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  • 2025.05.19

家紋入り喪服の買取!失敗なし・高価買取のコツとは

お手元にある家紋入り喪服

その家ならではの紋様が施されているだけに、「他の人には譲りにくいし、買い取ってもらえないのでは……」と、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、家紋入り喪服でも買取が可能な場合があります。しかし、少しでも高額で、そして納得のいく形で売却するためには、いくつかのポイントと注意点がございます。

この記事では、家紋入り喪服の買取にお悩みの方へ向けて、以下の情報を詳しくご紹介。

● どのような家紋入り喪服なら高く売れるの?
● 買取価格をアップさせる秘訣は?
● どこで買い取ってもらうのがベスト?
● 売却時の注意点


など、家紋入り喪服の買取をあきらめていた方にも、ぜひお読みいただきたい内容です。

お役に立つ情報が満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。

喪服とは

喪服とは

喪服とは、お通夜・葬儀・告別式、法事といった弔事で着用する礼服のことです。

着物と洋服それぞれに喪服があり、どちらも光沢のない深い黒色(漆黒や墨黒)が基本とされています。

着物の喪服
着物の喪服には一般的に家紋を付け、主に弔事(通夜、葬儀、法事など)で着用されます。染め抜きの五つ紋を入れた黒紋付が最も格式高い正喪服とされ、故人との関係性や立場によって紋の数や種類、着物の格が変わります。

洋装の喪服
洋装の喪服は、主に光沢のない黒色のスーツやアンサンブルを指し、格式によって種類があります。弔事専用のデザインが基本であるものの、一部のブラックフォーマルウェアは小物を変えることで、慶事にも対応できる場合も。

家紋入り喪服とは

家紋入り喪服とは

家紋入り喪服とは、弔事で着用する着物の中でも、黒一色の生地に家紋が染め抜かれたものを指します。

喪服には格式があり、主に以下の3種類にわけられます。

1.正喪服(せいもふく)
最も格式の高い喪服であり、染め抜きの五つ紋(背中・両胸・両外袖)が入ります。喪主や故人の近親者(配偶者・親・子・兄弟姉妹など)が着用します。

2.準喪服(じゅんもふく)
正喪服に次ぐ格式の喪服であり、染め抜きの三つ紋(背中・両外袖)または一つ紋(背中)が入ります。喪主以外の遺族・親族・親しい友人または、一般の参列者も着用できます。

3.略喪服(りゃくもふく)
最も格が低い略喪服であり、黒無地染め抜きの一つ紋が入ります。または、寒色系(紺・紫・グレーなど)で無地の着物(色喪服)に、一つ紋か三つ紋(染め抜き紋または縫い紋)を入れたものです。三回忌以降の法事や、急な弔問、お手伝いなどで着用されます。

上記のように、喪服の格式は主に3種類にわけられます。

喪服以外の家紋入り着物は何がある?

喪服以外の家紋入り着物は何がある?

喪服以外で家紋を入れる習慣がある代表的な着物には、以下のようなものがあります。

● 黒留袖(くろとめそで)
既婚女性の第一礼装で、最も格式の高い着物です。正喪服と同様に五つ紋を染め抜きで入れるのが一般的です。

裾部分にのみ豪華な絵羽模様(えばもよう)があり、結婚式や披露宴で新郎新婦の母親や仲人夫人が着用します。

未婚女性は着用できません。

色留袖(いろとめそで)
黒以外の地色の留袖で、裾部分にのみ絵羽模様が施されています。色留袖は慶事用の着物であり、紋の数によって格が変わるのが特徴です。

五つ紋を入れると黒留袖と同格の第一礼装となり、三つ紋や一つ紋の場合は準礼装として着用されます。未婚・既婚を問わず着用できる点も魅力といえるでしょう。

そのほか、訪問着や色無地、江戸小紋などに家紋を入れることで、着物の格を上げることも可能です。

一つ紋を入れた訪問着や色無地を例に挙げると、これらは準礼装となります。そのため、格式の高いお茶会やパーティーをはじめ、お子様の入学式・卒業式など、よりフォーマルな場面でもお召しいただけるようになるのです。

