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  • 古銭/記念硬貨
  • 2025.12.19

一分銀にはどの程度の価値がある?種類別の価格と見分け方のポイント

一分銀は江戸時代から明治時代初期に発行されていた銀貨で、複数の種類が存在します。古い一分銀を発見し、どの程度の価値があるのか知りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

一分銀の価値は種類や状態によって大きく異なり、数万円以上の値が付くものもあります。しかし、市場には精巧な偽物も出回っており、本物を見極めるには専門的な知識が必要です。

そこでこの記事では、一分銀の特徴や本物を見分ける方法を紹介します。高価買取のコツも紹介するため、売却を検討している方もぜひ参考にしてみてください。

一分銀とは?

山積みになっている一分銀

一分銀は江戸時代から明治時代にかけて流通した銀貨です。計数貨幣のひとつであり、当時は1両(小判1枚)の4分の1の価値がありました。1837年~1869年の32年間にわたって発行されていたこともあり、発行時期や種類によってデザインもさまざまです。

一分銀は現代でも古銭コレクターの間で人気がある銀貨で、種類や状態によっては高額で取引されています。発行数が少ない時代のものや珍しいものは高値で売却できるでしょう。

ただし、人気がある分偽物なども多く出回っているため、購入・売却するときは注意が必要です。

一分銀の代表的な種類

一分銀を拡大して見たところ

一分銀には、発行時期や銀の含有率によっていくつかの種類が存在します。過去に発行された一分銀は以下の通りです。

  • 天保一分銀
  • 庄内一分銀
  • 安政一分銀
  • 明治一分銀

それぞれに独自の歴史的背景や特徴があり、希少性や保存状態によって価値が大きく異なります。ここでは、それぞれの一分銀の特徴や希少性、銀の品位などを詳しく見ていきましょう。

【天保一分銀】日本で初めて発行された一分銀

天保一分銀は、1837年(天保8年)から製造された銀貨です。一番古くに作られた一分銀であるため、「古一分銀」という異名も持っています。

当時は重さで価値をはかる「秤量貨幣」が主流でした。しかし、天保一分銀は額面で価値が定められた「計数貨幣」であり、貨幣制度における大きな転換点となった銀貨といえます。

表面には「一分銀」の文字とともに20個の桜花が配され、裏面には「定 銀座 常是」の文字と同じく20個の桜花が刻印されています。この桜花の装飾から、当初は「花降銀」という名称が候補に上がっていた経緯もあります。

銀の含有率は約98.9%と高く、質量は約8.6gです。側面にも小桜が3つ刻印されています。

天保一分銀は一分銀の中では発行枚数が多いのが特徴です。金貨よりも大量に作られ、鎖国が終わる安政の頃には国内の標準貨幣となるまでに国民に浸透していました。当時の経済において重要な役割を果たした銀貨として歴史的な価値があります。

【庄内一分銀】製造期間が短く希少価値が高い

庄内一分銀は天保一分銀の表面に「庄」、裏面に「三つ柏」の刻印を加えて製造されました。発行期間が1868年の5月から6月と極めて短く、現存数が少ないため、希少価値がある一分銀です。

流通していた天保一分銀に、独自に「庄」と刻印したのは庄内藩です。銀の含有量が天保一分銀よりも少ない安政一分銀が流通し始めた頃、粗悪な安政一分銀と見分けるために「庄」が刻印されたといわれています。

表面の「分」の文字が跳ねている「跳分」、裏面の「座」の縦線が長い「長柱」といった種類はさらに希少価値が高く、査定額が大きく上がる可能性があります。

庄内一分銀について詳しくはこちら↓
庄内一分銀の現在の価値は?買取相場や種類・一朱銀との違いなど

【安政一分銀】江戸時代末期に広く流通した一分銀

安政一分銀は1859年から1868年の間に製造された一分銀です。天保一分銀が「古一分銀」と呼ばれるのに対し、安政一分銀は「新一分銀」と称されます。

銀の含有率は約87.3%で、天保一分銀に比べて銀の量が少ないのが特徴です。この背景には、開国による外国との交易拡大があります。横浜港が開港して外国船が来航するようになると、外国人が洋銀を一分銀に両替する機会が増えました。

当時流通していた天保一分銀は銀含有率が極めて高く、交換すると日本側に損失が発生します。そこで幕府は、洋銀に近い品位まで銀含有量を下げた安政一分銀を発行しました。

デザインは天保一分銀と類似していますが、側面に荒い削り跡が見える加工が施されている点が特徴です。この側面加工があることで、天保一分銀と容易に区別できます。

【明治一分銀】明治時代の仮貨幣として流通

明治一分銀は1868年から1869年にかけて製造された一分銀で、江戸幕府が終わり、明治政府が誕生した激動の時代に流通しました。

安政一分銀と比較すると銀の比率は約80%と少なく、亜鉛が使われることもあったため「亜鉛差一分銀」と呼ばれることもあります。しかし、発行量が少なかったので古銭としての希少価値が高く、天保一分銀や安政一分銀よりも高値で取引されることも少なくありません。

デザイン面では、外周にある桜の刻印のうち、上下が逆さまになった「逆桜」と呼ばれる部分が、中央にあるのが特徴です。側面は、安政一分銀と同様削り跡があります。

明治一分銀について詳しくはこちら↓
明治一分銀の買取相場。当時の価値やその他一分銀の紹介・見分け方

高値査定になりやすい一分銀の特徴

一分銀とその他の硬貨

一分銀は種類によって価値が大きく異なりますが、同じ種類でも高値で取引されるものとそうでないものがあります。どのような一分銀が高値で取引されているのでしょうか。

ここでは、査定額が大きく上がる可能性のある一分銀の特徴を詳しく解説します。

刻印のフォントが通常の一分銀とは異なるもの

一分銀の中には、刻印されている文字のフォントが通常のものと異なる「手変わり品」と呼ばれるものがあります。

これらは、型の修正や鋳造所の違いなどの製造上の理由によって生まれたものです。現存数が少ないため、高い価値を持ちます。代表的な手変わり品の例を挙げると、以下の通りです。

