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  • 古銭/記念硬貨
  • 2025.12.18

500円札の価値はどれくらい?B号券・C号券の違いや高く売れる条件とは

現在は硬貨のみが流通している500円ですが、かつては紙幣として「500円札」が発行されていました。発行停止から長い年月がたった今、500円札はコレクターの間で高い人気を誇り、状態や種類によっては想像以上の価格で取引されることもあります。

そこで本記事では、500円札の種類(B号券・C号券)や価値が高い特徴、保存のポイント、換金の方法まで詳しく解説します。家に眠っている500円札の価値が気になる方や、売却を検討している方に役立つ内容が満載です。

500円札とはどのような紙幣?

500円札の肖像を拡大している

500円札は、かつて日本銀行から発行されていた紙幣であり、「五百円券」や「岩倉具視500円札」とも呼ばれます。現在は500円硬貨が主流となり、紙幣としての新規発行はすでに停止しています。しかし、日本国の法律上はいまだに有効な通貨であり、買い物などの支払いに用いることも可能です。

この500円札には「B号券」と「C号券」の2種類が存在し、どちらも明治維新に深く関わった政治家である「岩倉具視」の肖像が描かれています。

まずは、500円札の基本情報として発行背景から使用の可否、岩倉具視が描かれている理由について詳しく見ていきましょう。

500円札の発行背景

500円札が世に送り出された背景には、戦後日本が直面していたインフレへの対処と高額紙幣の必要性という2つの大きな課題がありました。

第二次世界大戦後の日本経済は急激なインフレの波に揺れており、政府は当初、新円切替(A号券)の発行によってこの状況を乗り切ろうとしました。

しかし、インフレの勢いは衰えることなく進行し続け、当時最高額面だった百円札(A百円券)の発行量が著しく増加します。

このような状況下で、百円札と千円札の間を埋める中間的な額面として、500円札の必要性が強く認識されるようになりました。こうした社会的要請を受けて、1951年(昭和26年)にB号券として500円札が登場することになります。

当時はまだ戦後復興の途上にあり、経済的な不安定さが残る中で、新しい高額紙幣の誕生は国民生活の利便性を大きく向上させることになりました。

しかし時代が下るにつれて、より耐久性の高い500円硬貨が登場したことで、紙幣としての役割は徐々に薄れていきました。

長期的な流通コストの観点からも硬貨のほうが優位性を持つことから、1994年(平成6年)にはC号券の発行が停止され、500円札は私たちの日常から静かに姿を消していったのです。

500円札の使用可否

500円札は今日でも法的に有効な通貨です。無制限の強制通用力を有するため、法令上はどのお店でも支払手段として受け入れられるはずです。

しかし、現実的な問題として、500円札の流通量が極めて少なくなった現在では、多くの店舗レジ担当者にとってなじみのない存在となっています。

そのため、真贋の判断に自信が持てず、相手が戸惑ったり、場合によっては丁重に断られたりする場面もあるでしょう。また、自動販売機や駅の券売機、ATMといった自動化された決済システムでは、ほぼ使用できないことも覚えておく必要があります。

このように日常的な買い物での利用は難しくなったものの、500円札は正式な通貨であるため、銀行での預け入れや両替など、基本的な金融サービスは受けられます。

ただし、最近では鑑定に時間のかかるケースが増えていることや、将来的には取り扱い手数料が発生する可能性もあることから、利用を検討する際は事前に金融機関に確認するとよいでしょう。古い紙幣であるがゆえの特殊な扱いを考慮しながら、有効活用の方法を考えることが大切です。

500円札の表面を飾る「岩倉具視」

500円札の表面を飾る「岩倉具視」は、日本の歴史において重要な転換期を生きた卓越した政治家です。

岩倉は幕末から明治維新という激動の時代に、公家の身分でありながら政治的手腕を発揮します。初めは公武合体派として朝廷内で影響力を持ち、後には明治新政府の中核的存在へと成長しました。

