- 骨董品
- 2024.02.17
竹内栖鳳(たけうちせいほう)の買取価格は?日本画家としての略歴や手がける芸術作品の価値などを解説

「竹内栖鳳の買取相場が知りたい」
「竹内栖鳳は高く買い取ってもらえる?」
など、竹内栖鳳が手がける作品について価格を知りたい方のために情報をまとめました。
作家としての略歴や高額査定が期待できる作品なども紹介しています。ぜひ参考にして下さい。
竹内栖鳳とは?

竹内栖鳳は戦前の近代日本画の巨匠で、近代日本画の分野における先駆者です。
まずは竹内栖鳳の略歴や作品の特徴を紹介します。
略歴
1864年:京都市で生まれる
1877年:四条派「土田英林(つちだえいりん)」に絵を習う
1881年:「幸野楳嶺(こうのばいれい)」の私塾に入門
1900年:パリ万国博覧会に合わせて渡欧
1937年:『第一回文化勲章』受章
1942年:死去
竹内栖鳳は、1864年に京都市で生まれました。
1877年から呉春を祖とする京都四条派の土田英林に絵を習い、欧米化が急進する波に対応するべく、1881年からは幸野楳嶺の私塾に移っています。
画家としての生活が始まるのは、1887年に京都画学校を卒業した後です。
京都府画学校の出仕になる、髙島屋意匠部に務めるなど、徐々に名声を世に現し、京都美術界に名を馳せていきます。
1900年にはヨーロッパへの旅で西洋画に触れたことで画風に変化が現れ、日本美術史に変革をもたらします。
その後も挑戦と進化の姿勢が美術界で確固たる地位を築き上げ、1937年には第一回文化勲章の受章者に選ばれました。1942年にその生を閉じるまで、制作意欲が衰えることはなかったといわれています。
作品の特徴
竹内栖鳳は、独自の世界観とスタイルを確立し、動物の絵を得意としており「けものを描けば、その匂いまで描く」といわれるほど、技術が卓越していました。
毛の一本一本まで表現される繊細な技法や躍動感あふれる描写などは、現在でも異彩を放つ作品として注目される所以です。
繊細なタッチで毛並を細かく精巧に描くことで立体的な動きや表情を実現し、五感を刺激する作品に仕上げられています。
また、動物だけではなく風景画も高く評価されており、地平線を意識した縦長形式の作品も竹内栖鳳の特徴です。
査定・出張費・手数料はすべて無料。

竹内栖鳳の創作スタイル

- ✔️ 徹底した写生
- ✔️ 日本画と西洋画の融合
竹内栖鳳は、日本画の基礎である写生に注力し、西洋画の要素を織り交ぜた創作スタイルを得意としていた画家です。
徹底した写生
竹内栖鳳の画風は、題材の本質を捉えようとする写生へのこだわりが根幹にあります。写生の精神は円山応挙を祖とする四条派の基本で、竹内栖鳳はそれをさらに突き詰めました。竹内栖鳳の徹底した写生は、単に形を表すだけではなく、生き物の生命感や質感、気配などを表現することに成功しています。
予測不能な動きをする動物を芸術の域まで昇華できたのは、竹内栖鳳が写生を重要視した結果といえるでしょう。
日本画と西洋画の融合
竹内栖鳳は、西洋絵画に見られる光や空気の表現、立体感の捉え方を日本画に取り入れることを得意としていました。
日本画をベースとした描写に輝きや影を取り入れ、大気を描写する技術を身につけています。
西洋の写実性を組み込みながらも、墨の濃淡や余白といった日本画特有の美と品格を保ち、見事に融合させるのが竹内栖鳳の技法です。
竹内栖鳳が手がけた作品の買取価格

竹内栖鳳の作品は、数万円から10万円前後が相場と考えられています。
多数の作品を世に出しているため、制作の時期などによっては数千円という価値になることもあるでしょう。
絵の状態や注目度、需要なども査定額に影響することから、竹内栖鳳の作品であっても相場以下になる可能性も考えられます。
しかし、肉筆画などは数十万円することが多く、条件が揃えば高額での取引も期待できるでしょう。
高額査定が期待できる竹内栖鳳の作品

- ✔️ 動物
- ✔️ 原画・肉筆作品
竹内栖鳳の作品で高額査定が期待できるものは、動物を描いた作品や原画・直筆作品です。
動物
竹内栖鳳の緻密な技術で描かれた生き生きとした動物は、高く評価される傾向にあります。
竹内栖鳳が描いた動物は絵画がわからない人にも魅力が伝わりやすく、コレクター以外にも需要が高いものとなっていることから、高額査定がつきやすいとされています。
なかでも猫・仔犬・猫・矮鶏・虎・雀などが注目されており、買取額が高くなる可能性があります。
原画・肉筆作品
版画の元となっている原画は大変貴重なため、高額査定が期待できるでしょう。
また、印刷や模写ではない肉筆の作品も、肉筆ならではの奥行きが感じられる点や流通数が限られている点などから、高い価値がつくでしょう。
竹内栖鳳の代表作

- ✔️ 斑猫
- ✔️ アレ夕立に
- ✔️ 絵になる最初
上記3つの作品は、竹内栖鳳の代表作として広く知られています。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
斑猫
- ✔️ 制作年:1924年
- ✔️ 所蔵:山種美術館
「斑猫」は、竹内栖鳳の代名詞として認識されている作品です。旅先で出会った猫をモチーフにしたといわれています。丁寧に写生し、しなやかな体や緑色の眼光、柔らかな毛並みが表現された逸品です。
あえて背景を描かず、シンプルな構図とすることで猫が際立ち、毛の一本一本にまで目がいく作品となっています。竹内栖鳳の写生力と観察眼が凝縮され、最高傑作と称されている絵画です。
アレ夕立に
- ✔️ 制作年:1909年
- ✔️ 所蔵:高島屋史料館
「アレ夕立に」は、舞妓が舞う瞬間の美を表現したといわれています。清元の舞踊「月花茲友鳥」の「あれ夕立にぬれしのぶ」からとられたとされ、現在では高島屋史料館でとくに人気の作品です。
制作にあたり高島屋が着物や帯を提供しましたが、どの帯も栖鳳の考えにあわず、自ら水墨柄の帯を創作して描いたというエピソードは、竹内栖鳳が作品へ向ける情熱がうかがえます。
絵になる最初
- ✔️ 制作年:1913年
- ✔️ 所蔵:京都市美術館
「絵になる最初」は、着衣を脱ぐ女性が恥じらいを見せる表情に画想を得たものです。人物画としては斬新なモチーフである点や、表情や仕草など細かく表現された情緒が高く評価され、2016年には重要文化財に指定されました。
動物画の認知度が高い竹内栖鳳ですが、大正時代の初期には人物画でも人気を博しています。
竹内栖鳳の作品は福ちゃんがお買取いたします

竹内栖鳳の作品を買取に出す際は、ぜひ福ちゃんにお任せください。
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まとめ
竹内栖鳳は日本美術界に革新をもたらした戦前を代表する日本画家です。
動物を描くことを得意とし、躍動感を覚える絵が世界中で高い評価を得ています。
日本美術界で確固たる地位を築いた画家であることから、動物以外にも高い価値がつく作品が多く、作品の需要は高い傾向にあるでしょう。
代表作は最高傑作といわれている「斑猫」に加え、人物画である「アレ夕立に」や「絵になる最初」などがあります。
福ちゃんは、竹内栖鳳の作品をはじめ、日本画に関してプロの知見を持つ査定士が在籍しているため、適正な価格でのお取引が可能です。
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