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- 2025.12.22
ビュッフェ版画の相場は?人気作品の価格目安や査定のポイントを解説

ベルナール・ビュッフェの版画の買取相場は、どのくらいなのでしょうか。絵画を売る場合は、画家の出自や画風など、作品に関する基礎知識もあると役に立ちます。
そこで本記事では、ビュッフェ作品の特徴から査定時に重視されるポイント、信頼できる売却方法まで解説します。ビュッフェ版画の売却を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ベルナール・ビュッフェとは

ビュッフェ版画の相場を正しく理解するには、作者であるベルナール・ビュッフェについて知っておく必要があるでしょう。独特の描線と色彩表現で、20世紀フランス画壇を代表する画家となったビュッフェは、日本でも高い人気を誇っています。ビュッフェの経歴と作風の特徴、日本との関わりを紹介します。
フランスを代表する画家
ベルナール・ビュッフェは、20世紀を代表するフランス人画家です。 1928年にパリで生まれ、わずか15歳で国立美術学校に入学するほどの才能を見せました。その後、20歳で権威ある賞を受賞し、フランス画壇の新星として一躍注目を集めることとなります。
戦後の混沌とした時代、ビュッフェの作品は多くの人々の心を捉え、「ビュッフェ旋風」と呼ばれる社会現象を巻き起こしました。自ら「絵を描くことしか知らない」などと語るほど、人生の全てを絵に捧げ、1999年に亡くなるまでに約8,000点もの作品を残したといわれています。
鋭い描線と抑えた色彩が特徴的
ビュッフェの作品を特徴付けるのは、鋭い黒い描線と抑えられた色彩表現です。直線的で硬質な線が重なる太い輪郭線は、見ただけでビュッフェ作品と識別できる、強烈な個性を生み出しています。
色彩は暗めで、全体的に寂しい印象です。第二次世界大戦後の不安感や虚無感を、硬質で鋭利な黒い直線と限られた色彩によって描き出したビュッフェの作品は、戦争の傷跡を抱えた人々の心象風景と重なり合いました。
こうした作風には、17歳で母を失い、孤独を抱え続けたビュッフェの内面も見て取れます。しかし1958年にモデルのアナベルと結婚したことで作風が変化し、以降は明るい色彩の作品も見られるようになります。
日本での人気も高い
ビュッフェの作品は日本国内でも高い人気を誇っています。戦後の不安感を描いた彼の作品は、日本の美術愛好家の心にも深く響き、1963年には東京と京都の国立近代美術館で回顧展が開催されました。1973年には、静岡県に「ベルナール・ビュッフェ美術館」が開館しています。
本国フランスにすらない個人美術館が日本にある事実は、日本でのビュッフェ人気の高さを物語っているといえるでしょう。ビュッフェ自身も親日家として知られています。1980年の初来日以来、幾度となく日本を訪れ、金閣寺や五重塔、相撲など日本の文化を題材にした作品も多く残しました。
ビュッフェ作品の種類

ビュッフェは作品制作において、油絵や水彩、版画などさまざまな技法を用いています。版画にもドライポイントとリトグラフの2種類があり、それぞれ特徴や買取相場が異なります。ビュッフェが用いた主な技法と代表作品、買取市場での評価を見ていきましょう。
油絵
ビュッフェが描いた油絵の中では、大きな風景画や花をモチーフにした作品、ピエロが登場する作品などが人気です。肉筆画であるため版画に比べて買取相場も高く、数百万円~数千万円で取引されています。
海外のオークションでは、落札額が1億円を超えた作品もありました。人気画家の作品には偽物が出回る可能性があり、ビュッフェも例外ではありません。本物の肉筆画であることを証明するには、フランスのガルニエ画廊の鑑定書が必要です。
版画
ビュッフェは版画制作においても、その才能を遺憾なく発揮しています。銅板に刃物で直接線を彫り込む「ドライポイント」では、ビュッフェ特有の力強い線のタッチが際立つ作品を数多く残しました。銅板の凹面にインクを詰めて紙に刷るこの手法により、独特の階調と深みのある表現を実現しています。
水と油の反発を利用した版画技法「リトグラフ」を用いた作品には、鮮やかな色彩と伸びやかな線による表現が多く、こちらも高く評価されています。
水彩画や彫刻
ビュッフェは油彩や版画の他に、水彩画や彫刻作品も手がけています。水彩画も油絵同様、1点物の肉筆画であるため、買取相場は高くなる傾向です。また作品の真贋証明には、ガルニエ画廊の鑑定書が必要となる場合があります。
彫刻はビュッフェの貴重な立体作品として知られています。ただし制作数が少なく、買取市場に出回ることは少ないと考えてよいでしょう。
なお、ベルナール・ビュッフェ美術館の敷地には昆虫の彫刻が設置されており、絵画以外の表現にも挑戦したビュッフェの多才な一面を知ることができます。
ビュッフェの人気版画と買取相場の目安

