• 骨董
  • 2025.05.02

信楽焼の買取相場はどのように決まる?高く売るポイントや贋作の見分け方

信楽焼の陶器をお持ちでしょうか。信楽焼とは、滋賀県甲賀市信楽町を中心に、古くから生産されている陶器のことです。

信楽焼って高く買い取ってもらえる?
サインがない信楽焼でも売れるの?
など、ご自宅に眠っている信楽焼の売り方にお困りの方も多いでしょう。

当記事では、信楽焼の買取相場に加えて、信楽焼の贋作の見分け方信楽焼を高く売るポイントについて解説いたします。

信楽焼とはどのような陶器?

信楽焼とはどのような陶器?

信楽焼といえば、多くの方がユーモラスな「狸の置物」を思い浮かべるかもしれません。確かに、信楽焼の狸は縁起物とされ、商売繁盛や家内安全を願い、今も多くの店先やご家庭に飾られています。

しかし、信楽焼の魅力は狸の置物だけにとどまりません。

日常を豊かにする茶器や食器、空間を彩る花器や壺など、その用途は多岐にわたります。実用性と高い芸術性を兼ね備えた信楽焼は、私たちの暮らしに深く根付いているのです。

ここからは、信楽焼の種類や魅力の秘密に迫ります。

信楽焼とは

信楽焼は、滋賀県信楽町で生まれた陶器で、鎌倉時代中期(13世紀頃)に歴史の幕を開けました。日本六古窯(にほんろっこよう)の1つにも数えられ、長きにわたり、その伝統技術は途絶えることなく受け継がれてきました。

信楽の地は、琵琶湖の湖底であった古琵琶湖層から採れる、粘り気が強く耐火性に優れた良質な陶土に恵まれているのが特徴です。茶道具や建築用タイルなど、小さな雑貨から巨大な芸術作品まで、多種多様なやきものが生み出されてきました。

信楽焼は力強い美しさをもちながら、その親しみやすいデザインで長く愛され続けているのです。

昭和50年(1975年)には、国より伝統工芸品としての指定を受け、信楽は「陶器の町」として、全国に広く知れ渡ることとなりました。

信楽焼の魅力

信楽焼の最大の魅力は、なんといってもその「土味(つちあじ)」と「焼成(しょうせい)」によって生まれる、自然のままの力強い美しさです。

信楽焼は、自然な釉薬や鉄分を多く含んだ土を使用しているため、深みのある色合いが特徴的です。信楽焼は耐久性が高く、日常的に使える実用性をもち合わせているため、茶器や食器としても重宝されています。

また、信楽焼は土の風合いを生かし釉薬を使わずに焼き上げることで、ほのかに赤く発色する「火色・緋色(ひいろ)」など、土と火が生み出す美しさが人気です。

使い込むほどに土肌がしっとりと手に馴染み、色合いに深みが増していく「経年変化」もまた、信楽焼を長く愛用する楽しみの1つ。

その温もりある質感と、日々の暮らしに寄り添う実用性が、多くの人々を魅了し続けているのです。

信楽焼の種類は豊富

信楽焼には土や焼き方など、いくつかの種類があります。代表的なものは「素焼き」で、釉薬を使わずに自然の土の色を生かした素朴な仕上がりです。

また、「釉薬焼き」では、釉薬を使って色合いを変えたものが多く、透明感や光沢が特徴です。

さらに、「赤土焼き」や「黒土焼き」など、土の種類によっても仕上がりが異なります。それらの素材で作られた信楽焼は、茶碗や花器など個性感じるインテリアとしても人気があります。

古信楽も希少性の高さから人気

信楽焼の中でも、とくに骨董的価値が高いとされているのが「古信楽(こしがらき)」です。

「古信楽」は、主に鎌倉時代から室町時代(13世紀〜16世紀頃)にかけて、現在の信楽町で焼かれていた壺や器などの雑器類を指します。

なぜ、古信楽は希少性が高く、人々を魅了し続けるのでしょうか。

その理由は、まず第一に圧倒的な歴史的価値にあります。数百年という長い年月を経てきた古信楽は、当時の人々の生活様式や美意識に加え、その時代の空気感までも静かに物語る、貴重な歴史的資料といえるでしょう。

次に、現代では再現困難な製造技術と素朴な美しさが挙げられます。古信楽が作られた時代には、現代のような精密な機械や温度管理技術はありませんでした。そのような古代の技術や独特のスタイルは、現代の技術で完全に再現することは極めて困難とされ、独自の魅力をもっています。

