- 着物
- 2025.11.14
【注意】喪服の着物は買取可能?売れない理由と家紋・素材別の買取相場を解説

「タンスに眠っている喪服の着物がある……処分に困っているけれど、中古品として買い取ってもらえるの?」と、疑問に思っている方も多いでしょう。
結論から述べると、喪服の着物は買取が難しいです。特に、家紋が付いているものは買取不可のこともあります。しかし、絹のような良質の素材を使っていたり、他の需要のある着物とまとめて査定に出したりすれば、買い取ってもらえる可能性は十分にあるのです。
この記事では、喪服の買取が難しい理由や、どのような喪服なら価値が付くのか、専門家が正直に詳しく解説します。
【記事のポイント】
- ✅喪服の着物は需要が少なく、家紋入りは特に買取が難しい傾向があります。
- ✅通紋や正絹素材、未使用品などは買取価格が付く可能性があります。
- ✅福ちゃんでは専門査定士が一枚ずつ丁寧に査定し、すべて無料で安心して利用できます。
結論:喪服の着物は買取が難しいが、売れるケースもあります

結論として、喪服の着物は需要が限られることから、買取は難しいです。特に家紋が入った喪服は買取不可としている業者も少なくありません。
喪服の買取が難しい3つの理由
喪服の買取が難しい理由は、以下の3つです。
①需要の低さ
②家紋の問題
③縁起物としての心理
喪服は一般的な衣類と異なり、着る場面が限られています。中でも着物はスーツ以上に着る機会が少ない傾向です。また、着物は中古で購入するよりレンタルで済ませるケースも多いため、中古市場でも需要が少ないことから、業者は買取を行っていないのが基本です。
さらに、喪服の着物で問題となるのが家紋です。家紋は入れ方によって、「一つ紋」や「三つ紋」など種類があるものの、いずれの場合も特定の親族の繋がりを表します。そのため、家紋が入ったままでは買取不可としていることが多くあります。
「中古の喪服を着て葬儀に参列するのは失礼ではないか」という購入者側の心理も、買取を難しくしている原因の一つです。さらに、昔から、「喪服は死を連想するため、事前の準備は縁起が悪い」と考える傾向があります。心理的な側面からも喪服は中古で売れにくいです。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
【家紋別】買取可能になる喪服、難しい喪服

先述の通り、家紋のある喪服は買取が難しいものの、一概に言い切れる分けではありません。通紋(つうもん)のような一般的な家紋であれば買取価格が付く可能性もあります。一方、独自の家紋ではさらに買取が困難になるケースが多いため、買取に出す方法などを工夫する必要があります。
買取されやすい家紋:「五三の桐」「通紋」など
家紋は本来、苗字のように先祖から受けがれるものですが、現代では自分の家紋が分からない人も少なくありません。家紋が分からない人が礼服を着る必要がある場合は、誰でも使える「通紋」を入れた着物を着ることが多いです。
通紋には「五三の桐(ごさんのきり)」や「桔梗」「梅鉢」などいくつか種類があり、レンタルの礼服にもこれらが使われています。家紋が通紋の喪服であれば、再販がしやすく査定されやすい傾向です。
なお、買取価格の相場は数百円~2,000円前後です。家紋が通紋なのか次に紹介する定紋なのか分からないときは、買取業者に確認しましょう。
買取が難しい家紋:独自の家紋(定紋)
家紋の中でも、特定の家を表す公式の紋「定紋(じょうもん)」の入った着物は、買取が難しくなります。定紋の種類は4,000~5,000種類になるともいわれ、入っていると買い手が限定されるためです。
なお、紋の入れ方には以下の3つがあり、数が多いほど格式が高くなります。
一つ紋:背中に1つ家紋を入れた喪服
三つ紋:背中と両胸に家紋を入れた喪服
五つ紋:背中と両胸、両袖の外側に家紋を入れた喪服
格式問わず、買取価格の相場は0円~数百円程度です。定紋を染め直して買取に出すといった方法もあるものの、コストの方が大きくなるため現実的ではありません。
【素材・状態別】喪服の買取相場

