• 骨董品
  • 2025.06.20

たぬきの置物の効果とは?信楽焼たぬきが有名になった理由も解説

お店の軒先や玄関で、愛嬌たっぷりの表情で私たちを迎えてくれる「たぬきの置物」。縁起物として、多くの人に愛されている身近な存在です。

とくに有名な「信楽焼のたぬき」は、縁起担ぎのアイテムとして大人気ですが、「具体的にどんなご利益があるんだろう?」「効果を最大にするには、どこに置くのが正解?」と、意外と知らないことも多いのではないでしょうか。

この記事では、たぬきの置物が持つさまざまな効果から、そのご利益を最大限に引き出す置き場所、そして「なぜ信楽焼のたぬきが日本一有名なのか」という理由まで、わかりやすく解説します。

最後までお読みいただければ、ご自身の願いにぴったりの一体と出会い、日々の暮らしに多くの福を招き入れるヒントが見つかるはずです。

なぜ縁起物?たぬきの置物に秘められた本当の効果

なぜ縁起物?たぬきの置物に秘められた本当の効果

たぬきの置物は縁起物といわれるけれど、具体的にどのような効果があるのかわからない

自分が求めている効果を得られるのか知りたい

お店の軒先で見かける愛嬌たっぷりのたぬきに、このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

たぬきの置物がもたらす縁起の良さは、主に「語呂合わせ」と、その姿かたちに込められた「八相縁起(はっそうえんぎ)」に由来します。

それぞれがどのような幸運を呼び込むのか、詳しく見ていきましょう。

商売繁盛・開運招福のご利益

たぬきの置物といえば、まず思い浮かぶのが「商売繁盛」のご利益です。

このご利益は「他抜き」という、強力な語呂合わせに由来します。

「他(た)」より「抜き」んでるという意味が込められており、ライバルに差をつけ、ビジネスを成功に導くと考えられているのです。

この「他を抜く」という縁起の良さから、学業成就や合格祈願の縁起物としても人気があり、受験を控えたお子さんのために購入される方もいらっしゃいます。

また、たぬきは古くから「福の神」の使いや、里山の「豊かな自然の象徴」として、人々に福を招く存在と信じられてきました。こうした歴史的背景から、家内安全や金運アップといった、暮らし全般の幸せを呼び込む「開運招福の効果」も期待できます。

たぬきの置物は、商売や受験といった勝負事から家庭の幸せまで、幅広く見守ってくれる「心強い味方」なのです。

八相縁起(はっそうえんぎ)

