- 古銭/記念硬貨
- 2025.06.03
10銭の価値は今の日本円でいくら?古銭としての買取価格も徹底解説!

昔使われていた「銭(せん)」という単位。
最近、自宅の整理や遺品の中から10銭硬貨が出てきて、
「これって今の価値でいくらになるの?」
「もしかして高く売れるかも?」
と疑問をお持ちではありませんか。
10銭硬貨は表面上の計算では0.1円相当ですが、古銭コレクターの間では非常に価値のあるものとして扱われ、種類や状態によっては数千円から数万円、場合によっては10万円を超える価格で取引されることもあります。
本記事では、10銭が現在の日本円でいくらになるのかという基本的な知識から、価値が認められる10銭硬貨・紙幣の種類、その買取相場、そして実際に売却する際の注意点まで詳しく紹介します。
10銭は今の日本円で何円?基本的な価値を確認

今では使われなくなった10銭は、現在の日本円でどのくらいの価値があるのでしょうか。まずは、10銭の基本的な価値についてお伝えします。
貨幣単位「銭」と「円」の関係
日本における「銭」という単位は、明治時代から長く使われていたお金の単位です。現在では見かけなくなったものの、かつての貨幣制度では「1円=100銭」という関係にありました。
今の私たちが1円を100円玉で表すような感覚とは違い、当時は1円をさらに細かく分けるために「銭」という単位が日常的に使われていたのです。
明治の初期から中期にかけては、1円銀貨や50銭銀貨、10銭銀貨といったさまざまな硬貨が暮らしの中で当たり前のように流通していました。
10銭=0.1円が現在の計算上の価値
「1円 =100銭」という関係をそのまま現代に当てはめると、「10銭は0.1円」になります。
ただし、現代の金融システムでは「銭」という単位はすでに廃止されており、実際のお買い物では使用できません。
法律上も実質的にも使われなくなった貨幣単位であり、「10銭=0.1円」という計算はあくまで理論上のものとなっています。
注意!「今の価値」と「古銭としての価値」はまったく別物
「10銭の今の価値」が0.1円である一方、古銭市場では「コレクターズアイテムとしての価値」が確立しています。
もはや通貨としては使えないものの、歴史的な意義や希少性、デザインの美しさなどが評価され、額面をはるかに超える金額で取引されているのです。
ここからは、「古銭としての価値」がどのように決まり、どれくらいの買取相場になるのかを詳しく見ていきましょう。
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どんな種類がある?10銭硬貨・10銭紙幣の歴史と特徴を知る

10銭は、明治から昭和にかけて、硬貨だけでなく紙幣も発行されました。そのデザインや素材は、時代背景を色濃く反映して多種多様に変化しています。
まずは、どのような種類があり、どれくらいの価値が期待できるのか、代表的な10銭硬貨・紙幣の買取相場一覧をご覧ください。
価値が一目でわかる|10銭硬貨・紙幣の買取相場一覧
以下に示す相場は、あくまで目安です。実際の買取価格は、保存状態(未使用品・美品・並品など)や市場の需要、査定に出す業者によって大きく変動します。
| 種類(通称) | 発行時期 | 買取相場(目安) |
|---|---|---|
| ▼紙幣▼ | ||
| 明治通宝10銭札 | 明治5年~ | 数千円 ~ 30,000円 |
| 大正小額紙幣10銭 | 大正6年~ | 数百円 ~ 10,000円 |
| 日本銀行券10銭札 | 昭和19年~ | 数十円 ~ 500円 |
| ▼硬貨(銀貨)▼ | ||
| 竜10銭銀貨 | 明治6年~ | 数百円 ~ 50,000円 (特年・手変りは数十万円以上) |
| 旭日10銭銀貨 | 明治40年~ | 数百円 ~ 30,000円 |
| ▼硬貨(その他)▼ | ||
| 10銭白銅貨 | 大正9年~ | 数十円 ~ 8,000円 (特年は1万円以上も) |
| 10銭ニッケル貨 | 昭和8年~ | 数十円 ~ 3,000円 |
| 10銭アルミ青銅貨 | 昭和13年~ | 数十円 ~ 1,000円 |
| 菊10銭アルミ貨 | 昭和15年~ | 数十円 ~ 1,500円 (特年は1万円以上も) |
| 10銭錫貨 | 昭和19年~ | 10円 ~ 200円 |
| 稲10銭アルミ貨 | 昭和20年~ | 10円 ~ 300円 |