岩倉具視の名を歴史に刻んだ有名な業績の一つが「岩倉使節団」の派遣です。この大規模な外交使節団は、不平等条約の改正交渉という明確な目的を持ちながらも、同時に欧米の先進的な制度や技術、文化を学び入れるという壮大な文明開化プロジェクトでもありました。

岩倉自身が特命全権大使として団を率い、約2年にわたる欧米諸国訪問を通じて、近代国家建設のための貴重な知見を日本にもたらしたのです。

また国内政治においても、岩倉具視は廃藩置県をはじめとする大胆な近代化政策を推進し、中央集権的な国家体制の確立に多大な貢献をしました。

彼の政治的手腕は、多様な勢力間の調整能力と長期的視野に立った国家戦略の立案にあり、まさに日本近代化の設計者のひとりといえるでしょう。

500円札に採用された岩倉具視の肖像は、イタリア人画家「エドアルド・キヨッソーネ」が描いた大礼服姿の肖像画をベースにデザインされており、威厳と品格を兼ね備えた明治の元勲の姿を今に伝えています。

過去に発行された500円紙幣は2種類

500円紙幣と500円貨幣

日本で発行された500円紙幣はB号券・C号券の2種類があり、それぞれデザインや特徴が異なります。

発行時期や偽造防止技術の違いによって、券種ごとに見た目や構造が大きく異なるため、まずは両者の違いを理解しておくことが重要です。ここからは、B号券とC号券それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

【B号券】透かし・余白がない

B号券は1951年から1971年まで発行された500円札で、「岩倉旧500円札」とも呼ばれています。

表面の左側には「500」という数字が印字されており、C号券と異なり余白がありません。

裏面には図案化された大きな「500」の文字が富士山の左側に配置されています。透かしは入っているものの、透かし用の白い余白部分がないため、光に透かしても確認しにくい構造です。

サイズは縦76mm×横156mmで、表面には桜の花が描かれています。製造時期により用紙の質感が異なり、初期のものはミツマタを主原料とした黄味がかった紙質で、後期になるほど白色に近い紙質へと変化しました。

【C号券】透かし・余白がある

C号券は1969年に発行が開始され、1994年まで製造された500円札です。「岩倉新500円札」とも呼ばれ、B号券の偽造防止技術が不十分であることから、より高度なセキュリティを備えて登場しました。

紙幣の左側に透かし確認用の余白が設けられていて、桜花と波線の透かしが印刷部分と重ならないよう配慮されており、光を当てるとはっきりと確認できます。これによりB号券よりも偽造防止効果が大幅に向上しました。

表面の岩倉具視の肖像はB号券より大きく描かれ、周辺には精緻な模様が施されています。サイズは縦72mm×横159mmで、B号券よりわずかに大きくなりました。

価値が高い500円札の特徴

500円札の裏面

同じ500円札でも、製造時の状態や発行時期、記番号の組み合わせなどによって、買取価格は大きく変動します。

中には額面の数十倍から数百倍の価格がつくケースもあるため、価値をきちんと見極めることは重要です。ここからは、500円札の価値を高める具体的な特徴を解説します。

印刷時の不具合が見受けられる

印刷時の不具合が見受けられる500円札は、通常の10倍から150倍の価値がつく可能性があります。製造過程でのミスにより市場に流通したエラー紙幣には幾つかの種類が存在しており、具体例を挙げると以下の通りです。

  • 印刷ズレや色ムラがある
  • 裁断ミスによって余白が残っている(福耳)
  • 記番号の印刷が表裏で異なっている

紙幣は大量生産されるため、高度な品質管理が行われていても、それをすり抜けるものがあります。複数のエラーが重なっている場合やエラーの度合いが大きいものは、高額査定に期待できるでしょう。

もし手元の500円札に印刷の乱れや裁断の異常が見られる場合は、専門の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

発行された年代が古い

古い年代のものほど現存数が少なく、コレクターからの需要も高まります。500円札はB号券が1951年から1971年まで、C号券が1969年から1994年まで発行されました。

B号券はさらに最初期・前期・後期の3つに分類され、それぞれ発行枚数や現存数が異なります。特に最初期のB号券は記番号の左側がアルファベット1桁で、希少性が非常に高いため高額査定に期待できるでしょう。特に保存状態が良好な最初期のB号券であれば、額面を大きく上回る価格での取引が見込めます。

