- 古銭/記念硬貨
- 2025.08.31
1オンスの金は何グラムに相当するの?金貨・インゴットの価値がわかる単位「オンス」の違い

「1オンスの金って、正確には何グラムなの?」
金の価格表示や金貨の説明で頻繁に目にする「1オンス」という単位。
しかし、この「オンス」という単位が、実は日常生活で使うオンスとはまったく異なる特殊な単位であることをご存知でしょうか。
金の世界では「トロイオンス」という特別な単位が使われており、一般的なオンスとは重さが大きく異なります。この違いを知らずにいると、お手持ちの金貨やインゴットの価値を正しく理解できない可能性があります。
当記事では、金の取引で使われる「1オンス」の正確なグラム数、なぜ金には特別なオンスが使われるのかという歴史的背景をご紹介。
記事の最後には、お手持ちの古銭や金製品の価値を正確に知る方法についても解説いたします。貴金属の正しい知識を身に付けて、大切な資産の価値を適切に把握していきましょう。
「1オンス」とは?基本を解説
「オンス」という単位は、日本ではあまり馴染みのない「ヤード・ポンド法」における質量の単位です。記号として「oz」が使われ、主に英語圏の国々で広く使用されています。
しかし、一言で「オンス」といっても、実は測定する対象物によって使われるオンスの種類が大きく異なるのです。
この違いを正しく理解していないと、とくに貴金属の価値を計算する際に深刻な誤解が生じる可能性もあります。
金やプラチナなどの貴金属取引において正確な知識を持つことは、投資判断や売却時の適正価格の把握に直結する重要な要素なのです。
質量の単位「オンス」の起源
オンスの語源は、古代ローマ時代の質量の単位「ウンキア(uncia)」にまで遡ります。この古い単位が時代を経てヨーロッパ各地で発展し、現在のオンスの基となったのです。
とくにヤード・ポンド法はイギリスで体系化され、大英帝国の影響力とともにアメリカをはじめとする英語圏諸国に広まりました。
現在でもアメリカ・イギリス・カナダなどの国々では、日常生活や商取引でオンスが頻繁に使用されています。
一方、日本では明治時代にメートル法が採用されて以降、グラムやキログラムが標準となっているため、オンスという単位に触れる機会が限られているのが現状です。
しかし、国際的な貴金属取引や外国製品の輸入においてはオンス表記が一般的であるため、現代においても正確な理解が求められる重要な単位といえるでしょう。
間違いやすい!オンスは1種類ではない
以下が最も重要なポイントです。
「オンス」と一言で表現されていても、実際には用途や対象物によって異なる種類のオンスが使い分けられています。主要なオンスの種類を以下に整理します。
✔ トロイオンス(Troy Ounce)
✔ 常衡オンス(Avoirdupois Ounce)
✔ 液量オンス(Fluid Ounce)
「トロイオンス」は、金・銀・プラチナなどの貴金属や宝石の計量に専門的に用いられる単位です。世界中の貴金属市場で統一的に使用されており、金価格の国際基準となっています。
「常衡オンス」は、日常生活でも一般的に使われるオンスで、食料品や日用品の重さを表示する際に用いられます。
アメリカのスーパーマーケットなどで見かける重量表示は、通常この常衡オンスが使用されているのです。
「液量オンス」は、飲み物をはじめとする液体の体積を表す単位で、重さではなく容積を測定します。缶飲料などの容量表示で「fl oz」として表記されているのがこの単位です。
これらの単位を混同してしまうと、とくに貴金属の価値計算において重大な誤りが生じる可能性も。
金の投資や売買を検討される際には、必ずトロイオンスで計算されているかを確認することが重要です。
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金の取引で使われる「1オンス」は何グラム?
