- 着物
- 2026.08.08
桐生織とは?特徴・7つの技法と買取のポイントを解説

譲り受けた着物や帯を整理していると、証紙に「桐生織」と書かれた品や、産地のわからない反物が出てくることもあります。
桐生織は、群馬県桐生市を中心とする地域で発展した織物で、複数の素材・技法・製品を含みます。国指定の伝統的工芸品としては、お召織をはじめとする7つの技法が定められています。
この記事では、桐生織の特徴、7つの技法、製造工程、見分け方、価格情報の読み方、査定前の準備までを整理しました。
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桐生織の特徴と基本情報

桐生織は、群馬県桐生市を中心とする織物産地で受け継がれてきた、多彩な紋様表現を持つ織物です。
国指定の伝統的工芸品には7つの技法が定められ、着物や帯のほか、洋服地や小物、室内装飾にも産地の技術が生かされてきました。
群馬県桐生市を中心に発展した織物
桐生織は、桐生市とその周辺で長い時間をかけて発展してきました。
産地には、製品の企画や図案作成から、撚糸、染色、製織、整理、刺繍、縫製まで、繊維製品を形にする技術が集積しています。
工程ごとに専門の事業者が関わる分業も、桐生の織物産業を支えてきた特徴のひとつ。
一口に桐生織といっても、原材料や織り方、紋様、風合い、用途はさまざまです。複数の地域、素材、技法、製品を含む産地織物として捉えると、全体像がつかみやすくなります。
「桐生織」「桐生織物」「桐生絞」の違い
「桐生織」は、国の伝統的工芸品の名称であると同時に、桐生織物協同組合が権利者となる地域団体商標にも使われています。同じ名称でも、制度の目的や対象地域、対象製品は異なります。
「桐生織物」は、桐生地域の織物産業や、そこで生産される織物を広く指す言葉です。このうち、国が定めた技法・原材料・工程の基準を満たした製品が伝統的工芸品にあたります。
「桐生絞」は、桐生織をはじめとする織物に絞りの技法を施し、染め・織り・絞りを組み合わせた群馬県指定の工芸品。国指定の伝統的工芸品「桐生織」とは別の制度で扱われます。
伝統的工芸品と地域団体商標では対象地域が異なる
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| 用語・制度 | 位置づけ | 対象地域・範囲 |
|---|---|---|
| 国指定の伝統的工芸品 「桐生織」 |
伝産法に基づき 国が指定した工芸品 |
桐生市・太田市・みどり市・足利市で 所定の技法・原材料・工程を満たすもの |
| 地域団体商標 「桐生織」 |
地域ブランドを 保護する商標 |
桐生地域由来の製法により、桐生市・伊勢崎市・ 太田市・みどり市・足利市で製造された織物など (畳べり地を除く) |
| 広い意味での 桐生織物 |
桐生地域の織物産業や 製品を表す一般的な呼び方 |
文脈により範囲が異なり 伝統的工芸品以外の織物も含む |
| 桐生絞 | 群馬県指定の工芸品 | 桐生の染め・織り・絞りを 組み合わせた製品 |
桐生織が国の伝統的工芸品に指定されたのは、1977年10月14日です。指定地域は群馬県桐生市・太田市・みどり市と、栃木県足利市の4市。
2008年2月に登録された地域団体商標「桐生織」は、その4市に群馬県伊勢崎市を加えた地域を対象としています。
指定商品は、桐生地域に由来する製法により製造された織物(畳べり地を除く)、織物の和服、織物のネクタイです。
経済産業大臣指定の伝統的工芸品「桐生織」として表示する製品は、指定された地域で、所定の原材料を用い、7技法のいずれかについて定められた製造基準を満たす必要があります。
伝統マークの証紙が付くのは、この条件を満たして産地検査に合格した品。表示を確認するときは、どの制度に基づくものなのかを見分けることがポイントになります。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
