- 着物
- 2025.08.14
紬の買取相場と高価買取の全知識|証紙・マルキが価値を決める

「タンスに眠っている紬、本当はどれくらいの価値があるのだろう?」
「紬の種類によって買取価格が違うと聞いたけれど、見分け方がわからない……」
お手持ちの紬を売却をしようと考えたとき、その価値がきちんと評価されるかどうか、不安に感じる方も多いものです。
紬の買取価格は、種類や状態、そしていくつかの「専門的な要素」によって大きく変動します。
この記事では、紬の買取査定の基準を初心者の方にもわかりやすく丁寧に解説します。
● 紬の価値を決める3大ポイント
●【種類別】詳細な紬の買取相場一覧
● 高価買取が期待できる紬の具体的な特徴
● 後悔しないための買取業者の選び方
この記事を最後までお読みいただければ、お手持ちの紬の価値を正しく理解でき、自信を持って買取査定に臨めるようになります。
大切な紬を納得のいく価格で手放すために、ぜひご活用ください。
【最重要】紬の価値が決まる3大ポイント

紬の査定において、プロの査定士が最も重視するのは次の3つのポイントです。
これらのポイントを理解することで、お手持ちの紬のおおよその価値がわかります。
1.【絶対条件】価値を証明する「証紙」の有無
高価な紬の買取において、「証紙」は品質を証明する最も重要な要素です。
この証紙は、産地や製法、品質を公式に証明する「着物の品質保証書」であり、査定額を決定づける生命線といっても過言ではありません。
証紙があることで、その紬が本物であること、そしてどのような価値を持つのかが客観的に証明されるため、買取価格が数倍から数十倍に跳ね上がることも珍しくありません。
とくに、以下のような主要産地の証紙は「高価買取の鍵」となります。
● 本場大島紬の証紙
奄美大島産の「地球印」、鹿児島本土産の「旗印」、宮崎県都城産の「鶴印」など。
● 本場結城紬の証紙
手紬、手括り、地機織りなど、国の重要無形文化財の厳しい基準を満たしたことを示す証紙です。
紬をご購入の際は、証紙も必ず大切に保管しておきましょう。
2. 紬の種類と価値を測る専門知識(マルキ・亀甲)
紬には多くの種類があり、産地や製法によって価値が大きく異なります。
とくに大島紬と結城紬には、価値を測るための重要な単位が存在します。
● 大島紬の「マルキ」
絣模様の細かさを示す単位で、経糸(たていと)の本数に対して何本の絣糸(かすりいと)が使われているかを表します。一般的な「7マルキ」から「9マルキ」、最高級品の「12マルキ」まであり、数字が大きいほど高度な技術が求められるため、価値も高まります。
● 結城紬の「亀甲」
織りの細かさを表す単位で、反物の幅の中に亀甲柄がいくつ並ぶかを示します。一般的な「80亀甲」「100亀甲」から、希少な「160亀甲」「200亀甲」まであり、こちらも数字が大きいほど緻密で価値が高まります。
これらの知識があれば、査定士の説明もよくわかり、提示された価格にも納得できるでしょう。
3. 状態(シミ・汚れ)とサイズ
新品同様の美しい状態であることは、高価買取の基本です。
査定では以下の点が、厳しくチェックされます。
● シミ・汚れ・黄ばみ・カビ・虫食い
● 色あせ・変色・破れ・シワ
また、意外と見落としやすいのがサイズです。
現代の女性は身長が高い傾向にあるため、丈が長い大きめの紬は仕立て直しがしやすく、需要も高くなり、その分高値がつきやすくなります。
以上の3大ポイントが、お持ちの紬の価値を判断するプロの視点です。
では、これらの基準を踏まえた上で、実際の紬が種類ごとにどれくらいの価格で取引されているのか、具体的な相場を見ていきましょう。
査定・出張費・手数料はすべて無料。

