見ていきましょう。
絣括り(かすりくくり)
絣とは、あらかじめ染め分けた糸を使って織ることで、絵柄を表現する技法を指します。
この技法で重要となるのが、「絣括り」と呼ばれる工程です。織ったときに絵柄になる部分に糸を巻き付けて防染することで、染料に浸した際にその部分が染まらないようにします。
綿さつま絣では、この絣括りの作業を、大島紬で広く使われている「締機(しめばた)」によって行います。
手作業で絣糸を1つずつ括るのに比べ、締機は一度に多くの絣糸をつくることが可能です。
染色
絣括りを終えたら、綿さつま絣の大きな特徴でもある「藍染め」を行います。
綿さつま絣ならではの深く美しい藍色を出すためには、何度も繰り返し染め上げる必要があります。
しかし、染めを繰り返すと糸が傷みやすく、品質を損なわずに染め上げるには高度な技術が求められるのです。
染色後、括っていた糸を解くと、防染された部分が白く残り、精緻な模様を織りなす絣糸が完成します。
織り
完成した絣糸を使い、いよいよ生地を織り上げていきます。
綿さつま絣では、経糸に「80番手」と呼ばれる、木綿の中でも極めて細い糸を使用して織り上げるのが特徴です。
糸が細いため、力を入れすぎると切れてしまい、織り手には高度な技術と熟練の勘が求められます。その上、木綿糸は絹と比べて滑りが悪く、美しい絣柄を表現するには、こまめな調整が不可欠です。
少し織っては糸のズレや張り具合を直すという、繊細で神経を使う作業を経て、ようやく生地が完成します。
この織りの工程には独自の技術が詰まっており、一反織るのに半年もの時間を要するといわれています。
担い手もごくわずかのため生産量は限られており、呉服屋などで目にすることは稀です。
綿さつま絣の魅力

ここまでご紹介した工程を経てつくられた綿さつま絣には、さまざまな魅力があります。
まず挙げられるのが、思わず纏っていたくなるような着心地のよさです。
木綿の中でも極細の糸を使うことで、軽く肌に吸い付くような、「しなやかな風合い」を生み出しています。
絹のような光沢があるのも、綿さつま絣の魅力です。
極細の糸を用いるだけでなく、織り手の高度な技術があるからこそ、一般的な綿織物とは一線を画す、洗練された雰囲気が生まれます。
その優れた着心地と品のある光沢感から、綿さつま絣は「綿のダイヤモンド」とも称されています。
さらに、綿さつま絣に魅了された著名人も少なくありません。
「誠実無比」
これは、著名な小説家「武者小路実篤(むしゃのこうじさねあつ)」が、その肌触りや類のない着心地や絣柄の素晴らしさに感動し、綿さつま絣に贈った言葉です。
このような名高い文化人をも虜にした物語性こそ、現代の買取市場においても高く評価される理由なのです。
綿さつま絣の買取額をアップさせるためのポイント

上記のような魅力を持つ綿さつま絣は、買取に出した際、他の綿織物よりも高く評価されやすい傾向にあります。
とはいえ、いくつかのポイントを知っているかどうかで、査定額に「大きな差」が出ることも。
この章では、綿さつま絣の価値を最大限に評価してもらうために知っておきたいポイントをご紹介します。
・証紙も一緒に用意する
・良好な保存状態を維持する
・無理なお手入れはしない
・早めに査定に出す
・複数の業者で査定してもらう
証紙も一緒に用意する
証紙とは、着物の価値や品質を示す証明書のようなもので、「織元」「伝統的工芸品マーク」「素材」などの情報が記されています。
査定時にこの証紙がそろっていると、対象の着物が正真正銘の本物であることを証明できるため、買取額アップが期待できるのです。
綿さつま絣を生産している織物工房「東郷織物」の商品には、「正藍染」と書かれた証紙などが付いています。
そのほかに、永江明夫氏が手がけた作品には、「永江明夫」という縦書きのサインが入った証紙が付いていることも。

