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  • 2025.05.06

円山応挙の作品は買取額が高い?高く売却するポイントまとめ

円山応挙は、江戸時代中期に京都で活躍した画家です。「写生画の祖」とも称される円山応挙の作品は、現代の美術市場においても極めて重要な存在として高く評価され、高額で取引されることも珍しくありません。

しかし、円山応挙の作品を高く売却するためには、付属品の有無などいくつかポイントを押さえておくことが重要です。

当記事では、円山応挙の作品を高く売却するためのポイントをご紹介します。円山応挙の有名作品や歴史的背景についても触れているため、作品の売却を検討中の方は、ぜひご参考にしてください。

【買取前に】円山応挙とはどのような作家?

【買取前に】円山応挙とはどのような作家?

円山応挙(まるやま おうきょ)は、従来の日本画に新しい風を吹き込んだ革新的な画家として、現代でも極めて高い評価を受けています。

円山応挙の作品は、対象をありのままに捉える写実性と、気品あふれる自然美の表現によって、多くの人々を魅了し続けています。

続く項目で、円山応挙の生涯と芸術について、詳しく見ていきましょう。

円山応挙とは|江戸時代中期の絵師

円山応挙は1733年、丹波国穴太村(現在の京都府亀岡市)に生まれました。若くして京都に出て画の道を志し、初めは狩野派の絵師について画技の基礎を習得し、その後は中国の絵画や西洋の陰影法など、さまざまな様式を貪欲に研究します。

貪欲な探求の末に円山応挙が辿り着いたのが、「写生(しゃせい)」を徹底的に重視した、独自の画風です。この確立された画風を礎(いしずえ)として、円山応挙は「円山派」の祖として多くの優れた弟子を育成し、京都を中心に一大画派を形成。

その影響は、近代日本画にまで及んでいます。

円山応挙の画風

円山応挙は、風景画・人物画・動物画・花鳥画といった、幅広いジャンルで才能を発揮しました。対象そのものに宿る質感や光と影の繊細な移ろい、さらには空間の奥行きや空気感までもが、見事に作品上で表現されています。

円山応挙の作品がもつ、洗練された写実と優雅さを併せもつ画風は、「日本写生画の祖」とも称され、京都の美術文化を一層豊かなものにしました。

そのような円山応挙には、数多くの代表作があります。

代表作のなかでも、国宝に指定されている「雪松図屏風(せつしょうずびょうぶ)」は、その筆頭といえるでしょう。ほかにも「牡丹孔雀図(ぼたんくじゃくず)」や「藤花図屏風(ふじばなずびょうぶ)」など、多くの傑作が知られています。

円山応挙の代表的な作品

円山応挙の代表的な作品

円山応挙は、京風絵画を語るうえでは欠かせない人物です。その作品は、国内外問わずコレクターから人気があり、鮮やかな色使いの作品が多く残っています。

さらに、円山応挙といえば、足のない幽霊を描いた「幽霊図」も有名作品の1つです。

ここからは、幽霊図を含む円山応挙の代表的な作品を8つご紹介します。

雪松図屏風(せつしょうずびょうぶ)

円山応挙の代表作ともいわれる「雪松図屏風」は、国宝にも指定されています。「雪松図屏風」は、雪景色のなかに立つ松の木を描いた作品で、冬の冷たく静かな美しさが表現されています。


松の木は日本画において、「長寿」や「不老不死」の象徴として描かれることが多い被写体です。

加えて、新しさの象徴である雪とともに、金泥で表現される大気の神々しさによって、清々しい冬の朝の情景が表現されています。

牡丹孔雀図屏風(ぼたんくじゃくずびょうぶ)

牡丹孔雀図屏風」は1781年に描かれた孔雀と牡丹を描いた屏風で、自然美と華やかな色合いを巧みに表現しています。

牡丹孔雀図屏風」は、色彩が非常に豊かで、目を引く美しい色合いが特徴です。孔雀の青や緑、牡丹の赤やピンク、背景の金色など色の対比が画面に深みと華やかさをもたらしています。