桐生織を代表する7つの技法

国指定の伝統的工芸品「桐生織」には、お召織、緯錦織、経錦織、風通織、浮経織、経絣紋織、もじり織の7技法があります。
違いを読み解くポイントは、たて糸とよこ糸のどちらで紋様を表すか、組織を何重にするか、糸を浮かせたり絡ませたりするか、表面の「しぼ」をどう作るか。
同じ産地の織物でも、技法が違えば見た目や触感、適した用途も変わります。
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| 技法名 | 紋様・組織の特徴 | 見た目や風合い | 主な用途例 |
|---|---|---|---|
| お召織 | 強く撚ったよこ糸を使い 湯もみでしぼを出す |
細かな凹凸と上品な光沢 腰のある風合い |
着尺・着物地 |
| 緯錦織 | 主によこ糸で 紋様を表す紋織物 |
色柄を豊かに表しやすく 装飾性がある |
帯地・金襴地 装飾用の裂地 |
| 経錦織 | 複数色のたて糸で 紋様を表す |
たて方向の色糸が柄を構成し 緻密な表情が出る |
着物地・帯地 装飾裂 |
| 風通織 | 表裏が転換する 二重組織 |
表裏で配色が反転するような 立体的な紋様 |
帯地・着物地 服地 |
| 浮経織 | 高密度のたて糸を浮かせて 紋様を表す重ね織 |
たて糸による 繊細な浮き模様 |
着物地・帯地 服地 |
| 経絣紋織 | 絣染めしたたて糸に 絵緯や縫取り紋を組み合わせる |
絣のにじむ表情と 織り紋様が重なる |
着物地・帯地 |
| もじり織 | たて糸を絡ませ 隙間のある組織を作る |
透け感と 軽やかさがある |
紗・絽・羅などの夏向け着物地 帯地 |
※用途は代表例です。実際の製品は、素材、糸の太さ、柄、仕立て方によっても変わります。
お召織(おめしおり)
お召織は、強く撚ったよこ糸を使い、織り上げた後の湯もみによって細かな「しぼ」を出す技法です。
しぼとは、生地表面に現れる細かな凹凸のこと。張りや腰がありながら、絹らしい光沢も感じられる点が特徴です。
国指定の基準では、お召糸に植物性の糊を手作業でもみ込み、八丁式撚糸機で強い撚りをかけます。製織後に湯もみをすると糊が落ち、撚りが戻ろうとする力が働いて表面にしぼが現れる仕組みです。
緯錦織(よこにしきおり・ぬきにしきおり)
緯錦織は、主によこ糸によって紋様を表す紋織物です。
「緯」はよこ糸を意味し、「ぬき」とも読みます。国指定の基準でも、紋はよこ糸で表すものとされています。よこ糸の働きを生かして柄を構成するため、色彩や紋様を豊かに表現できます。
国指定の基準では、ジャカード機を使った先染めまたは先練りの紋織物とし、平織りの変化織り、綾織り、朱子織り、またはそれらの変化織りを用います。
帯地や金襴地など、装飾性を求める製品にも生かされてきました。実物を見るときは、よこ糸が柄をどのように構成しているかが確認の手がかりになるでしょう。
経錦織(たてにしきおり)
経錦織は、複数の色を使ったたて糸で紋様を表す技法です。
よこ糸が柄の中心になる緯錦織に対し、経錦織ではたて糸の色と動きが紋様を作ります。基準として求められるのは、3色以上のたて糸と、手作業によるたて糸の張力調整。
多数のたて糸を決められた順序で配置し、均一な張りに保つには、高度な準備と調整が欠かせません。
完成品では、たて方向に並ぶ色糸が緻密な柄を作り、光の当たり方や見る角度によって色の印象が変わります。名称の似た緯錦織との大きな違いは、紋様を担う糸の方向です。
風通織(ふうつうおり)
風通織は、2色以上のたて糸と2色以上のよこ糸を使い、表と裏が入れ替わるように紋様を織り出す二重組織です。
表側では明るい色が柄として見え、裏側では配色が反転したように見えるなど、二層の組織を生かした表現ができます。
資料によっては二重・三重織を含む広い説明も見られ、国指定の桐生織の基準は二重織を基本としています。