  • 跳分:表面の「分」の文字の1画目が跳ねている
  • 跳銀:裏面の「銀」の文字の1画目の終わりが上に跳ねている
  • 非川常:表面の「常」の1~3画目が通常の「川」の形になっていない
  • 非交叉:裏面「是」の文字の8画目と9画目が交差していない

上記のような手変わり品は、通常の一分銀と比べて買取価格が大きく上昇する傾向にあります。

正常に製造されていないもの

一分銀にも他の貨幣と同様に、製造工程で生じた不具合を持つ「エラー品」が存在します。これらは製造ミスによって偶然生まれたもので、通常の一分銀とは異なる特徴を持つことから、コレクターの間で高い人気があります。

代表的なエラー品として知られるのが「逆打ち」です。表面と裏面のデザインが上下逆に刻印されているもので、通常の製造工程では生まれない珍しい状態といえます。

他にも、裏面の「定」の文字が抜け落ちたものなど、文字の刻印が正常に行われなかったものもエラー品です。エラー品の現存数は極端に少ないため、通常品と比べて買取価格が大幅に跳ね上がることも珍しくありません。

一分銀の本物と偽物を見分ける方法

一分銀の偽物を見分ける方法

一分銀は精巧な偽物やレプリカ品も多く出回っているため、本物かどうかを識別する必要があります。真贋を判定するときは、以下のポイントに注目しましょう。

  • 質量
  • 色味
  • デザイン

上記に注目しても本物かどうか見分けるのが難しいときは、専門家に査定してもらうことをおすすめします。

質量を確認する

一分銀は銀品位やサイズ、質量に一定の規格があるため、質量が大きく異なるものは偽物と判断できます。少しでも基準からはみ出していれば全部偽物というわけではありませんが、本物は8.5〜8.7gが基準とされており、極端に重いものや軽いものは注意が必要です。

色味を確認する

天保一分銀は銀の含有率が約98.9%と高く、鮮明な銀色をしています。経年により硫化している場合は、銀特有の黒ずみ方をするのが特徴です。

異常に白く見えるものや不自然に黒変しているものは、銀以外の素材が多い可能性が高いので偽物の可能性があります。比較物がなければ色味で判断するのは難しいですが、ひとつの情報として知っておくとよいでしょう。

デザインを確認する

一分銀は、種類によってデザインにもさまざまな違いがあります。

<側面の加工>

  • 天保一分銀:削り跡がなく滑らか
  • 安政一分銀:削り跡がある
  • 明治一分銀:削り跡がある

<逆桜の位置>

  • 天保一分銀:下部
  • 安政一分銀:上部
  • 明治一分銀:中央

刻印されている文字は本物と同じでも、細かい部分のデザインが異なる場合は偽物の可能性が高いといえます。見極めるには本物に関して知識が必要なので、古銭買取業者に見てもらうのが一番です。

一分銀の真贋判定に迷ったら専門家の鑑定を受けよう!

一分銀の真贋は質量や色味、デザインなどから判定できますが、巧妙に作られた偽物の場合、素人が正確に見極めることは難しいでしょう。

偽物の一分銀は銀よりも安価な金属である銅やニッケルで作られている場合が多く、重量を軽くするために素材を変えているものもあります。また、幕末期に諸藩が財政難を補うために鋳造した「別座」と呼ばれるものや、土産物として作られたものもあるため注意が必要です。

一分銀の真贋を確実に判定するには、古銭専門の買取業者に査定を依頼することが最も確実です。

専門知識を持つ査定士であれば、刻印の細部やデザインの違い、製造時期の特徴、銀の品位などを確認して正確に判別します。判断に迷った際は自己判断に頼らず、専門家の知識を借りるのがおすすめです。

一分銀の買取は福ちゃんにお任せ

一分銀の売却を考えている方や真贋を見極めたい方は、買取実績が豊富な福ちゃんに査定をご依頼ください。福ちゃんにご依頼いただけば、古銭に精通した経験豊富な査定士があらゆる種類の一分銀を丁寧に査定します。

手変わり品やエラー品といった希少性の高いものから、汚れやさびがあるものまで、適正な価格での買取が可能です。

「この一分銀は本物だろうか」「どれくらいの価値があるのか」といった疑問にも、専門知識を持つ査定士が丁寧にお答えします。大切な一分銀の価値を正しく評価するためにも、ぜひ福ちゃんの無料査定をご利用ください。

まとめ

黒く硫化した一分銀

一分銀には天保・庄内・安政・明治をはじめ、さまざまな種類があり、それぞれ銀の含有率や製造期間、流通範囲、希少価値が異なります。また、手変わり品やエラー品は希少価値が高く、高値で取引される傾向にあります。

ただし、偽物も多く出回っているため、売却するときや真贋判定に悩んだときは、専門家の鑑定を受けることが重要です。

手持ちの一分銀にどの程度の価値があるのか知りたい方は、ぜひ福ちゃんにご相談ください。福ちゃんには古銭のことを熟知した査定士が在籍しているため、細部まできちんとチェックしてどの程度の価値があるのか査定します。