さらに、現存数の少なさも希少性を高める大きな要因です。

長い歴史の中で、戦乱・火災・地震といった自然災害、あるいは単に時代の流れの中で破損・廃棄されるなどして、現存する古信楽の数は非常に限られています。とくに、完品に近い状態で見つかるものは稀であり、その希少価値は計り知れないのです。

古信楽の魅力は、単に「古い」だけではありません。

長い年月を経てなお失われない力強い造形美、土と炎が織りなした偶然の景色と歴史のロマン。これらすべてが融合し、古信楽ならではの深遠なる魅力を形作っているのです。

信楽焼の買取相場はどのように決まる?

信楽焼の買取相場はどのように決まる?

信楽焼に限らず陶器の買取において、「買取相場」を定めることは困難です。なぜなら、陶器に使われる素材には決まった価値がなく、作品も一点物が多いことから定価が決められないためです。

そのため、信楽焼を含む陶器の買取相場は市場や業者によって幅広く設定されています。

ここからは、信楽焼の買取相場の決まり方について解説いたします。

信楽焼の買取相場の決まり方

信楽焼の中には、数十万円から数百万円で取引されるものもあります。しかし、保管状態はもちろん、作家や作品によっても相場が異なります。

また、買取に出した時期の需要や依頼する業者によっても金額が変動するため、上記の金額は目安程度でご参考にしてください。

信楽焼が高額買取されやすい理由

信楽焼は、職人が一つひとつ作り上げる一点ものが多く、量産が難しいことから高額取引される傾向にあります

信楽焼が高価買取されやすい理由の1つとして、長く続く歴史的価値も挙げられます。また、親しみやすく温かみあるデザインは、現代においても人気があり、コレクターにも高く評価されているのです。

さらに、作品によってはアートとして価値をもつものも多く、作家による独自のデザインや希少性が高額取引を生み出します。

もしかしたら、自宅にある信楽焼も高く売れるかも?

と思われたなら、まずは一度、福ちゃんによる無料査定を受けてみませんか?

専門知識の高い査定士が、信楽焼本来の価値を見極めますので、ぜひお気軽にご相談ください。

無料でご相談・
ご依頼はこちら

受付時間 9:00~20:00
(年中無休※年末年始は除く)

買取で高値がつきやすい信楽焼の特徴

買取で高値がつきやすい信楽焼の特徴

信楽焼の買取金額は、作風や年代などいくつかの要因によって決まります。

ここからは、信楽焼の査定において重要な下記のポイント3つをご紹介します。

✔︎ 有名作家が手掛けた作品
✔︎ 付属品がそろっている
✔︎ 保存状態が良い

お持ちの信楽焼を買取に出そうとお考えの方は、業者に依頼する前にチェックしておきましょう。

有名作家が手掛けた作品

信楽焼は、作家の名前やその作風が買取金額に大きく影響します。とくに著名な作家や評価の高い作家による作品は、相場が高くなる傾向があります。

作家がもつ評価や人気、過去の展示歴や受賞歴などが価格に反映されるのです。

信楽焼で有名作家は、以下の人物が挙げられます。

・上田 直方(うえだ なおかた)
・古谷 道生(ふるたに みちお)
・辻 清明(つじ せいめい)

また、有名作家の作品は、生産量が限られるため大量生産が難しく、その希少性が価値を高めます。とくに限定品や作家の代表作となると、その希少性が価格を大きく押し上げるのです。

付属品がそろっている

信楽焼の買取には、付属品の有無も重要です。

信楽焼の作品には、主に茶道具や花器、置物などがあり、それに付随する付属品もいくつか存在します。

とくに、有名作家が手掛けた陶器作品は、木製の共箱に入っています。共箱には作品名や作家名が記載されていることが多く、それによって作家本人の作品であることが証明できるのです。

また、コレクターにとっても共箱の有無は重要であるため、付属品がある場合は一緒に査定へ出しましょう。

保存状態が良い

信楽焼を含む陶器の買取には、作品の保存状態によって価格が大きく左右されます。どれだけ有名な作家の作品であっても、割れやすり傷が見られるとそのぶん価値は下がります。