二枚の布を重ねるのではなく、織りの途中で表裏の組織を転換して紋様を作る点が特徴。生地に厚みや立体感が生まれ、表裏それぞれに異なる表情が現れます。
浮経織(うきたており)
浮経織は、2色以上のたて糸を高い密度で配置し、たて糸を浮かせるように紋様を表す重ね織です。表記は桐生市の案内に合わせて「浮経織」としました。
地の組織から特定のたて糸が浮き上がるため、繊細な陰影や色の重なりが生まれます。国指定の基準では、複数のたて糸群を用い、張力が均一になるよう手作業で調整しながら織ります。
たて糸を主体に柄を作る点は経錦織と共通し、たて糸を浮かせる「浮きたて」や、必要に応じて絵緯を組み合わせる点で分かれます。
外観だけで両者を見分けるのは難しく、表示や製造情報との照合が確実です。
経絣紋織(たてかすりもんおり)
経絣紋織は、あらかじめ絣模様が現れるように染め分けたたて糸に、絵緯や縫取り紋を組み合わせる技法です。
絣とは、糸の一部を染め分け、織ったときに柄が浮かぶよう計算する方法のこと。糸の位置がわずかにずれることで生じる、やわらかな輪郭も魅力になります。
たて絣糸の染色には、糸を部分的にくくる「手くくり」、板で挟んで染め分ける「板締め」、型紙を使って染料を置く「型紙捺染」などが用いられます。
ここへ、柄を表すよこ糸である絵緯や、必要な部分だけに糸を織り込む縫取り紋を加え、絣と紋織りの表情を重ねていきます。
もじり織(綟り織)
もじり織は、通常のたて糸に、ほかの糸へ絡ませるためのたて糸を組み合わせ、隙間のある組織を作る技法です。「綟り織」と表記する資料もあり、読みはどちらも「もじりおり」。
たて糸同士を絡ませてよこ糸を固定するため、織り目に空間が生まれても組織が崩れにくく、透け感のある軽やかな生地になります。
紗、絽、羅など、涼しげな外観を持つ夏向けの着物地や帯地に活用されてきました。透ける生地は各地で織られているため、産地の判断には証紙や製造元の表示を合わせて確認します。
桐生織ができるまでの製造工程

桐生織は、糸を用意すればすぐ織れるものではありません。
企画、糸の加工、染色、図案、織機の準備、製織、仕上げなど多くの工程があり、桐生では各分野の担い手による分業が発達してきました。
具体的な順序や処理は、製品、素材、7技法のどれを用いるかによって変わります。ここで紹介するのは、先染めの紋織物を中心とする代表的な流れです。
糸の準備から撚糸・染色・整経まで
はじめに生糸などの原料を選び、必要に応じて複数の糸をねじり合わせる撚糸を行います。
生糸を精練して不純物を取り除き、設計に合わせた色へ染めた後、かせ状の糸を木管やボビンに巻く糸繰りへと進む流れです。
次の整経では、たて糸の本数、幅、長さをそろえます。
よこ糸に施すのは、織機で使えるよう木管へ巻く管巻き。お召織では、植物性の糊を手でもみ込んだよこ糸に、八丁式撚糸機で強い撚りをかけます。
お召織では、こうした糊付けと強撚が、後の湯もみでしぼを生み出します。
図案・意匠からジャカード・機織りまで
織物の柄は、製品の企画と図案から始まります。従来は、図案を「意匠紙」という方眼紙へ写し、どのたて糸を上げ下げするかという情報を紋紙の穴へ置き換えていました。
ジャカードは、その指示に従ってたて糸を動かし、紋様を作る装置。現在はコンピューター上で図案を処理し、データを織機へ送る方法も広がりました。
織機では、上下に開いたたて糸の間へよこ糸を通し、筬で打ち込む動作を繰り返して布を作ります。デジタル化が進んでも、糸の性質を見極め、張力や色の出方を調整する知識は欠かせません。
手仕事と機械、デジタル技術が役割を分けて、一枚の織物を形にしています。
整理・検査を経て完成
織り上がったばかりの生地は「生機」と呼ばれます。生機に湯のしなどの整理加工を施し、幅や長さ、表面、風合いを整える工程です。
その後、織り傷や汚れ、柄の乱れなどを検査し、必要な仕上げを経て製品になります。
