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  • 2025.11.17

聖徳太子のお札の種類と価値を解説|一万円札・百円札・千円札の特徴と買取相場

日本の紙幣にはさまざまな歴史上の人物が印刷されていますが、中でも特に登場回数が多いことで知られているのが十七条の憲法や冠位十二階の制定などで有名な聖徳太子です。

現在は新しい紙幣が登場したものの、この旧紙幣も法律上は有効なままです。「手元にある聖徳太子の一万円札、実際いくらで売れるのだろう?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

実際に中には数千円~数十万円の価値が付いているものもあります。そのため、専門業者への査定を検討するのがおすすめです。

この記事では聖徳太子のお札の種類や特徴、おおよその相場についてまとめました。紙幣を高く売るために押さえておきたいコツも紹介しているので、聖徳太子のお札の査定を検討している方はぜひ最後までご覧ください。

【記事のポイント】

  • ✅聖徳太子紙幣は有効ですが、銀行両替では額面通りの価値にしかなりません
  • ✅ゾロ目や福耳などの珍しい記番号があると、高額価値になる可能性があります
  • ✅無理な手入れは避け、専門家による無料査定にお任せください

聖徳太子の一万円札の概要と特徴

聖徳太子の一万円札は、1958年(昭和33年)に製造が開始された日本の高額紙幣です。肖像画に聖徳太子が採用されていることから「聖徳太子10,000円」や、「日本銀行券C号10,000円」と呼ばれることもあります。

また、日本初の一万円札であることから、当時は発行の必要性についてさまざまな議論が交わされたといわれています。

ここでは聖徳太子の一万円札が発行された背景や発行期間、お札のデザインや特徴についてまとめました。

聖徳太子の一万円が価値ある紙幣として評価されている理由にもつながる情報なので、ぜひご覧ください。

日本初の一万円札が誕生した背景

聖徳太子の一万円札が誕生した背景には、当時のインフレと高度経済成長期があります。

日本では戦後約20年間にわたって、経済成長率が平均10%前後という高い水準で成長する高度経済成長期が続きました。経済成長に伴ってモノの需要も増加し、物価が上昇するインフレが発生したのもこの時期の特徴の一つです。

これにより、高額なお金のやり取りが増えたことから、当時の最高紙幣であった千円札では対応しきれないと判断され、一万円札の発行が具体的に検討されることになりました。

ただし、当時の大卒初任給が1万3,000円程度だったことから、「これほどの高額紙幣が必要なのか?」という意見や、「インフレを助長してしまうのではないか?」といった懸念の声も上がったそうです。

このような議論の末に日本初の一万円札は発行されましたが、不安の声とは裏腹に、発行後はすぐに品薄状態になるほどの人気を集め、その後も長きにわたって流通し続ける紙幣となりました。

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聖徳太子から渋沢栄一まで|旧一万円札の歴史と気になる価値を徹底解説

聖徳太子の一万円札の発行期間

聖徳太子の一万円札が発行されたのは、1958年(昭和33年)12月1日~1986年(昭和61年)1月4日までの約28年間です。

その間、偽札の横行を防ぐことを目的とした改造が何度か行われましたが、新たな偽造防止技術の採用やデザインの刷新を目的に、1986年(昭和61年)に発行が停止され、1984年(昭和59年)からは現代の人にもなじみ深い福沢諭吉の肖像を取り入れた一万円札が発行されるようになりました。

ただし、発行が停止されたからといって通貨としての効果が失われたわけではありません。聖徳太子の一万円札は現在でも有効な銀行券として認められており、現在発行されている一万円札と同じく、店舗での決済に使うことが可能です。

