- 古銭/記念硬貨
- 2026.02.03
モルガンダラーの相場は?買取価格が高騰するレアな年代と特徴を解説

「モルガンダラー」は、アメリカ合衆国を代表する有名な大型銀貨であり、世界中のコレクターが熱心に収集しているコインです。
その魅力は美しさだけでなく、発行年や製造された場所(造幣局)によって希少性が大きく異なり、買取相場にも幅が見られます。
一般的なものでも銀地金としての価値がありますが、発行枚数が極端に少ない「特年」と呼ばれるものや、状態が極めて良いものであれば、一枚で数百万円、時には数千万円を超える価格で取引されることも。
この記事では、モルガンダラーの基本的な知識から、相場が決まる重要なポイント、とくに高額査定が期待できるレアな種類について詳しく解説します。
モルガンダラー(Morgan Dollar)とは?米国1ドル銀貨の定義と特徴

モルガンダラーは、1878年から1904年にかけて、そして1921年に一度だけ復活して発行された、アメリカ合衆国の1ドル銀貨です。
この銀貨は、19世紀後半の西部開拓期における銀鉱山開発(例:コンストック・ロード)と、金銀複本位制をめぐる政治・金融政策の影響を反映しており、コイン市場において不動の人気を誇ります。
名称の「モルガンダラー」は、このコインをデザインしたイギリス出身の彫刻家、ジョージ・T・モルガン(George T. Morgan)の名前に由来しています。
直径約38.1mm、重量26.73gという堂々としたサイズ感があり、素材は銀90%、銅10%の合金で作られた銀貨です。
※モルガンダラーは日本語表記の際、「モーダンダラー」と表現される場合もあります。当記事では「モルガンダラー」と統一して記載します。
デザインの特徴|リバティと白頭鷲
モルガンダラーの表面には、横を向いた「リバティ(自由の擬人像)」の肖像が大きく描かれています。
この肖像は、当時のコインによく見られたギリシャ神話風の女神ではなく、よりアメリカ的でリアルな女性像を目指してデザインされました。
ジョージ・T・モルガンは、この新しい女神像のモデルとして、フィラデルフィア在住の女性教師であったアンナ・ウィラース・ウィリアムズ(Anna Willess Williams)を起用。
彼女は当初、モデルになることを渋っていましたが、モルガンの熱意により承諾し、その横顔が歴史的な銀貨に刻まれることになったのです。
リバティの頭部には、小麦や綿花などの意匠があしらわれており、頭上には「E PLURIBUS UNUM(多数からなる1つ=合衆国の標語)」の文字が刻まれています。
裏面には、アメリカの国鳥である白頭鷲(ハクトウワシ)が描かれています。この鷲は翼を広げ、一方の足には平和を象徴するオリーブの小枝を、もう一方の足には防衛と力を象徴する矢を握っています。
鷲の上部には「In God We Trust(我々は神を信じる)」という標語が記されており、周囲を国名「UNITED STATES OF AMERICA」と額面「ONE DOLLAR」が囲んだデザインです。
歴史的背景|金銀本位制と発行の経緯
モルガンダラーが誕生した背景には、19世紀のアメリカを揺るがした「金銀本位制」をめぐる政治的な動きがあります。
1873年の貨幣法によって銀ドルが貨幣制度上から外され、銀の貨幣的地位が大きく低下。これがのちの銀購入政策や銀貨鋳造再開の議論につながりました。
その結果、1878年に「ブランド=アリソン法」が可決され、政府は毎月200万~400万ドル相当の銀地金を市場価格で購入し、それを1ドル銀貨として鋳造することが義務付けられたのです。
こうして生まれたのがモルガンダラーであり、1904年まで毎年大量に製造され続けました。
その後、第一次世界大戦中の1918年に制定された「ピットマン法」では、銀ドルの溶解が進み、結果として約2億7,023万枚規模の銀ドルが溶解されたとされます。
溶解対象の多くはモルガンダラーで、溶解された銀の一部は英政府向けに売却されました。これにより、現存するモルガンダラーの数は発行枚数に比べて大幅に減少しました。
しかし、同法には戦後に銀貨を再鋳造する条項も含まれていたため、1921年に一度だけモルガンダラーの製造が再開。
同年後半には新しいデザインの「ピースダラー」が登場したため、モルガンダラーの歴史はこの年をもって幕を閉じます。
このように、モルガンダラーはアメリカの激動の歴史とともに歩んできたコインであり、その背景を知ることでコレクションとしての魅力が一層深まります。
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モルガンダラーの買取相場が決まる4つのポイント

