- 古銭/記念硬貨
- 2025.12.13
昭和初期の100円札の価値とは?高く買取してもらうコツも紹介

実家の整理中などに、古い100円札を見つけることがあります。もしかしたら、それは昭和初期のものかもしれません。
実は、昭和初期の100円札は、状態や特徴によっては古銭市場でプレミア価格がつくことがあります。昔と現代では貨幣価値が異なる点も、押さえておきたい部分です。
残念ながら、全ての古いお札に価値があるわけではありません。価値が上がる条件や保存状態を見分けるポイントなど、昭和初期の100円札の価値を徹底解説します。
昭和初期の時代背景

昭和初期は日本の歴史の中でも、大きな転換点となった時期です。昭和初期に何が起きていたのかを見れば、100円札が使われていた当時の生活や経済状況をより深く知ることができます。
これから、昭和初期の時代区分と当時の経済に関連する主な出来事について詳しく見ていきましょう。
昭和初期の時代区分
昭和時代は1926年(大正15年)12月25日から、1989年(平成元年)1月7日までの約64年間です。この長い時代のうち、「昭和初期」という言葉は、一般的に1926年から1930年代頃までを指すことが多いでしょう。ただし、第二次世界大戦の終結(1945年)までを昭和初期と捉える見方もあります。
昭和初期は、日本初の文庫本「岩波文庫」の創刊や、教育の充実を目的としたNHKラジオ第2放送の開始、上野・浅草間の地下鉄開通など、大衆文化の発展や都市生活の変化が見られました。
生活様式にも変化が見られ、一般家庭の女性にパーマが普及し、都市部の家庭に洋食文化が定着し始めたのもこの時期です。
お金の価値に関連する主な出来事
昭和初期の日本経済を大きく揺るがしたのが昭和恐慌です。1929年10月のウォール街での株価暴落を発端とする世界恐慌は、日本にも深刻な影響を与えます。
特に1930年1月に井上準之助蔵相が実施した金解禁(金本位制復帰)は、輸出産業に打撃を与え、物価の大幅下落を招きました。
農産物価格の暴落により農村経済は壊滅的な打撃を受け、多くの農家が赤字経営に陥ります。この苦境を打開するため、1931年12月に高橋是清蔵相が金輸出再禁止を断行し、円の価値は半額以下に下落しました。
この為替安と積極財政政策により、昭和初期の100円の価値は大きく変動しています。満州事変以降は軍事費の増大による戦時体制への移行が始まり、日本銀行による国債引き受けなど、国内経済の安定を優先した政策が取られました。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
昭和初期に使われていた硬貨・紙幣の一例

昭和初期には、1銭から50銭までの小額硬貨や、日本銀行が発行した兌換券など、当時の経済を反映した多様な貨幣が使われていました。まずは、小額硬貨の特徴から見ていきましょう。
1銭~50銭
昭和前期(1926年〜1938年)には、1銭から50銭といった小額硬貨が日常的に使われていました。大正時代から続く貨幣制度を引き継ぎつつ、経済情勢や戦時体制への移行に伴い、硬貨の素材やデザインにも変化が見られる時期です。
| 硬貨の種類 | 発行年 | 主な素材 | デザインの特徴 |
| 1銭黄銅貨 | 昭和13年 | 黄銅 | 八咫カラス、桜花 |
| 5銭白銅貨 | 昭和9年以降 | 白銅 | 菊の紋章、鳥(とび図案) |
| 10銭ニッケル貨 | 昭和8~12年 | ニッケル | 菊と桐の紋章、青海波 |
| 50銭銀貨 | 昭和7~13年 | 銀72% | 鳳凰、菊の紋章 |
1銭硬貨には、青銅製と黄銅製の2種類があり、黄銅の「カラス1銭」は昭和13年(1938年)のみの発行で、現在では希少価値が高いとされています。
5銭や10銭の硬貨は主に白銅やニッケルで作られ、表面には菊の紋章、裏面には鳥や唐草模様、青海波などがあしらわれました。
50銭銀貨は銀の含有率が高く、当時から高品位の貨幣として評価され、現在もコインコレクターの間で人気があります。
なお、戦時中に入ると金属資源の不足から、これらの硬貨はアルミニウムや錫などの代用金属へと切り替えられました。
日本銀行兌換券
昭和初期には、「日本銀行兌換券」と呼ばれる特殊な紙幣が流通していました。
| 紙幣の種類 | 発行年 | 特徴 |
| 日本銀行兌換券(50円・200円) | 昭和2年 | 裏面の印刷が省かれ、裏白札とも呼ばれる |
| 乙号券(100円) | 昭和5年 | 初めて聖徳太子の肖像が採用された |
| い号券(100円) | 昭和19年 | 乙100円券の代わりに発行 |
兌換券の特徴は、紙幣に記載された金額を金貨や銀貨と交換できる保証があることです。特に昭和2年(1927年)に発行された50円・200円の日本銀行兌換券は、市場にほとんど出回っておらず、高い価値があります。
その後、昭和17年(1942年)の日本銀行法改正により、金貨や銀貨との交換は停止され、兌換文字が削除された「い号券」や「ろ号券」が順次発行されました。
これにより、それまでの「兌換紙幣」から政府や日本銀行の信用で価値が保証される「不換紙幣」へと性質が変化したのです。
昭和初期の100円札の価値とプレミアがつく条件