ただし、店によっては機械への読み込みが難しいことや、釣り銭として使いにくいという理由から、支払いを断られることもあります。

また、ATMでの預入や入金が難しいこともあるため、紙幣として使う場合は銀行の窓口で現行の紙幣と交換してもらった方が良いでしょう。

聖徳太子の一万円札のデザイン

聖徳太子の一万円札のデザインは、表面の聖徳太子に肖像が描かれ、中央に「日本銀行券 壱万円」、左に「10000」が印刷されているのが特徴です。

前年1957年(昭和32年)に発行された同じ聖徳太子の五千円札は、表面の中央に聖徳太子の肖像、左側に「五千円」とあるため、明確にデザインが区別されています。

一方、裏面には偽造防止のための彩紋(円や波線などを複雑に組み合わせて作った幾何学的模様)が描かれ、中央を挟むような構図で平等院鳳凰堂の円柱に描かれている鳳凰の図が採用されています。

同じ聖徳太子の五千円札の裏面には日本銀行の建物が描かれているため、ここでも既存の聖徳太子のお札とデザインが区別されていることが分かります。

また、紙幣そのものにもさまざまな工夫が施されており、耐久性の高いミツマタやマニラ麻などを原料とした特殊な紙の使用や、家庭での洗濯機普及を見据えて耐湿強度を改善するための尿素樹脂を混ぜるなどの改良が行われました。

このような技術の集大成ともいえる聖徳太子の一万円札は、現代の目で見ても非常に手が込んだデザインとして高く評価されています。

聖徳太子の一万円札の価値と相場

聖徳太子の一万円札は現在も有効な紙幣であることから、あまり価値がないというイメージを持たれる方も多いですが、実は保存状態や記番号など、いくつかの条件がそろうとプレミアが付くこともあります。

中には数万円~数十万円の値が付くケースもあるため、額面以上の価値が見込まれるものは買取業者に査定してもらうのがおすすめです。

ここでは、聖徳太子の一万円札の価値に影響を与える要因や、レアな記番号が高値になる理由を説明します。

保存状態が査定額に与える影響

聖徳太子の一万円札に限らず、貨幣のコレクター市場では保存状態の良いものほど高値が付くのが基本です。

破れや折り目、汚れなどの損傷が少ないものはもちろん、帯付きで保管されている、変色や退色が少ない、紙本来のハリが十分に残っているといった条件がそろった美品は、特に高い値段が付きやすいといわれています。

逆に、シワや折り目が目立つもの、染みや汚れが広がっているものは並品扱いとなり、美品よりも価値が下がってしまいます。なお、大きな穴や裂け目があるもの、テープなどで修正されているもの、落書きされているものなど、損傷がかなりひどい一万円札は、店によっては買取不可となることもあるので注意が必要です。

紙は劣化が早いため、聖徳太子の一万円札を売りに出したいのなら、きれいに保存した上で劣化が進む前に売りに出した方が良いでしょう。

レアな記番号が高値になる理由

記番号とは、紙幣の発行順を表すために設けられた記号のことです。記番号はアルファベットと数字で構成されていますが、この組み合わせによってはプレミア価格が付くものがあります。

以下では具体的なケースをまとめました。

種類特徴
A-A一番最初の発行順であるAが頭とお尻に付いているもの
AA-A見本券一番最初の発行順であるAが頭とお尻に付いていて、右上に「見本」と印字されているもの
ゾロ目111111など同じ数字が並んでいるもの。7や8は縁起が良い番号としてより人気が高い
一番数字が000001のもの
キリ番100000や700000などキリの良い数字のもの
階段123456など数字が階段状に上がっているもの
サンドイッチ100001など最初と同じ数字に挟まれているもの

 
上記のような条件に当てはまるものは希少性が高い上、見た目にもインパクトがあるため、コレクターからの注目度が特に高く、一般的な記番号のお札よりも高い金額で取引されることがあります。

聖徳太子の一万円札が手元にある方は、ぜひ記番号もチェックし、上記の条件に該当するかどうか確認してみましょう。

【関連記事】
お札は番号次第でレアになる?珍しい紙幣の特徴や見分け方を徹底解説

聖徳太子の百円札の種類と価値

聖徳太子のお札は一万円札の他に、百円札も発行されています。百円札は発行時期によって4つの種類に分かれていますが、希少性に違いがあることから、同じ百円札でもそれぞれ価値に違いがあります。