着物と一緒に証紙を保管されている場合は、査定時に必ずセットで出すようにしましょう。
良好な保存状態を維持する
綿さつま絣の買取額に大きな影響を与えるのが、保存状態です。
シミや型崩れなどがない綺麗な着物は需要が高く、高価買取を狙いやすくなるため、日頃から適切な環境で良好な状態を維持しましょう。
たとえば、綿さつま絣の着用後はすぐにタンスにしまわず、陰干しで湿気を飛ばしてから保管するのが基本です。
タンスにしまう際は、着物を「たとう紙」に包むことで、湿気や摩擦から守れます。また、着物を詰め込みすぎるとシワや型崩れの原因となりますので、スペースに余裕を持たせた保管を心がけましょう。
無理なお手入れはしない
「買取額アップのために、できる限りお手入れをしてから査定に出そう」
とお考えになる方も、多いことでしょう。
しかし、ご自宅での無理なお手入れは「避けるべき選択」です。
なぜなら、着物を洗剤で洗ったり擦ったりしたことで、かえって状態が悪化するケースがあるからです。
専門業者でのクリーニングも、買取額がその費用を上回らないケースも少なくありません。
やわらかい布でホコリを優しく払う程度に留め、着物を傷める恐れのあるお手入れは行わず、そのままの状態でご相談いただくのが最善です。
早めに査定に出す
「もう着る予定がない」と感じる綿さつま絣は、まさに今が価値のピークかもしれません。着物は着用せずとも、時間と共に少しずつ状態が変化していきます。コンディションが良いうちに査定に出すことが、高価買取につながる重要なポイントです。
「着物を保管しているうちにシミができていた」「もっと早く査定に出していれば高く売れたかも……」と後悔しないためにも、手放すと決めたら、できるだけ早くご依頼いただくことをオススメします。
多くの買取業者では、査定後のキャンセルも無料です。まずは査定に出し、どれくらいの価値があるのかを確かめるだけでも、納得のいく手放し方につながります。
「買取福ちゃん」でも、査定料やキャンセル料などの費用は一切いただいておりません。
着物1点からでも査定を承りますので、お気軽にご相談ください。
複数の業者で査定してもらう
「他の業者ならもっと高く売れたかもしれない……」
という後悔を避けるには、複数の業者に査定を依頼し、最も納得のいく評価をしてくれた業者を選ぶと良いでしょう。
複数の業者に依頼すれば、お持ちの着物の相場観がわかります。
万が一、不当に安い価格を提示する業者に当たってしまっても、その価格が適正でないことに気づき、その場で断ることが可能です。また、他社の査定額を伝えることで、価格交渉が有利に進む可能性もあります。
綿さつま絣の買取なら「福ちゃん」へ

実際に買取に出すとなると、どの業者に依頼すれば良いか、迷われるかもしれません。
そのような場合は、着物の買取専門業者である「福ちゃん」のご利用をぜひご検討ください。
ここでは、福ちゃんをご利用いただく主なメリットをご紹介させていただきます。
・着物の豊富な買取実績
・手数料が無料
・選べる買取方法
着物の豊富な買取実績
福ちゃんは、「訪問着」「紬」「振袖」「留袖」「付け下げ」など、多種多様な着物の豊富な買取実績がございます。
この実績は、多くのお客様から選ばれ続けてきた「信頼の証」です。これまでに蓄積された経験とデータに基づき、価値あるお品物を決して見逃すことなく、適正な査定額をご提示いたします。
また、独自の再販ルートを確保することで、幅広い着物の買取を実現しているのも「福ちゃんの強み」です。
状態が理由で他店様で買取を断られてしまったお品物も、ぜひ一度ご相談ください。
手数料が無料
査定料・出張料・キャンセル料など、お客様にご負担いただく手数料はすべて無料です。
「まずは価値を知りたいだけ」という場合も、金銭的なご負担なく、査定額を聞いた上でじっくりとご検討いただけます。
タンスに眠っている着物を手放すかどうかの判断材料として、ぜひ福ちゃんの無料査定をお役立てください。
選べる買取方法
福ちゃんの着物買取では、お客様のご都合に合わせて、以下2つの買取方法をお選びいただけます。
【出張買取】
査定士がお客様のご自宅を訪問し、目の前で査定させていただく買取方法です。「品数が多くて運ぶのが大変」という場合にはとくに便利です。玄関先での査定も可能ですので、ご不安な方もご安心ください。
【店舗買取】
お近くの店舗へお品物をお持ち込みいただく買取方法です。福ちゃんの店舗はすべて直営店であり、お客様のことを第一に考えた接客を心がけております。ご予約不要の店舗もございますので、お出掛けのついでなどにお気軽にご利用いただけます。
いずれの買取方法も、着物の知識を豊富に持つ査定士が担当いたしますので、安心してご依頼ください。
まとめ

この記事では、「綿さつま絣」の買取について解説しました。
「木綿の着物は、買取に出しても値段が付かないのでは?」
このようなイメージをお持ちの方も少なくありません。
しかし、綿さつま絣は、絹を思わせる光沢感や類のない着心地のよさから、綿織物の中でも別格の高級品として扱われています。
一般的な綿織物とは一線を画す綿さつま絣は、中古買取市場でも人気が高く、予想以上の価格が付くことも珍しくありません。
お持ちの綿さつま絣の具体的な価値をお知りになりたい場合は、ぜひ福ちゃんの無料査定をご利用ください。
着物の知識と買取経験に富んだ専門の査定士が、お客様の大切なお品物を一点一点丁寧に拝見し、査定額の根拠となった理由まで、しっかりとご説明いたします。
「値段が付かなくても、話だけでも聞いてみたい」といったご相談も、もちろん大歓迎です。
お客様からのお問い合わせを、心よりお待ちしております。