モルガンダラーの買取価格は一律ではありません。同じ1ドル銀貨であっても、数千円で取引されるものから、数百万円の値がつくものまで、その差は非常に大きいです。
ここでは、査定額を左右する決定的な4つのポイントについて詳しく解説します。
1. 造幣局とミントマークの違い
モルガンダラーの価値を見分けるうえで最も重要なのが、「どこで製造されたか」を示す造幣局の違いです。
当時、モルガンダラーはアメリカ国内の5つの造幣局で作られており、それぞれの場所を示す「ミントマーク」がコイン裏面に刻印されています。
ミントマークは、裏面下部の「ONE DOLLAR」付近(尾羽の下あたり)にある小さなアルファベットです。
各造幣局のミントマークは以下の通りです。
※ この表は横にスクロールして閲覧できます
| 造幣局(場所) | ミントマーク | 製造期間 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| フィラデルフィア | なし(無印) | 1878-1904, 1921 | 最も多く製造された造幣局。ミントマークが入らない。 |
| カーソンシティ | CC | 1878-1885, 1889-1893 | 発行数が少なく、コレクター人気が非常に高い。 |
| ニューオーリンズ | O | 1879-1904 | 南部の造幣局。比較的入手しやすい年号が多い。 |
| サンフランシスコ | S | 1878-1904, 1921 | 年代により発行数差が大きく、超希少年号も存在。 |
| デンバー | D | 1921年のみ | 最終年に限定して製造された例外的存在。 |
とくに注目すべきは「CC(カーソンシティ)」と「S(サンフランシスコ)」の一部です。
カーソンシティ造幣局は発行枚数が全体的に少なく、西部開拓時代のロマンを感じさせることから、コレクターの間で別格の人気を誇ります。
ミントマークを確認する際は、虫眼鏡やルーペを使って、裏面の下部を慎重にチェックしてください。
2. 発行枚数と希少価値(特年とポピュラーな年号)
コインの相場は「需要と供給」で決まりますが、モルガンダラーにおいては「発行枚数の少なさ」がそのまま価値に直結します。
発行枚数が極端に少ない年号は「特年(Key Date)」と呼ばれ、高額で取引されます。
たとえば、「1893-S(サンフランシスコ製)」は、流通用がわずか発行枚数10万枚の特年として有名です。
発行枚数が少ないことに加え、流通で摩耗・散逸した影響もあり、とくに高グレードでの現存数が限られるとされています。このようなコインは、状態が並程度であっても高い価値となるでしょう。
一方で、1921年に発行されたモルガンダラーは、数千万枚単位で大量に製造されたため、現存数が非常に多く、希少価値という点では低くなります。
1921年銘のものは、未使用などの素晴らしい状態でない限り、地金価格に少し色がついた程度の査定額になることが一般的です。
しかし、ご自宅のコレクションなどから偶然「1893-S」や「1889-CC」といった特年が見つかる可能性もゼロではありませんので、年号とミントマークの組み合わせを必ず確認しましょう。
3. 保存状態とグレーディング(鑑定書)
アンティークコインの世界では、コインの保存状態(グレード)が価格を決定づける極めて大きな要因となります。
まったく同じ年号とミントマークのモルガンダラーであっても、摩耗して黒ずんだものと、発行当時の輝きを保っている未使用品(MS:Mint State)とでは、価格に10倍、100倍、ときにはそれ以上の差がつくこともあるのです。
アメリカにはPCGSやNGCといった第三者鑑定機関があり、これらの機関によって鑑定され、スラブケース(プラスチックの保護ケース)に入ったコインは、そのグレードが保証されているため高く評価されます。
グレードは通常、1から70までの数値で表され、数値が高いほど状態が良いことを示します。
とくに「MS65」以上の高グレード品や、鏡のように背景が輝く「プルーフライク(PL)」、さらに深い輝きを持つ「ディープミラープルーフライク(DMPL)」といった評価がつくと相場も跳ね上がります。
なお、鑑定書がない裸のコインであっても、傷も少なく光沢が残っているものは高額査定の対象となります。
4. エラーやバラエティの有無
通常のコインとは異なる特徴を持つ「エラーコイン」や、金型の違いによる「バラエティ(変種)」も、相場を決める重要なポイントです。
モルガンダラーには、製造過程のミスや金型の修正によって生じたユニークな種類が数多く存在します。
これらは「VAM(バム)」という分類番号で細かく研究されており、特定のVAM番号が付くコインは、通常のものよりも高く評価されます。
肉眼ではわかりにくい細かな違いも多いため、専門知識を持った査定士に見てもらうことが重要です。
高額査定が期待できるレアなモルガンダラーの種類