お召織では、織り上げた反物を湯でもんでよこ糸の糊を落とし、撚りの戻る力によって表面にしぼを出します。
その後、湯のしで幅を整え、風合いを調えます。整理加工の内容は、用いる技法によって異なります。
桐生織の主な用途と作り手・機屋

桐生織は着物や帯で知られ、産地の技術は金襴地、洋服地、ネクタイ、小物、インテリア、工業用資材にも応用されています。
製作を担うのは、製造元である機屋、図案を作る意匠家、撚糸や染色、整理を担う事業者、伝統工芸士、個人作家など、多くの人と企業です。
品物を見る際は、有名な作家名の有無に加えて、産地の分業と製造元にも目を向けてみてください。
着物・帯・反物などの和装品
和装分野では、お召の着尺、着物地、名古屋帯、袋帯、角帯、仕立て前の反物などが作られています。
同じ「桐生織の帯」であっても、よこ糸で柄を表すもの、二重組織を使うもの、金糸や銀糸を取り入れたものなど、構成はさまざま。
着物や帯の格、着用時期、合わせる装いは、製品の種類、素材、柄、色、織りの組織、仕立てから判断します。
査定で見られるのも、着物なのか帯なのか、仕立て済みか反物か、どの技法と素材が使われているかという点です。
金襴地・洋服地・ネクタイ・小物・インテリア
桐生の織物技術は、金糸などで豪華な紋様を表す金襴地や、名物裂をはじめとする装飾的な裂地にも使われています。
婦人服地、フォーマル生地、ネクタイ、ストール、バッグ、ポーチなどの服飾品へ広がり、カーテンをはじめとする室内装飾にも生かされてきました。
地域団体商標の公式な紹介では、工業用資材への展開も確認できます。
桐生の技術は、糸の組み合わせや複雑な組織を設計する繊維技術として、幅広い分野で活用されているのです。
桐生織を支える機屋・工房・伝統工芸士
機屋は、織物の企画や製織を担う製造元です。桐生には、伝統技法による和装品を中心とする機屋から、多素材の洋服地を開発する企業まで幅があります。
以下は、2026年7月時点で桐生市の製造業ガイドなどに事業情報が掲載されている3社の例。産地の仕事の幅を知るための比較として並べました。
| 機屋・製造元 | 創業年・設立年 | 主な製品・技術 |
|---|---|---|
| 泉織物有限会社 | 1907年創業 1940年会社設立 |
お召織・もじり織による着物 紋織物・紬・帯・桐生絞 |
| 森秀織物株式会社 | 1877年3月創業 | お召の絹織物・金襴・帯・名物裂 織物カレンダー、八丁撚糸機を保有 |
| 桐生絹織株式会社 | 昭和10年代創業 1948年4月設立 |
婦人服地・フォーマル生地・ストール ジャカードやドビーによる特殊織物 |
泉織物は、国指定の桐生織と群馬県指定の桐生絞という、別々の制度に位置づけられた二つの工芸品を手がけています。
証紙や落款に製造元、作り手、伝統工芸士の名がある場合は、桐生市の製造業ガイドや伝統工芸士の公式名簿と照合すると、品物の来歴をたどりやすくなります。
桐生織の見分け方と確認したい表示

桐生織かどうかは、証紙、各種マーク、素材、織り方、製造元、端布、購入時資料を組み合わせて確認します。
お召織のしぼ、もじり織の透け感、風通織の二重組織は有力な手がかり。似た組織はほかの産地でも織られているため、複数の材料を突き合わせると精度が上がります。
伝統証紙・地域団体商標の統一マークを確認する
証紙からは、産地や製造元などに関する情報を読み取れます。
伝統マークを用いた「伝統証紙」が貼付されるのは、経済産業大臣が指定した技術・技法・原材料で製作され、産地検査に合格した製品です。
地域団体商標「桐生織」には、桐生織物協同組合が定めた統一マークが使われる場合もあります。
古い反物、仕立て済みの着物、何度か持ち主が変わった品では、証紙や端布が失われていることがあります。
証紙が一緒に保管されている場合も、別の品のものと入れ替わっていないか、品物の特徴と表示が一致するかを確かめましょう。
