- 骨董
- 2025.05.07
中古の碁盤や碁石の買取相場は?高く売れやすいアイテムの特徴や高価買取のポイント

中古の「碁盤」や「碁石」を買取に出そうか、お考えでしょうか?
これらの囲碁道具は、査定に出すと、骨董品として高く評価されるものも少なくありません。なかには、驚くような買取価格がつくケースもあります。
本記事では、それぞれの買取相場や、高く売れやすいお品物の特徴をご紹介します。
大切にしてきた囲碁道具を手放すなら、できるだけ高く売却したいですよね。そこで、高価買取のためのポイントも解説していきます。
記事を読み終えると、納得のいく価格で売却できる可能性が高まりますので、ぜひ最後までご覧ください。
碁盤や碁石とは

囲碁で使われる碁盤や碁石を高く売るためには、基礎知識を押さえておくことが大切です。ここでは、それぞれの特徴を整理してご紹介します。
そもそも囲碁は、4000年ほど前に中国で始まったとされており、非常に長い歴史があります。
囲碁道具の代表的なものとして知られる「碁盤」は、 碁石を配置する平面の盤のことです。
タイトル戦など通常の対局では、縦19本、横19本の線が引かれた「19路盤」が使われます。19路盤には、目の数(碁石を打つ点)が361個存在します。
そのほかに、縦横の線が少ない「9路盤」や「13路盤」も存在。目の数が少なくなるほど、対局時間が短くなるため、入門向けや初級向けとして広く使用されています。
「碁石」とは、碁盤に打っていく丸い石のことです。白石と黒石の2種類があります。
“石”という漢字が入っていますが、実際には石だけでなく、貝殻やガラスなども素材として使用されています。
碁石は原則として、「白石180個」「黒石181個」の合計361個で1セットです。これは、正式な碁盤である19路盤では、361の点が存在するからです。
【種類別】中古の碁盤の買取相場

中古の碁盤の買取価格は非常に幅広く、一概にいくらとはいえません。
とはいえ、種類ごとに価値の高さがある程度決まってきます。
ここでは、中古市場における価値の高さについて、種類別にご紹介します。
・本榧製の碁盤
・ヒバ製の碁盤
・蒔絵を施した碁盤
・鎌倉彫を施した碁盤
本榧製の碁盤
碁盤は基本的に木製で、使用されている木材の種類はさまざまです。そのなかでも本榧(ほんかや)は、最高級材として知られています。
榧はイチイ科の常緑針葉高木で、寿命は1000年にもおよびます。
成長スピードが極めて遅いため、碁盤づくりに適した大きさになるには、300年以上もの歳月が必要です。
本榧でつくられた碁盤は、ほどよい弾力から生まれる最高の打ち味が魅力です。この弾力により、長時間対局しても疲れにくいといわれています。
きめが細かく美しい木肌や、淡黄色の上品な色合いも魅力です。
「打ち味」「美しさ」「耐久性」など、碁盤の価値を判断するすべての基準において、本榧に勝る木材はありません。
こうした理由から、査定に出すと驚くような査定額がつくこともあります。
最高級材である本榧は、碁盤以外にも、まな板などにも使用される高級木材です。
ほどよい堅さがありながら弾力性もあるため、食材を切りやすいだけでなく、包丁が傷つきにくいのが魅力です。
ヒバ製の碁盤
ヒバ製のものは、本榧製と比べると買取相場は低いですが、普及品のなかでは良品にあたります。
そのため、状態によっては高価買取を狙えるでしょう。
ヒバ製のものは、木材の心材の腐りにくさを示す「耐朽性」や、水分による影響の受けにくさを示す「耐湿性」に優れているのが特徴です。
碁盤のなかでは、重量が比較的軽量であり、取り扱いやすく使い勝手のよい盤として知られています。
一方で、耐久性はあまり高くありません。
見た目に関しては、木目が細かく明るい色合いをしており、清潔な印象を受けます。
蒔絵を施した碁盤
蒔絵とは、漆で絵や文様を描き、その上に金や銀などの金属粉を蒔いて装飾する技法です。漆工芸の代表的な技法として、1200年ほど前から行われています。
そもそも漆とは、ウルシ科に属する木の幹に傷をつけると出てくる、天然の樹液です。この樹液を精製することで、蒔絵に使用する漆が完成します。
漆は固まるのに時間がかかるものの、1度固まると非常に丈夫な塗膜をつくり、酸やアルカリにも影響を受けにくいのが特徴です。
蒔絵における漆の役割として、「金属粉を接着させる」「艶を出す」「木を補強して丈夫にする」などが挙げられます。
こうした魅力ある蒔絵が施された碁盤は、装飾のないものより査定額が高くなるでしょう。
ひと口に蒔絵碁盤といっても、使われている木材の種類や作家名などによって、価値は変わります。
本榧製で、なおかつ有名作家が手掛けた蒔絵碁盤であれば、高額査定になることも珍しくありません。
鎌倉彫を施した碁盤
鎌倉彫とは、木材に彫刻を施し、その上に黒漆を塗って朱漆で装飾したものを指します。
その歴史は長く、800年の時を超えて受け継がれてきました。
鎌倉彫は、「彫りによる陰影」「漆の深みある色調」「木の温もり」が見事に調和した伝統的工芸品として、今もなお愛されています。
鎌倉彫の碁盤は見ているだけでも美しく、工芸品としても高く評価されるでしょう。鎌倉彫が施されたものは数が非常に少なく、希少性が高いことも、高価買取を期待できる理由です。
なお、碁石を入れるための容器「碁笥」は、鎌倉彫を施したものが比較的多い傾向です。
鎌倉彫の碁笥も、中古市場において高く評価されています。
碁盤に価値の高い素材や装飾が使われていても、業者によっては、その価値を適切に評価してくれないこともあります。
なぜなら、専門知識や経験がないまま、査定を行うケースがあるからです。大切なお品物の価値を正しく評価してくれなかったら、悲しいですよね。
福ちゃんには、碁盤の専門知識がある査定士が在籍しております。
使用されている素材や装飾を見極め、価値に見合った査定額をご提示させていただきますので、お気軽にご相談ください。
ご依頼はこちら
受付時間 9:00~20:00
(年中無休※年末年始は除く)
【種類別】中古の碁石の買取相場

