• 古銭/記念硬貨
  • 2025.07.06

大正時代のお金一覧|紙幣・硬貨の種類と現在の価値、高価買取のポイントを専門家が解説

大正時代は、日本が近代国家として本格的に発展を遂げた激動の時代でした。

大正ロマン」と呼ばれる華やかな文化・芸術の隆盛だけでなく、第一次世界大戦による好景気や不況の波、関東大震災など、社会が大きく変化する中で「大正時代のお金」はどのような価値を持っていたのでしょうか。

この記事では、大正時代のお金の種類や特徴、当時の1円が現代の価値でいくらに相当するのかについてご紹介します。さらに、古銭買取における高額査定のポイントを専門家の視点から詳しく解説いたします。どうぞ最後までご覧ください。

大正時代とはどんな時代?~お金の歴史的背景を探る~

大正時代のお金一覧|紙幣・硬貨の種類と現在の価値、高価買取のポイントを専門家が解説

大正時代には大正デモクラシーによる政治の変革や、第一次世界大戦がもたらした好景気と不況の波、さらには関東大震災という未曾有の災害など、多くの歴史的出来事が貨幣制度にも大きな影響を与えました。

まずは、そのような大正時代の歴史的背景について見ていきましょう。

大正時代の概観「大正デモクラシーと第一次世界大戦景気下の日本」

大正時代(1912年~1926年)は、明治時代に続く近代日本の重要な過渡期でした。政治面では立憲政治が進展し、「大正デモクラシー」と呼ばれる民主主義的な運動が社会全体に広がりました。

一方で、1914年に勃発した第一次世界大戦は日本経済に空前の好景気をもたらし、輸出産業の拡大や工業化が急速に進んだ時代でもあります。

しかし、大戦後は反動で不況や社会不安が広がります。さらに、1923年には関東大震災という未曾有の大災害が日本経済に甚大な打撃を与えました。

これらの社会変動は当然ながら貨幣制度にも影響を及ぼし、当時発行された紙幣や硬貨のデザイン、さらに流通量にも時代の特徴が色濃く反映されています。

また、この時代は「大正ロマン」と呼ばれる華やかな文化が花開いた時期でもあり、モダンな都市文化の発展に合わせて紙幣の図案や硬貨のデザインも多様化していきました。

大正時代の経済と物価「当時の1円は今のいくらに相当する?」

大正時代は、第一次世界大戦中の輸出拡大による好景気に沸いた一方で、大戦後の反動不況や関東大震災の影響により物価や賃金が大きく変動した時代でした。

具体的には、大正7年ごろは米一升が約20銭、そば一杯が4銭程度だったといわれています。

また、当時の大学卒業者の初任給は約40円~60円程度だったとされており、物価の変動と同時に給与水準も急激に変化していきました。

では、「当時(大正7年ごろ)の1円は現在のいくらに相当するのか」という疑問について考えてみましょう。

消費者物価指数や企業物価指数など、どの経済指標を基準にするかによって換算値は異なりますが、おおむね現代の4,500~7,500円程度に相当するという見方が一般的です。

※米価基準:1円≒6,300円
※賃金基準:1円≒4,500~7,500円

つまり、大正時代の1円は、庶民にとって大きな金額だったといえるでしょう。

このような経済状況を踏まえると、大正時代のお金が持つ「歴史の証人」としての価値はもちろん、当時の物価水準や生活感覚を想像するだけでも非常に興味深いものがあります。

大正時代に流通したお金の種類と特徴

大正時代のお金一覧|紙幣・硬貨の種類と現在の価値、高価買取のポイントを専門家が解説

大正時代の社会背景を理解したところで、実際にどのようなお金が流通していたのかを知ると、当時の人々の暮らしをより身近に感じられるでしょう。

ここでは、大正時代に発行された紙幣や硬貨、さらには当時の歴史的状況を反映したシベリア出兵軍票など、さまざまなお金の種類と特徴についてお伝えします。

大正時代の紙幣「日本銀行券・政府紙幣の種類」

大正時代には、日本銀行が発行する日本銀行券と、政府が発行する小額紙幣(政府紙幣)が同時期に流通していました。

日本銀行券としては「大正兌換銀行券 アラビア数字1円」「大正武内5円」「左和気10円」「横書き20円」などが挙げられます。

✔ 大正兌換銀行券20円札(通称:横書き20円)
✔ 大正兌換銀行券10円札(通称:左和気10円)
✔ 大正兌換銀行券5円札(通称:大正武内5円)
✔ 大正兌換銀行券1円札(通称:アラビア数字1円)