家紋について

家紋について

家紋とは、その家に古くから伝わる紋章のことです。

先祖代々受け継がれるシンボルマークのようなもので、植物・動物・器物・文様など、さまざまなモチーフがあります。

徳川家の「三つ葉葵」や、加賀前田家の「梅鉢」などは、日本で広く知られた家紋といえるでしょう。

ここでは、家紋の由来や歴史について簡単にご紹介します。

家紋の由来

家紋の起源は平安時代に遡るといわれています。

当時の貴族たちが、牛車や調度品、衣服などに自分たちの持ち物であることを示すための目印として、固有の文様(もんよう)を用い始めたのがルーツとされています。

当初は、装飾的な意味合いも強かったようです。

家紋の歴史

時代が公家中心から武家社会へと移り変わると、家紋は戦の場で敵味方を識別するための重要な役割を担うようになります。

旗指物(はたさしもの)や陣幕(じんまく)、鎧兜(よろいかぶと)などに家紋が描かれ、自軍の象徴として用いられました。同じ家紋を持つ武家同士が戦うこともあり、区別のために家紋のデザインを変える武家も現れ、戦国時代には家紋の種類が飛躍的に増加しました。

江戸時代に入ると、戦乱が収まり、家紋は武士の権威や家格を示すものとしての意味合いが強くなります。大名や旗本は定められた家紋を公式な場で使用し、その権威を象徴したのです。同時に、苗字帯刀を許された商人や一部の職人、農民など、庶民の間にも家紋が広まっていきました。

家紋の広まり

家紋が広く一般国民にまで普及したのは、明治時代以降です。

明治政府によって四民平等が掲げられ、誰もが名字を名乗ることが一般的になり、それに伴い家紋を持つ家も増えました。庶民の間でも、礼装用の着物などに家紋を入れる習慣が広まったのはこの頃からです。

現在、家紋の数は確認されているものだけでも5000種類以上、一説には2万種類以上あるともいわれています。

家紋がない家もある?

すべての家に家紋があるわけではありません。

たとえば、キリスト教を信仰する家では、伝統的な家紋を持たない場合が多いといわれています。ただし、歴史的には、キリシタン大名の中には、十字架などをモチーフにした独自の家紋を使用していた例もあります。

ご自身の家の家紋がわからない場合は、代々のお墓の墓石に刻まれていることが多いため、確認してみると良いでしょう。また、古い仏壇や、親族が所有する古い着物や調度品などにも見られることがあります。

家紋が付いていても喪服は買取が可能?

家紋が付いていても喪服は買取が可能?

家紋が入っている喪服は、他の人が使えないから買い取ってもらえないのでは?」と、ご心配される方は少なくありません。たしかに、家紋はその家固有のものであるため、買取をためらう業者も存在します。

しかし、家紋入り喪服でも買い取ってもらえる可能性はあります。

格式を重んじて誂えられる家紋入りの着物、とくに喪服や留袖には、上質な生地(正絹など)が使われ、丁寧な仕立てが施されていることが一般的です。そのため、着物としての品質が高ければ、家紋が入っていても価値が認められる場合があります。

ただし、すべての業者が家紋入り喪服を積極的に買取しているわけではありません。

まずは、いきなり店舗に持ち込むのではなく、電話やメールで事前に問い合わせて、家紋入り喪服の買取を行っているか確認されることを推奨いたします。

高価買取になりやすい家紋入り喪服の特徴

高価買取になりやすい家紋入り喪服の特徴

買取が難しいとされる家紋入り喪服でも、いくつかの条件が揃えば、高価買取につながる可能性があります。

お手持ちの喪服が以下の特徴に当てはまるか確認してみましょう。

● 1.状態が良い
● 2.素材が正絹(しょうけん)である
● 3.証紙がある、または有名作家・老舗呉服店の作品である
● 4.身丈や裄丈(ゆきたけ)が長めである

順に詳しく解説していきます。

1.状態が良い

何よりもまず、着物の状態が良いことが重要です。

査定時には、以下のような点がチェックされます。

・虫食い、穴、破れ
・シミ、黄ばみ、食べこぼしなどの汚れ
・カビ、変色
・強いシワ、型崩れ
・糸のほつれ

上記のような傷みが少なく、全体的に綺麗な状態であればあるほど、査定額は高くなります。

とくに未使用品や、着用回数が少なく大切に保管されていたものは、高価買取が期待できるでしょう。

少しでも良い状態で査定に出せるよう、定期的な虫干し(陰干し)を行うなど、日頃から適切な保管を心がけることが大切です。

2.素材が正絹(しょうけん)である

家紋を入れるような格式の高い喪服は、正絹(絹100%)で作られている場合があります

正絹は、着物の中でも最高級の素材とされ、その美しい光沢や滑らかな肌触り、染め付きの良さなどから高い価値があるのが特徴です。買取業者も素材を重視するため、正絹の喪服であれば、買取を行っている業者での「高価買取」も期待できるでしょう。

ただし、正絹はデリケートな素材で、湿気に弱くカビが発生しやすいという特徴があります。高価買取のためにも、風通しの良い場所で、たとう紙に包んで保管し年に数回の虫干しを行うなど、カビの発生を防ぐ工夫が必要です。

