- 骨董品
- 2025.12.15
横山大観の買取価格とは?代表作や人気モチーフ、高く売るコツを解説

横山大観の作品は買取市場でも評価が高く、高値が付くことも珍しくありません。一方、複製品も多く出回っており、売買の際は専門家による適切な査定が求められます。
そのため、手元にある横山大観の作品の価値が気になる方も多いのではないでしょうか。本記事では、横山大観作品の買取相場や代表作の特徴、高く売るためのポイントまで詳しく解説します。
横山大観とは?日本美術界の巨匠の生涯と画風

横山大観作品の適正価格での買取を実現するには、人物像と作品の特徴を正しく理解することが重要です。
大観がどのような環境で育ち、どのような革新的な表現技法を生み出したのか、そして買取市場で高く評価される代表作にはどのような特徴があるのかといった知識を身に付け、査定におけるポイントを押さえましょう。
明治から昭和を生きた日本画の革新者
横山大観は、明治から昭和まで3時代を生きた近代日本画の巨匠です。1868年(明治元年)に水戸藩士の家に生まれ英語を学んでいた大観は、1889年に東京美術学校(現在の東京藝術大学美術学部)の第一期生として入学し、生涯の師となる岡倉天心に出会います。
天心の「新しい時代にふさわしい日本美術の創造」という理念に深く感化され、従来の流派にとらわれない革新的な日本画を追求しました。
作品が売れずに困窮した時期もありましたが、徐々に世間に認められるようになり、大正から昭和にかけて日本画壇での地位を確立していきます。戦中・戦後も絵筆を持ち続けた大観は、1958年(昭和33年)に亡くなるまでに数多くの作品を残しました。
横山大観の作品の特徴
横山大観の作品における最大の特徴は、「朦朧体(もうろうたい)」と呼ばれる輪郭線を用いない独特な表現技法です。従来の日本画が明確な輪郭線を描いていたのに対し、大観は色彩の濃淡やぼかしによって形を表現しました。
恩師・岡倉天心の「空気を絵で表現する方法はないものか」という言葉に着想を得て生まれたこの技法は、西洋絵画の印象派から影響を受けています。
発表当初は日本画の技法を軽視していると受け取られ、「朦朧」と呼ばれてしまいましたが、現在では横山大観を代表する革新的な表現として高く評価されています。
横山大観の代表作品
横山大観の代表作といえば、まず富士山を題材にした作品群が挙げられます。生涯で描いた富士の絵は約1,500点にも及び、亡くなる直前にも描いています。初期の傑作「無我」(1897年)は、禅の悟りの境地を童子の姿で表現した作品です。
純真無垢な童子を通じて無心の境地を描き、大観29歳の出世作となりました。現在3点が確認されており、それぞれ異なる趣を持っています。また、重要文化財「生々流転」は水の循環を描いた約40メートルの長大な巻絵で、構図や技法全てに大観らしさが表れています。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
横山大観作品の買取相場

横山大観の作品の買取相場は、少なく見積もっても100万円を超えるとされています。人気のモチーフをテーマにした作品では、1,000万円以上の高額な査定を期待できるケースもあるでしょう。査定額を左右する要素も含めて、買取相場と人気モチーフについて詳しく見ていきます。
買取相場は作品によって大きく異なる
横山大観作品の買取相場は、作品の内容や制作年代によって大きく異なります。最低でも100万円、人気作品の場合は1,000万円を超えるケースもあります。制作年代では「抜け落款」と呼ばれる昭和14年~22年の作品において、高額買取が期待できるでしょう。
掛軸の場合は、横物(横長)と長物(縦長)では汎用性の違いから価格差が生じます。現代の住宅では床の間が少ないため、額装しやすい横物のほうが評価される傾向です。また大観の没後、多くの復刻版画が作られましたが、こちらは原画と比べて価値が低く、買取価格も1万円以下となることが一般的です。
高額査定が期待できる人気モチーフ
横山大観の作品で高額査定が期待できるのは、富士山をモチーフにした作品です。大観にとって富士山は特別な題材でした。特に大観の晩年・昭和時代に描かれた作品は人気があり、買取価格も高い傾向です。
1948年(昭和23年)に制作された富士山の絵が、テレビ番組の鑑定で2,500万円を記録したこともあります。富士山以外では、五浦の旭日を描いた「日の出の図」も人気が高く、濃彩で描かれた作品ほど評価が上がります。
横山大観の作品を高く売るためのポイントと注意点