これらの紙幣には歴史上の人物や伝説上の人物の肖像が採用され、当時としては革新的なデザイン要素も取り入れられていました。

たとえば、「大正武内5円」では武内宿禰の肖像を中心に勇壮なイメージが見事に表現されています。

一方、政府紙幣としては「大正小額政府紙幣 50銭・20銭・10銭」が発行されました。

✔ 大正小額紙幣50銭(大正政府紙幣)
✔ 大正小額紙幣20銭(大正政府紙幣)
✔ 大正小額紙幣10銭(大正政府紙幣)

これらの小額紙幣は、金属資源の不足や貨幣不足に対応するために発行された背景があり、紙幣のサイズやデザインも比較的簡素なものが多いという特徴があります。

現在では、これら大正時代の紙幣は保存状態や発行年、図柄の希少性によって価値が大きく変わります。

擦れや折れがなく美品のまま残っているものは非常に少ないため、数千円から数万円、とくに希少なものや製造過程でのエラーがある紙幣などは、さらに高額で取引されるでしょう。

大正時代の硬貨「金貨・銀貨・白銅貨・青銅貨などの種類」

大正時代の硬貨は、「金貨」「銀貨」「白銅貨」「青銅貨」「ニッケル貨」など、多様な素材で鋳造されました。

新20円金貨(大正期に造幣されたもの)は純度の高い金が使用されており、現在でも金相場に影響されつつも、コレクションとしての希少性も加わり高額で取引されることが多い硬貨です。

✔ 新20円金貨:明治30年~昭和7年
✔ 新5円金貨:明治30年~昭和5年

銀貨としては「旭日50銭銀貨」や「八咫烏(やたがらす)50銭銀貨」が代表的で、いずれも美しい紋章や精密な文字が丁寧に刻印されているのが特徴です。

✔ 新1円銀貨(小型):明治20年~大正3年
✔ 旭日50銭銀貨:明治39年大正6年
✔ 旭日10銭銀貨:明治40年~大正6年
✔ 八咫烏50銭銀貨:大正7年~大正8年
✔ 八咫烏10銭銀貨:大正7年~大正8年
✔ 小型50銭銀貨:大正11年~昭和13年

白銅貨には5銭、10銭などがあり、桐や青海波などの文様が美しくあしらわれています。

✔ 10銭白銅貨:大正9年~昭和7年
✔ 大型5銭白銅貨:大正6年~大正9年
✔ 小型5銭白銅貨:大正9年~大正12年、昭和7年のみ

青銅貨は「稲1銭青銅貨」などが有名で、当時の国力や文化を象徴する洗練されたモチーフがデザインに採用されていました。

✔ 稲1銭青銅貨:明治31年~大正4年
✔ 桐1銭青銅貨:大正5年~昭和13年
✔ 5厘青銅貨:大正5年~大正8年

これらの硬貨も、発行年や発行枚数によって希少価値が大きく異なります。

特定の年号の金貨・銀貨は古銭市場でも高値で取引されることが多く、保存状態が良好なものはさらに評価も高まるでしょう。

日常的に使用される補助貨幣ほど摩耗や傷が多く、美品が少ないため、硬貨のコンディションは査定において非常に重要な要素となっています。

大正時代のシベリア出兵軍票

大正時代後期には、ロシア革命後の混乱に対応するため、日本はシベリア出兵を実施しました。その際、現地での部隊維持や軍事行動の費用決済に使用されたのが大正7年から発行の「シベリア出兵軍票」です。