昭和初期の100円札は、現代のお金とは比較にならないほどの価値を持っていました。現代では、当時の100円札にそれほど高い価値はありませんが、状態や発行年によっては高値になるケースもあります。
特に、戦前の兌換券や特殊番号が付いた紙幣は評価が高い傾向です。昭和初期の100円を現代換算したときの価値や、どのような条件でプレミアがつくのかなどを詳しく解説します。
昭和初期の100円を現代の価値に換算すると?
昭和初期の100円は、現代のお金と比較すると驚くほど高い購買力を持っていました。具体的な数字で見てみると、昭和元年のエリートサラリーマンの初任給は80円程度、中卒のサラリーマンでは35円程度だったとされます。
また、アパートの家賃は2間で20円程度でした。物件によって差はありますが、100円あれば約5カ月分の家賃を賄えた計算になります。
この時代は昭和恐慌などの経済変動により貨幣価値も大きく変化していましたが、いずれにしても当時の100円は現代とは比較にならないほどの購買力を持っていたことは間違いないでしょう。
価値が高い昭和初期の100円札の特徴は?
昭和初期に流通していた100円札の中で、特に価値が高いのは「改造兌換銀行券100円」と「甲号兌換銀行券100円」です。これらは明治時代に発行され、昭和14年(1939年)まで使用されていました。
改造兌換銀行券100円は藤原鎌足の肖像を囲むように、二つのだ円が描かれていることから「めがね100円」とも呼ばれます。甲号兌換銀行券100円の特徴は、裏面に紫色のインクで日本銀行本店が描かれていることです。
また、昭和20年(1945年)に発行された「改正不換紙幣100円(ろ号券100円札)」も、発行期間がわずか1年ほどだったため希少価値が高いとされています。
これらの紙幣は日本の近現代史を映す貴重な文化財であり、見つけた際は専門家による適切な査定を受けることをおすすめします。
印刷ミスや特殊番号で価値が上がる場合も?
昭和初期の100円札の中でも、製造過程で発生した印刷ミスや裁断ミスによって、通常の紙幣とは異なる特徴を持つ「エラー紙幣」は、高値がつくことがあります。
ズレの大きさによって価値が変わり、ズレが顕著なほど希少価値が高まるでしょう。また「二重印刷」と呼ばれる、裏面の絵柄が表面にも印刷されてしまったものも高額査定の対象です。
さらに、特殊番号の紙幣も高額買取されます。例えば、「ゾロ目」(例:777777)や「キリ番」(例:100000)、「サンドイッチ番号」(例:100001)などは、評価が高くなるでしょう。
古銭の価値を左右するグレード判定や保存状態

