• 骨董
  • 2025.06.14

徳田八十吉の作品の買取相場はいくら?買取額アップのポイントとは

九谷焼を代表する陶工の系譜「徳田八十吉」。
現在は四代目がその名を受け継ぎ、代々高い芸術性で多くのファンを魅了しています。

とくに、人間国宝に認定された「三代徳田八十吉」の作品は世界的に評価が高く、買取市場でも高い人気を誇ることで有名です。

この記事では、まず初代から四代にわたる徳田八十吉の名跡、それぞれの特徴と功績をたどります。その上で、買取市場で最も注目度の高い三代目の作品に焦点を絞り、具体的な買取相場や、お手元の作品の価値を最大限に引き出すためのポイントを徹底解説します。

記事を最後までお読みいただくことで、お手元の徳田八十吉作品の買取に関するあらゆる疑問が解消しますので、ぜひご覧ください。

徳田八十吉とは?

徳田八十吉とは?

徳田八十吉(とくだ やそきち)とは、石川県の九谷焼を代表する陶工の名跡です。初代からその卓越した技術と芸術性は受け継がれ、現在は四代が活躍しています。

ここからは、初代から四代までの経歴を、簡潔にご紹介します。

初代・徳田八十吉(1873〜1956年)

若い頃から17世紀の「古九谷」の再現に情熱を注ぎ、とくに釉薬の研究に没頭しました。その卓越した上絵付けの技術が評価され、1953年に九谷焼上絵付の技術で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。近代九谷焼の礎を築いた名工です。

二代・徳田八十吉(1907〜1997年)

初代の養子として弟子入りし、その技術を継承しました。1956年に二代を襲名。初代の伝統を守りつつ、九谷焼の近代化を推し進め、海外の展覧会でも受賞するなど、その国際的な評価を高めました。1988年に名を長男(三代)に譲り、自身は「百々吉」を名乗りました。

三代・徳田八十吉(1933〜2009年)

祖父である初代から釉薬の調合を、父である二代から絵付け技術を学び、両者の才能を昇華させた天才陶工です。後述する独自の技法「耀彩」を確立し、1997年に重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)に認定されました。歴代の中でもとくに人気と評価が高く、現代九谷焼の「最高峰」と称されています。

四代・徳田八十吉(1961年〜)

四代は、父・三代から受け継いだ「耀彩」の技術を基盤としながらも、独自の感性でそれを発展させ、これまでの徳田八十吉にはなかった、明るく洗練された色彩の作品世界を切り開いています。

このように、徳田八十吉の名跡は、各代が伝統を守りつつも革新を重ねており、そのすべてが今日の高い評価につながっています。

その中でも、作品の価値についてとくに多くのお問い合わせをいただくのが、人間国宝「三代徳田八十吉」です。

徳田八十吉の礎となった「九谷焼」の世界

徳田八十吉の礎となった「九谷焼」の世界

初代と三代が人間国宝に認定されるなど、各代が独自の境地を切り拓いてきた名跡「徳田八十吉」。

彼らが名を刻んだ「九谷焼(くたにやき)」とは、そもそもどのような焼き物なのでしょうか。その壮大な歴史と芸術性の根幹に触れることで、徳田八十吉という名跡が持つ功績の大きさがより深く理解できます。

九谷焼とは、17世紀半ばの1655年頃に誕生して以来、石川県南部の加賀市・小松市・能美市・金沢市などで発展を遂げてきた、日本を代表する色絵磁器です。最大の特徴は「九谷五彩」と呼ばれる、赤・黄・緑・紫・紺青の5色を基調とした、豪華絢爛な色彩にあります。

器をキャンバスに見立て、まるで絵画のように大胆かつ緻密な模様を描き出す「上絵付け」の技法が用いられます。一度高温で焼き上げた磁器の表面に絵付けを施し、再び低温の窯で焼き上げることで、ガラス質の透明感と深みのある美しい発色が生まれるのです。

伝統的な山水や花鳥といった絵柄から、現代的で斬新なデザインまで、その表現は多岐にわたります。この高い芸術性と技術は国内外で評価され、「ジャパンクタニ」として世界にその名を知られており、1975年には国の伝統的工芸品にも指定されました。

この360年以上にわたる、華やかで力強い美の伝統こそが、徳田八十吉が挑み、新たな表現を生み出すための礎となったのです。

色の濃淡のみで世界を魅了|三代徳田八十吉の革新「耀彩」

色の濃淡のみで世界を魅了|三代徳田八十吉の革新「耀彩」

三代徳田八十吉の作品が、なぜこれほどまでに高く評価されるのか。

その答えは、彼が人生をかけて生み出した、革新的な釉薬技法にあります。

従来の九谷焼が、山水や花鳥といった「絵柄」で器を彩るのが主流であったのに対し、三代は「色彩のグラデーション(色の濃淡)」のみで作品の美を表現するという、前人未到の領域に挑みました。