長期保存の際に色褪せや変色が少ないことも大切です。とくに、絵付けや釉薬が施されている場合、その色や光沢が保たれていると高く評価されます。

また、購入時の保管方法や保管環境も査定結果に関係するため、可能であればその情報も一緒に提供することをオススメします。

信楽焼の価値や贋作を見分ける方法

信楽焼の価値や贋作を見分ける方法

現在でもコレクターや市場で人気のある信楽焼は、贋作も多く存在しているといわれています。信楽焼の贋作が多い理由として、高い需要や真贋の見分けが困難であることが挙げられます。

お持ちの作品が本物かどうかを見極めるためにも、贋作の見分け方について知識を深めましょう。ここからは、信楽焼の価値や贋作を見分ける方法をご紹介します。

作家のサイン

本物の信楽焼には、作家名や工房名が底面に入っていることがあります。しかし、作家のサインや印は、贋作が多く出回る中で、よく偽造される部分でもあるのです。

贋作の特徴として、サインや刻印が不自然であったり、簡略すぎるたりなどが挙げられます。また、サインが曖昧など、偽造されている場合もあるのです。

作家のサインには特定の書き方や字体、サインの位置など、作家独自の特徴が見られるため、贋作を見分ける際は必ずチェックしましょう。

素材

信楽焼は、ザラザラとした質感が特徴的で、素朴で温かみのある味わいを感じられます。信楽焼に使用される土は鉄分が多く、焼成中に赤みがかった色合いが現れます。

また、一つひとつが手作りのため、作品に微妙な形の不揃いが見られるのです。

一方、贋作の場合は表面が滑らかすぎたり、焼き物特有の質感が失われていることも。また、陶器の表面に不自然な処理が施され、人工的な色味が出ている場合もあります。

年代ものかどうか

信楽焼を含む陶器の価格は、一般的に古いものの方が高くなる傾向があります。理由の1つとして、経年による風合いの変化が挙げられます。

とくに長い年月を経た陶器は、その風合いや質感がほかの陶器とは異なるため、価値が高くなるのです。

また、信楽焼は時間が経つにつれて釉薬の表面が変化し、色や質感に深みが増します。そして、その当時の技術やデザインを反映していることも、歴史的な価値として評価されるのです。

信楽焼を少しでも高く買い取ってもらうポイント

信楽焼を少しでも高く買い取ってもらうポイント

信楽焼の買取価格を決める要素として、保存状態が良く割れやすり傷が少ないことが重要です。しかし、傷を修繕しようと作品に手を加えてしまうと、かえって価値を下げてしまう可能性も。

ここからは、信楽焼を少しでも高く買い取ってもらうポイント3つについて解説いたします。

✔︎ 修繕しない
✔︎ 洗浄しない
✔︎ 付属品とともに買取に出す

修繕しない

信楽焼は、作家が一つひとつ手作業で生み出す、世界に2つとない作品です。そのため、たとえ小さな欠けや傷であっても、安易な修繕や補修を施してしまうと、その作品本来のオリジナリティや風合いが失われ「価値が大きく下がる」可能性が高まります。

とくに、陶器や骨董品の専門的な修繕技術や知識がない方が手を加えると、かえって傷跡が目立ってしまったり、見た目に「不自然な仕上がり」になったりすることが少なくありません。

結果として、本来よりも大幅に低い価格での買取となる可能性が非常に高いため、なにもせずそのままの状態で査定に出すことを強くオススメします。

洗浄しない

信楽焼は、時間とともに変化する色味や質感が魅力とされています。とくに年代ものは、経年変化により、釉薬の表面にヒビが入ったり、色に深みが出たりするのです。

これらの状態で洗浄を行うと、割れやヒビを悪化させてしまったり、経年による風合いを損なったりする可能性があります。

さらに、洗浄によって表面の汚れや使用感を取りすぎてしまい、陶器本来の歴史的価値や使用感が失われることになるのです。

付属品とともに買取に出す

信楽焼の買取価格は、付属品の有無によっても大きく異なります。付属品は、作品が入れられた木製の共箱や、真贋が確認できる証明書などです。

共箱や証明書がそろっていることで、その作品が作家による本物であることが証明され、信頼性が高くなるのです。

さらに、作家の直筆サイン入りの説明書、特別にデザインされた共箱などは、作品にさらなる付加価値を与えるため高価買取が期待できるでしょう。

無料でご相談・
ご依頼はこちら

受付時間 9:00~20:00
(年中無休※年末年始は除く)