中古の碁石についても、買取額が一概にいくらとはいえません。
とはいえ、碁盤と同様に、使われている素材によって価値がある程度決まってきます。
使用されている主な素材として、以下3つが挙げられます。
・蛤碁石
・那智黒石
・ガラス・プラスチック
ここでは、それぞれの価値の高さについてご紹介します。
蛤碁石
白石のなかでは、「蛤(はまぐり)」の貝殻を使ったものが最高級品として知られています。ほかの素材を使ったものと比べると、査定額は高くなりやすいでしょう。
蛤碁石の触り心地はなめらかで、その打ち味は、ガラス製やプラスチック製とはまったく異なります。見た目は乳白色で優しいツヤがあり、汚れがつきにくいのも特徴です。
蛤碁石は縞模様も特徴としており、縞目の表われ具合を基準として、以下3つのグレードに分かれています。
・雪印
・月印
・花印(実用品)
「雪印」に分類されるものは、蛤特有の縞目がきめ細やかに通っており、蛤碁石のなかでは最高級グレードです。縞目が全体の約8割に通っているもののみ、「雪印」に分類されます。雪印は蛤碁石全体の5~10%ほどしか生産できず、希少性が非常に高いため、価格も高めです。
「月印」は、縞目がやや大まかなのが特徴です。雪印ほどではありませんが、高品質な蛤碁石に分類されます。
「花印」は、上記の2つと比べると縞目がかなり大まかです。雪印や月印ほどのグレードは求めていないけれど、蛤碁石を使いたい方から支持されています。
このようにグレードが分かれていることを押さえておくと、査定時に役立つかもしれません。
那智黒石
黒石のなかでとくに高く評価されるのが、「那智黒石」です。
那智黒石は三重県熊野市だけで採掘される石で、磨くほどに、艶のある漆黒になる点が魅力です。
那智黒石は碁石のほか、墨を水で磨る(する)ために使用する「硯(すずり)」の最高級材としても知られています。
那智黒石の硯はきめが細かいため、墨を磨るのに時間はかかりますが、できた墨は非常になめらかです。こうした魅力から、詩文や書画など風雅の道に携わる人に愛されています。
ここまでご紹介した蛤碁石と那智黒石は、「高級碁石」としてセットで販売されていることもあります。
売却する際も、それぞれ別で出すよりは、セットで出したほうが高く評価されやすいでしょう。
ガラス・プラスチック
蛤や那智黒石などの天然素材だけでなく、ガラスやプラスチックを使用した碁石も存在します。
これらの素材を使った碁石は、低コストで大量生産が可能なため、普及品として広く使用されています。
その手頃さから、囲碁を始めたばかりの方や、小さなお子さまに人気です。
ただ、骨董品としての価値はあまりなく、買取額は低くなる傾向です。
碁石は、碁盤と比べるとサイズが小さく、新品価格もそこまで高くはないため、どの業者に依頼しても買取額は一緒だと思う方もいるかもしれません。
しかし、実際はそうではありません。
業者の知識や経験によって、買取額に差が出ます。
福ちゃんは碁石の査定にも自信を持っておりますので、できるだけ高く売却したい方は、ぜひご相談ください。
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高価買取となりやすい中古の碁盤や碁石の特徴

