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  • 古銭/記念硬貨
  • 2025.09.14

オリンピック金メダルの値段はいくら?純金じゃない理由と本当の素材価値を計算

オリンピックの表彰式で、金メダルが選手の首にかけられるシーンは、多くの人々に感動を与える瞬間です。

その輝かしいメダルを見て、
この金メダルの値段はいくらくらいするんだろう?
金メダルは純金なの?
などの疑問を持ったことがある人もいるのではないでしょうか。

本記事では、「オリンピック金メダル」に使われている素材や、「国際オリンピック委員会(IOC)」の規定に基づいた金メダルの「素材としての値段」。

そして過去のオークションでついた価格まで、専門的な視点を交えて詳しく解説します。

オリンピック金メダルの「値段」を左右する素材の内訳

オリンピック金メダルの値段はいくら?純金じゃない理由と本当の素材価値を計算

オリンピックでの表彰式で優勝者の首にかけられる金メダル。そのきらびやかさから、ついつい「純金なんだろうな」と想像してしまいがちです。

しかし、実際には金メダルについて、国際オリンピック委員会(IOC)により厳密に定める素材の規定があります。

まずはこの規定に沿ってどのような素材が使われており、どれほどの値段になるのかを見ていきましょう。

金メダルは純金ではない?IOCが定める素材の規定

オリンピック金メダルと聞くと、多くの人は「金塊のようにすべてが純金なのでは?」と思うかもしれません。しかし、実際にはオリンピックの金メダルは純金製ではありません。

現在のオリンピック憲章と国際オリンピック委員会(IOC)の規定によると、金メダルは「純度92.5%以上の銀製の土台(コア)に、最低6グラムの純金で金張り(メッキ)されたもの」と定められています。

つまり、大半の部分は銀で構成されているのです。では、なぜ純金製ではないのでしょうか?

理由はいくつかありますが、まず「コスト面」が挙げられます。オリンピックでは競技数が増え続けており、金メダルの数も増加傾向です。

仮にすべてが純金製となると、その製作コストは莫大なものになります。主催都市や大会組織委員会にとっては、メダルの制作費が膨大になりすぎることは避けたいところでしょう。

また、「強度」という観点も重要です。金は非常に柔らかい金属のため、純金製のメダルだと日常的な取り扱いでも傷がつきやすく、形が変わってしまう可能性があります。

アスリートにとって一生の宝物であるメダルが、簡単に傷ついたり歪んだりするのは好ましくありません。銀をベースに金をコーティングすることで、美しさと耐久性の両立を図っているのです。

オリンピックの歴史的背景としては、近代オリンピックが始まった当初は純金のメダルが用いられた大会もありましたが、大会運営の拡大や金の相場上昇などを受けて、最終的には現在のような規定へと落ち着きました。

なお、大会だけでなく夏季オリンピックと冬季オリンピックでも、メダルのデザインや重量・サイズなどが異なります。ただし「ベースは銀に金張りする」という基本方針は変わりません。

▼金メダルの重量|近年の推移
☑ 2014 ソチ五輪(冬季):約531g
☑ 2016 リオ五輪(夏季):約500g
☑ 2018 平昌五輪(冬季):約586g
☑ 2020 東京五輪(夏季):約556g
☑ 2022 北京五輪(冬季):約586g
☑ 2024 パリ五輪(夏季):約529g

こうした統一ルールによって、オリンピック金メダルが「純金製」というイメージをもたれがちな一方で、実は「銀+金メッキ」であることが保持されているのです。

素材の価値はいくら?近年の金相場から値段を計算

では、実際にこの「銀+金メッキ」の金メダルは素材としていくらくらいの価値になるのでしょうか。具体的な大会を例にとってみましょう。

たとえば、東京2020オリンピックの金メダルは、公式発表によると「総重量は約556g」。

IOCの規定どおり、少なくとも6g以上の純金が使用されており、残りの大部分は銀(純度92.5%以上)で構成されています。

金メダル1個あたりに含まれる金の量を「6g」、銀の量をおよそ「550g前後」(実際には他の金属も微量に含まれますが、ここではわかりやすく銀と仮定)と考えましょう。

このコラムの執筆時点(2025年6月)での参考価格として、金は1gあたり17,600円前後、銀は1gあたり188円前後とします。すると、素材価値は以下のように計算できます。