記番号が珍しい

記番号とは、紙幣の表面に印刷されているアルファベットと数字の組み合わせのことです。この記番号は紙幣一枚ごとに異なっており、製造番号としての役割を果たしています。

この記番号が特定のパターンに該当するものは、額面を大きく上回る価値がつくことがあるため要チェックです。価値が高くなりやすい記番号の例には、以下のようなものがあります。

  • ゾロ目:111111や777777など
  • 階段番号:123456や987654など
  • 初号札:000001
  • 最終号札:999999
  • サンドイッチ番号:122221など

珍しい記番号の500円札は、5,000円から3万円程度の買取価格がつくケースもあります。記番号が珍しい500円札を持っているなら、専門の買取業者に査定を依頼してみましょう。

保存状態が良い

500円札の保存状態は価値に大きく影響する要素です。未使用に近い状態ほど高値がつきやすく、特にピン札は一般的に額面の2倍から10倍程度で取引されます。

保存状態が査定額を左右する理由は、紙幣が紙製でデリケートな素材だからです。折り目やシワ、シミ、書き込みなどがあると、コレクションアイテムとしての価値が大きく下がります。

500円札を長期保管する際は折り曲げを避け、専用のコレクションアルバムや中性紙を使用するとよいでしょう。直射日光による紫外線は紙を劣化させるため、暗所で保管することをおすすめします。

額面分の価値は保証される◎

500円札は発行が停止されているものの、現在でも法的に有効な通貨として認められています。日本銀行が発行した紙幣には強制通用力があり、店舗での支払いや銀行での入金が可能です。

すなわち、汚損や破損が激しくなければ、最低でも額面の500円分の価値は保証されています。買取査定に出した結果、希少性が認められず額面通りの評価となった場合でも、損をすることはありません。

そのまま買い物に利用でき、銀行で現行の500円貨幣に交換することも可能です。一方で、希少性の高い500円札であれば、額面を大きく上回る価格がつく可能性があります。

500円札の価値を落とさないためのポイント

500円紙幣の表面

500円札をできるだけ高値で売却するには、査定前の取り扱いが重要です。適切に扱わないと、本来の価値を損なう可能性があるため注意が必要です。

ここでは、500円札の価値を維持するための保管・取り扱いポイントを3つ紹介します。鑑定書の有無や保管時の注意点、売却のタイミングなど、実践的な内容を確認していきましょう。

鑑定書を添える

古い紙幣を古物商などから購入すると、「日本貨幣商協同組合」の鑑定書が付いている場合があります。鑑定書が付いている500円札の場合には、鑑定書も一緒に査定に出しましょう。

鑑定書は、その紙幣が本物であることを公式に証明する書類です。査定時に真贋の判断がスムーズになるだけでなく、買取業者が再販する際にも、市場での信用度が高まり買い手も付きやすくなります。

汚れは落とさない

500円札に汚れが付いていても、自分で落とそうとするのは避けましょう。「きれいにしたほうが高くなるのでは」と考えがちですが、実際には逆効果になる可能性が高いためです。

500円札は紙製のため非常にデリケートで、汚れを落とそうとこすったり水を使ったりすると、シワがついたり破れたりするリスクがあります。表面を強くこすれば印刷が薄くなり、水分を含むことで破れることもあるでしょう。