ここでは、数あるモルガンダラーのなかでもとくに高額査定が期待できるコインを紹介します。もしこれらのコインをお持ちであれば、極めて高い価値がつく可能性もあるでしょう。
伝説の「1893-S」と「1895-P」
モルガンダラーのなかで別格の存在感を放つのが、1893年のサンフランシスコ製(1893-S)と、1895年のフィラデルフィア製(1895-P)です。
「1893-S」は、流通用のモルガンダラーとして最少の発行枚数(10万枚)を記録しており、さらにその多くが溶解されたため、現存数が極めて少ないことで知られています。
状態が良いものは奇跡に近い確率でしか現れず、オークションで2021年8月に2,086,875ドル(当時のレートで約2億円)で落札された記録もあるほどです。
一方、「1895-P」は、記録上では1万2000枚発行されたことになっていますが、流通用のコインは1枚も現存が確認されていません。
現在市場に出回っているのは、コレクター向けに作られた「プルーフ貨」880枚のうちの一部のみと推定されており、「モルガンダラーの王様(King of the Morgan Dollars)」と呼ばれています。
こちらは並の状態でも数百万円以上、良品であれば数千万円クラスの相場となります。
カーソンシティ造幣局(CCミント)の人気
ネバダ州にあったカーソンシティ造幣局で製造された「CCミント」のモルガンダラーは、そのほとんどにおいてプレミアムがつきます。
カーソンシティは銀鉱山に近く、西部開拓時代の荒々しい歴史を象徴する場所であるため、絶大な人気があります。
なかでも「1889-CC」は、CCミントのなかで最も希少な年号のひとつです。
現存数が少ないとされ、状態の良いものはとくに入手が難しいとされています。状態が良いものであれば、数百万円の価値がつくことも珍しくありません。
また、1972年~1974年のGSA(政府放出)入札販売で市場に出回り、未販売分の一部は1979~1980年にも放出されました。
これは「GSAホーダー」と呼ばれ、特別なプラスチックケースに入って販売された経緯があり、このケースに入ったままのものはとくにコレクターに好まれます。
ユニークなエラーコインとバラエティ
製造ミスや金型の特徴によるレアなバリエーションも高額査定の対象です。
1878年 8枚尾羽(8 Tail Feathers)
モルガンダラー発行初年度の最初期に作られたもので、鷲の尾羽が誤って8枚で描かれています。
すぐに7枚に修正されましたが、この「8枚版」や、修正途中の「7枚の下に8枚が見える版(7/8TF)」は希少価値があります。
1888-O ホットリップ(Hot Lips)
1888-OのホットリップはVAM-4として知られ、唇周辺に顕著なダブリングが見える変わり種です。
スカーフェイス(Scarface)
金型のひび割れが原因で、リバティの頬にまるで傷跡があるような線が入っているものです。
ソーンヘッド(Thorn Head)
1921-Sに見られる特徴で、文字の近くに植物のとげのような突起があるエラーです。
モルガンダラーを高く売るための注意点