※特年(発行枚数が少ない年)や希少な手変り(デザイン違い)、エラー銭、未使用品などは上記相場を大幅に上回ることがあります。
それでは、それぞれの硬貨・紙幣の特徴を詳しく見ていきましょう。
《銀貨》明治時代の10銭硬貨
明治時代に発行された10銭硬貨は、素材に銀が使われていました。
銀特有の輝きと、当時の日本の技術力が結集した精巧なデザインが特徴です。
竜10銭銀貨(明治6年~明治39年)
竜10銭銀貨は、明治6年(1873年)から明治39年(1906年)にかけて発行された硬貨で、銀80%と銅20%の合金で作られています。
表面には迫力ある阿竜の図案と「10SEN」「大日本」の文字、裏面には美しい菊花紋章が描かれています。発行期間が長く、総発行数は約2億5000万枚に達しました。
ただし、明治13年銘はわずか「77枚」のみの製造で非常に希少です。並品でも数百円程度ですが、希少価値が高い特年の未使用品は数十万円以上になることもある貴重な古銭です。
旭日10銭銀貨(明治40年~大正6年)
旭日10銭銀貨は、明治40年(1907年)から大正6年(1917年)まで発行された硬貨です。
銀72%、銅28%の合金を使用し、表面には旭日と桜花、裏面には菊花紋章と桐枝があしらわれています。デザイン性に優れた美しい銀貨でありながらも、総発行数が約2億枚と多く、市場価値は比較的落ち着いています。
ただし、明治40年銘は初年度であることや発行数が少ないことから、未使用品は数万円で取引されることも。
日本の近代銀貨を代表する逸品といえるでしょう。
《白銅貨・ニッケル貨》大正~昭和初期の10銭硬貨
大正時代に入ると、銀の価格高騰などを受け、より安価な白銅(銅とニッケルの合金)やニッケルが素材として使われるようになりました。
10銭白銅貨(大正9年~昭和7年)
大正9年(1920年)に登場した10銭白銅貨は、中央に穴が開いているのが特徴です。この硬貨は、発行年によって価値が大きく異なります。
大正9年銘と昭和4年銘が「特年」として知られており、とくに昭和4年は発行枚数が少なく、未使用品であれば数千円から、状態によっては1万円を超える価値がつくこともあるでしょう。
10銭ニッケル貨(昭和8年~昭和12年)
昭和8年(1933年)からは、素材がニッケル100%に変更されました。デザインは白銅貨と似ていますが、素材の違いから色味や質感が異なります。
このニッケル貨では、昭和8年銘が特年とされており、他の年号に比べて高い価格で取引される傾向があります。
《アルミ貨・錫貨》戦時下の10銭硬貨
昭和13年(1938年)以降、戦争が長期化するにつれて、兵器製造に必要なニッケルなどの金属が不足し始めます。
そのため、硬貨の素材はより安価で軽量なアルミニウムや、最終的には錫(すず)へと変更されていきました。
10銭アルミ青銅貨(昭和13年~昭和15年)
昭和13年(1938年)からは、ニッケル確保のため十銭アルミ青銅貨(銅95%・アルミ5%)が発行され、表面は旭光と吉祥波の図案でした。
この頃から戦況悪化に伴い、段階的に軽量化されていきます。
菊10銭アルミ貨(昭和15年~昭和18年)
菊10銭アルミ貨は、昭和15年(1940年)から昭和18年(1943年)にかけて発行されたアルミ製硬貨です。
戦時中の金属資源不足から素材が銀からアルミニウムへと変更されました。表面には菊花紋章、裏面には桜花が描かれており、軽く耐久性に乏しいため摩耗しやすい特徴があります。
通常品の価値は数十円程度ですが、昭和18年前期版(重量1.2g)は発行数が少ない特年として知られ、状態の良いものは通常品より高値で取引されています。
10銭錫貨(昭和19年)
戦況がさらに悪化し、航空機などに使われるアルミニウムも不足したため、錫と亜鉛の合金で製造されました。
戦時中の大量発行と素材の特性(柔らかく変形しやすい)から、古銭としての価値は低く、状態が良くても100円程度となることが一般的です。
稲10銭アルミ貨(昭和20年~昭和21年)
稲10銭アルミ貨は、昭和20年(1945年)から昭和21年(1946年)にかけて発行された、日本最後の10銭硬貨です。
終戦直後のGHQの管理下で発行され、表面には稲穂、裏面には桜花が描かれています。
インフレが進行していたため大量発行されたものの、実際にはほとんど通貨価値を持たない状態でした。現代でもそこまで高い価値は見込めないでしょう。
《紙幣》価値がつく10銭紙幣の種類