同じ昭和初期の100円札でも、保存状態によって価値が変化することがあります。グレーディング基準や保存状態のチェック方法を知ることで、所持している古銭の適正な評価につながるでしょう。
これから、古銭のグレーディング基準や等級による価値の違い、自分でできる保存状態のチェックポイント、そして価値を下げない正しい保管方法について詳しく解説していきます。
古銭のグレーディング基準と等級による価値の違い
古銭の価値は保存状態によって大きく変動するため、グレーディングと呼ばれる等級付けが重要な指標となります。
古銭のグレードは、UNC(未使用)、AU(ほぼ未使用)、XF(極美品)、VF(美品)、F(並品)、VG(並下品)、G(劣品)、POOR(極劣)などの等級で表されることが一般的です。
同じ昭和初期の100円札でも、UNCランクであれば市場価値の100%前後で取引されることがありますが、F~POORランクになると市場価値が下がります。
古銭を売却する際には保存状態を事前に確認しましょう。専門家の鑑定を受けると、より適正な価格での取引が期待できます。
保存状態のチェックポイント
紙幣の保存状態を自分でチェックするポイントは、主に折れ・しわ・変色・汚れの四つです。中でも、折れやしわは価値を大きく下げる要因となります。紙幣を明るい場所で光に透かし、表面と裏面の状態を確認しましょう。
変色についても注意が必要です。日焼けや湿気による黄ばみは、昭和初期の100円札の価値を大きく下げてしまうことがあります。また、指紋や手垢などの汚れも同様に価値を下げる原因の一つです。
素人の手入れによって逆に価値が下がることが多いため、自己判断で紙幣を「きれいにしよう」と試みないようにしましょう。
価値を下げない保管方法と取り扱いのコツ
昭和初期の100円札の価値を保つには、適切な保管方法が不可欠です。素手で触れると指の油脂が付着し、時間の経過とともに変色や劣化の原因になります。取り扱う際は綿手袋を使用するのが理想的です。
保管場所も重要なポイントです。直射日光は紙幣の変色を招くため、冷暗所での保管をおすすめします。また、湿気も大敵です。湿度60%以下の環境を維持し、除湿剤の使用も検討しましょう。
特に昭和初期の100円札は経年劣化しやすいため、温度変化の少ない場所で保管します。中性紙や無酸性素材のアルバム式のコレクションケースを利用すると、便利です。
適切な保管方法を実践することで、昭和初期の100円札の価値を最大限に保てるでしょう。
昭和初期の100円札を買取してもらうためのポイント

昭和初期の100円札を高く買取してもらうためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。適切な準備と知識があれば、思わぬ高値で売却できる場合もあるでしょう。
ここでは、古銭買取を成功させるための基本的な準備から、専門店での査定を受ける流れまで、実践的な情報をお伝えします。
古銭買取の基本と事前準備すべきこと
古銭の買取を成功させるには、いくつかの基本的な準備が重要です。まず、査定を依頼する前に、手元の古銭を種類ごとに分類しておきましょう。特に番号や発行年などの情報を整理すると、査定がスムーズに進みます。
もし、鑑定書や外箱などの付属品がある場合は一緒に提出しましょう。これらがあると、信頼性と価値が高まり、買取価格にプラスの影響を与えます。
本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)も必ず準備しておきましょう。古物営業法により、買取時には身分証明書の提示が義務付けられています。
最後に、一つの店舗だけでなく複数の専門店で査定を受けることをおすすめします。お店によって得意とする時代や種類が異なるため、適正価格を知るためにも比較検討することが大切です。
買取福ちゃんの特徴と古銭査定の流れ
福ちゃんでは、古銭の価値を熟知した専門の査定士が丁寧に評価します。独自の市場調査に基づく査定により、昭和初期の100円札の真価を見極め、適正価格での買取が期待できるでしょう。
査定の流れは非常にシンプルです。電話やWebから申し込むと、希望に合わせて出張・宅配・店頭のいずれかの方法で査定が行われます。
福ちゃんの大きな特徴は、査定料・出張料・キャンセル料が全て無料である点です。査定結果に納得できなければ、返送料無料で対応可能なため、リスクなく査定を依頼できます。
また、女性査定員による「レディースプラン」も用意されており、女性の方も安心して利用できるサービス体制が整っています。
昭和初期の100円札の価値を見極めよう

昭和初期(1926年~1930年代または終戦まで)のお金は、現代と比べ高い購買力を持ち、当時の100円はエリートサラリーマンの月収を上回るほどの価値がありました。
1銭~50銭硬貨や日本銀行兌換券など多様な貨幣が流通し、発行年や印刷特性、保存状態によってはプレミア価値が付くことがあります。
価値を見極めるにはグレーディング基準を理解し、適切な保管方法で状態を維持することが重要です。売却を検討する際は、事前準備をして専門店で査定を受けましょう。