- 骨董品
- 2025.12.19
掛け軸の買い取り相場を決める要素とは?高値で売るためのコツも紹介

掛け軸は、作者の知名度や技法、保存状態などによって価値が大きく変わる繊細な美術品です。しかし、具体的な買い取り相場や、どのようなポイントが査定に影響するのか分からないという方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、掛け軸の相場を左右する主な要素から、高く売るためのコツ、信頼できる買い取り業者の見極めポイントまで詳しく解説します。さらに、実績豊富な「福ちゃん」での買い取り事例も紹介します。掛け軸を少しでも高く、安心して売りたい方は、ぜひご一読ください。
掛け軸とは?

掛け軸の買い取り相場を正しく理解するためには、掛け軸そのものに関する知識が欠かせません。掛け軸といっても、絵画や書道といった異なる表現形式があり、種類によって市場での評価も大きく変わります。まずは掛け軸の基本的な定義と、主な種類について確認していきましょう。
掛け軸とは
掛け軸は、絵画や書を布や紙で表装し、軸を取り付けて床の間や応接室などの壁に飾れるように仕立てたものです。
仏教を広めるための道具として中国から伝わり、日本では絵画や書を鑑賞するための美術品として独自の発展を遂げました。空間を装飾したり来客をもてなしたりするために使用され、現代でもインテリアとして親しまれています。
掛け軸の種類
掛け軸は、その内容や用途によっていくつかの種類に分類されます。一般に広く知られているのが、絵画掛け軸です。
花鳥画や山水画、人物画など多様な題材が描かれており、季節や行事に合わせて飾ります。春には桜、夏には清流、秋には紅葉、冬には水仙といった季節の図柄も人気です。
書道掛け軸と呼ばれるものもあります。これはその名の通り書道作品を掛け軸にしたもので、四字熟語や名言などを記したものが一般的です。
他に詩文掛け軸もあり、これは俳句や和歌といった日本の古典文学を美しく表現しています。仏画や縁起物、節句用など用途に応じた掛け軸もあり、多種多様なものが存在する点も掛け軸の特徴といえるでしょう。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
掛け軸の買い取り相場を決める要素

掛け軸の買い取り価格は、いくつかの要素が複雑に絡み合って決定します。作者や制作された年代、保管状態など、影響する要素は多種多様です。
適正な買い取り相場を引き出すには、評価ポイントを正しく理解することが求められます。ここからは掛け軸の買い取り価格を決定づける6つの要素について、それぞれ見ていきましょう。
作者の知名度
掛け軸の買い取り相場において、作者の知名度は価格を大きく左右する重要な要素です。伊藤若冲や尾形光琳といった著名作家の作品は、数十万円から数百万円という高額査定が期待できるものもあります。芸術性が広く認められており、コレクターからの需要が高いためです。
一方で、有名作家の作品には贋作(がんさく)も多く出回っています。掛け軸の隅や保管されていた木箱に記された「落款」や「署名」から作者を特定できますが、精巧に作られたものもあり、本物かどうかを見極めるのは容易ではありません。
そのため、作者の知名度を正確に把握するには、共箱や鑑定書などの付属品も重要な判断材料となります。
掛け軸が作られた年代
古い時代に作られた掛け軸は当時の歴史や技法などが反映されていることがあり、骨董価値が高く評価される傾向にあります。
特に茶道の発展や禅宗の影響で変革期を迎えた室町時代の掛け軸や、新たな絵画様式や主題が生まれて多様化した江戸時代の掛け軸は、日本美術史における重要な期間と考えられているため、高額になる可能性があるでしょう。
掛け軸の素材
上質な和紙や絹が使われていたり、軸先に象牙などの希少素材が使われていたりする掛け軸は、高額買い取りにつながります。
掛け軸は素材の価値も含めて評価されるため、作品の出来栄えに上乗せされる形で買い取り価格が向上する可能性があるでしょう。
また、箱が二重になっている場合、外箱は天然漆を使用した塗り箱であることが一般的です。伝統的な技法で作られた塗り箱は価値が高く、査定額アップが期待できます。二重箱に収納されている掛け軸は状態も良好であることが多いため、高く買い取ってもらえる傾向にあります。
掛け軸の状態
掛け軸の保存状態は、買い取り価格に直結する極めて重要な要素です。シミや汚れ・破れ・退色・虫食いといった劣化があると、作品としての美しさが損なわれて買い取り価格は大幅に下がります。
作者が有名であっても、状態が悪ければ本来の価値を正当に評価されない可能性があるため注意が必要です。
掛け軸は湿気に弱く、保管環境が悪いとシミやカビが発生しやすくなります。また、直射日光の影響を受けたことによる色あせにも注意が必要です。
一方で、作られた当時に近い状態を保っている掛け軸は高く評価されます。
掛け軸の入手経路
掛け軸の入手経路は、買い取り相場を左右する重要な判断材料のひとつです。
美術館や博物館に収蔵されていた作品、著名なコレクターが所有していた作品、鑑定書とセットで入手した作品は、来歴が明確であるため評価も高まります。
信頼できる入手経路は本物である可能性が高いことを証明するものとなり、偽物のリスクを下げる効果があるためです。
信頼できる美術商や百貨店から購入した場合、購入時の領収書や値札が残っていれば、査定時に提示することで信ぴょう性が高まります。鑑定書がある場合は、一緒に査定に出しましょう。
中国作品は高評価◎
中国掛け軸は歴史的価値・文化的価値が高く評価されており、高額買い取りが期待できます。コレクターも多く高い需要が見込まれることも、中国掛け軸が高額になる理由のひとつです。
また、希少価値が高まっているのも高値査定につながる理由といえます。中国では文化財の持ち出しを禁止する法律ができたことにより、中国掛け軸が国外に出回ることが少なくなりました。このことが希少価値の上がる要因です。
掛け軸を高値で買い取りしてもらうコツ