10銭は硬貨だけでなく、紙幣(政府紙幣)としても発行されていました。とくに明治時代の紙幣は希少性が高いものがあります。
明治通宝10銭札(明治5年~)
日本で最初に発行された10銭紙幣で、「ゲルマン札」とも呼ばれます。当時のドイツの印刷会社で製造されたため、精巧なデザインが特徴です。
現存数が比較的少なく、コレクターからの人気も高いため、状態が良ければ数千円から3万円程度の高値が期待できます。
大正小額紙幣10銭(大正6年~)
第一次世界大戦の影響による銀価格の高騰で、10銭銀貨の鋳造が困難になったために発行された紙幣です。
比較的多く発行されたため、明治通宝ほどの高値はつきにくいですが、保存状態が極めて良い「ピン札」であれば1万円程度の価値がつくこともあります。
日本銀行券10銭札(昭和19年~)
戦時中に発行された紙幣で、「八紘一宇塔」の図案が特徴です。発行枚数が多いため、希少価値は低めで主な買取価格帯は数十円から数百円です。
その後、昭和22年から鳩の図案が用いられた「日本銀行券A号10銭札」が登場しました。こちらも価値は数十円から数百円の価格帯となるでしょう。
デザインや素材の変遷
10銭硬貨の素材は最初の銀貨から始まって、白銅・ニッケル・アルミへと変わり、さらに戦況が厳しくなると錫なども使われるようになりました。
これは戦争による物資不足や、そのときどきの経済政策を反映したものです。
「この年だけ素材が違う」といった特徴もあり、コインの変遷を見るだけでも、当時の日本の歴史背景が垣間見えます。
歴史の流れを感じながらコインを集める楽しさも、古銭の魅力のひとつといえるでしょう。
「銭」の発行が停止された理由
終戦後の急激なインフレや新円切り替えなどの金融政策により、「銭」単位の硬貨は次第に使われなくなりました。
物価が急上昇したことで、10銭や50銭といった小額貨幣ではもはや何も買えなくなってしまったのです。
1953年(昭和28年)に「小額通貨整理及び支払金の端数計算に関する法律」が施行され、1円未満の通貨(銭・厘)は同年末をもって通用を廃止されました。
こうして「銭」は日本の貨幣史から姿を消し、10銭は古銭としての価値のみを持つ存在となったのです。
高額買取が期待できる!価値の高い10銭硬貨の見分け方

現在は使えなくなった10銭硬貨は、古銭市場で高値の取引事例が多くあります。
とくに明治時代の銀貨や希少性の高い年号のもの、製造エラーのある硬貨などは、額面をはるかに超える価格で取引されることも。
ここからは、高い価値を持つ10銭硬貨の見分け方について解説いたします。
発行枚数が少ない「特年」をチェック
古銭の査定では、まず年号を確認することが基本です。10銭硬貨の場合、多くの種類に「大正○○年」「昭和○○年」などの文字が刻まれています。
製造数が少なかった年は「特年」と呼ばれ、希少価値が高くなる傾向にあります。そのため、ほかの年号と比べて高額で取引されることが多いのです。
お手元の硬貨に記された年号をじっくり観察すると、もしかしたら発行枚数が極端に少ない年に該当する場合も。ぜひ一度確かめてみてくださいね。
保存状態が良いものは高評価
同じ年号・同じデザインの10銭硬貨でも、保存状態によって査定額は驚くほど異なります。
表面が著しく摩耗していたり、錆びが目立ったりすると価値はぐんと下がってしまいます。ただし、査定前に自身で無理に磨くのは逆効果なので注意しましょう。
原形の光沢や図柄がはっきりと残った美しい状態の硬貨であれば、コレクターからも高い評価を受け、思いがけない高額査定につながる可能性があります。
銀貨は素材価値もプラスされる可能性
明治初期に製造された「竜10銭銀貨」や「旭日10銭銀貨」「八咫烏10銭銀貨」など、素材として「銀」が使われているコインは、古銭としての価値だけでなく、銀そのものの資産価値も価格に影響する場合があります。
銀相場が高騰している時期には、素材としての価値も上乗せされやすくなるため、タイミングによって査定額が変わることも覚えておくとよいでしょう。
希少なエラー銭を見逃さない
エラー銭とは、製造過程で何らかの不具合が生じた硬貨のことです。
刻印が通常とは違う位置にずれていたり、一部の文字や模様が欠けていたり、打刻の角度が通常とは異なっていたりするものが該当します。
こうした製造ミスは意図的に作れるものではないため、コレクターの間では希少品として珍重され、高額取引されることもあるのです。