買取に出す前に、お持ちの碁盤や碁石が高く売れるのかどうか、ある程度把握できたらうれしいですよね。
高価買取となりやすいアイテムの特徴は、以下のとおりです。
・高級素材を使った碁盤や碁石
・厚みのある碁盤や碁石
・脚付碁盤
・有名作家が手掛けた碁盤
・有名棋士のサインが入った碁盤
・サイズが均一な碁石
それぞれの特徴について、ご紹介します。
高級素材を使った碁盤や碁石
碁盤に使われる主な素材には、「榧」「檜(ひのき)」「銀杏(いちょう)」などがあり、なかでも本榧を使ったものは買取額が高くなる傾向です。
本榧には国産と中国産があり、前者のほうが高級品とされます。国産のなかでも、とくに宮崎県で採れる「日向榧(ひゅうがかや)」を使用したものは、高額査定になることも珍しくありません。
碁石の場合、白石では「蛤碁石」が高く評価されます。
使用される蛤は、メキシコ産がほとんどですが、ごくわずかに宮崎県日向市産のものが存在します。日向市産のものは、その希少価値から「幻の蛤碁石」と呼ばれており、高額査定を期待できるでしょう。
黒石は、三重県熊野市だけで産出する「那智黒石」を使ったものが高く評価されます。
厚みのある碁盤や碁石
碁盤は厚みがあるほど、価値が高いといわれています。これは、使用している木材の量が多いことや、打ったときの音が美しく響くことが理由です。
たとえば、厚みが12cmの碁盤よりも、18cmの碁盤のほうが高く評価されやすいでしょう。
碁石も碁盤と同様、厚みに幅があります。
碁石の厚みは「号数」で表され、具体的には「28号(7.5㎜)」「50号(14.3㎜)」のように示されます。
厚みのある碁石は、使用されている貝殻や石の量が多いため、買取額が高くなる傾向です。厚みがあると音の響きがよく、安定して打てることも、高価買取を狙える理由です。
脚付碁盤
碁盤には、以下のようにさまざまな形状があります。
・脚付碁盤
・卓上碁盤
・折盤
これらのなかで、とくに高価買取となりやすいのが「脚付碁盤」です。
脚付碁盤は、その名のとおり脚が付いており、畳の上などに直接置いて対局することを想定して設計されています。ほかの形状と比べて、重厚感と高級感が特徴です。
上記の「卓上碁盤」は、主にテーブルの上に置いて使用し、椅子に座って対局するために設計されています。
「折盤」は2つ折りにできるのが特徴で、持ち運びや収納に便利でしょう。
有名作家が手掛けた碁盤
有名作家が手掛けた碁盤も、高価買取を期待できます。
たとえば、有名作家として知られる「平井芳松」が手掛け、なおかつ本榧製のものは、驚くような価格がつく可能性もあります。
平井芳松は明治から昭和前期にかけて活躍した作家で、自身の店を持つことなく、碁盤づくりだけに力を注ぎました。
そのほかに、「神戸雪汀」が手掛けた蒔絵碁盤も、高値がつきやすいでしょう。
神戸雪汀は“天才”と称された蒔絵師です。全体として高価買取を狙いやすい蒔絵碁盤のなかでも、神戸雪汀による作品は、買取相場がさらに高くなる傾向です。
有名棋士のサインが入った碁盤
有名な囲碁棋士が対局を記念して入れた直筆サインや、揮毫(きごう)がある碁盤は、高く評価されやすいでしょう。揮毫とは、毛筆で絵や字を書くことです。
たとえば、全体として価値が高く評価される本榧碁盤に、人気棋士「光原伊太郎」の揮毫が入っていると、高価買取を期待できます。
棋士のサインだけでなく、碁盤が使用されたタイトル戦の名前や、立ち合い人の署名が入っているお品物も、高値がつきやすくなります。
サイズが均一な碁石
碁石は厚みのほかに、サイズが均一かどうかも重要なポイントです。
碁石のサイズが均一だと、使用感がよくなります。天然素材を使った碁石では、大きさをそろえるために原材料を厳選しなくてはならず、高い加工技術も必要となります。
こうした理由から、サイズが均一なものは高く評価されるのです。
サイズに加えて、碁石の色合いや模様がそろっているものも、高価買取を期待できますよ。
中古の碁盤や碁石を高価買取してもらうポイント