百円札の主な種類とおおよその相場は以下の通りです。

種類相場
乙号券(聖徳太子1次)数百円~1万円
い号券(聖徳太子2次)数百円~数千円
ろ号券(聖徳太子3次)数百円~1万5,000円程度
A号券(聖徳太子4次)数百円程度

※製品の状態によっては買い取れない場合がございます、予めご了承ください。

4種類のうち、最も高値が付きやすいのは3番目に発行されたろ号券です。他の種類に比べて発行期間が短く、枚数も少なかったため、プレミア価値が付いています。

一方、A号券は聖徳太子百円札のうち、唯一現在も通貨として有効な紙幣であることと、発行枚数が比較的多かったことから、ほぼ額面通りか、プラスアルファの価格しか付かない傾向にあるようです。

ただし、後述するエラーなどがある場合は他の種類に匹敵する高値が付けられることもあります。
聖徳太子百円札は種類ごとにデザインや色合いなどが異なるので注意して観察すれば見分けは容易ですが、正確な価値が知りたい場合は専門業者に査定してもらいましょう。

聖徳太子の千円札の価値

聖徳太子の千円札は、発行年によって前期と後期の2種類に分かれます。デザインは同じですが、前期は記番号の頭のアルファベットが1桁、後期は2桁なので、見分けやすいです。

同じ千円札でも、コレクター市場での価値には大きな差があり、前期に発行されたものの方が高値が付きやすい傾向にあります。

具体的な相場は以下の通りです。

種類相場
前期額面~4,000円程度
後期額面~2,000円程度

※製品の状態によっては買い取れない場合がございます、予めご了承ください。

発行年によって価値に差が出るのは、後期よりも前期の方が発行枚数が少なく、希少性が高いためです。

後期の場合はほぼ額面通りの査定になることが多いですが、未使用品など保存状態が良いものや、後述するエラーなどが見られるものは高値が付くこともあるので、手元に聖徳太子の千円札があるのならぜひ査定を依頼してみましょう。

一万円札の製造番号や印刷ミスの価値

聖徳太子一万円札の価値は、製造番号(記番号)の特徴や、印刷ミスによって大きく変動します。記番号は前述したように、珍しいものや縁起の良いもの(777777や888888など)はコレクターからの人気が高く、高値が付くことがあります。

主な種類と相場は以下の通りです。

種類相場
A-A券数万円~10万円程度
AA-A見本券数万円~数十万円
ゾロ目5万円~十数万円
一番3万円~10万円程度
キリ番1万円~3万円程度
階段2万円~5万円
サンドイッチ1万円~1万5,000円程度

※製品の状態によっては買い取れない場合がございます、予めご了承ください。

また、製造段階で何らかのミスが発生した場合に生まれるエラー紙幣も希少価値が高く、額面を大幅に上回る高値が付くことがあります。

例えば、印刷時の液だれが見られるものや、印刷位置がずれているもの、欠損があるもの、二重に印刷されているものなどがエラー紙幣に該当します。

また、裁断にミスが生じたことによって、紙幣の四隅のいずれかに余計な紙片が付いてしまった「福耳つき」と呼ばれるものもプレミアが付く傾向があるでしょう。

それぞれのおおよその相場は以下の通りです。

種類相場
印刷ミス数十万円~
福耳つき数万円~数十万円程度

※製品の状態によっては買い取れない場合がございます、予めご了承ください。

聖徳太子のお札を高く売るコツ

聖徳太子のお札をより高く換金するためには、なるべく美品の状態で査定に出すことが大切です。また、現在も通貨として有効なお札は銀行で両替(引換)してもらうことも可能ですが、高値で取引したいのなら専門業者に持ち込むことをおすすめします。