その第一歩が、彼が独自に考案した技法「彩釉(さいゆう)」です。

色の異なる釉薬を巧みに塗り重ね、通常の九谷焼より高い1000℃前後の温度で焼成することで、ガラス質が溶け合い、これまでにない「幻想的で深みのあるグラデーション」を生み出すことに成功したのです。

しかし、三代はそこで満足しませんでした。

彩釉をさらに発展させ、釉薬の重なりをより深くし、表面を寸分の狂いもなく丁寧に磨き上げる工程を加えることで、まるで内側から光が放たれるような「神秘的な透明感」をも表現するに至ります。

この究極の技法を、三代は「耀彩(ようさい)」と名付けました。

この「耀彩」による、吸い込まれるような色の深みと、光り輝く透明感。それは他の誰にも模倣できない、三代徳田八十吉だけの芸術です。

だからこそ、世界中のコレクターが彼の「耀彩」作品を求め、買取市場においても極めて高い評価、すなわち高価買取につながっているのです。

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人間国宝・三代目徳田八十吉の代表作【黎明】

人間国宝・三代目徳田八十吉の代表作【黎明】

骨董・古美術市場で高く評価される人間国宝「三代徳田八十吉」。彼が世に送り出した数々の傑作の中でも、代表作として名高いのが、最晩年の希少な作品「黎明(れいめい)」です。

青から緑、そして黄色へと移ろう優美なグラデーションと、吸い込まれるような鮮烈な色彩は、観る者の心を捉えてやみません。多彩な色を放つ釉薬を自在に操る技術は、まさに「人間国宝」の真骨頂であり、作品全体から気品と格調の高さが香り立ちます。

なお、三代の作品としては「黎明」のほかにも、以下のような傑作が知られています。

・碧明燿彩壺(へきめいようさいつぼ
・彩釉花器(さいゆうかき

・彩釉壷(さいゆうつぼ)
・耀彩壺(ようさいつぼ)
・耀彩鉢(ようさいばち)
・碧明釉壺(へきめいゆうつぼ)
・深厚耀彩花生(しんこうようさいはないけ)

これらの作品群は、いずれも三代徳田八十吉の卓越した技術と芸術性が凝縮された逸品です。

だからこそ、その一点一点が骨董・古美術市場において特別な価値を放ち、極めて高く評価されているのです。

【作品ランク別】三代徳田八十吉の買取相場を解説

【作品ランク別】三代徳田八十吉の買取相場を解説

人間国宝・三代目徳田八十吉の作品は、骨董・古美術市場で非常に高い人気を誇ります。そのため買取相場は、数万円の作品から数百万円を超えるものまで、極めて幅広いのが実情です。

なぜこれほど価格に幅があるのか、作品のランク別に買取相場の目安を見ていきましょう。

    【買取相場をご覧になる前に】
これからご紹介する相場は、作品の価値を知る上での1つの目安です。徳田八十吉の作品は、同じように見えるものでも、作られた時期や釉薬の具合によって評価が大きく異なります。正確な価値を知るためには、専門の査定士による査定が不可欠です。

傑作・代表作クラス(買取相場:数十万~数百万円以上)

展覧会への出品作や、最晩年の代表作「黎明」のような希少な一点物は、このクラスに該当します。とくに大型の「耀彩壺」やデザインが秀逸な作品は評価が高く、保存状態が完璧であれば、数百万円以上の査定額が付くことも珍しくありません。

一般的な作品クラス(買取相場:数万~数十万円)

花瓶や飾皿、鉢といった一般的な作品でも、高値での買取が期待できます。この価格帯でとくに重要視されるのが、作品の状態と共箱(ともばこ)の有無です。傷や汚れがなく、作者自身の署名が入った木箱が付属していると、評価額は大きく上がります。色の鮮やかさやデザインも査定の重要なポイントです。

ぐい呑み・徳利などの小品クラス(買取相場:数万円~)

ぐい呑みのような小さな作品であっても、人間国宝の作品として数万円からの価格が付きます。コレクションしやすく需要が安定しているため、しっかりとした相場が形成されているのです。

また、同じく人間国宝である初代・徳田八十吉の作品は、現存数が少ないことから三代の作品と同等、あるいはそれ以上に高く評価される傾向にあります。

このように、徳田八十吉の作品価値は一つひとつ異なります。お手元の作品の正確な価値をお知りになりたい場合は、専門知識を持つ査定士へのご相談が不可欠です。

買取専門の福ちゃんには、徳田八十吉をはじめとする「陶磁器に精通した査定士」が在籍しております。作品に宿る真の価値を丁寧に見極め、お客様にご納得いただける買取価格をご提示いたします。