✔ 金の価値:6g × 17,600円 = 105,600円
✔ 銀の価値:550g × 188円 = 103,400円

この2つを合計すると、約209,000円となります。

もちろん、純度や実際の使用量により多少前後しますし、金や銀の価格は相場によって日々変動しますが、おおむね20万円前後の素材価値というのが目安になるでしょう。

大会によってメダルの重量や純度が微妙に異なるため、同じ金メダルでも素材価値には若干の差があります。

また、今後の大会の金メダル重量やデザインも変更される可能性があるため、同様の計算方法でおおまかな素材価値をイメージしてみるとよいでしょう。

ただ、どの大会においても、純金製であれば数百万円以上になり得るところを、「ベースは銀」で必要最低限の金を使うことで、コストを抑えながらも華やかさを保っているのです。

値段以上の価値がある!金メダルが持つ3つの付加価値

オリンピック金メダルの値段はいくら?純金じゃない理由と本当の素材価値を計算

前章では金メダルの素材的な価値は「20万円前後」であることがわかりました。

しかし、オリンピック金メダルにはそれ以上の特別な価値が存在します。なぜ、たった6gの金メッキで数十万円程度の素材価値のものが、時には億単位の値段で取引されることがあるのか。

ここからは金メダルの「付加価値」に注目し、価値を探っていきましょう。

歴史的価値|その瞬間の栄光と物語

オリンピックの金メダルは、単なる「金属の塊」ではありません。そこには、世界最高峰の舞台で頂点に立った選手の努力の結晶が詰まっています。

数えきれないほどの鍛錬や、さまざまな困難を乗り越えたドラマが、金メダルという形で結晶化されるのです。

たとえば、競技中に大怪我を負いながらも奇跡的な復活を遂げたアスリートや、国の期待を一身に背負ってプレッシャーと戦い続けた選手など、その物語は一つひとつが唯一無二の歴史となります。

歴代のオリンピックには、世界中を熱狂させた伝説的な選手たちが多数存在します。

陸上競技で数多のメダルを獲得したカール・ルイスや世界最速の男と称えられたウサイン・ボルトなど、彼らの金メダルは、その大会だけでなくスポーツ史全体を彩る輝きを持っています。

もしそうした名選手たちの金メダルが、市場に出回ることがあれば、「金や銀の値段」を大幅に超える価格が付くのは想像に難くありません。

金メダルは、その瞬間の栄光と物語、そして大会の盛り上がりすべてを象徴するものです。まさに歴史の証人であり、同じメダルは二度と生まれない、かけがえのない存在なのです。

希少価値|世界にひとつだけの存在

オリンピック金メダルは4年に一度、世界各国から選抜されたトップアスリートたちが競い合い、その中でたった1人(または1組)だけが手にする栄誉の証です。

メダルの総数こそ競技数の増加に伴って増えましたが、それでも「その種目、その大会で金メダルを獲得できるのは唯一の存在」という希少性に変わりはありません。

さらに、オリンピックのたびにメダルのデザインが変わる点も、希少価値を高める要因のひとつでしょう。

たとえば、東京2020大会の金メダルとパリ2024大会の金メダルでは、表面のデザインや裏面の装飾が大きく異なります。

つまり、同じデザインの金メダルはその大会でしか存在せず、再生産されることもありません。

大会が終われば、その時期に作られたメダルは歴史的に固定され、以後は入手困難なコレクターズアイテムへと変化するのです。

過去のオリンピックの金メダルともなれば、さらに現存数が限られているケースも多いため、その価値は年々高まり続けています。

コレクターや博物館、財団などが入手を狙うこともあり、時には素材価値をはるかに超える金額で取引される例も。

まさに「世界にひとつだけ」のメダルならではの希少価値が、金メダルにさらなる輝きを与えているのです。

オークション事例|過去に落札された金メダルの驚きの値段

金メダルが、オークション市場でどれほど高値を呼ぶのかは、実際の落札事例を見れば一目瞭然です。

1936年ベルリン五輪で陸上選手として活躍した「ジェシー・オーエンス」の金メダルは、アメリカのオークションに出品され、「約147万ドル(当時のレートで1億5,000万円以上)」という驚異的な値段で落札されました。

ジェシー・オーエンスが残した歴史的快挙や、当時の社会背景(人種差別など)を乗り越えたストーリーが、このメダルに特別な価値を与えたのです。

また、著名なボクサーの「ウラジミール・クリチコ」が、1996年アトランタ五輪で獲得した金メダルをチャリティ目的で出品した際には、落札価格が「100万ドル(当時1億円以上)」を超えたと報じられています。