喪服の買取相場は素材や状態、ブランドによっても異なります。正絹(しょうけん)で作られていれば、素材の価値が高いため査定が付く可能性があります。
また、未使用品は着物全般で買取価格が付きやすく、有名作家が作ったものやブランド品は希少価値が評価される傾向です。素材や状態別の買取価格の相場を紹介します。
正絹(夏用・冬用)の買取相場
絹100%で作られた着物生地を正絹といいます。上品な光沢と手触りの良さが魅力ではあるものの、蚕が作る繊維のため大量生産が難しく希少価値が高い素材です。
同じ喪服の着物でも正絹で作られていれば、素材の価値の高さから買取価格が付く可能性があります。特に、裏地が付いておらず向こう側が透けた見えるほど薄い夏用の「絽(ろ)」や、冬用の喪服によく使われる素材の「縮緬(ちりめん)」は値段が付きやすいです。
買取価格の相場は数百円~4,000円前後で、喪服の状態やセットかどうかも査定額を左右します。
未使用品や有名作家・ブランド品
喪服に限らず、未使用品の着物は中古市場でも需要が高く、買取価格が付きやすいです。特に、しつけ糸付きの着物は新品として扱われることが多い傾向にあります。そのため、喪服がしつけ糸が付いた状態であれば、切らずにそのまま査定に出しましょう。
また、有名作家が作ったものや、ブランドを証明する印の「落款(らっかん)」があるものは、希少価値が加味されます。落款は衿の一番下の衿先に押されることが多いものの位置に正式な決まりはありません。
未使用品や有名作家の喪服の相場は数千円~が多く、品質の他に誰が作ったものかによっても変動します。
喪服を少しでも高く売るための3つのコツ

家紋付きのように売却が難しい喪服であっても、以下のコツを抑えれば査定価格が付くことがあります。
① 帯や草履など和装小物と「おまとめ査定」に出す
② 他の着物と一緒に査定してもらう
③ 劣化する前に、思い立ったらすぐ査定へ
少しでも売却を考えているなら、早めに「おまとめ査定」を活用し、チャンスを広げましょう。
① 帯や草履など和装小物と「おまとめ査定」に出す
おまとめ査定とは、2点以上の品をまとめて査定に出す方法です。喪服の着物のように、単品で買値が付かないものも、黒共帯や草履、バッグなど、葬儀で必要になる小物一式とセットで出すと買取可能になる可能性があります。
これは、中古販売業者としても「和装喪服セット」として販売した方が、需要を見込めるためです。小物以外にも夏服と冬服のセットなども買取の可能性が高くなります。
② 他の着物と一緒に査定してもらう
喪服以外の着物があるなら、それらもまとめて査定に出すと買取価格が付く可能性があり 高まります。
例えば、フォーマルからカジュアルまでシーンを選ばず着られる訪問着や、おしゃれ着の小紋は着物の中でも需要が高いです。まとめて出せば「おまとめ査定」になる点もポイントです。
③ 劣化する前に、思い立ったらすぐ査定へ
黒の着物は色あせやカビが目立ちやすいので、状態が悪くなる前に査定に出すことが重要です。喪服は着る機会が限られるため、葬儀が終わった後でタンスにしまったきり、気が付けば劣化していることも少なくありません。
着物の状態の良さは買取価格に大きく影響します。思い立ったら、すぐに査定に出してみましょう。
買取が難しい喪服の処分・活用方法

買取は難しいけれど自分で処分するのはためらわれるなら、リメイクや寄付で新しい活用方法を見出してもよいでしょう。
特に、正絹の喪服は生地が上質なため、さまざまなアイテムにリメイクできます。例えば、和装から洋装の喪服にする、ワンピースやジャケット、バッグにするなどです。自分で裁縫するのが難しいなら、着物のリメイク専門サービスがあるので頼んでもよいでしょう。
また、NPOやNGOなどの団体の中には、喪服の寄付を受け付けているところもあります。これらの団体では、喪服をアップサイクルして日本や世界で有効活用します。喪服を捨てることに罪悪感があるなら、無償で必要な人に譲渡するのもおすすめです。
着物の買取は福ちゃんへ
喪服は基本的に買取が難しいです。価格が付かず処分に困るときは、リメイクや譲渡など、新しい喪服の使い方を考えるのも方法の一つです。
福ちゃんでは、お客さまの大切な着物を一枚一枚、丁寧に査定します。買取の予約は電話またはメールから、3ステップで簡単に申し込めます。査定料やキャンセル料などの手数料は一切かかりません。着物の処分に困っているときは、お気軽にご相談ください。