信楽焼のたぬきは、笠をかぶり「徳利(とっくり)」や「金袋(かねぶくろ)」を持っている、おなじみの姿が特徴です。

実は、これらの持ち物や体のパーツの一つひとつに「八相縁起」と呼ばれる、8種類の縁起の良い意味が込められています。

詳細は以下のとおりです。

1.【笠】
常に上から降りかかる、予期せぬ災難や困難から身を守るための「備え」を象徴しています。

2.【笑顔】
お互いに愛想よく接することが、良好な人間関係と商売繁盛につながることを表しています。

3.【目】
周囲の状況に気を配り、物事の本質を見抜く「正しい判断力」の象徴です。

4.【腹】
何事にも動じない「冷静さ」と、いざというときの「大胆な決断力」を兼ね備えるように、との願いが込められています。

5.【金袋】
文字どおり、金運に恵まれ財を成すことを願う、商売繁盛のシンボルです。

6.【徳利】
人との付き合いに欠かせない「人徳」を身につければ、飲食に困らない豊かな生活が送れる、という教えです。

7.【通い帳】
お客様や取引先との「信用」が第一であるという、商売のきほんを示しています。

8.【尾】
何事も終わりが肝心。太くたくましい尾は、終わりよければすべてよし、という「善終」を意味します。

ご自身の願いや目標に合わせて、どのパーツが強調されているかに注目して一体を選ぶのも、「たぬきの置物探しの醍醐味」といえるでしょう。

これほど多くのご利益が込められた、たぬきの置物。

せっかくなら、その効果を最大限に引き出したいものですよね。次の章では、運気をさらにアップさせるための、オススメの置き場所をご紹介します。

運気アップ!たぬきの置き場所

運気アップ!たぬきの置き場所

たぬきの置物自体が縁起物なので、「置き場所はここでなければならない」という厳密な決まりはありません。

しかし、どこに置くかによって、とくに強めたい運気が変わってきます。

ここでは、願い事別にオススメの「たぬきの置き場所」をご紹介します。

・玄関やお店の入り口【商売繁盛・千客万来】
・リビング【家庭円満・家内安全】
・書斎や勉強部屋【学業成就・仕事運アップ】

それぞれの置き場所が持つ意味と、置き方のポイントを見ていきましょう。

玄関やお店の入り口【商売繁盛・千客万来】

商売繁盛や千客万来を願うなら、玄関やお店の入り口はまさに「王道」の置き場所です。

風水において、玄関はすべての運気が入ってくる最も重要な場所。ここに縁起の良いたぬきの置物を置くことで、良い運気やお客様をどんどん招き入れるという考え方があります。

置き方のポイントは、たぬきの顔の向きです。

外から福を迎え入れる」という意味を込めて、顔を建物の外側に向けてあげましょう。にこやかな笑顔のたぬきは、お店の看板としてお客様を温かくお迎えするメッセージにもなります。

リビング【家庭円満・家内安全】

「玄関に置くのは少し気恥ずかしい……」という方には、家族が集まるリビングがオススメです。

実はたぬきは、オスも子育てに参加するほど夫婦仲が良い動物。その習性から、家庭円満や家内安全の象徴とされています。家族運を司るといわれるリビングに置くことで、家族の絆を深め、家全体の運気を高めてくれるでしょう。

リビングに置く際は、家族に福が向くよう、顔を部屋の内側に向けて置くのが一般的です。家族がいつも目にする場所に置くことで、たぬきの笑顔が日々の暮らしに和みをもたらしてくれます。

書斎や勉強部屋【学業成就・仕事運アップ】

たぬきの「他を抜く」という強力な語呂合わせは、学業や仕事の成果を上げたいときにも心強い味方になります。

集中力を高めたい書斎や、お子さんの勉強部屋に置くことで、目標達成や合格祈願の後押しをしてくれるでしょう。仕事の成功や昇進を願う方にもぴったりの場所です。

机の上に「ミニチュアサイズのたぬき」を置くのもオススメです。仕事や勉強の合間にその愛嬌ある姿を眺めれば、良い気分転換にもなるかもしれません。

「信楽焼=たぬき」の理由

「信楽焼=たぬき」の理由

なぜ数ある焼き物の産地の中で、「信楽焼」だけがこれほど強く、「たぬき」のイメージと結びついているのでしょうか。

その背景には、ある「歴史的な出来事」と、この土地ならではの「土の恵み」という、2つの大きな理由が存在します。

きっかけは、昭和天皇への「おもてなし」

「信楽焼=たぬき」のイメージを決定づけたのが、1951年(昭和26年)に昭和天皇が信楽の地を訪れた際の、心温まるエピソードです。

当時、信楽の人々は、日の丸の旗を持たせた信楽たぬきの置物を沿道にずらりと並べ、熱烈な歓迎の意を示しました。その光景に感銘を受けられた昭和天皇が、「幼なとき 集めしからに懐かしも しがらき焼の狸をみれば」という歌を詠まれました。

この出来事が報道を通じて全国に知れ渡り、「信楽たぬき」の名は一躍有名になったのです。

たぬきを生んだ、信楽の「土の恵み」

信楽焼たぬきの文化を根底から支えているのが、この土地ならではの「土の性質」です。

信楽一帯は、数百万年という壮大な時間をかけて移動した「古琵琶湖層」と呼ばれる地層の上にあり、湖の底に堆積した良質な粘土が豊富に採れます。この粘土から作られる陶土は非常に「コシが強い」のが特徴で、粘り気があって成形しやすく、乾燥や焼成の際にも割れにくいという利点があります。

