- 骨董品
- 2023.11.09
高額査定も狙える!象牙買取の注意点

絶滅の危機がある野生動物の保護を図るのが狙いで、1989年に「ワシントン条約」が発効されました。同時に象牙の輸入が日本でも全面禁止になり、象牙の買取相場はここ20~30年で急騰しています。
希少価値の高さから、高額査定も期待できる象牙製品。
しかし、その売買には法律が関わるため、正しい知識を持たずに進めるのは非常に危険です。とくに「象牙の買取には注意が必要」と耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
象牙は福ちゃんでも買取に力を入れていますが、象牙の買取にはいくつかの注意点があります。
この記事では、象牙の買取を検討している方が知っておくべき注意点を解説。ぜひ最後までご覧ください。
希少価値の高い象牙には様々な種類の骨董品がある

印鑑の高級素材としても有名な象牙。
一本物以外に、置物、彫刻、細工物、麻雀牌、アクセサリーなどにも使用されてきました。
家具や楽器の素材、様々な芸術品にも利用され世界中で人気があります。
そもそも象牙ってなに?
象牙とは象の最大に発達した切歯(門歯)の事で、多くの哺乳類に当てはまる「牙」とは異なります。
一般的に哺乳類の牙は犬歯が発達し長く尖った歯の事を指しますが、ゾウの牙は門歯が発達したものを指し、同じ「牙」でもその点が異なります。
象牙の断面には、木の年輪とは異なる独特の網目模様が見られます。この模様は、象牙質が形成される過程で生じるもので、本物の象牙を見分ける上で最も重要なポイントとなっています。
また、象牙は適度な吸湿性があり、手に持つとしっとりと馴染むような感触があります。色は一般的に乳白色ですが、経年変化によって黄色味を帯びたり、味わい深い色合いに変化したりすることもあるのです。
この自然な風合いも、象牙の魅力のひとつといえるでしょう。
象牙は世界中で需要があり希少価値が高い
象牙の価値を語る上で、国際的な視点は欠かせません。
象牙の取引は、国や地域によって大きく状況が異なります。かつて世界最大の象牙市場であった中国は、2017年末に国内の象牙取引を原則禁止しました。
これにより、公式な市場は閉鎖されましたが、依然として非合法な取引への需要は根強いとされています。欧米各国も規制を強化しており、イギリスやアメリカでは国内取引がほぼ全面的に禁止。
このような世界的な取引禁止の潮流の中で、日本はワシントン条約の規制開始前に国内に輸入された等の条件を満たす象牙に限り、国の登録を受ければ国内での取引が合法的に認められている、世界でも数少ない市場です。
この特殊な立ち位置が、日本の象牙相場に大きく影響しています。
現在においては、合法的に入手できる象牙が極めて限られていることから、その希少価値はむしろ高まり、状態の良い一本物や美術的価値の高い彫刻品は、依然として高値で安定している状況です。
今後、国内規制がさらに強化される可能性も否定できず、相場の動向には常に注意が必要でしょう。
日本は世界唯一の合法市場
国際的には厳しい目が向けられる象牙取引ですが、日本では特定の条件下で国内取引が認められています。
ワシントン条約は、あくまで「国と国との間の取引(国際取引)」を規制するものです。条約が採択される以前に、すでに国内に存在していた象牙の「国内取引」までを直接禁止するものではありません。
この点を根拠に、日本では「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(種の保存法)」という国内法を整備し、一定の条件を満たした象牙に限って国内での取引を認めています。
具体的には、ワシントン条約で規制される前に合法的に取得されたことなどを証明し、自然環境研究センターに申請して「登録票」の交付を受けた象牙(主に一本牙)は、国内での売買が可能です。
この制度により、日本の象牙市場の合法性が担保されています。
日本の象牙市場は縮小傾向にあるとされるものの、オークションサイトを介しての取引が急増中しており、日本の某ネットオークションサイトが「世界最大の象牙オンライン小売業者」と名指しで批判されるなど、象牙を巡っては様々な問題が存在しているのもまた事実です。
そのため、将来的にはさらに規制が強化され、国内市場が閉鎖される可能性もゼロではありません。実際に、大手ECサイトが象牙製品の出品を自主的に禁止するなど、民間の動きも活発化しています。
こうした動向は、象牙の買取相場にも影響を与えるため、売却を検討しているなら早めに行動する方が賢明かもしれません。
査定・出張費・手数料はすべて無料。