せっかく買い取り依頼するなら、その価値を正しく評価してもらい、少しでも高く買い取ってもらいたいと考える方がほとんどでしょう。そのためには事前の準備が欠かせません。
査定を依頼する前に準備を整え、知識を付けることで、買い取り価格は大きく変わることがあります。ここからは、掛け軸の価値を最大限に引き出し、高価買い取りを実現するための重要なコツを見ていきましょう。
付属品をそろえる
木箱やきり箱・鑑定書などの付属品がそろっていれば、掛け軸本体だけの査定よりも買い取り額が向上する可能性があります。
付属品には作家名や入手経路を読み取る手がかりが眠っていることもあるため、捨てずに保管しておきましょう。木箱やきり箱に作家などを示す箱書きがあれば、より高く評価されます。
適切な方法で保管する
掛け軸を高く買い取ってもらうためには、状態を悪化させないことが重要です。そのためには、適切な環境で保管しなければなりません。薄い和紙などに包んできり箱に収納し、湿気・カビを防止できる環境で保管しましょう。
掛け軸買い取りの実績が高い買い取り業者に依頼する
掛け軸買い取りの実績が高い買い取り業者は、掛け軸に精通した査定士が在籍している可能性が高いため、適切な価格を提示してくれる傾向があります。
また、掛け軸の販路を開拓しており、需要がある市場での取引が可能であることから、極端に価値を低く見積もられることも少ないでしょう。公式サイトや口コミなどを確認し、掛け軸の買い取り実績が豊富な買い取り業者を選定することが大切です。
信頼できる掛け軸買い取り業者の見極め方

掛け軸の価値を適正に評価するには、信頼できる買い取り業者を選ぶことが不可欠です。専門知識のない業者に依頼すると、本来の価値よりも大幅に低い価格で買い取られる恐れがあります。
また、査定方法や対応の丁寧さも業者によって大きく異なるため、慎重に見極めることが必要です。ここからは、安心して掛け軸を売却できる買い取り業者を選ぶポイントを紹介します。
専門知識を持った査定員がいるか
掛け軸の適正な買い取り価格を引き出すには、専門知識を持った査定員の存在が欠かせません。掛け軸は作者の知名度や年代、保存状態など多様な要素が価値を左右するため、一般的なリサイクルショップでは正確な査定が困難です。
掛け軸のことを熟知した専門の査定士であれば、落款やサインから作者を特定し、技法や描写方法が本物かを見極められます。買い取り業者を選ぶ際は、公式サイトで査定員の専門性を確認しましょう。
掛け軸専門の査定士が在籍していることや、査定の根拠を丁寧に説明してくれる体制が整っているかがポイントです。
自分に合った買取方法に対応しているか
掛け軸の売却は、店頭買い取り・出張買い取り・宅配買い取りの3つから選べます。店舗によって出張買い取りや宅配買い取りに対応していないこともあるため、こちらも事前に確認しておきましょう。
店頭買い取りは査定結果をその場で確認でき、即日現金化できます。査定員と直接対話できるため、価格交渉や疑問点の解消もスムーズです。
出張買い取りは大切な掛け軸を持ち運ぶ手間がなく、自宅で査定から買い取りまで完結できます。複数の掛け軸をまとめて売却したい場合や、大型の作品がある場合に適している方法です。
宅配買い取りは近隣に買い取り店がない方や、忙しくて店舗に足を運べない方に向いています。指定場所に配送すれば査定してくれるため、手間がかかりません。
掛け軸の買い取りは福ちゃんへ!
大切に飾っていた掛け軸や眠っている掛け軸の売却を考えているなら、福ちゃんにお任せください。福ちゃんでは、掛け軸に精通した専門知識を持つ査定士が、一点一点丁寧に査定します。
「祖父から譲り受けた掛け軸」「倉庫から見つかった古い掛け軸」など、どのような掛け軸でもご相談を承ります。「シミや破れがある」「作者がわからない」といった状態の掛け軸でも、査定士が価値を見極めて適切な価格を提示可能です。
出張買い取り・宅配買い取り・店頭買い取りの3つの方法に対応しており、都合に合わせて選べます。査定料や出張料は全て無料です。まずはお気軽にご相談ください。
福ちゃんの掛け軸買い取り実績を紹介