ビュッフェの版画の中では、どのような作品が人気なのでしょうか。画家として約50年の歳月を過ごしたビュッフェは、人物・草花・風景など、さまざまなものを作品の題材として取り上げました。買取市場で人気が高い以下の版画作品をピックアップし、それぞれの特徴と買取相場の目安について解説します。
- カルメン
- サントロペ
- バラやチューリップなどの花
- ニューヨークやパリの街並み
カルメン
有名なオペラ「カルメン」の主人公を描いたリトグラフ作品です。ビュッフェがオペラ座でカルメンの舞台装置や衣装デザインを手がけたことがきっかけで生まれました。情熱的な女性カルメンを演じる女優の姿が、ビュッフェ特有の激しい直線で力強く表現されています。
同じシリーズとして、闘牛士の「エスカミーリョ」やカルメンに恋する「ドン・ホセ」など、他の登場人物を描いた作品もあります。
買取市場では、10万円~20万円で取引されることが多いでしょう。ビュッフェの代表作として人気が高く、市場での需要も安定しているため、状態が良好であればさらに高額な査定が期待できます。
サントロペ
「サントロペ」は、フランス南部の地中海に面した港町を描いたリトグラフシリーズです。 ビュッフェにとってサントロペは母との思い出が残る特別な場所であり、何度も訪れては作品に描きました。
後述するパリやニューヨークなどの都市シリーズと並び、風景を題材にした作品として根強い人気があります。買取相場は15万円~20万円程度で推移しており、作品のサイズや状態によって変動します。
個人的な思いが込められた作品であるため、ビュッフェファンからの評価も高く、安定した需要が見込めるでしょう。
バラやチューリップなどの花
ビュッフェは生涯を通じて、花をモチーフにした版画を数多く制作しました。特にバラを多く描いており、彼にちなんで「ベルナール ビュッフェ」と名付けられた品種もあるほどです。
バラの他にも、チューリップ・アイリス・ダリア・ヒヤシンスなどのリトグラフ作品が多く流通しています。買取相場としては、バラの作品が10万円~20万円、その他の花では5万円~15万円程度で取引されることが多い傾向です。
ニューヨークやパリの街並み
「アルバム・ニューヨーク」や「アルバム・パリ」、「アルバム・サンフランシスコ」は、各都市の風景を描いたリトグラフとして高い評価を得ている作品群です。
都会のビルや橋、歴史的建築物などが、太く黒い線と抑えた色彩で表現されています。特にニューヨークの高層ビルを描いた作品は、ビュッフェ特有の力強い表現が際立っており、コレクターからの人気も高くなっています。
買取相場は図柄の人気度やサイズ、状態によって変わりますが、数万円~20万円ほどを目安にするとよいでしょう。
ビュッフェの版画を査定に出すときのポイント

ビュッフェの版画を査定に出す際は、作品の真贋を証明する根拠や状態の良しあし、適切な買取業者の選び方といったポイントがいくつかあります。大切な作品を納得のいく価格で売却するために、査定を依頼する前に確認しておきたい3つのポイントを押さえましょう。
サインとエディションナンバー
ビュッフェ版画の真贋を判断する上では、作者のサインとエディションナンバーが重要な役割を果たします。サインは作品下部に記されていることが多く、本物であることの重要な証拠となります。
エディションナンバーとは、版画作品に記された通し番号のことです。通常、作品の左下余白に「59/120」のような分数形式で表記され、分母が刷られた部数、分子がその作品の番号を示します。この表記により、作者が正式に認めた版画作品であると証明されるのです。
ただしサインやエディションナンバーの書き方は、同じ作者でも制作された年代で異なるケースがあるため注意しましょう。
保存状態
版画の保存状態は、買取価格を大きく左右します。紙に刷られた版画は、直射日光による退色や湿気によるカビ、シミが発生しやすい特性があります。特にビュッフェ作品のような色彩を抑えた版画では、わずかな退色や汚れでも作品の印象が損なわれ、査定額が下がる可能性が高いと考えてよいでしょう。
保存状態を良好に保つには、直射日光を避けた場所に飾ることが基本です。飾らない場合は額装したまま箱に入れ、風通しの良い涼しい場所で保管しましょう。折れや破れ、余白部分の汚れなども減額対象となるため、取り扱いには十分な注意が必要です。
信頼できる買取業者選び
版画を売る方法としては、オークションへの出品・骨董品や美術品買取専門店への持ち込み・画廊やギャラリーでの委託販売などがあります。
中でも確実性が高く、安心して任せられるのが、美術品の買取専門店です。オークションや画廊の場合、相場よりも高く売れる可能性がある反面、売れるとは限らない点に注意が必要です。
美術品に詳しい買取業者であれば、専門知識を持った査定士がビュッフェ作品の特徴や市場価値を的確に評価できます。査定料や出張料が無料で、さらに査定額の根拠を丁寧に説明してくれる業者なら、安心して取引を進められるでしょう。
ビュッフェの版画を売却するなら買取方法が選べる「福ちゃん」

ビュッフェの版画を売却するなら、「福ちゃん」がおすすめです。福ちゃんでは、出張買取・宅配買取・店舗買取の3つの買取方法を用意しており、都合に合わせて最適な方法を選べます。
出張買取では査定士が自宅まで来て、その場で査定から買取まで完了するため、重い額装作品を運ぶ手間がありません。出張料や査定料は無料で、1点からでも対応可能です。無料宅配キットを利用して作品を送るだけで査定を受けられる宅配買取は、店舗が遠方の方や忙しい方におすすめです。
店舗が近い方は、外出のついでに直接持ち込んで査定を依頼できます。真贋が分からない、汚れがあるといった作品も査定可能なので、まずはお気軽にご相談ください。
記事のまとめ

ベルナール・ビュッフェは鋭い描線と抑えた色彩が特徴のフランスを代表する画家で、日本でも高い人気を誇ります。彼が用いた版画技法にはドライポイントやリトグラフがあり、カルメンやサントロペ、花や街並みを描いた作品などが人気です。
買取相場は作品の図柄や大きさ・コレクターの需要・保存状態などによって変動するため、信頼できる専門業者による査定が重要となります。