素材・織り方・製造元・端布を確認する
証紙がない場合に手がかりとなるのは、素材表示、表裏の織り組織、表面のしぼや透け感、製造元名、落款、端布、箱、仕立て時の資料です。
反物の端や帯の裏側には、表から見えない織りの構造や文字が残っている場合もあります。確認は目視の範囲で十分で、糸を抜いたり縫い目をほどいたりせずに進めてください。
素材の幅も押さえておきたい点です。
国指定の原材料には、生糸、玉糸、真綿のつむぎ糸などに加えて、綿糸、麻糸、金糸、銀糸も含まれます。広い意味での桐生の洋服地には、化学繊維を使う製品もあります。
光沢のある生地は絹に見えることが多いため、素材の判断は表示や専門家の確認に委ねるのが確実でしょう。
判断が難しいときは専門査定を利用する
技法や表示を確認できても、製造時期、製造元、仕立て直しの余地、保存状態、現在の需要まで一般の方が判断するのは容易ではありません。
とくに仕立て済みの品は、表から見える範囲が限られ、複数の要素を総合して確認する必要があります。
価値がわからない品や証紙が見当たらない品は、現状のまま、着物や帯を扱う査定サービスへ相談するのが安全です。証紙は品物に付けたまま残しておいてください。
「桐生織かもしれないが確証がない」「証紙が見つからない」と伝えれば、確認してほしい点が明確になります。
桐生織の価格情報の見方と買取査定の考え方

桐生織の価格を見るときは、購入時の参考になる価格と中古品の買取価格を分けて考えると整理しやすくなります。
査定額は、品物の種類、技法、製造元、素材、サイズ、状態、付属品、市場での需要、査定時期などによって変わります。
価格情報は「何の価格か」を分けて見る
インターネット上に表示される金額には、新品販売価格、中古販売店の希望価格、オークションの落札価格、買取業者の成約実績、査定額の目安などがあります。
これらは取引の段階と条件が違うため、横並びにして平均を求めても、実際の買取相場からは離れていきます。
落札価格は、出品時の説明、写真、付属品、参加者数によって変わります。中古販売価格には店舗の経費や利益が含まれるため、買取価格とは別の水準で動きます。
価格を参考にする場合は、何の価格か、税込か税別か、いつ確認された金額か、仕立てや状態、証紙の有無などの条件を確かめておきましょう。
製造元・技法・証紙など品物の情報
査定では、製造元や作り手、7技法のどれに当たるか、伝統証紙や組合の証紙があるか、購入時の資料が残っているかなどが判断材料になります。
来歴と品物の特徴が一致すれば、何を査定しているのかが明確になり、評価に必要な情報を伝えやすくなります。
査定額は、機屋や技法の名前だけでは決まりません。同じ製造元でも作品ごとに素材、意匠、製作時期、保存状態が異なり、市場で求められる柄や種類も変化するためです。
状態・サイズ・種類・現在の需要
シミ、カビ、変色、虫食い、におい、折れ、糸の傷みは査定に影響します。着物であれば身丈や裄丈、縫い込みといった、着用や仕立て直しに関わる条件も確認の対象です。
柄や色、寸法に対する需要も、査定時期によって変わります。汚れや古さがある品でも、技法、製造元、作品性、資料の有無といった別の評価要素が働きます。
手入れで状態を変える前に、まず実物を見てもらいましょう。
桐生織を売る前にしておきたい準備

桐生織を査定へ出す前は、品物の現状を保ち、来歴を示す資料をそろえるのが有効です。自己流の洗濯や補修は生地を傷め、元に戻せない状態を招きます。
付属品を確認し、気になる傷みを把握し、査定条件を確かめておくと、納得できる判断につながります。
証紙・端布・箱・購入時資料をそろえる
証紙、端布、たとう紙、箱、仕立て時の控え、購入時の説明書、製造元や作り手のわかる資料があれば、品物と一緒にまとめておきましょう。
証紙が外れている場合は、そのまま添えて提示します。複数の品を整理するときは、どの証紙がどの品に付属していたかを混同しないよう、別々の袋やメモで管理してください。
