- 楽器
- 2024.08.10
サックスの吹き方や基本の構え方・上手に吹くためのポイントを解説!
当記事では、サックスの吹き方や音が出る仕組み、サックスできれいな音を吹くためのポイントなどを解説いたします。
サックスは、息を吹き込むだけでは音が出ません。しかし、基礎となる「アンブシュア」のくわえ方が正しくできると、比較的簡単に美しい音色が吹ける楽器です。
また、サックスは演奏するシーンによっても吹き方が異なるため、シーンに合わせた吹き方も知っておきましょう。
目次
サックスの吹き方を覚える前に知っておきたいこと
サックスの管体は金属で、トランペットやトロンボーンなどの金管楽器と見た目はあまり変わりません。
しかし、天然素材の葦(あし)でできているリードを使用して音を発生させる構造から、サックスは木管楽器に分類されています。
サックスは、金属で作られた管体に息を吹き込み、リードを振動させると音が出ます。
金管楽器のような力強い音量から、木管楽器の繊細な音質まで、幅広い表現力が魅力です。
サックスは、音域ごとに多くの種類が存在します。
サックスの高音域は、ピッコロサックスやソプラノサックスが担当しています。さらに、中音域はアルトサックスやテナーサックス、低音域をバリトンサックスやバスサックスなどが担当しているのです。
以下では、サックスを吹く前に知っておきたいことを、いくつか紹介いたします。
サックスの音が出る仕組み
サックスは、息を吹き込みリードが振動すると音が出る楽器です。リードの振動が楽器本体を通して増幅し、共鳴させることで豊かな音色を奏でます。
サックスは、「マウスピース」「ネック」「管体(ベルやキーが取り付けられた部分)」で、構成されているのです。
そして、マウスピースにリードを固定し息を吹き込むと、リードが高速で振動します。その振動をネックから管体に送り、キーで音階を調節すると音が出る仕組みです。
リガチャー・リードの位置
サックスの音を出すためには、マウスピースのセッティングが重要です。リガチャーやリードの取り付け方次第で、音の質が大きく変わります。リガチャーは、リードをマウスピースに取り付ける際に必要な部品です。
マウスピースの組み立て方は、以下の順番を守りましょう。
1.リガチャーのネジを緩めてマウスピースに通す
2.リードを通しネジを締めて固定
リガチャーより先にリードを取り付けると、リードがずれるため注意が必要です。リードがずれると、吹き込んだ息が楽器に正しく入らず、余分な肺活量を使用することに。
マウスピースには、リガチャーを固定する位置を示す線が入っています。取り付ける際、マウスピースの線にリガチャーの上線を合わせて固定しましょう。
リードを取り付ける位置は、マウスピースの先端がわずかに見える程度がベストです。
サックスの基本の構え方
サックスの構え方は、演奏に影響します。体に力が入ったままでは、重い楽器を持ちながら演奏し続けることは困難です。長時間でも演奏が続けられるよう、基本の構え方を覚えておきましょう。
サックスを演奏するときは、ストラップを活用します。立って演奏する場合は、サックスの構造上、楽器の下部を少し右側に傾けるようなイメージで構えると、力を入れず気軽に演奏できます。
足は肩幅くらいに開き、軽く背筋を伸ばしリラックスした状態がベストです。
座りながらサックスを演奏するときも、ストラップに楽器の重さを預けることが基本です。
サックスを肩幅ほど開いた両足の間に挟み正面へ向けると、体がねじれずリラックスして演奏できます。
楽器の下部を、右太ももの横にずらして構える演奏法もあります。テナーサックス、バリトンサックスなど、大きなサイズのサックスでは定番の構え方です。
正しいサックスの吹き方
サックスは、ただ息を吹き込むだけでは音が出ません。マウスピースのくわえ方「アンブシュア」を正しく行い、リードをうまく振動させることが切です。
アンブシュアは、サックスの演奏や音色に大きく影響します。マウスピースに上唇を当て、下の歯は下唇で巻き込むようにマウスピースの下半分をくわえる方法が一般的です。
ここからは、音楽ジャンルごとに異なるサックスの吹き方について解説いたします。
ジャズやポップスの吹き方