中古の碁盤や碁石を買取に出す際、事前準備を少ししておくだけで、買取価格がアップすることがあります。
高価買取をしてもらうためのポイントは、以下のとおりです。
・保存状態を整える
・白石と黒石をすべてそろえる
・碁笥も一緒に買取に出す
・骨董品・美術品買取の専門業者に査定してもらう
・複数の業者に査定を依頼する
それぞれのポイントについて、ご紹介します。
保存状態を整える
碁盤や碁石の保存状態は、買取価格に大きく影響する要素です。傷や汚れの少ない綺麗なお品物は、高価買取を期待できます。
碁盤や碁石を長期間使っておらず、表面にホコリが付着している場合は、乾いた布で優しく拭き取っておきましょう。
ただし、適切な方法でお手入れしなければ、お品物を傷める可能性があるため注意が必要です。
木材や蛤などの天然素材を使った碁盤や碁石は、水で濡らした布で拭くとカビの原因となるため、避けたほうがよいでしょう。
白石と黒石をすべてそろえる
碁石セットは、白石180個、黒石181個の合計361個が標準です。これに加えて、スペアが数個付いてくることもあります。
361個すべてそろっていると、高評価のポイントとなるため、査定前に数を確認しておきましょう。
碁石の数が361個未満でも、買い取ってもらえることも多いものです。ただ、316個を下回っていると、そのままでは碁を打てないため、買取額は低くなります。
碁笥も一緒に買取に出す
骨董品買取においては、数回に分けて売却するよりも、まとめて売却したほうが買取価格は高くなる傾向です。
そのため、手放そうとお考えの「碁笥」などをお持ちの場合は、同じタイミングで査定に出してみるのもよいかもしれません。
碁笥には、以下をはじめとするさまざまな木材が使われており、木材の種類によって価値が変わってきます。
・黒柿
・屋久杉
・桑
・檀
これらのうち、とくに高く評価されるのが「黒柿」です。
碁笥に黒柿の木材を使用するためには、何年も自然乾燥させる必要があります。ただ、黒柿は乾燥途中でヒビが入りやすく、取り扱いが難しい木材です。
そうした特徴を持つ黒柿の木材を、少しずつ削っては乾燥させる工程を何度も繰り返すことで、ようやく碁笥が完成します。
丁寧に乾燥させてつくられた黒柿製の碁笥は、長年使用しても変形しづらく、美しさも保たれます。
骨董品買取の専門業者に査定してもらう
碁盤や碁石を骨董品として取り扱う買取専門業者に査定してもらうことも、高価買取のポイントです。
碁盤や碁石は、保存状態だけでなく素材や作家など、さまざまな要素によって価値が変動します。
碁盤や碁石を骨董品として取り扱う業者には、専門知識のある査定士がいるため、保存状態以外の要素も加味した上で評価してくれるでしょう。
骨董品(美術品)買取の専門業者に、査定してもらうことが重要です。
複数の業者に査定を依頼する
少しでも高く売却したい場合、複数の業者で査定してもらうことをオススメします。
これは、同じお品物を査定に出しても、業者によって買取額に差が出ることも多いからです。複数の店舗で査定してもらい、査定額が高かった店舗で売却しましょう。
複数の業者で査定してもらうことで、価格交渉をするときの材料にもなりますよ。
依頼した業者が悪徳業者で、不当に安い価格で買い取られてしまう可能性もゼロではありません。複数の業者に依頼すれば、こうしたリスクを回避することにもつながるでしょう。
中古の碁盤買取なら「福ちゃん」にお任せください

中古の碁盤や碁石の買取をお考えの方は、福ちゃんにお任せください。
福ちゃんの骨董品買取では、「出張買取」「店頭買取」の2つの買取方法をご用意しております。
とくに碁盤は重さがあり、持ち運ぶのが大変なため、出張買取のご利用がオススメです。
福ちゃんの出張買取では、碁盤1点でもお伺いします。もちろん、査定料や出張料はかかりません。万が一査定額にご満足いただけず、買取不成立となっても、キャンセル料は無料ですのでご安心ください。
なお、碁盤や碁石の買取に際して、ご不安に思われることもあるかもしれません。
福ちゃんでは、「お電話」「お問い合わせフォーム」「LINEの公式アカウント」を通じて、買取に関するご相談を承っております。
買取に関するご不明点を解消するお手伝いをさせていただきますので、ぜひご活用ください。
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まとめ

本記事では、中古の碁盤や碁石の買取相場について解説しました。
中古の碁盤や碁石の買取価格は非常に幅広く、一概にいくらとはいえません。ただし、使われている素材や装飾の種類によって、価値の高さはある程度決まってきます。
たとえば、碁盤の場合、本榧製のものや蒔絵が施されたものが高価買取を期待できるでしょう。
碁盤や碁石に関する知識がない業者に査定を依頼すると、上記のような要素を見極めてもらえず、安く買い取られてしまう可能性もあります。
高価買取を狙うなら、専門知識のある業者に依頼するのがオススメです。
福ちゃんには、碁盤や碁石の知識を豊富に有する査定士がおりますので、ぜひご相談ください。