箱やたとう紙に別の品名が書かれている場合も、そのまま提示して事情を説明するほうが正確に伝わります。
自己流の洗濯や補修を避けて保管する
家庭での水洗い、漂白、強いアイロン、薬剤によるシミ抜き、飛び出した糸の切除は避けましょう。
素材や染料、織りの組織によって適切な手入れ方法が違い、色落ち、縮み、風合いの変化、光沢の損失を招く可能性があるためです。
査定までの間は、湿気、直射日光、香水や防虫剤などの強いにおいを避けて保管します。
折り直しや重い物の積み重ねを避け、現在の畳み方を保つのが基本。カビや強いにおいがある品は、密閉や天日干しをせずに現状を保ち、状態を査定時に伝えてください。
福ちゃんでは、桐生織をはじめとする着物・帯の買取を行っています。自分で桐生織と断定できない品や証紙が見つからない場合でも、お気軽にご相談ください。
まとめ

桐生織は、群馬県桐生市を中心とする地域で発展し、長い歴史の中で外部の技術や新しい機械も取り入れてきた織物です。
国指定の伝統的工芸品には、お召織、緯錦織、経錦織、風通織、浮経織、経絣紋織、もじり織の7技法があります。
価値は、技法、製造元、素材、証紙、仕立て、寸法、保存状態、需要などから総合的に判断されます。
お手元の着物や帯が桐生織かわからない場合や、証紙を紛失している場合も、すぐに処分する必要はありません。買取に出すべきかどうか迷ったら、まずは無料査定を利用してみましょう。
桐生織に関するよくある質問
お手元の品と照らし合わせる際は、確認できた情報と不明な点を分けて整理しておくと、相談がスムーズに進みます。
桐生織はすべて絹100%ですか?
桐生織の原材料には、絹以外の糸も含まれます。国指定の原材料は、生糸、玉糸、真綿のつむぎ糸などの絹糸に加えて、綿糸、麻糸、金糸、銀糸です。
桐生の産地では、化学繊維を使った洋服地なども作られています。国指定の伝統的工芸品「桐生織」に該当するのは、指定地域で、所定の原材料と技法を用いて製造された製品です。
個々の素材は証紙や品質表示で確認し、判断がつかない場合は専門査定を利用しましょう。
桐生織と桐生絞は同じものですか?
桐生織と桐生絞は、制度上も技法上も区別されます。
国指定の伝統的工芸品「桐生織」では7つの織技法が定められており、個々の製品は、そのいずれかについて定められた基準などを満たして製造されます。
桐生絞は、桐生織をはじめとする織物に絞り加工を施し、染め・織り・絞りを組み合わせた群馬県指定の工芸品です。
桐生織の生地を使った桐生絞もあるため、両者の関係は深いといえます。証紙や品名、製造元の説明を確かめておくと判断しやすくなります。
証紙がなくても桐生織として買取できますか?
証紙がなくても、福ちゃんでは査定のご相談を承っております。仕立て済みの着物や古い品では、証紙が失われている場合も少なくありません。
査定では、織り方、素材、製造元、落款、端布、箱、購入時資料、保存状態などを総合的に確認します。資料が多いほど、産地や技法の確定はしやすくなります。
品物と残っている資料をそのまま提示するのが確実です。別の証紙を付け替えずにお持ちください。
古いものや汚れのある桐生織でも売れますか?
古いものや汚れのある桐生織も、査定の対象です。価値は、技法、製造元、作品の特徴、証紙、シミやカビなどの状態、寸法、現在の需要を合わせて判断します。
状態が良くない品に、別の評価要素が見つかる場合もあります。
家庭で洗濯や補修をせず、自己判断で廃棄する前に、現状のまま相談してください。
桐生織と西陣織は何が違いますか?
桐生織と西陣織は、主な産地と、国指定の伝統的工芸品として定められた技法・原材料・製造地域が異なります。
桐生織は群馬県桐生市を中心とする地域、西陣織は京都市の西陣地域を中心に発展しました。
どちらも多様な紋織物を含むため、外観だけで見分けられない品もあります。「西の西陣、東の桐生」は、両産地の歴史と技術をたたえる言い回しです。

