トランペットの正しいメンテナンス方法|演奏前・演奏後・定期点検

楽器を快適に演奏するにあたっては、定期的なメンテナンスが重要です。楽器の外側の汚れを拭き取り見た目を良好に保つ他、内部の汚れを洗い流したり各パーツにオイルをさして動きを良くしたりなどもメンテナンスに含まれます。演奏の頻度にかかわらず、楽器の調子を常に確認することが基本です。

そこで今回は、トランペットの正しいメンテナンス方法を、演奏前と演奏後に分けて解説します。定期的なメンテナンス方法も紹介するので、トランペットを長く使いたい人はぜひ当記事を参考にしてください。

1. トランペットのメンテナンスはなぜ大切?

トランペットのメンテナンスはなぜ大切?

トランペットは真鍮(しんちゅう)という金属で作られており、木管楽器などと比べると丈夫で壊れにくいと言われています。しかし、演奏後は楽器内部に水分が溜まり、放置すると錆びや変色、音の不調につながります。

汚れが付着してから時間が経つと、削り取らなければならないこともあり、そうなると元の状態に戻すことは困難です。いつまでも美しい音色を奏でられるよう、日々のメンテナンスで楽器本来の性能を保ちましょう。

2. 【トランペット】演奏前のメンテナンス

【トランペット】演奏前のメンテナンス

トランペットを演奏する前に行うメンテナンスを紹介します。

演奏前のメンテナンスは、各パーツの状態を整え、快適な演奏を目指すためのものです。トランペット本来の吹奏感や滑らかな演奏につながるので、毎回行うことをおすすめします。

ピストンにバルブオイルをさす

ピストン部分の動きを滑らかにするために、バルブオイルという専用のオイルをさします。バルブオイルは軽い油のため流れ落ちやすいので、演奏前は毎回バルブオイルをさしましょう。また、「ピストンの順番」「戻す向き」が間違っていると音が出ないので、注意してください。

メンテナンス方法
笠ネジをゆるめ、ピストン内部を傷つけないよう管体からまっすぐ抜きます。ピストンが太くなっている部分にバルブオイルを数滴さし、元の位置に戻しましょう。そして、ピストンを数回動かしてオイルを馴染ませます。

各スライドにスライドグリスやスライドオイルを塗る

トランペットには、スライドと呼ばれる抜き差しできるパーツが全部で4つあります(主管、第1~第3スライド)。頻繁に動かすことのない主管と第2スライドには「スライドグリス」という潤滑油を塗りましょう。スライドグリスには「スライドから空気が漏れないよう気密性を高める」「錆びを防止する」といった効果があります。

また、演奏中によく動かす第1、第3スライドには、動きを滑らかにする「スライドオイル」を塗りましょう。スライドオイルを塗ることで、金属の摩擦を抑え、快適な演奏につながります。

メンテナンス方法
スライドにつながるピストンを押しながら、各スライドを外します。主管と第2スライドにはスライドグリスを薄く塗り、数回動かして馴染ませましょう。第1、第3スライドにはスライドオイルを1~2滴塗り、オイルが全体に行き渡るよう馴染ませます。はみ出したグリスやオイルは、必ず拭き取っておくことが大切です。

3. 【トランペット】演奏後のメンテナンス

【トランペット】演奏後のメンテナンス

演奏後のメンテナンスは、楽器の状態や見た目を良好に保ち、心地よい演奏を長く続けていくために重要です。メンテナンスを習慣化すると、汚れが溜まりにくく綺麗な状態をキープできます。

トランペット管内の溜まった水分を取り除く

演奏後はトランペット管内に水分が溜まり、放置すると汚れや腐食の原因になります。トランペット専用のクリーニングスワブを使い、しっかりと水分を拭き取りましょう。

メンテナンス方法
ウォーターキイを押さえながら息を吹きこみ、管体に溜まった水分を抜きます。そしてピストンを押しながら各スライドを外し、クリーニングスワブを通します。マウスピースも忘れずにスワブを通しましょう。クリーニングスワブは管内に詰まらないようしっかりと広げ、シワがない状態で使用することが大切です。