信楽焼以外にもある!知っておきたい高価買取されやすい陶器の特徴

信楽焼以外にもある!知っておきたい高価買取されやすい陶器の特徴

陶器はその美しさや歴史的価値から、多くの人々に愛されてきました。陶器の中には、高値で取引されるものもあれば、そうでないものもあります。

ここからは、高価買取が期待できる陶器について解説いたします。これらを知っておけば、信楽焼以外にもあなたの大切な陶器が予想以上の価値をもつことに気づけるでしょう。

需要が高い有名作家一覧

信楽焼のほかにも、陶器で有名な作家は以下の人物が挙げられます。

・荒川豊蔵(あらかわほうぞう):備前焼の作家
・加藤唐九郎(かとうとうくろう):備前焼の作家
・河井寛次郎(かわいかんじろう):京焼の作家

上記の人物以外にも、九谷焼き作家の「藤原啓(ふじわらけい)」や、近現代陶芸家の最高峰といわれている「板谷波山(いたやはざん)」などが挙げられます。

作者不明でも高額査定に期待できる有名産地一覧

陶器の高価買取には、作家のほかに産地も大きく影響します。

以下は、日本国内でとくに有名な陶器産地です。

・備前焼:岡山県備前市
・伊賀焼:三重県伊賀市

・瀬戸焼:愛知県瀬戸市

ほかにも、上品な色合いと繊細なデザインが人気な「京焼(京都府)」や、色絵や華やかなデザインが特徴的な「九谷焼(石川県)」などが挙げられます。

評価されやすい陶器の素材

陶器は焼成温度が低く、少し粗い質感とその温かみのある風合いが魅力とされています。

とくに、日本の陶器は地域特有の土や製造方法が異なるため、「備前焼」や「信楽焼」など地域ごとの特徴が評価される傾向にあります。

観光客に人気が高い中国・朝鮮骨董

中国の青花磁器や朝鮮の白磁、伝統的な漆器や絵画などは、その繊細さや精巧さで評価されています。

とくに白磁は、「雪のよう」とたとえられるほど白く滑らかな手触りが特徴です。また、時代によって異なる装飾や高貴な見た目が相まって、多くの人々が魅了されています。

信楽焼の買取は福ちゃんにご相談ください

信楽焼の買取は福ちゃんにご相談ください

信楽焼は、伝統的な技法と独特の風合いが特徴の陶器であり、作られた時代や作者、焼き方によって価値が大きく異なります。

陶器の専門知識がない業者に依頼すると、信楽焼の細かい特徴を見落とされてしまうケースも少なくありません。陶磁器全般に精通した専門業者に依頼することで、信楽焼本来の価値にたどり着くことが可能です。

買取福ちゃん」は、信楽焼を含む陶器の買取実績が豊富です。

また、信楽焼の市場における需要と供給は常に変動しており、その動向を正確に把握していることが、高価買取の鍵となります。

福ちゃんには、信楽焼の市場動向を把握した査定士が在籍しており、最新の相場を反映した、お客様にご納得いただける買取価格をご提示できるよう努めております。

「作家のサインが見当たらない」「状態が良くない」とお悩みの方も、ぜひ一度、福ちゃんにご相談ください

無料でご相談・
ご依頼はこちら

受付時間 9:00~20:00
(年中無休※年末年始は除く)

まとめ

素朴で温かみのある風合いが魅力の信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町を中心に生産されている伝統工芸品です。狸の置物以外にも、茶器や花器、酒器など、暮らしの中で幅広く愛用されています。

信楽焼を含む陶器の買取相場は、一点物の作品が多いことから定価を決めるのは困難とされています。信楽焼の価値は、陶土の質や作家の技術、保管状態や市場の需要など、さまざまな要因が複雑に絡み合って決まるのです。

陶器の専門知識がない買取業者に依頼すると、作品本来の価値が見落とされてしまうケースも少なくありません。だからこそ、大切な信楽焼の買取は、信頼できる業者にお任せいただくことが重要です。

骨董品買取の「福ちゃん」では、信楽焼を含む幅広い陶器の買取を行っております。

信楽焼につきましても、専門の査定士が最新の市場動向などを踏まえた上でお品物を拝見し、お客様にご納得いただける買取価格をご提示いたします。

信楽焼の買取なら、安心して福ちゃんにお任せください。

骨董の高価買取骨董の高価買取