状態が悪化すると価格が大幅に下がりかねないため、乾いた布で軽く拭く程度にとどめるのがおすすめです。

買取業者の査定士は古銭の扱いに長けており、汚れの状態を含めて総合的に判断します。汚れがあっても、そのままの状態で査定に出すほうが安全といえます。

早めに売却する

500円札を売却すると決めたら、できるだけ早めに買取してもらうことが重要です。紙幣は紙でできているため、丁寧に保管していても経年劣化は避けられません。

湿気や紫外線、空気中に含まれる酸素などの影響で、少しずつ変色やシワが進行します。保管中に表面がこすれたり変色したりすると、査定額が下がるでしょう。

500円札の価値を維持するには、状態が良好なうちに専門の買取業者へ査定を依頼することが大切です。

500円札の換金方法

さまざまな種類の紙幣

500円札を手にした際の換金・利用方法としては、買い物に使う・銀行で両替する・古銭買取業者に売るといった方法があります。

どの方法にもメリット・デメリットがあり、紙幣の状態や目的に応じて使い分けることが重要です。ここでは、それぞれの換金方法の特徴や注意点を紹介します。

買い物で利用する

500円札は現在でも法的に有効な通貨のため、対面の店舗で支払に使うことは可能です。しかし、実際に買い物の際に500円札を差し出すと、店員さんから驚きの表情を向けられることがほとんどでしょう。

特に若い世代の店員さんにとっては見たこともない紙幣というケースが多く、偽札ではないかという疑念を持たれることもあります。

そのため、受け取りの可否を上司に確認する時間が必要になったり、場合によっては丁重に断られたりすることも想定しておきましょう。

また、自動販売機や駅の券売機などの機械類は、多くが500円札の読み取りに対応していないため、そのまま使用できないことがほとんどです。

従って、500円札を日常的な買い物で使うのであれば、現金決済のみに対応している個人経営の小さな商店や、顔の見える対面のやりとりができる場所を選ぶことが賢明でしょう。

買い物での利用はあまり現実的ではありませんが、昔ながらの商店街や市場など、地域に根差した商店では、受け入れてもらえるかもしれません。

銀行で交換してもらう

500円札を簡単・確実に現金化する方法は、銀行の窓口で現行の紙幣や硬貨に交換してもらうことです。

日本銀行券はいったん発行されると正式に無効化されない限り、いつでも対価と交換できることが法律で保証されています。そのため、一般の銀行窓口でも基本的には対応してもらえるでしょう。

ただし、長い時間が経過した古い紙幣であるため、鑑定に時間がかかるケースもあります。真贋の確認が難しい場合や、紙幣が破損している場合には、より詳細な検査が必要になり時間がかかることが多い傾向です。

古銭買取業者に買い取ってもらう

500円札を最大限に活用したいのであれば、古銭買取業者への売却がおすすめです。古銭の専門家による査定を受けることで、普通に使うよりも高い金額で換金できる可能性があります。

特に状態の良い未使用品(いわゆる「ピン札」)や、連番でそろった複数枚セット、記番号にゾロ目や特殊な組み合わせがある紙幣などは、高値が付きやすいでしょう。さらに、印刷ミスなどのエラー紙幣であれば、コレクターの間で希少価値が認められ、さらなる高額査定が期待できます。

古銭市場は、コレクターの需要と供給のバランスによって価格が決まる特殊な市場です。そのため、タイミングや業者選びも非常に重要になってきます。

同じ紙幣でも、買取業者によって査定額に差が出ることも珍しくありません。信頼できる業者を選ぶことで、適正価格での取引が可能になるでしょう。

500円札の査定は福ちゃんにお任せ!

未使用品や記番号が珍しいものなど、価値が高い500円札を所持している方は、ぜひ福ちゃんに査定をご依頼ください。福ちゃんは古銭や古紙幣を取り扱う買取業者で、500円札の価値を見極められる査定士が在籍しています。

経験と知識の豊富な査定士が1枚1枚丁寧に査定し、その価値を正しく反映した価格を付けることが可能です。500円札を信頼できる買取業者に売却したいと考えているのであれば、ぜひ福ちゃんをご利用ください。

まとめ

富士山が描かれた500円札の裏面

500円札にはB号券とC号券の2種類があり、エラー紙幣や珍しい記番号、発行年代の古さ、保存状態の良さなどにより額面以上の価値が付くことがあります。価値を保つには、鑑定書を添えて早めの売却を心がけることが大切です。

500円札の査定を依頼する際は、信頼できる買取業者を選ぶことも重要です。福ちゃんは、古銭・古紙幣の取り扱い実績が豊富な買い取り業者です。経験豊かな査定士が1枚1枚チェックして価値を判定しているため、買取を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。