信楽焼たぬきを大きく、そして愛嬌のある立体的な造形を可能にしたのは、まさにこの「土の力」だったのです。

昭和の心温まるエピソードと、大物づくりに適した奇跡の土。この2つが重なり合い、「信楽焼といえばたぬき」という、日本中に愛される文化が花開きました。

信楽焼のきほん【3分でわかる】

信楽焼のきほん【3分でわかる】

たぬきの置物で有名な信楽焼ですが、その本来の魅力をご存じでしょうか。

この章では、多くの人を惹きつけてやまない信楽焼の魅力と、その長い歴史についてご紹介します。

土と炎が織りなす、素朴な魅力

信楽焼の最大の魅力は、豊かな自然の恵みをそのまま焼き締めたような、素朴で温かみのある風合いです。

その魅力は、まず「土の質感」にあります。信楽の土は粒子が粗く、焼き上げると土の息づかいが感じられるような、ざらりとした手触りが生まれます。

次に挙げられるのが、窯の中で薪の灰が降りかかって自然に生まれる、「自然釉(しぜんゆう)」のビードロ(緑色のガラス質)と、炎が直接当たって赤褐色に変化する「火色(ひいろ)」です。

これらは2つとして同じものが生まれない、世界に1つだけの“景色”となり、多くの人々を魅了してきました。

日本で最も歴史ある焼き物の1つ

信楽焼は、日本に古くから存在する代表的な6つの窯、「日本六古窯(にほんろっこよう)」の1つに数えられる、非常に格式高い焼き物です。

その歴史は鎌倉時代まで遡り、約800年もの間、一度も途絶えることなく焼き物が作られ続けてきました。

当初は壺や甕(かめ)といった日用の器が中心でしたが、安土桃山時代には茶の湯の道具として、時の茶人たちに愛されるなど、時代ごとのニーズに応えながら独自の発展を遂げてきたのです。

親しみやすい「たぬきの置物」というイメージの背景には、こうした日本の焼き物の歴史を背負ってきた、奥深い世界が広がっています。

土の温もり、炎の景色、そして800年の歴史。たぬきの置物で知られる信楽焼が、なぜこれほどまでに人々を惹きつけるのか、その理由の一端に触れていただけたのではないでしょうか。

主役は、たぬきだけじゃない!幸運を運ぶ動物たち

主役は、たぬきだけじゃない!幸運を運ぶ動物たち

たぬきが有名な信楽焼ですが、実はその陰には、同じく幸運を運んでくれる頼もしい仲間たちがいます。

ここでは代表的な縁起物として、「かえる」と「ふくろう」の置物が持つ意味をご紹介します。

かえる【無事かえる・お金がかえる】

その名のとおり、「無事にかえる(交通安全)」や「お金がかえる(金運アップ)」といった、縁起の良い語呂合わせで人気の置物です。

信楽焼のものはとくに「福かえる」とも呼ばれ、古くから親しまれてきました。

また、一度に多くの卵を産むことから「子孫繁栄」の象徴でもあります。玄関に置けばお客様を迎え、お店に置けばお客様がまた帰ってくる(再来店する)ともいわれ、商売の縁起物としても活躍してくれる存在です。

※信楽焼の中には、たぬきの八相縁起のように、体の各部分に縁起の良い意味が込められた、かえるの置物もあります

ふくろう【不苦労・先見の明】

ふくろうは、「不苦労(苦労しない)」や「福来郎(福が来る)」といった語呂合わせから、幸せを運ぶ鳥として大変な人気を誇ります。

その生態もまた、縁起の良さの由来です。たとえば、暗闇でもよく見えるその優れた視力は、「先を見通す力」や「商売のチャンスを見逃さない」力につながると、いわれてきました。