10銭・20銭・50銭・1円・5円・10円の額面が発行され、一般の紙幣とは異なる特徴的な意匠が施されていました。

✔ シベリア出兵軍票金10円
✔ シベリア出兵軍票金5円
✔ シベリア出兵軍票金1円
✔ シベリア出兵軍票金50銭
✔ シベリア出兵軍票金20銭
✔ シベリア出兵軍票金10銭

これらの軍票は海外での支払いを目的に発行されたものであり、国内で流通していた紙幣とは異なる歴史的背景と意義を持っています。

デザインには、軍事や国防を意識した独特のモチーフが採用されることも多く、当時の外交政策や軍事行動の一端をうかがえる点は、コレクターにとっても大きな魅力となっています。

現在の古銭市場でも、シベリア出兵軍票は珍しいカテゴリーに属し、保存状態が良好なものや特殊なバリエーションを持つものは高値で取引される可能性が高いでしょう。

後悔しないために!大正時代のお金を買取に出す際の注意点と成功のコツ

大正時代のお金一覧|紙幣・硬貨の種類と現在の価値、高価買取のポイントを専門家が解説

大正時代のお金は、その希少性や保存状態によっては驚くほど高値になることがあるものの、買取に出す際にはいくつかの重要な注意点を押さえておきましょう。

大切なお金を後悔なく、適正な価格で売却するための項目について詳しく説明いたします。

買取価格を左右する重要な査定ポイント

大正時代のお金の査定においては、「希少性」「保存状態(コンディション)」「鑑定書の有無」「市場における需要と供給のバランス」などが買取価格に大きく影響します。

希少性が高い年号かどうかやエラーの有無はもちろんのこと、折れ跡や汚れの程度、光沢が保たれているかなど、外観の美しさも非常に重要な要素です。

また、信頼できる第三者機関の発行する鑑定書やグレーディングが付いている場合は、真贋の信頼性が高まり、査定額がさらに上昇する可能性があります。

適切な保存環境を整え、できる限り当時の状態を損なわないよう大切に保管しておくことは、高価買取を実現するための重要なポイントです。

大正時代のお金を少しでも高く売るための行動とNG行動

買取価格を左右する項目として「保存状態が大切」だと述べました。まずは正しい方法で大正時代のお金の状態を維持・保管して価値を下げないようにしましょう。

具体的には、紙幣であれば湿気や直射日光を徹底的に避けましょう。硬貨の場合は無理に磨いたり、酸化を促進するような不適切な環境で保管したりしないよう注意が必要です。

素人判断で強くこすって汚れを落とそうとすると、かえって素材を傷つけてしまい、価値を大きく下げてしまうケースも少なくありません。

信頼できる古銭買取業者の選び方

大正時代のお金を買取に出す際には、まず何よりも「信頼できる専門業者」を慎重に選ぶことが大切です。

買取実績や専門知識の豊富さはもちろんのこと、査定時にわかりやすく根拠を説明してくれる業者を選びましょう。

また、査定料や出張料、キャンセル料が無料かどうかもあらかじめ確認しておくと安心です。

買取福ちゃん」では専門知識を持った熟練の査定士が多数在籍しており、大正時代のお金はもちろん、明治・昭和の古銭や記念硬貨など、幅広いジャンルの古銭を取り扱っています。

日本以外の海外古銭や記念硬貨などもまとめて査定できますので、どうぞお気軽にご相談ください。

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まとめ

大正時代のお金一覧|紙幣・硬貨の種類と現在の価値、高価買取のポイントを専門家が解説

大正時代のお金は、大正デモクラシーや第一次世界大戦、関東大震災といった歴史の大きな転換期を経てきた貴重な証でもあります。

そのため、文化的・歴史的価値を背景に、現在の古銭市場ではコレクターから非常に高い関心が寄せられています。

紙幣や硬貨の保存状態によっては予想以上の高額査定となるチャンスも十分にあるため、ご自宅に大正時代のお金がありましたら、まずはその本来の価値を専門家に見てもらうことがオススメです。

福ちゃん」では、大正時代のお金に精通した経験豊富な専門査定士が1点ずつ丁寧に査定し、その本来の価値を見逃すことなく正確に評価して買取いたします。

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