ここでは聖徳太子のお札をより好条件で売るために心掛けたいポイントを3つに分けて説明します。

価値を落とさないための保管方法

紙幣は日光や湿気に長期間さらされると、型崩れや変色を起こす原因となります。特に湿度が高いところに保管するとカビが生えることもあるため、日光と湿気対策を行うのが基本です。

具体的には、吸湿性のある和紙などに挟んで専用のケースやクリアファイルなどに収納し、風通しの良い場所に保管しておくと良いでしょう。

なお、折り目が付いてしまうと査定額が大幅に下がる傾向にあるため、できる限り平らな状態を維持できるよう配慮することが大切です。紙幣のサイズに対してケースやクリアファイルのサイズが大き過ぎると、中で動きやすくなってシワや折り目が付く原因となるので、収納場所のサイズ感にも注意しましょう。

なお、紙幣は太陽光だけでなく、蛍光灯などの光でも退色することがあります。そのため、保管場所は直射日光だけでなく、部屋の照明が当たらない場所を選ぶのも重要なポイントです。

査定前に手を加えないことの重要性

聖徳太子のお札は美品ほど高値が付くと説明しましたが、すでに付いてしまった折り目を伸ばそうとしたり、染みを落とそうとしたりするのはおすすめできません。

紙幣は非常にデリケートなので、例えばシワを伸ばすためにアイロンをかけると、インクが剥がれ落ちたり、表面の質感が変わってしまったりする可能性があります。

一度お札に傷が付いてしまうと元に戻すことはほぼ不可能で、価値が大きく下がってしまうこともあるので、お札には基本的に余計な手は加えず、大切に保管した上で、そのまま査定に出すことをおすすめします。

また、それ以上の汚れやシワが付かないよう、お札は素手で触れないように気を付けましょう。素手で触れると皮脂や手垢、指紋などが付いてしまい、場合によっては黒ずみの原因にもなるので要注意です。

どうしても触れなければならないときは絹の手袋などを着用して取り扱うとお札の劣化を防げます。

レア札は専門の買取業者に依頼

聖徳太子のお札は現在も有効な銀行券であるため、銀行の窓口に持っていけば現行の紙幣と引き換えてもらえます。

しかし、銀行ではその紙幣の希少性は加味されず、原則として一万円は一万円、千円は千円と、額面通りの引換になってしまいます。

特に珍しい記番号が付いているものや、ほとんど使用された形跡がなくきれいに保存されている聖徳太子のお札は、額面を大幅に上回る付加価値があるため、銀行で引き換えるよりも買取業者に査定してもらった方が断然お得です。

買取業者なら紙幣の歴史的価値や希少性、保存状態などを丁寧に査定し、適正な値で買い取ってくれるので、聖徳太子のお札が手元にあるのなら専門業者に査定を依頼することをおすすめします。

なお、専門業者と一言にいっても査定士の知識や技量は店舗ごとに異なるので、大切なお札の価値を損なわないためにも、信頼できる業者を選ぶようにしましょう。

聖徳太子のお札を高く売るには業者に査定を依頼しよう

聖徳太子のお札は現在も額面通りの通貨として利用できますが、歴史的価値や希少性が高いため、コレクター市場では額面以上の値で取引されるケースが多々あります。

特に、保存状態が良好なものや珍しい記番号が付いたお札は、思いもよらない高額査定となる可能性があるので、銀行で新しいお札に引き換えるのではなく、紙幣の価値を正確に見極められる買取業者に査定を依頼してみると良いでしょう。

「買取福ちゃん」では、聖徳太子のお札をはじめとする、古銭を高値で買い取ってきた実績があります。査定士は定期的な社内研修で査定技術を養っているプロフェッショナルなので、価値が分かりにくい古い紙幣でも適正な価格を提示することが可能です。

買い取りは店頭だけでなく、便利な出張買取や宅配買取にも対応していますので、ご自宅やご実家に聖徳太子のお札がある場合は、ぜひ福ちゃんの無料査定サービスをぜひご利用ください。

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