【詳細解説】紬の種類別・買取相場一覧

紬の買取相場は、種類や状態、証紙の有無など、さまざまな要因で変動します。
以下の表では、その現実的な価格帯をご確認いただけます。
とくに価値の高い日本三大紬については、状態による価格差が大きいため「未使用・美品」「中古・並品」の2つの目安を記載しました。
お手持ちの紬と照らし合わせ、ぜひ参考にしてください。
紬の種類 | 状態・条件 | 買取相場(目安) | 価値を左右する特記事項 |
---|---|---|---|
大島紬 | 未使用・美品・証紙あり | 30,000円~100,000円以上 | 9マルキ以上・龍郷柄・作家物(例:都喜ヱ門)、泥染めは高評価。証紙の有無で査定額が大きく変動します。 |
中古・並品 | 5,000円~30,000円 | 機械織りの場合は、価値が下がる傾向にあります。 | |
結城紬 | 未使用・美品・証紙あり(本場結城紬) | 50,000円~150,000円以上 | 160亀甲以上、重要無形文化財指定、人間国宝の作品は数十万円以上になることも。 |
中古・並品 | 5,000円~50,000円 | 手織りであること、証紙の有無が重要です。 | |
牛首紬 | 未使用・美品・証紙・落款あり | 30,000円~50,000円以上 | 特定の工房(例:加藤改石、白山工房)の作品は高額になる傾向があります。 |
中古・並品 | 5,000円~20,000円 | 証紙や落款がない場合は大幅な減額対象となります。 | |
黄八丈 | 美品・証紙あり | 40,000円~ | 伝統的な草木染めの鮮やかな色合いが保たれているかが評価ポイントです。 |
郡上紬 | 美品・証紙あり | 15,000円~ | 作家物(例:人間国宝・宗廣力三)はとくに高値で取引されます。 |
久米島紬 | 美品・証紙あり | 50,000円~100,000円 | 紬の絣技法のルーツとされ、歴史的価値も評価されます。 |
塩沢紬 | 美品・証紙あり | 10,000円~70,000円 | 証紙がない場合は15,000円程度まで価格が下がる可能性があります。 |
※上記はあくまで目安であり、買取価格を保証するものではございません。お品物の状態や市場の動向によって、価格は大きく変動します。
ご覧いただいたように、紬の買取相場は種類や状態によって大きく異なります。この価格の違いは、それぞれの紬が持つ歴史や製法、そして希少性から生まれるものです。
では、なぜこれほどの価格差が生まれるのでしょうか。
次の章では、表に挙げた主要な紬一つひとつの特徴を深掘りし、その価値の背景にある物語を紐解いていきましょう。
紬の頂点「日本三大紬」を解説|大島・結城・牛首紬と全国の名品たち