福ちゃんでは、これまでさまざまな掛け軸を買い取ってきました。その一部を買い取り価格とともに紹介します。今回取り上げる掛け軸の買い取り実績は以下の通りです。
- 川端龍子『山百合』15万円
- 杉山寧『紫木蓮』25万円
- 松林桂月『春宵花影』45万円
- 王一亭『花石図』45万円
- 費隠通容『五行書』45万円
ここでは、それぞれどのような掛け軸なのか、買い取り金額が決まった理由について詳しく解説していきます。
※製品の状態によっては買い取れない場合がございます、予めご了承ください。
川端龍子『山百合』15万円
川端龍子は近代日本画壇を代表する巨匠で、西洋画から日本画に転向した異色の経歴を持つ芸術家です。福ちゃんでは、川端龍子の『山百合』を15万円で買い取りました。
本作は中央に繊細なタッチで百合の花が描かれ、植物の息づかいが感じられる枝葉、はかない花びらなどが表現されている逸品です。
右下には「龍子」と読めるサインと落款があり、作品の値打ちを決定づけるひとつの材料となりました。
川端龍子の作品は力強く豪快なものが人気で、本作のように優しい雰囲気のものは落ち着いた評価額になる傾向にあります。しかし、川端龍子の功績や作品の状態などを加味し、高く評価した結果がこちらの買い取り金額です。
杉山寧『紫木蓮』25万円
杉山寧は「日本画三山」のひとりに数えられる近代日本画を代表する芸術家です。色彩感覚とデッサン力に優れており、抽象表現を取り入れた独自の技法は、日本画界に革命を起こしたといわれています。
福ちゃんでは、杉山寧の『紫木蓮』を25万円で買い取りました。紫木蓮の花びらひとつひとつが立体的に描かれており、杉山寧の卓越した描写力と構成力が見て取れます。
右下に記された「寧筆」の落款は初期の作品に見られる特徴とされており、杉山寧の若かりし頃の才能を鑑賞できる逸品です。杉山寧が得意とする技法や作品の状態などを評価し、高額買い取りが実現しました。
松林桂月『春宵花影』45万円
松林桂月は明治から昭和にかけて活躍した日本画家です。「最後の文人画家」や「南画界の重鎮」の異名を持ち、日本画壇でひときわ存在感を示しました。画だけではなく、詩や書も評価され、高い芸術性を持ち合わせていた人物としても知られています。
福ちゃんでは、松林桂月の『春宵花影』を45万円で買い取りました。本作は、1939年に開催されたニューヨーク万国博覧会に出品された同名の作品と同じタイトルの掛け軸です。
夜の朧月と月光に照らされている桜の情景が見事に表現されています。『春宵花影』と題された作品は少なく、希少価値や付属品の有無などを考慮した結果、高額査定となりました。
王一亭『花石図』45万円
王一亭は近代中国美術界を代表する巨匠です。実業家・銀行家・政治家・書画家などさまざまな経歴を持ち、画では山水画・人物画・花鳥画・仏画など、多岐にわたる分野で評価されています。
福ちゃんでは、王一亭の『花石図』を45万円で買い取りしました。本作は、王一亭が得意とした山水図の作品のひとつです。一部、経年によるシミが見られましたが、シンプルなラインから美しい画を生み出す王一亭の特徴が顕著に表れていることが高額買い取りにつながりました。
費隠通容『五行書』45万円
費隠通容は中国明末清初の禅僧で、臨済宗の第31代伝人です。14歳という若さで出家し、64人もの弟子を育て上げるという偉業を成し遂げています。
福ちゃんでは費隠通容の『五行書』を45万円で買い取りしました。中国骨董品として歴史的価値が高く、時代ものという点でも希少な逸品だったためです。
右上の「31世」と読める篆刻印は、費隠通容の貴重な真筆であることを証明しています。400年前の書物でありながら、状態が非常に良好であることを加味して高額買い取りが実現しました。
まとめ

掛け軸の買い取り相場は、作者の知名度や年代、素材、状態、鑑定書の有無などの要素によって変動します。特に中国作品や古い時代の掛け軸は高評価を得やすい傾向にあります。高値買い取りを実現するには、付属品をそろえ適切に保管することが重要です。
また、売却するときは専門知識を持つ査定士が在籍していて、複数の買い取り方法に対応している業者を選ぶことも大きな要素です。
福ちゃんでは、掛け軸のことを熟知した査定士がひとつひとつ丁寧に査定しています。掛け軸の売却を検討している方は、ぜひ福ちゃんにご相談ください。