3.証紙がある・有名作家の作品

証紙(しょうし)とは、対象の着物が特定の産地で作られたものであることや、伝統的工芸品であること、使用されている素材などを証明するものです。

有名産地の織物や染物、あるいは人間国宝などの有名作家が手がけた作品、老舗呉服店で誂えられた着物には、この証紙が付けられている場合があります。

証紙があれば、その着物の品質や価値を客観的に証明できるため、査定額アップにつながります。

もし証紙を紛失してしまった場合でも、着物に詳しい専門の査定士であれば、生地の風合いや技法などから、価値を見極められるでしょう。

4.身丈や裄丈(ゆきたけ)が長めである

着物の身丈や裄丈が長めであることも、高価買取につながりやすいポイントです。

丈が長ければ、身長の高い方はもちろん、小柄な方もおはしょり(着付けの際に余った布を折り畳む部分)で調整して着用できます。しかし、丈が短いと、着用できる人が限られてしまうため、再販しにくくなり買取価格が下がる傾向にあります。

家紋入り喪服に限らず、着物は一般的に、寸法に余裕がある方が買取には有利といえるでしょう。

家紋入り喪服|高価買取のコツ

家紋入り喪服|高価買取のコツ

家紋入り喪服の買取に対応している業者は限られるため、少しでも有利な条件で買い取ってもらうためには、いくつかのコツを押さえておくことが重要です。

査定に出す前に、以下の3つのポイントをチェックしてみましょう。

● 1.帯・草履など小物と一緒に査定に出す
● 2.家紋は付けたままの状態で査定に出す
● 3.査定前に全体の汚れを軽くチェックする(無理な手入れはしない)

順に詳しく解説します。

1.帯・草履など小物と一緒に査定に出す

喪服を着用する際には、黒共帯(くろともおび)や黒の草履、バッグ・帯締め・帯揚げといった、和装小物が必要になります。もし、これらの小物が揃っているのであれば、喪服と一緒に査定に出されるとよいでしょう。

小物が揃っていることで、一式として再販しやすくなるため、買取業者にとってもメリットがあり、結果として買取価格がアップする可能性があるのです。

とくに、喪服を誂えた際にセットで購入したり、合わせて作った小物があれば、ぜひ一緒に用意しましょう。

2. 家紋は付けたままの状態で査定に出す

家紋が入っていると売れないなら、取ってしまった方が良いのでは?」と、考える方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、家紋入り喪服は、家紋を付けたままの状態で査定に出すのが基本です。

喪服のようなフォーマルな着物に入れられる家紋は、「染め抜き紋(そめぬきもん)」といって、生地を染める際に、紋の部分だけ白く染め残す技法で入れられるのが一般的です。

この染め抜き紋を後から消したり、別の紋に入れ替えたりするには、専門の業者に依頼する必要があり、高額な費用と手間がかかります。ご自身で無理に家紋を取ろうとすると、生地を傷めてしまう可能性も。

費用をかけて家紋を消しても、その分の買取価格が上がる保証はなく、かえって損をしてしまう場合もあります。そのため、家紋はそのままの状態で査定に出しましょう。

3.査定前に全体の汚れを軽くチェックする(無理な手入れはしない)

査定に出す前に、喪服全体にシミやカビ、ホコリなどの汚れがないか軽くチェックしましょう。

もし、表面に付いた軽いホコリ程度であれば、柔らかいブラシでそっと払う程度にしておきます。注意点は「無理に汚れを落とそうとしない」ことです。

濡れた布で拭いたり洗剤を使ったりすると、生地を傷めたりシミを広げたりするリスクがあるため、注意しましょう。

着物のクリーニングは専門的な知識と技術が必要で、洋服とは異なり費用も高額になるのが一般的です。

買取価格よりもクリーニング代の方が高く付く可能性や、クリーニングに出しても買い取ってもらえない場合もあるため、基本的にはクリーニングには出さずに、そのままの状態で査定に出す方が無難です。

失敗しない家紋入り喪服の買取方法

失敗しない家紋入り喪服の買取方法

家紋入り喪服を買い取ってもらう主な方法としては、リサイクルショップ、ネットオークション(フリマアプリ含む)、着物専門の買取業者の3つが挙げられます。

それぞれのメリットとデメリットを理解し、ご自身に合った方法を選びましょう。

リサイクルショップ

メリット● 店舗数が多く、気軽に持ち込みやすい
デメリット● 着物の専門知識を持つ査定士が常駐していない場合が多い
● 重量で一括査定されることもある
● 家紋入り喪服は買取不可となる可能性が高い