象牙の一本物売買には『象牙登録票』が必要です

1995年(平成7年)以降、象牙には登録票が必要になりました。
登録票がない象牙は売買、譲渡、相続もできず、すべて禁止になっています。
象牙の買取、とくに一本物を売る際に最も重要な注意点が『国際希少野生動植物登録票』、通称「登録票」の存在です。これがないと、法律違反になる可能性があります。
「登録票」は、その象牙が規制前に合法的に取得されたものであることを証明する、いわば象牙の身分証明書です。
この登録票がない一本物の象牙を売買、譲渡することは「種の保存法」で禁止されています。登録票の申請は、「一般財団法人 自然環境研究センター」が唯一の窓口となっています。
故人の遺品や譲り受けたなどの場合でも、登録証がご自身のお手元に無き場合には登録票を発行してもらう必要があります(1989年以前に国内にあった象牙が対象)。
ただし、この登録証が必要になるのは象牙の一本物(原木、磨き、彫、透かし彫)が対象で、加工などにより牙の形が残っていない物はこの登録票は不要です。
※当記事の閲覧時期によっては法改正で対象範囲が変更されている可能性もあります。象牙に関連するお品物をお持ちの場合には、環境省HPなどで必ず最新情報を確認しましょう。
登録票がない象牙のリスクと対処法
登録票がない一本物の象牙を売ったり、人にあげたりすることは法律で固く禁じられており、違反した場合は最大で懲役5年、罰金500万円(法人の場合は1億円)という重い罰則が科せられる可能性があります。
これは、売る側だけでなく、買った側(譲り受けた側)も罰則の対象となるため、絶対に避けなければなりません。
もしご自宅に登録票のない一本物の象牙がある場合は、まず前述の登録票の申請手続きを行う必要があります。
所有の経緯を証明する書類がない場合でも、入手時期や状況を詳しく説明する「申立書」を提出することで、登録が認められるケースもあります。まずは、自然環境研究センターに相談してみましょう。
福ちゃんなら象牙買取の相談もできる

ご紹介したように象牙には様々な種類が存在し、とくに一本物を売る時には登録証が必要になります。
象牙の買取は、法律や専門知識が絡むため、どの業者に依頼するかが非常に重要です。買取実績が豊富で、信頼できる専門業者を選ぶことが、安心して高額査定を実現するための近道です。
『福ちゃん』ではこれまで多数の象牙買取実績があり、しっかりと目利きができる査定士も多数在籍しています。
象牙の買取に関するご相談も承ります。出張査定も無料のため重たい象牙の一本物の買取も安心してお任せください!
象牙買取でよくある質問
Q. 象牙の一本物を売るのに必要な『登録票』を紛失した場合はどうすればいいですか?
A. 登録票を紛失した場合でも、再発行が可能です。登録票の発行元である「一般財団法人 自然環境研究センター」に連絡し、所定の手続きを行うことで再交付してもらえます。
Q. 本物の象牙と偽物の簡単な見分け方はありますか?
A. 本物の象牙には、表面に特有の網目模様が見られます。ルーペなどで確認し、この模様がなければ偽物の可能性が高いです。
また、本物はプラスチック製の模造品に比べてずっしりとした重みがあります。ただし、正確な真贋鑑定は専門知識が必要ですので、プロの査定士へのご相談をおすすめします。
Q. 象牙の買取相場は今後どうなりますか?
A. 2025年現在、国際的な規制により新規の供給が途絶えているため、国内に現存する象牙の希少価値は高まる傾向にあります。とくに状態の良いものや美術的価値の高いものは、高値で安定しています。
しかし、将来的に国内規制が強化される可能性もあり、相場が変動するリスクも考えられます。売却をご検討なら、市場が安定しているうちにご相談いただくのが賢明です。
Q. 法律が関わると聞いて不安です。買取は安全にできますか?
A. はい、ご安心ください。福ちゃんでは「種の保存法」をはじめとする関連法規を遵守し、適正な買取を行っています。
登録票の要不要や手続きに関する注意点など、お客様の不安な点にも専門の査定士が丁寧にご説明し、安全な取引をお約束します。