作品の真贋を証明するための準備から、保存状態による価値への影響、市場に出回る複製画との見分け方まで、適正価格での売却を実現するために知っておきたいポイントは多岐にわたります。
これらの知識を身につけることで、作品本来の価値を最大限に引き出せます。具体的にどのような点に注意が必要か、詳しく見ていきましょう。
真作を証明する共箱や鑑定書の重要性
美術品の買取において、真贋を証明する鑑定書や付属品は査定額を左右する重要な要素です。大観の場合、一般的な鑑定書は発行されず、横山大観記念館で鑑定登録が行われ、軸棒の裏に登録番号と割印が押される仕組みになっています。
共箱や作品の来歴を示す書類の有無も、買取価格に影響を与えます。特に作家本人が制作した共箱は、作品の価値を大幅に向上させる要因です。
鑑定登録と共箱が両方そろっている場合は、買取価格の大幅な上昇が期待できるでしょう。一方で、これらの付属品がない作品は、たとえ真作であっても査定額が下がってしまうケースがあります。
作品の状態と保存状態が買取価格に与える影響
作品の状態も、査定額に大きく影響します。端のほうにある軽度のシミや小さな傷程度であれば査定額への影響は軽微ですが、重度の損傷がある場合は本来の価値の1割以下になってしまうこともあります。近年では技術の進歩により、修復を前提とした買取も増えてきました。
修復可能な損傷であれば、修復後の予想値から修復費用を差し引いて査定してくれる業者もあります。ただし、虫食いや全体的な変色などは修復できません。このような損傷が生じないよう、直射日光や高温多湿を避け、適切に保管することが重要です。
複製画の見分け方と価値の違い
横山大観作品は、偽物が多く出回っているといわれています。作品数が多く、いずれも査定額が高いことが背景にあると考えられます。真贋を見分けるポイントは、筆致の力強さや墨のにじみ方、朦朧体特有の表現などです。軸装の質や共箱の素材、美しさも重要な手がかりとなるでしょう。
また横山大観には、「工藝画(こうげいが)」と呼ばれる精巧な複製画が存在します。大観の提唱により大塚工藝社が制作した、作家公認の複製画です。工藝画には、真作と区別するために「工藝」という文言が入った専用の印章が使用されます。
ただし、初期の作品の一部には、大観が自身の真筆画に使用していたものと同じ印章が押されたことがあったといわれています。印章が本物だからといって必ずしも真作とは言い切れない点に注意が必要です。
横山大観の作品を鑑賞できるおすすめの美術館3選

横山大観の作品は、多くの美術館に収蔵されています。実際の作品を鑑賞することは、芸術に触れる喜びはもちろん、真贋判断や価値の理解においても重要な意味を持つでしょう。大観作品を常設的に展示している全国の美術館の中から、特に見ごたえのある3つの施設をご紹介します。
横山大観記念館
横山大観が亡くなるまで実際に暮らしていた自宅兼画室を、記念館として一般公開している施設です。東京都の上野恩賜公園の近くにあり、大観自身が設計した建物と庭園は、国の史跡・名勝に指定されています。
掛け軸が床の間に掛けられていたり、室内から庭が見えたりと、まるで大観の邸宅を訪れているような体験ができます。梅や紅葉など、四季折々の草花が楽しめる庭園も、見どころのひとつです。大観が創作活動を行っていた場所を訪れることで、作品の魅力をより深く理解できるかもしれません。
(参考: 『公益財団法人 横山大観記念館』)
足立美術館
1970年(昭和45年)、実業家の足立全康(あだちぜんこう)が、故郷である島根県安来(やすぎ)市に設立した美術館です。美しい日本庭園と、近代・現代の日本画を中心とした1,300点以上の作品を所蔵することで知られています。
特に横山大観の作品所蔵数は130点に及び、質・量ともに日本屈指です。出世作の「無我」や、幻のコレクションと呼ばれた「紅葉」「雨霽る」などの作品も含まれており、見ごたえがあります。
建物の周囲には枯山水庭園や大観作品をモチーフに作られた庭などが配され、日本画との調和を楽しめます。額縁のような窓枠から外を見ると、庭がそのまま絵になる「生の額絵」も必見です。
(参考: 『横山大観 | 足立美術館|ADACHI MUSEUM OF ART』)
東京国立近代美術館
東京国立近代美術館も、横山大観の重要な作品を多数所蔵しています。その中でも代表的な作品が、重要文化財「生々流転」です。常設展に出る機会が多い作品ですが、約40メートルと長いため会場内に収まらず、期間を分けて半分ずつ展示しています。
また仏教画「白衣観音」は、大観が半年間インドに滞在した後に描いた作品で、異国風の顔立ちや衣装が特徴です。1908年(明治41年)の制作とされていますが、発表後間もなく所在不明となっていました。当時の大観は作品が売れず、困窮していたことから、誰が注文したのかという点でも注目されています。
(参考: 『東京国立近代美術館』)
横山大観作品を売るなら|買取業者の選び方