査定料・出張料・キャンセル料はすべて無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

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徳田八十吉の作品価値を最大限に【3つの重要ポイント】

徳田八十吉の作品価値を最大限に【3つの重要ポイント】

お手元にある徳田八十吉の作品。

その作品価値を最大限に高めるためには、査定前に押さえておきたい重要なポイントがあります。

ここでは、買取価格アップに直結する3つのコツをご紹介します。

・作品のコンディションを良好に保つ
・共箱や鑑定書などの付属品を揃える
・ご自身では修理しない

1つずつ見ていきましょう。

【ポイント1】作品のコンディションを良好に保つ

作品の状態は、査定額を左右する最も重要な要素です。傷やヒビ、欠けなどは大きな減額対象となるため、日頃の取り扱いや保管には細心の注意を払いましょう。

保管される際は、作品を薄手の布などで優しく包み、専用の共箱や頑丈な木箱に入れておくと、衝撃や破損から守れます。美しい状態を維持することが、高価買取への第一歩です。

【ポイント2】共箱や鑑定書などの付属品を揃える

共箱(ともばこ)や鑑定書は、作品が「本物」であることを証明し、その価値を大きく高める重要な付属品です。査定に出される際は、必ず作品と一緒にお持ちください。

共箱
作者自身の署名が入った専用の木箱です。これがあるだけで真贋の証明となり、作品の評価が格段に上がります。

鑑定書
信頼性の高い専門機関などが発行した真作の証明書です。共箱と同様に、作品の信頼性を担保し、査定額アップにつながります。

【ポイント3】ご自身では修理しない

作品にヒビや欠けが見つかっても、ご自身で修理するのはおやめください。不適切な修理は、かえって作品の状態を悪化させ、価値を大きく損なう可能性があります。

また、専門業者に依頼する方法もありますが、修理費用が査定額の上昇分を上回ってしまうケースも少なくありません。

たとえ破損があったとしても、まずは「何もせず、そのままの状態」で専門の査定士にご相談いただくのが最善の方法です。

徳田八十吉の買取なら【福ちゃん】にご相談を

徳田八十吉の買取なら【福ちゃん】にご相談を

徳田八十吉の作品価値を正確に判断するには、非常に高度な専門知識が求められます。

・何代目の作品か(初代・二代・三代・四代で評価が異なる)
・制作年代(初期・中期・晩年など)
・希少性の高さ(一点物や展覧会出品作など)
・作品の状態(傷や欠け、汚れの有無)

これらの基本的な要素に加え、骨董・古美術に精通した査定士は、「釉薬の微妙な発色の違い」「高台(こうだい:器の底の台座部分)の作り」「共箱に書かれたサインの書体」といった、作品の細部まで厳しく査定します。

市場には精巧に作られたものも流通しているため、お品物の価値を正しく評価し、適正な買取価格を算出するには、長年の経験と知識が不可欠なのです。

買取を専門とする「福ちゃん」には、九谷焼や徳田八十吉の作品に関する深い知識と、豊富な査定経験を持つ査定士が在籍しております。

これまでにも数多くの徳田八十吉作品の買取実績があり、お客様からは「自分では気づかなかった価値を教えてもらえた」「思い入れまで汲んで査定してくれた」といった喜びの声も多数いただいております。

お客様の大切な作品が持つ歴史的背景や芸術的価値を丁寧に読み解き、最新の市場データと照らし合わせながら、その価値を最大限に反映した買取価格をご提示。査定の際には、なぜその評価額になるのかを一つひとつ丁寧にご説明いたします。

大切な作品だからこそ、信頼できる福ちゃんに安心してお任せください。

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まとめ

まとめ

この記事では、初代から四代にわたる九谷焼の名跡「徳田八十吉」の作品価値と、高価買取を実現するためのポイントを解説しました。

人間国宝である初代・三代の歴史的な傑作はもちろんのこと、その伝統を受け継ぎ発展させた二代、そして現代的な感性で新たなファンを魅了する四代まで、徳田八十吉の名跡は代々高く評価されています。

しかし、その価値はどの代の作品か、また種類や状態、付属品の有無によって大きく変動します。そのため、お手元の作品が持つ真の価値を知るには、専門の査定士による正確な査定が不可欠です。

福ちゃん」には、歴代の徳田八十吉の作風と市場価値に精通した専門の査定士が在籍しています。お客様の大切なお品物に宿る価値を丁寧に見極め、ご納得いただける買取価格をご提示することをお約束します。

買取方法の中でも、お客様からとくにご好評いただいているのが「出張買取」です。

徳田八十吉の作品は、衝撃に弱い大変デリケートなお品物です。

とくに大型の壺などは重さもあるため、ご自身で店舗まで運ぶ手間や、運搬中の破損リスクを避けるためにも、査定士がご自宅までお伺いする「出張買取」が最も安心・安全な方法といえます。

査定料や出張料など、お客様にご負担いただく費用は一切ございません。ご自宅に眠る徳田八十吉作品の価値を、この機会に確かめてみませんか?

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