さらに、金箔を背景に使うことで作品へ豪華さを与え、全体的に優雅で高貴な雰囲気をもち合わせています。

藤花図屏風(ふじばなずびょうぶ)

藤花図屏風」は、円山応挙の優れた技法や美しい自然表現の作品として知られ、重要文化財にも指定されています。こちらは、一筆で濃淡を表現する「付立て(つけたて)」と呼ばれる技法が使われています。

藤の花がもつ生命力や立体感、空間の奥行きまでもが一時に表現されているのです。

また、円山応挙は藤の花を非常に精緻に描いており、花房が垂れ下がる様子や、花びらの細部に至るまで忠実に再現して描かれています。

竹鶏図(ちくけいず)

竹鶏図」は、円山応挙がほとんど視力を失ったなかで描いた「絶筆の作品」といわれています。竹と2羽の鶏を題材にした作品で、自然の美しさと生命の力強さが表現されています。

竹鶏図は下絵の後に本画に移ったり、彩色や金箔が施されたりと多くの手間がかけられている作品です。羽の輝きや竹の細かい節など、写実的な技法で自然の美しさを忠実に再現しています。

円山応挙の「竹鶏図」は、自然を愛する彼の繊細な観察力と技術が見事に表れた作品といえるでしょう。

幽霊図(ゆうれいず)

円山応挙の有名作品で知られる「幽霊図」は、歴史上初めて足のない幽霊を描いたことでも知られています。こちらの「幽霊図」は、1772年〜1781年に制作されました。そして、2021年には有形文化財に指定されています。

幽霊図は衣服や顔の表情、体の動きが非常に細かく描かれ、リアルさと幻想性が交錯しています。幽霊の体を浮遊感のあるポーズで描くことにより、非現実的な存在であることを強調しているのです。

背景は比較的シンプルで、幽霊そのものに焦点を当てるため、余計な装飾は省かれているとも考えられます。

仔犬図(こいぬず)

仔犬図」は、円山応挙の温かい人間性を象徴する作品です。作品には、雪の上で仔犬5匹が無邪気に戯れる場面が描かれています。

画材としてあまり日本の絵画には見られなかった仔犬を、円山応挙は好んで描いていました

なかでも、茶系色で鼻筋の白い仔犬を好んで描いており、「仔犬図」にも登場しています。仔犬のやわらかい毛並みや、目の輝き、足の位置など、動物の生き生きとした姿が描かれた作品です。

この作品は、円山応挙の温かい人間性だけでなく、観る者に温かみと親しみを与える美しい日本画です。

虎図(とらず)

虎図」は、その名のとおり虎を題材にした円山応挙の名作です。

短い筆線を重ねることで毛のやわらかさも表現されています。さらに、虎の毛並みや筋肉の動きなど、まるで実物を見ているかのように細やかに描き出されているのです。

しかし、虎の威厳とは裏腹に、大きく丸い目が特徴的な虎は愛らしさも感じられます。

当時、日本では実物の虎を見られなかったため、「虎図」は猫の姿と虎の毛皮を参考に描いたといわれています。

孔雀図(くじゃくず)

孔雀図」は、2羽の孔雀が題材で、そのうち1羽が大きく羽を広げる姿が描かれています。孔雀の羽が広がる様子は、光沢感や繊細なグラデーションが巧みに描かれ、その美しさが際立っています。