日本各地の風土と歴史、そして人々の暮らしの中で、その土地ならではの物語を織り込んだ数々の紬が生まれてきました。
この章では、その頂点に立つ「日本三大紬」と、それに並ぶ「全国の名品たち」の魅力と価値の源泉を深く掘り下げていきます。
大島紬(おおしまつむぎ)
鹿児島県の奄美大島を主産地とし、「ゴブラン織」「ペルシャ絨毯」と並び、世界三大織物の1つに数えられる最高級の絹織物です。
その歴史は古く、緻密な絣模様はまさに職人技の結晶。
袖を通したときに聞こえる「シャリシャリ」という独特の衣擦れ音(絹鳴り)は、多くの着物愛好家が憧れる特徴です。
結城紬(ゆうきつむぎ)
茨城県や栃木県を産地とし、「着物好きが最後に行き着く」とまでいわれる、究極の着心地を誇る紬です。
真綿から手で紡いだ空気をたっぷりと含む糸は、ふわりと空気を纏うような軽やかさと、優しいぬくもりを生み出します。
その製法はユネスコ無形文化遺産にも登録されており、まさに日本を代表する織物といえるでしょう。
牛首紬(うしくびつむぎ)
石川県白山市で生産される、釘を抜いても破れないほど丈夫なことで知られる紬です。
その強さの秘密は、2頭の蚕が共同で作り上げることで生まれる、世にも珍しい「玉繭(たままゆ)」を原料としている点にあります。
この玉繭から紡がれる糸には独特の節が生まれ、それが牛首紬ならではの、素朴で力強い風合いを醸し出すのです。
三大紬だけではない「全国に輝く名品たち」
三大紬以外にも、日本各地にはその土地の誇りが織り込まれた、価値の高い紬が存在します。
● 黄八丈(きはちじょう)
八丈島の植物だけで染め上げる、まるで太陽を写したかのような、鮮やかな黄色が生命力に満ちた紬です。
● 郡上紬(ぐじょうつむぎ)
もともとは自家用の着物でしたが、人間国宝「宗廣力三(むねひろりきぞう)」氏の情熱によって、その芸術的価値が見出され、一躍有名になった紬です。
● 久米島紬(くめじまつむぎ)
琉球王朝時代から続く歴史を持ち「日本の絣織物のルーツ」ともいわれる、文化財としての価値も極めて高い紬です。
● 塩沢紬(しおざわつむぎ)
雪国である新潟の気候風土が生んだ、蚊絣(かがすり)に代表される繊細で上品な絣模様が特徴の紬です。
このように、日本各地の風土と歴史のもとで、多種多様な紬が育まれてきました。
それぞれが独自の物語と価値を持つからこそ、その美しさを損なわないよう、適切な状態で保管することが買取価格に直結します。
紬の価値を維持するための保管方法

1枚の紬には、織り手の想いと、それを纏った人の時間が込められています。
その物語と資産価値を未来へつなぐためには、正しい保管が不可欠です。
少しの手間をかけるだけで、紬は美しさを長く保てます。そして、手放すときにも、その価値が正しく評価されやすくなります。
虫食いを防ぐ|天敵から守る
● 対策
年に2〜3回、天気の良い乾燥した日に風通しの良い場所で陰干しをし、防虫剤は着物に直接触れないように使用します。
● プロの視点
なぜウール製品と分けて保管するのか?
それは、ウールを好む虫(ヒメカツオブシムシなど)は、同じ動物性繊維である絹も大好物だからです。大切な紬を守るためにも、収納場所は必ず分けるようにしてください。
カビの発生を防ぐ|湿気を制する
● 対策
着用後はすぐにしまわず、一晩は陰干しをして汗や湿気を完全に飛ばします。保管は通気性の良い「たとう紙」に包むのが基本です。
● プロの視点
なぜ桐タンスが理想とされるのか?
桐は、湿度が高いときには湿気を吸い、空気が乾燥すると湿気を放出する、天然の優れた調湿機能を持っています。
この機能により、紬をカビの大敵である多湿環境から自動的に守ってくれるのです。もしプラスチックケースを使う場合は、通気性がまったくないため、除湿剤を入れたり、すのこを敷いて空気の通り道を作ったりする工夫が必須です。
色あせ・変色を防ぐ|光を避ける
● 対策
直射日光はもちろん、室内の蛍光灯の光にも紫外線は含まれています。陰干しや保管の際は、光が当たらない場所を徹底してください。
● プロの視点
紬の染料、とくに草木染めなどの天然染料は非常に繊細です。わずかな紫外線でも時間をかけてゆっくりと色を褪せさせてしまうため、光を完全に遮断することが、その美しい色合いを長く保つ何よりの秘訣です。
これらのポイントを心掛けるだけで、お手持ちの紬の状態は格段に良く保たれます。
そして、こうして大切に守ってきた紬の真の価値を正しく評価してもらうためには、最後のステップである「どこに売るか」が極めて重要です。
次の章では、後悔しないための「買取先の選び方」について、詳しく解説していきます。
後悔しない買取先の選び方と、私たち「福ちゃん」の約束