ネットオークション

メリット● 自身で価格を設定できる
● 希少なものなら高値で売れる可能性も
デメリット● 出品から発送まですべて自身で行う手間がかかる
● 個人間取引のためトラブルのリスクがある
● 必ず売れるとは限らない、時間がかかる

着物専門の買取業者

メリット● 着物の価値を正しく評価してくれる可能性が高い
● 高価買取が期待できる
● 出張買取や店頭買取など、買取方法が選べる
デメリット● 業者によって家紋入り喪服の買取基準が異なる
● 買取不可となる場合もある

それぞれの特徴を比較すると、少しでも高価買取を目指すのであれば、着物専門の買取業者に依頼されることを推奨いたします。

ただし、前述のとおり、市場での家紋入り喪服の需要は高いとはいえず、すべての着物専門買取業者が積極的に買い取っているわけではありません。

査定を依頼する前には、必ずその業者が家紋入り喪服の買取に対応しているか、事前に電話やウェブサイトで確認するようにしましょう。

着物買取専門店がオススメの理由

着物買取専門店がオススメの理由

家紋入り喪服の買取に、着物買取の専門店を推奨する主な理由は以下の2つです。

● 1.着物専門の査定士が在籍しているため、高価買取になりやすい
● 2.買取方法が豊富に用意されている

着物買取の専門店には、「着物(紋)の種類」「素材」「状態」「作家」「市場価値」など、着物に関する深い知識を持つ、専門の査定士が在籍しています。

そのため、家紋入りであっても、その喪服が持つ本来の価値をしっかりと見極め、適正な査定額を提示してくれる可能性が高いでしょう。専門知識のないリサイクルショップなどでは、着物の価値が正しく評価されず、低い査定額になってしまう可能性があります。

さらに、多くの着物買取専門店では、店頭への「持ち込み買取」以外の買取方法が用意されていることも。

査定士が自宅まで来てくれる「出張買取」や、着物を送って査定してもらう「宅配買取」など、ご利用者様のご都合に合わせた多様な買取方法が用意されています。

自宅の近くに店舗がない」「たくさんの着物を運ぶのが大変」「対面でのやり取りは避けたい」といった方でも、気軽に利用できるのがメリットです (※買取方法の詳細は各業者にご確認ください)。

家紋入り喪服の買取は難しい?

家紋入り喪服の買取は難しい?

ここまでご説明してきたように、家紋入り喪服の買取は、一般的な着物と比較して取り扱っている業者が少ない傾向にあり、買取が難しいと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そのようなときは、一度「福ちゃん」にご相談ください。

たしかに、家紋入りの喪服は、市場での需要が決して高いとはいえないため、お品物単体での買取が難しい場合もございます。

しかし、「福ちゃん」では、他の着物や帯と一緒に、まとめて買取をご依頼いただく。あるいは、お品物の種類や状態によっては買取可能となるケースもございます。

お客様のご状況やご要望を丁寧にお伺いし、できる限りご期待に沿えるよう、相談内容に応じて柔軟に対応させていただきます。

着物の種類や状態によっては、やむを得ず買取をお断りする場合もございますが、まずはあきらめずに「福ちゃん」までお問い合わせいただき、ご一緒に最善の方法を考えていきましょう。

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(年中無休※年末年始は除く)

まとめ

家紋入り喪服の買取について、その可能性や高価買取のコツ、注意点などを詳しくお伝えしてきました。

家紋入りの喪服は売れないだろう」とあきらめていた方も、ぜひ当記事でご紹介したポイントを参考にしてみてください。

・状態を良く保つこと
・証紙があれば一緒に査定に出すこと
・帯や草履などの和装小物もまとめて査定に出すこと
・家紋は付けたままの状態で査定に出すこと
・信頼できる着物専門の買取業者を選ぶこと

上記の点に留意するだけでも、買取が成立したり査定額に影響が生じたりする可能性があります。

福ちゃん」の査定士は着物に精通しており、お客様の大切な家紋入り喪服を丁寧に査定し、無料で査定額をご提示いたします(※お品物の種類や状態によっては、残念ながら買取をお受けできない場合もございます) 。

もし、ご自宅に眠っている黒留袖・色留袖・訪問着・小紋・紬・帯などがございましたら、この機会に家紋入り喪服と一緒にまとめて査定に出し、「次の方へ引き継いでいく」というのも素晴らしい選択肢の1つです。

福ちゃん」が、お客様の着物への想いを大切に、感謝の気持ちを込めて、精一杯対応させていただきます。

まずはお気軽に、「フリーダイヤル」または下記の「お申し込みフォーム」よりご相談ください。

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