サックスは、メインだけでなくサブのメロディラインも担当できるため、音質の魅力を幅広く伝えられます。
サックスでジャズやポップスを吹くときは、リラックスした音をイメージしましょう。
マウスピースは下唇の巻き込みを弱めて、上部は上前歯と上唇を当てるだけにすると、リズムのある音が出せます。
ジャズサックスとして深みのある音を出すには、やわらかいリードを使うのがオススメです。硬いリードと比較すると、わずかに音程が下がるぶん、温もりのある音質を奏でられます。
ゆっくりと息を吸うことや、息の入れ方を加減することも効果があります。
クラシックや吹奏楽の吹き方
クラシック演奏や、吹奏楽でのサックス演奏は、周囲に溶け込むような音を奏でられるよう意識しましょう。
サックスは、ソロ演奏でも十分に引き立つ音色を持っています。しかし、音量のバランスや音色を誤ると、サックスの音が必要以上に目立ってしまうため注意が必要です。
基本的に下唇を巻き込む形のアンブシュアで、頬を膨らまさず息も漏らさないように吹きましょう。
また、クラシックや吹奏楽では、ビブラートをかけた演奏は控えましょう。ビブラートをかけると、サックスの音色が必要以上に強調されるためです。
サックスパートが曲中でどのような役割を果たしているのかを考えると、楽曲に即した演奏ができます。
「サックスの吹き方」上手に吹くためのポイント
サックスにただ息を吹き込むだけでは、印象に残る音は出せません。美しい音を奏でるには、レッスン中からポイントを押さえた演奏が大切です。
口の形や姿勢、息づかい、舌の使い方など、細かな点に気を付けるだけで音色が格段に変化します。
ここからは、サックスを上手に吹くためのポイントを、下記の3つ紹介いたします。
✔︎ 下唇を巻き込み歯を当てる
✔︎ 息が漏れないようにマウスピースを固定する
✔︎ 頬が膨らまないように意識する
下唇を巻き込み歯を当てる
マウスピースのくわえ方「アンブシュア」は、サックス演奏の基礎です。マウスピースの先端1cmくらいを目安に、力みすぎないよう口にくわえます。
痛くなるほど下唇を噛むことは、リード振動の妨げになるため避けましょう。
リードの振動をしっかりと伝えるため、下唇はリードに当てるだけです。正しく下唇が当てられていると、少ない肺活量で長時間の演奏も可能になります。
息が漏れないようにマウスピースを固定する
サックスで美しい音を出すには、息が漏れないようマウスピースを唇で固定します。
固定できていなければ、演奏の途中で息が続かなくなり、十分に音も出せません。また、音がかすれる、音量が足りないなどの原因にも。
くわえるだけでは口元にマウスピースを固定できないため、息が漏れないよう口の両端をしっかりと閉めましょう。
口の中に空間を保つことを意識すると、自然と唇が閉まります。そのほか、息が漏れないためのポイントとして下記もご参考にしてください。
✔︎ 口の形が「イ」と「ウ」の中間になるよう心がける
✔︎ 練習時にマウスピースを口の中心へ持ってくる
頬が膨らまないように意識する
演奏中に頬が膨らまないよう意識することも、サックスの豊かな音を出すためには重要です。
頬が膨らんでいると、唇がしっかりと閉じません。「マウスピースに息が入らない」「リードが振動しない」などの原因にも。
また、頬が膨らむことで喉が締まる原因は、マウスピースにしっかりと息を送り込めていないからです。
頬が膨らまないためには、マウスピースにしっかりと唇を当てましょう。頬に余計な力を入れず、唇をマウスピースに添わせます。
そして、サックスの音を周りに溶け込ませたいときは、息をゆっくりと吹き込むことがポイントです。逆に、サックスが引き立つような音を奏でたいときは、勢いよく息を吹き込みましょう。
まとめ
サックスは、マウスピースとリードの間に息を吹き込み、リードを振動させることで音が出ます。
サックスを吹くときは、マウスピースの先端1cm程に上の歯を当てます。下唇は、下の歯に軽く巻き込むようにくわえましょう。
立って吹くときは足を肩幅に開き、リラックスした状態で背筋を少し伸ばします。そして、ストラップ、手、口の「三点支持」でサックスを支えます。
頬が膨らんだり息が漏れたりしないよう、口の両端をギュッと閉じましょう。イとウの中間になる口の形で吹くと、きれいな音が出しやすくなります。