ここまで、紬の価値を見極める専門的な知識と、その価値を守るための保管方法を学んできました。
しかし、どんなに素晴らしい紬であっても、最後のステップである「どこに売るか」を間違えれば、すべてが台無しになりかねません。
この章では、後悔しないための買取先の選び方と、私たち福ちゃんがお客様にお約束することをお伝えします。
なぜ「着物専門の買取業者」一択なのか?
結論から申し上げると、大切な紬を売る際は「着物専門の買取業者」を選ぶのが最もオススメです。
一般的なリサイクルショップ等では、着物の専門知識を持つ査定士がいないことがほとんどです。そうなると、この記事で学んだ専門的な価値基準は一切評価されません。
「マルキ」や「亀甲」の価値、産地の特性、作家物の希少性といったポイントが、すべて見過ごされてしまうのです。
その結果、大切な紬が単なる「古い布」として扱われ、本来の価値とは無関係に「重さ」や「枚数」で買い叩かれてしまう危険性が非常に高くなります。
その点、着物専門の買取業者には、紬に関する深い知識と膨大な査定データを持つプロが在籍しているので安心です。
豊富な経験に基づき、お品物一点一点の価値を正確に見極め、市場価値に即した適正な価格を提示してくれるため、安心して任せられます。
紬の買取は、私たち福ちゃんにお任せください!
「紬の買取をどこに頼めばいいかわからない」というお客様の声に、私たち福ちゃんは誠実にお応えします。
福ちゃんが選ばれるのには、理由があります。
● 信頼と実績の歴史
私たちは2014年の創業以来、10年以上にわたり着物買取の道を一筋に歩んできました。その豊富な経験と実績が、お客様の大切な紬の価値を正確に見極める力の源です。
● 手数料はすべて無料!だから安心
査定料、出張料、キャンセル料など、お客様にご負担いただく費用は一切ございません。査定額にご納得いただけない場合でも手数料はかかりませんので、「まずは価値を知りたい」という方も、お気軽にご相談いただけます。
● 手間いらずの便利な出張買取
「重たい着物を運ぶのが大変」「紬の枚数が多くて梱包できない」という方には、無料の出張買取が最適です。専門の査定士がご自宅まで伺い、玄関先での査定も可能。その場で査定から現金でのお支払いまで完結します。
● 女性のお客様も安心の「出張買取レディースプラン」
「男性の査定士を自宅に上げるのは少し不安……」というお客様の声にお応えし、女性の査定士をご指名いただける専用サービスをご用意しております。女性ならではの細やかな視点で、お客様の気持ちに寄り添いながら、大切なお品物を査定いたします。
万が一、価値を証明する証紙が見当たらない場合でも、あきらめる必要はございません。
私たち福ちゃんの経験豊富な査定士が、紬そのものが持つ織りや染めの品質から、価値を丁寧に見極めます。
まとめ
この記事では、紬の価値を左右する専門的な基準から種類別の買取相場、そしてその価値を未来へつなぐための保管方法まで、多様な視点から解説してきました。
証紙が持つ決定的な意味、「マルキ」「亀甲」といった単位が示す本当の価値、そしてなぜ専門の買取業者に任せるべきなのかという明確な基準。
この記事で得られた知識は、お手持ちの大切な紬を、正当な価値で手放すための何よりの武器となります。
タンスに眠らせておくだけでは、その1枚が持つ価値と物語は誰にも伝わりません。
もしお手元の紬を手放すときが来たと感じたら、まずはその1枚が持つ本当の価値を知ることが、次への大切な一歩となります。
私たち福ちゃんは、お客様が大切にされてきた紬への想いをしっかりと受け止め、その価値を最大限に引き出すお手伝いをいたします。
「まずは紬の価値を知りたい」といったご相談も、喜んで承ります。
お電話、または下記のお問い合わせフォームより、どうぞお気軽にご連絡ください。