前章で触れたように、金やプラチナといった貴金属の取引では、世界的に「トロイオンス」という特別な単位が統一的に使用されています。
この単位は国際金融市場において絶対的な基準となっており、ロンドン金属取引所(LME)やニューヨーク商品取引所(COMEX)などの主要な貴金属市場でも、すべてトロイオンス建てで価格が決定されています。
なぜ一般的なオンスではなく、わざわざトロイオンスという特殊な単位が採用されているのでしょうか。その理由と具体的なグラム換算について、詳しく解説いたします。
答えは「1トロイオンス=約31.1035グラム」
核心的な情報として、まずは結論を明確に示します。
「1トロイオンス = 31.1034768グラム」これが国際的に定められた正確な換算値です。
実用的な計算においては、小数点第1位や第2位で四捨五入し、「約31.1g」や「約31.103g」として表記されることが一般的です。
この数値は1959年に国際的な合意により定められた公式な換算レートであり、世界中のすべての貴金属取引における共通の基準として使用されています。
具体例として、世界的に人気の高いメイプルリーフ金貨やウィーン金貨などの「1オンス金貨」は、すべて約31.1gの純金を含んでいます。
金価格が1オンス当たり2,000ドルと表示されている場合、これは約31.1gの金に対する価格であることを意味するのです。
この正確な換算値を理解することで、国際的な金価格と手持ちの金製品の重量から、おおよその金地金価値を自身で計算できるようになります。
なぜ貴金属には「トロイオンス」が使われるのか?
トロイオンスの起源には諸説があり、最も有力とされているのは、中世フランスのシャンパーニュ地方にあった「トロワ(Troyes)」という都市に由来する説です。
この都市は12世紀から13世紀にかけてヨーロッパ最大の商業都市の一つとして栄え、とくに貴金属や宝石の取引において重要な市場を形成していました。
トロワの市場では、貴金属を取引する際の重量基準として、後にトロイオンスと呼ばれることになる単位を使用。この基準は取引の公平性と正確性を保つために厳格に管理され、商人たちの間で高い信頼を得ていたのです。
やがてこの単位はイギリスに伝わり、1527年にヘンリー8世によってイギリス王国の公式な貴金属計量単位として法制化。
大英帝国の海外進出とともに、トロイオンスは世界各地の貴金属市場に広まり、現在では国際的な統一基準として確立されています。
普遍的な価値を持つ金だからこそ、地域や国家の違いを超える厳密で統一された計量単位が必要とされたのでしょう。
トロイオンスは、まさにその要求に応える理想的な単位として、数百年にわたって貴金属取引の基盤を支え続けているのです。
日常で使われるオンスとの違い
金の「トロイオンス」について理解を深めたところで、比較対象として日常生活で遭遇する可能性のあるほかのオンスについて詳しく解説いたします。
これらの違いを明確に把握することで、単位の使い分けが正確になり、とくに海外製品を扱う際や国際的な取引において混乱を防げます。
貴金属投資や古銭収集に興味をお持ちの方にとっても、正しい単位の理解があることで、適切な判断を下せるようになるでしょう。
一般的な重さの単位「常衡オンス」
日常生活で頻繁に目にするオンスは「常衡(じょうこう)オンス(Avoirdupois Ounce)」と呼ばれる単位です。
この名称は、中世フランス語の「avoir du pois(重さを持つ)」に由来しており、一般的な商品の重量計測に広く使用されています。
「1常衡オンス = 28.349523125グラム」が正確な換算値であり、通常は「約28.35g」として表記されます。これは前述のトロイオンス(約31.1g)と比較すると、約2.75g軽い計算です。
この差は決して無視できない大きさであり、とくに貴金属の価値計算においては重大な影響を与える可能性があります。
常衡オンスの具体的な用途としては、肉類・チーズ・野菜などの食料品、郵便物や小包の重量、薬品や化学製品の計量などが挙げられます。
アメリカのスーパーマーケットで販売されている肉類の価格が「1オンス当たり○ドル」と表示されている場合、これは常衡オンスを基準としているのです。
また、アメリカの郵便サービス(USPS)においても、郵便料金の計算には常衡オンスが使用されており、国際郵便を利用する際にはこの単位での重量把握が必要になります。
飲料などで見る「液量オンス」
缶飲料やボトル飲料の容量表示で頻繁に見かける「fl oz」という表記は、「液量オンス(Fluid Ounce)」を意味しています。
この単位の重要な特徴は、前述の常衡オンスやトロイオンスとは根本的に異なり、「質量(重さ)」ではなく「体積(容積)」を表している点です。
さらに複雑なことに、液量オンスには国によって異なる定義が存在しています。これは歴史的な経緯と各国の度量衡制度の違いに起因するものです。