貴重なモルガンダラーを少しでも高く売るためには、やってはいけないことや、業者選びのポイントがあります。
良かれと思って行ったことが、逆に価値を下げてしまうこともあるため注意が必要です。
絶対に磨いたり洗浄したりしない
古銭やアンティークコインにおいて、最も避けるべき行為は「磨くこと」と「洗浄すること」です。
長年の経過による銀特有の黒ずみや変色(トーン)は、コインが経てきた歴史の証であり、コレクターにとっては味わい深い「価値」の一部とみなされます。
ピカピカにしようとして市販の研磨剤で磨いたり、洗浄液につけたりすると、コインの表面に微細な傷がつくだけでなく、自然な風合いが損なわれてしまいます。
その結果、鑑定機関でのグレード評価が「Details(洗浄あり)」となり、価値が激減してしまう恐れもあります。
汚れているように見えても、絶対に手を加えず、そのままの状態で査定に出すことが高額買取への近道です。
専門の鑑定士がいる買取業者を選ぶ
モルガンダラーは世界的に人気があるため、残念ながら精巧な偽物も多く出回っています。
また、先ほど紹介した「VAM」と呼ばれる細かなバラエティや、ミントマークの形状の違いを見極めるには、高度な専門知識と経験が必要です。
一般的なリサイクルショップや質屋では、「銀の重さ」や「並品の相場」でしか評価されない可能性も。
本来なら数十万円の価値がある希少なバラエティが、数千円と査定されてしまっては大きな損失でしょう。
モルガンダラーの価値を正しく評価してもらうためには、古銭や外国コインに精通した専門の査定士が在籍している買取業者を選ぶことが不可欠です。
モルガンダラーの買取なら「福ちゃん」にお任せください

もし、お手元にモルガンダラーをお持ちで、その価値を知りたい、あるいは売却をご検討中であれば、ぜひ買取専門店「福ちゃん」にお任せください。
福ちゃんには、古銭や外国コインに関する豊富な知識と買取実績を持つプロの査定士が在籍しています。
モルガンダラーのような歴史的なコインについても、発行年やミントマークだけでなく、微細なバラエティや保存状態、市場のトレンドまでを総合的に判断し、適正な価値を見出します。
査定料や出張料、キャンセル料などはすべて無料ですので、「まずは価値だけ知りたい」という場合でも安心してご利用いただけます。
まとめ

モルガンダラーは、アメリカの歴史を象徴するコインであり、そのデザインの美しさとバリエーションの豊かさから、世界中のコレクターから根強い人気を持っています。
1枚数百円で手に入るものから、数千万円の価値を持つ伝説級のレアものまで、その相場の幅広さはまさにアンティークコインの醍醐味といえるでしょう。
とくに「造幣局(ミントマーク)」「発行年」「保存状態」の組み合わせによっては、ご自宅に眠っているその1枚が、思いがけない高値になる可能性も。
「昔から家にあるけれど価値がわからない」「コレクションを整理したい」という方は、ぜひ一度、福ちゃんの無料査定をご利用ください。
よくある質問(Q&A)
モルガンダラーの買取でよくある質問にお答えします。
Q1:1921年のモルガンダラーを持っていますが、価値はありますか?
1921年はモルガンダラーのなかでも発行枚数が多い年号であるため、一般的な流通品であれば数千円程度の相場となることが多いです。
しかし、保存状態が極めて良い(未使用クラス)場合や、エラーコインである場合は、高値がつく可能性があります。まずは査定で確認することをオススメします。
Q2:汚れていますが、洗ってから査定に出すべきですか?
いいえ、絶対に洗わないでください。アンティークコインは経年の変化も価値の一部です。洗浄や研磨を行うと、表面に不自然な輝きや傷が生じ、コレクションとしての価値を大きく下げてしまいます。
ホコリを払う程度にとどめ、そのままの状態でお持ちください。
Q3:鑑定書がなくても買取してもらえますか?
はい、可能です。PCGSやNGCなどの鑑定書(スラブケース)があればプラス査定になりますが、裸の状態のコインでも問題ありません。
福ちゃんの専門査定士が、コインそのものの状態や真贋を丁寧に拝見し、適正な価格を提示いたします。