ピストンとスライドにオイルをさす

演奏前のメンテナンスと同じように、ピストンと各スライドにグリスやオイルを追加します。次回の演奏まで時間が空く場合は、錆びや管体との固着を防止するためにもオイルをさしてください。

メンテナンス方法
各スライドの水分を取り除き、主管と第2スライドにはスライドグリス、第1、第3スライドにはスライドオイルを塗りましょう。ピストンも演奏前と同じようにオイルをさしておきます。

楽器表面を拭く

楽器表面についた手垢やホコリを放置すると、変色や塗装の剥がれにつながります。変色してから元の状態に戻すことは難しいです。演奏後は表面の汚れを拭き取って、綺麗に磨いてからトランペットケースに収納しましょう。

メンテナンス方法
ポリシングガーゼやスエードクロスを使い、トランペット表面の指紋や汚れを拭き取ります。クロスだけでは落とせない汚れは、シルバーポリッシュやラッカーポリッシュを使って落としましょう。

4. 【トランペット】定期的なメンテナンス

【トランペット】定期的なメンテナンス

演奏前、演奏後にメンテナンスをしたトランペットは、専用ケースに収納し、涼しく風通しのよい場所に保管しましょう。また定期的なメンテナンスで、日々のお手入れでは取り切れない細かい部分まで綺麗にしておくことも大切です。

ここでは、1週間、1か月、半年ごとのメンテナンス方法について解説します。

1週間ごとのメンテナンス

毎日のメンテナンスでは取り外せるパーツをメインに掃除しますが、1週間ごとのメンテナンスではトランペットの管全体を掃除します。

抜差管、バルブケーシングの掃除
各スライドからつながる抜差管と、ピストンが収まっているバルブケーシングを掃除しましょう。クリーニングロッドと呼ばれる掃除用の棒にガーゼを巻き、スライドを外した抜差管の中に通して掃除します。ピストンを外したバルブケーシングも同様に掃除しましょう。外したスライドとピストンは、古いオイル汚れを取り除き、専用のオイルを注油しておきます。

マウスピースの洗浄
温水とブラスソープを10対1の割合で混ぜ、専用ブラシに含ませてマウスピース内部を洗います。スワブを使ってしっかりと水分を拭き取りましょう。

ウォーターキイのチェック
管体の水を抜くためのウォーターキイは、トーンホールクリーナーを使ってキイホールの汚れを落とします。コルクやばねの劣化具合も確認しましょう。

1か月ごとのメンテナンス

1か月ごとのメンテナンスでは、トランペットの内部を水洗いします。トランペットは金属でできており、比較的簡単な構造なので、楽器本体に水を通して洗うことが可能です。

まずは、ピストンと各スライドをすべて外し、古いオイルを拭き取ります。次に、温水とブラスソープを10対1の割合で混ぜ、フレキシブルクリーナー(ワイヤー付きの洗浄ブラシ)に含ませて管体内部やスライド内管を洗いましょう。そして、洗浄液が残らないようぬるま湯でよく洗い流し、スワブやガーゼで水分を拭き取ります。

風通しのよい場所で完全に乾かし、必要なオイルを注油してからケースに収納しましょう。

半年ごとのメンテナンス

丁寧にメンテナンスを行っていても、楽器部品の摩耗や劣化により調整がずれることもあります。半年に一度を目安に、吹奏感や各パーツの動き、音のピッチ、音質などに違和感がないかのチェックもしましょう。

専門店の定期点検では、自分では気づかない管体の歪みを調節したり、普段のお手入れでは掃除しきれない内側の汚れまで取り除いたりできます。プロに点検してもらうことで、安定した音程や響きを維持できるのでおすすめです。

まとめ

トランペットの状態や見た目を良好に保ち、また快適に演奏するためには定期的なメンテナンスが欠かせません。メンテナンスを怠ると錆や変色、音の不調につながります。汚れの付着を放置すると削り取る必要性が出てくるので、演奏前と演奏後は必ずお手入れをしましょう。

トランペットのメンテナンス内容は、期間ごとに異なります。1週間ごとにトランペットの管全体の掃除、1か月ごとにトランペットの内部を洗浄、半年ごとに吹奏感やパーツの動き、音質などのチェックを行うのが一般的です。

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