また、円山応挙は花鳥画の作品を多く残しており、なかでも孔雀は円山応挙の得意とした題材です。

孔雀図」は色彩が豊かで、孔雀の羽の緑や青、金色がとくに目を引きます。孔雀の美しい羽が広がる構図で描かれており、全体のバランスが取れた配置が特徴です。

加えて、紅白の牡丹からは高貴な印象が感じられます。

 円山応挙の作品には贋作が多い!査定時は要注意

 円山応挙の作品には贋作が多い!査定時は要注意

江戸絵画の巨匠として、現代でも絶大な人気と高い評価を誇る円山応挙。「円山派」と呼ばれる画派を築き、近代日本画に大きな影響を与えました。

しかし、その輝かしい名声の裏側で、残念ながら贋作(がんさく)が非常に多く存在することも、広く知られています。そのため、お手持ちの円山応挙の作品を査定に出される際には、後悔しないためにも、依頼先を慎重に選ぶことが極めて重要です。

円山応挙の作品に贋作が多い背景には、彼が確立した写実的な画風が後の画家に大きな影響を与え、「結果的に模倣されやすかった」こと。さらに、特徴的ながらも「丁寧な楷書体の落款(らっかん)が模写されやすかったこと」などが、理由として指摘されています。

これらの要因が絡み合い、真贋(しんがん)の見極めは専門家にとっても容易ではありません。

こうした状況を踏まえると、幅広いジャンルを扱う一般的なリサイクルショップ等では、円山応挙に関する深い専門知識や、真贋鑑定の経験が不足している可能性が考えられます。その結果、貴重な真作の価値が見落とされたり、巧妙に作られた贋作を誤って評価してしまったりするリスクが否定できません。

だからこそ、円山応挙作品の査定は、日本画や古美術に対する「深い知識」と「豊富な買取実績」をもつ、信頼できる専門買取業者に依頼することが必要不可欠です。

専門家は、筆遣いの特徴や落款や印章の正しさ、使用されている絵の具や紙・絹の年代など、詳細まで確認します。さらには、共箱(ともばこ)の箱書きや、作品の来歴なども査定時に確認するため、作品がもつ本来の価値を適正に評価できるのです。

大切な作品を安心して託し、その価値に見合った評価を得るために、信頼できる専門業者を選ぶことから始めましょう。

もし、円山応挙作品の査定・買取について、どの専門業者に相談すればよいかお悩みでしたら、ぜひ「買取福ちゃん」にお任せください。

真贋の判断が難しいお品物、付属品がそろっていないお品物なども、専門的な知見と確かな眼力で、作品がもつ本来の価値を正しく評価いたします。

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円山応挙の作品で高価買取を狙うポイント

円山応挙の作品で高価買取を狙うポイント

円山応挙の作品は、自然の美しさを繊細に捉えたものが多く、今なお高い評価を受けています。円山応挙の作品を査定依頼するなら、作品の価値を最大限に引き出すポイントについて、把握しておくことが非常に重要です。

ここからは、円山応挙の作品で高価買取を狙う6つの重要ポイントをご紹介します。

✔︎ 本物の作品であること
✔︎ 作品の状態が良いこと
✔︎ 作者の落款やサインがあること
✔︎ 付属品がそろっていること
✔︎ 入手経路が明確であること
✔︎ 人気の高い作品であること

本物の作品であること

円山応挙の作品は、その人気ゆえに贋作も多く出回っています。円山応挙にかかわらず、絵画の作品には、作家の作品かどうかが証明される落款(作家のサイン)が必ずといって見られます。