「アメリカ液量オンスは、29.5735295625ミリリットル(約29.57ml)」と定義されています。
アメリカ国内で販売されている飲料の容量表示は、すべてこの基準に基づいているのです。たとえば、12 fl ozの缶飲料は約355mlに相当します。
「イギリス液量オンスは、28.4130625ミリリットル(約28.41ml)」と定義されており、アメリカの液量オンスよりもわずかに小さくなっています。
この差は1オンス当たりでは約1ml程度ですが、大容量の製品では無視できない違いなのです。
重要なポイントは、液体の密度によって、同じ体積でも重さが変わることです。
水の場合、1アメリカ液量オンス(約29.57ml)の重さは約29.57gであり、これは偶然水の密度が1g/mlに近いためです。ほかの液体では、密度に応じて重さが変化します。
このように、同じ「オンス」という名前を持ちながら、重さを表したり体積を表したりと、文脈によって意味がまったく異なることを十分に理解しておく必要があります。
とくに貴金属取引においては、必ず「重さ」としてのトロイオンスが使用されていることを確認することが重要です。
1オンス金貨の価値と種類
これまでのオンスに関する知識を実際の金製品に応用して、具体的な「1オンス金貨」について詳しく見ていきましょう。
1オンス金貨は、金投資の入門としても、コレクションアイテムとしても世界中で高い人気を誇っています。しかし、1オンス金貨の価値は単純に「金の重さ×金価格」だけで決まるわけではありません。
デザイン性、希少性、保存状態など、さまざまな要素が価値に影響を与える奥深い世界です。
以下の金貨はすべて「1トロイオンス(約31.1g)」の純金を含んでおり、国際的な金投資の基準となっています。
メイプルリーフ金貨(カナダ)
メイプルリーフ金貨は、非常に純度の高い金貨として知られており、99.99%という極めて高い純度を誇っています。
カナダ王立造幣局が発行するこの金貨は、美しいカエデの葉をデザインしたものがとくに有名で、世界中のコレクターから愛され続けているのです。
1979年の発行開始以来、一貫して高い品質を維持しており、投資用金貨として絶大な信頼を獲得しています。
ウィーン金貨(オーストリア)
ウィーン金貨は、ヨーロッパで最も人気の高い投資用金貨のひとつです。
オーストリア造幣局が1989年から発行しており、表面にはウィーン楽友協会のパイプオルガンが、裏面にはさまざまな楽器がデザインされています。
音楽の都ウィーンらしい芸術性の高いデザインが特徴で、ヨーロッパ各国での流通量が非常に多いことでも知られています。
アメリカンイーグル金貨(アメリカ)
アメリカンイーグル金貨は、アメリカ政府が発行と品質を保証する金貨として、世界的に高い信頼性を持っています。
表面には自由の女神が描かれ、裏面には威厳あるイーグルがデザイン。純度は91.67%(22金)ですが、重量は1オンスの金を含むように調整されているため、総重量は約33.9gとなっています。
カンガルー金貨(オーストラリア)
カンガルー金貨は、オーストラリア政府が発行する金貨で、99.99%の高純度を誇ります。
最大の特徴は、裏面のカンガルーのデザインが毎年変更されることで、これによりコレクション性が非常に高くなっています。
年号とデザインの組み合わせによっては、金地金価格を大きく上回るプレミアムが付くこともあるのです。
これらの金貨はすべて各国政府または政府認定機関が発行しており、品質と純度が公的に保証されているため、世界中で高い流動性を持っています。
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これまでお伝えしてきたように、1オンスという単位の正確な理解から始まって、金貨の価値を決定する複雑な要因まで、貴金属や古銭の世界には専門的で奥深い知識が求められます。
とくに、トロイオンスという特殊な計量単位や、プレミアムという付加価値の概念は、一般の方には馴染みの薄い専門領域といえるでしょう。
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まとめ
この記事を通じて、「1オンス」という単位の複雑さと重要性についてご理解いただけたのではないでしょうか。核心となるポイントを改めて整理します。
まず、「1オンス」には複数の種類があり、金をはじめとする貴金属の取引においては「1トロイオンス=約31.1グラム」が世界統一の基準として使用されています。
この数値は国際的な合意に基づく公式な換算レートであり、世界中すべての金市場において共通です。
一方で、日常生活で使われる「常衡オンス(約28.35g)」や体積を表す「液量オンス」とは明確に区別する必要があり、これらの違いを正しく理解することは貴金属投資や売買において極めて重要となります。
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