さらに、くるりと回る首は「お金に困らない(首が回らないの逆)」ことの象徴とされ、金運アップのご利益も期待できるでしょう。

信楽焼のふくろうは、ときに「福々浪」と呼ばれ、大きな幸運の波を呼ぶ縁起物として大切にされています。

このように、たぬき以外にも魅力的な縁起物が多数あります。ご自身の願い事や、しっくりくる動物のイメージに合わせて、お気に入りの一体を探してみてはいかがでしょうか。

さよならの前に、ちょっと待って。たぬきの置物の価値と手放し方

さよならの前に、ちょっと待って。たぬきの置物の価値と手放し方

大切にされてきた「たぬきの置物」も、引っ越しやお店の代替わりなどで、手放さなければならないときが来るかもしれません。

愛着があるけど、どうしよう
ごみとして捨てるのは、なんだか気が引ける……

そのような悩みをお持ちではないでしょうか。

実はそのたぬきの置物には、思わぬ価値が眠っているかもしれません。ここでは、後悔しないための2つの手放し方をご紹介します。

【方法1】価値を知る第一歩「買取業者」への査定依頼

まずご検討していただきたいのが、陶器や骨董品を扱う「買取専門業者」に査定を依頼する方法です。

縁起物であるたぬきの置物は、中古市場でも根強い人気があります。とくに、有名な作家や窯元が手掛けた信楽焼の作品や、骨董的価値のある古い時代の作品などは、高値で取引されることも少なくありません。

買取業者に依頼する最大のメリットは、ご自身では判断できない価値をプロの目で見極めてもらえる点です。また、大切にされてきたお品物を次の持ち主へとつなげる、「心のこもった手放し方」でもあります。

私たち「福ちゃん」では、たぬきの置物をはじめとする、骨董品の買取を強化中です。専門の査定士が、お品物の価値を丁寧に見極め、ご納得いただける査定額をご提示します。

重くて運ぶのが大変なたぬきの置物には、査定士がご自宅まで伺う「出張買取」が大変便利です。玄関先に置いたままで査定が可能で、運び出しもお任せいただけます。

査定料・出張料・キャンセル料などの費用は一切頂きませんので、まずはお気軽にご相談ください。

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【方法2】破損している場合は「ごみ」として処分

残念ながら、ひび割れや破損がひどく買取が難しい場合や、値段がつかなかった場合には、ごみとして処分する方法を検討することになるでしょう。

しかし、福を招いてくれた縁起物だと思うと、そのまま捨てることには抵抗を感じますよね。

そのような場合は、まず長年の感謝を伝えることから始めましょう。

きれいな布でほこりを拭き、白い紙や布で丁寧に包むだけでも、気持ちの整理がつきやすくなります。人によっては、塩を少量振りかけてお清めをすることも。

処分のルールは自治体によって大きく異なり、一般的には「不燃ごみ」や、サイズによっては「粗大ごみ」として扱われます。お間違いのないよう、必ずお住まいの自治体のホームページなどで分別方法を確認してください。

また、陶器は割れると危険です。収集作業員の方が安全に扱えるよう、新聞紙などで厚く包み、ごみ袋に「キケン」や「陶器」と明記しておくと、より親切でしょう。

どうしてもごみとして出すのが忍びないという方は、神社やお寺での供養を検討するのも1つの手です。人形供養と同様に、置物の供養を受け付けている場合がありますので、近隣の寺社に問い合わせてみるのも良いかもしれません。

「うちのたぬきは価値があるかな?」と思いでしたら、処分してしまう前に、ぜひ一度福ちゃんの無料査定をお試しください。

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まとめ

まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。お店の軒先や玄関にいる、愛嬌たっぷりのたぬきの置物を見る目が、今日から少し変わったのではないでしょうか。

そのユーモラスな姿の裏には、「他を抜く」という商売繁盛の願いや、幸せを願う「八相縁起」という深い意味が込められています。そして、その文化が信楽の地で花開いたのは、心温まる歴史的なエピソードと、豊かな土の恵みがあったからでした。

ぜひ、ご自身の願いにぴったりの一体を見つけて、ご自宅やお店に多くの福を招き入れてみてください。

もしご自宅で役目を終えたり、置き場所に困ったりしているたぬきの置物があれば、処分する前に一度、その価値を確かめてみませんか?

私たち「福ちゃん」は、大切にされてきた「たぬきの置物の価値」を見出し、次の方へとつなぐお手伝いをしています。専門知識が豊富な査定士が、お客様のお品物を丁寧に拝見し、その価値をしっかりとご説明いたします。

査定料やキャンセル料などの発生はなく、サービスのご利用はすべて無料です。

うちのたぬきは価値があるかな?」といった、小さな疑問だけで十分です。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

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