これらのケースでは、素材価値が数十万円程度であるにもかかわらず、歴史的背景や選手の知名度、そして社会的意義などが相まって、桁違いの金額が付いたのです。

もちろん、ここまでの高額落札は一部の有名アスリートや歴史的な大会に限られるかもしれません。しかし、こうした事例は、オリンピック金メダルが持つ「付加価値」の強大さを象徴しています。

オークションで取引される金メダルは、その所有者のドラマや時代の背景をまるごと包含しているからこそ、高額な値段が付けられているのでしょう。

お手元の金貨や古銭も価値があるかも?専門家による査定の重要性

オリンピック金メダルの値段はいくら?純金じゃない理由と本当の素材価値を計算

金メダルのように、表面に刻まれた物語や歴史的意義によって価値が大きく変わるものは、私たちの身近にも潜んでいるかもしれません。

たとえば、ご自宅に保管されている古い硬貨や記念金貨。

額面通りの価値しかない」と思って放置していると、想像以上に高い価値を持つ逸品だったというケースもあります。

ここからは、金メダルと同様に「素材価値」と「付加価値」を持つ可能性がある金貨や古銭の世界について見ていきましょう。

金メダルと金貨・古銭の価値の共通点と相違点

金メダルと金貨・古銭には、共通して「金や銀などの素材の価値」と「歴史的・希少的価値」という2つの側面があります。

金貨や古銭の場合、純金や純銀の含有量が高いとそれだけで一定の地金価値が期待できますし、発行年や数量によってはコレクターズアイテムとしての付加価値が生まれることもあります。

一方の金メダルは、もともと選手個人の功績をたたえるもので、発行枚数も非常に限られています。そのため、市場で頻繁に売買されることはありません。

これに対して、金貨や古銭はコレクター市場が確立されており、オークションや専門店、骨董品市場などで活発に取引されています。

また、金メダルは個人的な記念品としての意味合いが強いのに対し、金貨や古銭は投資やコレクションの対象として広く流通する点も大きな違いです。

たとえば、日本では天皇陛下御在位記念の金貨や、オリンピック記念硬貨など、国が公式に発行した記念硬貨は「額面以上の価値」で取引されることがしばしばあります。

その要因としては、デザインの美しさや発行枚数の少なさ、特定の発行年にまつわる歴史的背景などが挙げられます。

つまり、金メダルと金貨・古銭は、同じ「金属製の希少アイテム」であることに変わりはありませんが、流通形態や市場の形成状況、所有者にとっての意味合いなどが異なるため、評価のされ方も多少変わってくるのです。

正しい価値を知るにはプロの査定が不可欠な理由

金貨や古銭の価値は、素材の含有量や純度だけで決まるわけではありません。

同じ金貨でも、発行年が古いほど希少価値も高まるケースがありますし、発行枚数が極端に少ない記念硬貨などはオークションで高値が付くこともあるのです。

また、キズや汚れ、変色の有無による「状態の良し悪し」によっても価値が大きく変動します。

当然、市場の需要と供給のバランスも無視できない要素です。いくら古い硬貨であっても、コレクターの注目度が低ければ、高い値段はつきにくいもの。

一方で、一部のマニアが探し求めているレアコインなどは、一見地味に見えても驚くほど高額で取引される場合があります。

こうした複数の観点を総合的に判断するためには、やはり専門知識と経験が欠かせません。

素人目には「ただの古い硬貨」にしか見えないものでも、専門の査定士から見れば「この時期に発行された珍しいバリエーションだ」という可能性があるからです。

逆に、「これなら高そう」と思っていたものが、実は大量発行されていたり、人工的に改造されていたりして価値が下がるケースもあります。

金や古銭の価値を正しく把握するためにも、最新の相場や歴史的背景に精通したプロの査定士に依頼することが、もっとも確実な方法です。

「自宅の押し入れに眠っている古いお金が、実はビックリするような価格で取引されていた」というエピソードは決して他人事ではありません。

大切な古銭を手放す前に、まずは専門家の意見を聞いてみることをオススメします。

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まとめ

オリンピック金メダルは「純金製ではない」ものの、銀をベースに6g以上の金をあしらった素材価値としては、おおむね数十万円程度の値段になります。

しかし、その真の価値は歴史的背景や選手の功績、希少性によって大きく左右され、時にはオークションで数千万から億を超える価格がつくほど貴重です。

つまり、金メダルの価値は「素材の重み」だけでなく、そこに刻まれたドラマや時代の文脈が大きく影響するのです。

同様に、金貨や古銭なども、素材としての価値だけでなく、その発行背景や希少性によって思わぬ高値が付くケースがあります。

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