しかし、円山応挙の落款はほとんどが丁寧な楷書であったことから、弟子によって模倣されていたとも考えられるのです。

巧妙に作られる贋作は、素人の目で見分けることが非常に困難です。そのため、円山応挙の作品で真贋を知りたい場合は、絵画専門の査定士が在籍する業者に依頼しましょう。

作品の状態が良いこと

円山応挙を含む絵画の買取は、保存状態がもっとも重要です。絵画は時間とともに劣化し、とくにヒビ割れや汚れ、色あせが目立つと評価が下がります。

また、日焼けや破損がある場合、査定額に大きく影響してしまいます。適切な保管とメンテナンスが施されている作品は、より高い評価を受ける傾向にあるのです。

絵画は、普段から風通しの良く、直射日光が当たらない場所に保管することをオススメします。

作者の落款やサインがあること

絵画買取においてサインや証明書が付属していることは、作品の真贋を確認するために非常に重要です。

絵画における鑑定書は、作品が本物であることを証明する公式な文書であり、作品の真贋を確認するために専門家が発行します。

作家のサインや落款も同様で、作品にサインがあるとないとでは、査定金額に大きな影響を与えるのです。査定時に絵画の真贋を判断する基準にもなるため、とくに高額で取引されるような作品には作者のサインが必須とされています。

付属品がそろっていること

絵画を買取に出す際、付属品がそろっていることは、買取価格に大きく影響を与える重要な要素です。付属品が完全であるほど、作品の信頼性や価値が高まります。

また、付属の額縁がある場合、絵画の価値が大幅に変わります。とくに、その額縁が作家や時代と一致している場合、絵画の歴史的価値がより強調されるのです。

さらに、額縁自体が美術品として価値をもっている場合もあります。

ただし、額縁の状態にも注意が必要で、損傷がある場合は価値が下がることを覚えておきましょう。

入手経路が明確であること

円山応挙を含む絵画作品の査定には、明確な入手経路も金額に影響します。絵画における入手経路は、オークションで購入したのか知人に貰ったのかなど、作品が手元に来るまでの経緯です。

これらの経緯が明確になることで、作品の歴史的価値を知ることや真贋の判断にも役立ちます。入手経路の提示方法として、対象の作品に鑑定書があれば査定の際に提出しましょう。

鑑定書によって一定の価値が確認でき、査定がよりスムーズに行えます。

人気の高い作品であること

絵画は、とくに人気が高い作品であれば市場でも高い価格で取引されます。

円山応挙の作品でも、代表的な作品やシリーズだと、高価買取がされやすい傾向にあります。円山応挙が得意とした「孔雀」「虎」「幽霊図」などのシリーズ作品は、需要が高いため買取価格も期待できるでしょう。

また、円山応挙が活動を始めた初期の作品や、彼が描いた名作シリーズ「雪松図屏風」「牡丹孔雀図屏風」などは、とくに人気の高い作品です。

円山応挙の作品を買取に出すなら「福ちゃん」へ!

円山応挙の作品を買取に出すなら「福ちゃん」へ!

円山応挙を含む絵画は、オークションに出すことや質屋に持っていくなど、いくつかの売却方法があります。買取業者に絵画の売却を依頼するのも1つの手です。

しかし、買取業者選びには注意が必要で、安易に業者を選択すると損失を受ける可能性も。そのため、絵画の正しい査定を受けるためにも信頼できる買取業者への依頼が重要です。

買取福ちゃん」は、円山応挙を含む絵画の高い買取実績をもっています。

さらに、福ちゃんには円山応挙の作品に対して、歴史的要素や市場動向に詳しい査定士が在籍しております。そのため、コレクターからの需要や最新の相場を反映した正確な査定が可能です。

日焼けで変色している」「サインが見当たらない」など他店で断られた絵画でも、ぜひ福ちゃんにお任せください。

まとめ

円山応挙は、江戸時代中期の日本画家で、とくに「円山派」と呼ばれる画派を築いた人物として知られています。

円山応挙の作品は、「虎図」や「牡丹孔雀図屏風」など自然の美しさを繊細に捉えたものが多く、今なお高い評価を受け続けています。

しかし、その人気から贋作が多いことでも有名です。円山応挙を含む絵画を査定に出す際、一般的な買取業者ではこうした細かい特徴を見落とす可能性があります。

「買取福ちゃん」では、絵画の専門知識をもつ査定士が多数在籍しております

さらに、真贋の確認だけでも無料で承っておりますので、ぜひ福ちゃんへお気軽にご相談ください。

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