もしお手元の10銭硬貨に何か「普通とは違う」と感じる点があれば、専門家に見てもらうことをオススメします。
10銭硬貨はどこで売るのがベスト?主な売却方法

10銭硬貨を売却する場合、少しでも高く売るためには「どこに売るのか」が重要です。主な売却方法を比較してみます。
ネットオークション・フリマアプリ
自身で買い手を探す方法として、インターネットオークションやフリマアプリを活用する手もあります。
希少性の高い10銭硬貨であれば、熱心なコレクター同士が競り合って予想以上の高額落札が期待できるかもしれません。
一方で、出品作業や発送の手間がかかったり、取引相手が古銭の真贋について質問してきたりとトラブルの可能性もあることは覚えておきましょう。
リサイクルショップ・金券ショップ
お近くのリサイクルショップや金券ショップでも古銭を買い取ってくれることがあるものの、古銭に関する専門知識が十分でないケースも。
そのため、本来なら高値がつくはずの希少なコインでも、適切に評価されない可能性があります。気軽に持ち込める点では便利ですが、あまり高い買取価格は期待できないことも多いため注意が必要です。
価値が高い古銭をお持ちの場合は、やはり専門業者に査定を依頼するほうが賢明だといえるでしょう。
古銭買取専門業者
10銭硬貨を含む古銭の売却を考える際、もっとも頼りになるのが古銭買取を専門にしている業者です。
古銭に関する豊富な知識を持った査定士が在籍しているため、市場相場を踏まえた適正な価格を提示してもらいやすいのが最大のメリットでしょう。
また、複数枚の硬貨をまとめて査定に出せるだけでなく、出張査定や宅配査定といった便利なサービスを提供している業者も多いため、忙しい方でも手間なく査定を受けられます。
ただし、業者によって得意とする分野や査定額に差が出る場合もあるため、信頼できる業者を選ぶことが重要です。
10銭硬貨の買取なら福ちゃんへ!
「買取福ちゃん」では、10銭硬貨をはじめとする貴重な古銭を買取しています。ほかにも、大判・小判といった価値の高い日本の貨幣についても取り扱い経験が豊富です。
古銭に関する深い知識や最新の市場相場に精通した査定士が在籍しているため、一般的なリサイクルショップでは見落とされがちな「特年」や「エラー銭」の価値も正しく見極めます。
10銭硬貨や古銭が押し入れやタンスの奥に眠っているなら、まずは無料査定を受けてみることをオススメします。
まとめ

10銭硬貨は現在の日本円に換算すると0.1円相当ですが、古銭としては歴史的背景や希少性によって額面以上の価値を持つ可能性があります。
とくに明治初期の銀貨や、発行枚数の少ない「特年」、エラー銭などは高い買取価格がつくケースもあり、保存状態が良いほど査定額もアップする傾向があります。
もしご自宅の整理などで10銭硬貨を見つけたら、捨てたりせずにまずは専門業者に価値を確認してもらいましょう。保管状態に気を付ければ、今後さらに価値が上がるかもしれません。
古銭買取を検討する際は、「福ちゃん」にぜひ一度ご相談ください。
10銭硬貨・紙幣の価値に関するQ&A
10銭硬貨・紙幣の価値に関するご質問をまとめました。
Q1. 価値のない10銭硬貨・紙幣はどうすればよいですか?
A1. 10銭錫貨や稲10銭アルミ貨など、古銭としての価値がほとんど期待できないものも確かに存在します。
専門業者でも買取が難しい場合がありますが、複数枚まとめてネットオークションやフリマアプリに出品すると、安価でも買い手がつくことがあります。
また、歴史的な資料としてお手元に残しておくのもひとつの選択です。処分に困る場合は、専門業者に一度相談してみるとよいでしょう。
Q2. 10銭硬貨・紙幣を保管する際の注意点は?
A2. 古銭の価値を保つためには、保管状態が非常に重要です。まず、素手で直接触ることは極力避けてください。
手の脂や湿気が錆びや変色の原因となります。専用のコインホルダーやアルバムに入れ、湿気が少なく、直射日光が当たらない風通しの良い場所で保管するのが理想です。
紙幣は折り目をつけないよう、専用のプラスチックケースなどに入れることをオススメします。
Q3. 銀行で現在の日本円に交換できますか?
A3. できません。前述の通り、10銭硬貨・紙幣は1953年末をもって法的に通用停止となっています。
そのため、日本銀行や一般の銀行に持ち込んでも、現在の日本円(0.1円として)に交換することはできません。
価値を換金する唯一の方法は、古銭コレクターや古銭買取専門業者に売却することです。