横山大観作品の買取を成功させるには、信頼できる業者選びが重要です。専門知識の有無、提供サービスの質、過去の取引実績など、適正価格での売却を実現するための判断基準は多岐にわたります。安心して大観作品の査定を任せられる業者を見極めるための、具体的なチェックポイントを紹介します。
専門的な知識を持つ鑑定士がいるか確認する
横山大観は日本画の大家なので、査定に出すときは日本画や掛け軸に関する専門知識を持つ鑑定士がいる業者を選ぶことが重要です。専門知識を持つ業者とそうでない業者では査定額に2倍~3倍の差が生じるケースも珍しくありません。
適切な評価には、日本美術史・技法に精通した専門スタッフの存在が不可欠です。優良な業者は、Webサイトで査定スタッフの経歴や資格を公開し、過去の買取事例を紹介していることが多いでしょう。
朦朧体の技法や制作年代の判断、鑑定登録番号の確認など、細かな査定ポイントを正確に評価できる業者を選ぶことで適正価格での売却が実現します。
自分に合う買取方法を選ぶ
自分の状況に合った買取方法を選択することも重要です。店舗への持込みだけでなく、出張買取サービスも積極的に活用しましょう。出張買取は自宅にいながら査定・売却が完結する便利なサービスです。
横山大観作品は掛け軸として表装されていることが多く、慎重な取り扱いが求められます。出張買取なら作品を持ち運ぶ際の破損リスクを避けられるでしょう。
多くの業者では出張費や査定料を無料としているため、金銭的な負担もありません。近くに店舗がない人はもちろん、高齢者や忙しい人にとっても、自宅で取引できる点は魅力といえるでしょう。
買取実績の豊富さをチェックする
業者の買取実績は信頼性を判断する重要な指標となります。実績が豊富な業者ほど専門知識と査定経験が蓄積されており、適正価格での評価が期待できるからです。
年間数百件の日本画査定を行う業者と、時々扱う程度の業者では、査定精度に大きな差が生じる可能性が否めません。買取実績の多い業者は、多様な作品に触れることで鑑定眼を磨いています。
また、豊富な販売ルートを持つ業者は在庫リスクが低いため、その分を買取価格に反映させることが可能です。Webサイトで過去の取扱事例が公開されているケースも多く、横山大観作品の買取経験があるかどうか、事前に確認できます。実績の確認により、安心して任せられる業者選びが実現するでしょう。
まとめ

日本美術界の巨匠・横山大観は、明治から昭和にかけて活躍した革新的な日本画家です。その作品の買取価格は、富士山などの人気モチーフや作品の状態により大きく異なります。真贋を証明する共箱や鑑定の有無、保存状態が価格に大きく影響するため、適切な保管と専門家による鑑定が重要です。
作品は横山大観記念館、足立美術館、東京国立近代美術館などで鑑賞できます。買取を検討する際は、専門的な知識を持つ鑑定士がいる信頼できる業者を選ぶと安心です。
福ちゃんでは、熟練の査定士が丁寧な査定を行い、作品の価値を最大限に引き出します。出張料・査定料は無料で、即日対応も可能です。女性査定士も多く、男性が自宅に来ることが心配な方も、安心して利用できます。横山大観作品の売却をお考えの人は、ぜひ一度ご相談ください。