• 古銭/記念硬貨
  • 2017.02.10

丁銀の価値はどうやって決まる?慶長から安政までの特徴と古銭買取ポイント

丁銀」は、江戸時代に流通した銀貨の1種です。現代のお金と違い、重さによって価値が決まる「秤量貨幣」という特徴を持っています。

そのため、一つひとつの形や重さが異なり、独特の風情を醸し出している古銭です。この丁銀の価値は銀の重さだけで決まるわけではありません。

発行された時代や、銀の含有率によってその価値は大きく変動します。なかには、驚くほどの高値で取引される種類も。

この記事では、丁銀の基礎知識から主要な種類別の価値、そしてお持ちの丁銀を買取へ出す際のポイントまで詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。

丁銀とは?江戸時代を支えた特徴的な銀貨

丁銀の価値はどうやって決まる?慶長から安政までの特徴と古銭買取ポイント

丁銀は、江戸時代の日本で広く使われた銀貨です。とくに商人たちの間の高額な取引で重宝され、当時の経済活動に欠かせない存在でした。

現代の硬貨とは大きく異なる、丁銀ならではの特徴を見ていきましょう。

重さで価値が決まる「秤量貨幣」

丁銀の最も大きな特徴は、重さそのものが価値となる「秤量貨幣」である点です。

現在の硬貨のように「百円」などといった額面は刻まれていません。取引を行う際には、その都度天秤を使い、重さを量って価値を算定していました。

形状は、海鼠(なまこ)が這う姿に似ていることから「海鼠形」と呼ばれ、1つとして同じ形のものはありません。

表面には、品質を保証する証として、大黒天の図柄や「常是」「」といった文字が刻印。これを「極印(ごくいん)」と呼び、丁銀の種類を見分ける重要な手がかりにもなります。

なお、宝永期の丁銀には「常是」極印が打たれていません。

豆板銀との関係と実際の使われ方

丁銀は1つあたり約43匁(約160g)前後のものが多く、それだけで支払額の細かい重さを調整するのは困難でした。実物では、約120~180g程度の幅があるほどです。

そこで、補助的な貨幣として「豆板銀(まめいたぎん)」と呼ばれる小粒の銀貨が一緒に用いられました。

実際の支払いでは、丁銀を主軸とし、端数となる重さを豆板銀で補うことで、必要な金額を正確にやり取りしていたのです。

また、とくに高額な取引においては、毎回重さを量る手間を省く工夫もなされました。一定の量の丁銀と豆板銀を和紙で包んで封印した「包銀(ほうぎん)」という形式です。

これは両替商が品位と量目を保証したものであり、開封せずにそのままの形で通用したため、大きな商取引の円滑化に貢献しました。

江戸時代の経済における役割

江戸幕府は、江戸幕府は金貨・銀貨・銭貨を併行して発行し、金は額面で数える計数貨幣、銀は重さで通用する秤量貨幣、銭は計数貨幣として機能する体制を整えました。

これらは後世、一般に「三貨制度」と呼ばれます。

とくに、商業の中心地であった大坂(現在の大阪)を中心とする西日本では、銀貨が経済の主役でした。このことから「江戸の金遣い、上方の銀遣い」という言葉が生まれたほどです。

米の価格(米相場)をはじめとする様々な商品の価格が銀の重さを基準に決められており、丁銀は当時の日本経済を動かす重要な歯車だったといえるでしょう。

《種類別》価値がわかる丁銀一覧と買取相場の目安

丁銀の価値はどうやって決まる?慶長から安政までの特徴と古銭買取ポイント

丁銀の価値を左右する要素として重要なのは、いつの時代に作られたか、という点です。江戸時代の約260年間で、幕府の財政状況などに応じて様々な種類の丁銀が発行されました。

ここでは、主要な丁銀を年代順に取り上げ、それぞれの特徴と現在の買取市場における評価を解説します。

慶長丁銀(1601年~)

徳川家康が天下統一を果たした後、1601年(慶長6年)に初めて公式に発行した丁銀です。銀の含有率(品位)が約80%と非常に高く、品質の良さから古銭としての人気も高いのが特徴といえます。

表面には、縁起の良い大黒像と「常是」「」の文字が刻印されています。質の高さと歴史的な価値から、丁銀の中では高額での買取が期待できる種類のひとつです。

元禄丁銀(1695年~)

江戸中期の元禄時代、幕府が財政難を補う目的で発行した丁銀です。慶長丁銀から銀の含有率を約64%に引き下げて作られました。

この品位を下げて貨幣を改鋳する手法は、これ以降の貨幣政策に大きな影響を与えました。慶長丁銀と比較すると品位が劣るため、買取価格もそれに準じる傾向にあります。

宝永丁銀(1706年~)

宝永年間には「二ツ宝丁銀(1706年)」「三ツ宝丁銀(1710年)」、「永字丁銀(1710年)、「四ツ宝丁銀(1711年)」と短期間に品位が頻繁に変更されました。

✔ 二ツ宝丁銀(1706年:銀品位約50%)
✔ 三ツ宝丁銀(1710年:銀品位約32%)
✔ 永字丁銀(1710年:銀品位約40%)
✔ 四ツ宝丁銀(1711年:銀品位約20%)

これらはそれぞれ刻印されている「」の数で区別できます。種類によって価値が大きく異なるため、専門家による極印の正確な鑑定が重要です。

正徳丁銀(享保丁銀)(1714年~)

学者であり政治家でもあった新井白石の建議によって、宝永期の低品位な銀貨から品質を回復させる目的で発行されました。

銀品位は慶長丁銀と同水準の約80%に回復。1736年ごろまで扱われ、高品質な丁銀として知られています。

元文丁銀(1736年~)

八代将軍・徳川吉宗の時代、経済の活性化を目的として発行されました。

再び品位が約46%に引き下げられましたが、その後80年以上にわたって流通したため、現存数が非常に多いのが特徴です。

そのため、丁銀の中では比較的入手しやすく、価値も標準的な水準になることが多いでしょう。

文政丁銀(1820年~)

元文丁銀の発行から約80年ぶりに登場した新しい丁銀です。品位は元文丁銀よりもさらに低い約36%まで引き下げられました。

ポイントとしては、極印の「文」の文字が元文丁銀の楷書体とは異なり、流れるような草書体で打たれている点が挙げられます。

天保丁銀(1837年~)

幕末期に発行された丁銀で、品位は約26%とさらに低下しました。極印には「保」の文字が使われているのが特徴です。

銀の含有率が低いため、他の時代の丁銀と比較すると、古銭としての価値も低くなる傾向が見られます。

安政丁銀(1859年~)

安政丁銀は、江戸幕府が発行した最後の丁銀です。既存の銀目決済維持のため限定的に発行したとされます。

しかし、その品位は約13%と歴代で最も低く、質の悪い「悪貨」としての評価も。銀としての資産価値は低いですが、幕末という歴史的な背景から、収集家としての需要は存在します。

丁銀の価値は何で決まる?査定の重要ポイント

丁銀の価値はどうやって決まる?慶長から安政までの特徴と古銭買取ポイント

丁銀の価値は、「銀の塊」というだけでは決まりません。専門の査定士は、様々な要素を総合的に判断して価値を見極めます。

ここでは、どのような点が査定において重視されるのか、具体的なポイントを解説します。査定に出す前の参考にしてください。

ポイント1:種類と発行年代

価値を決定づける最も重要な要素は、これまで見てきたように「どの種類の丁銀か」という点です。

一般的に、銀の含有率(品位)が高い慶長丁銀や正徳丁銀は高価値となり、品位が低い天保丁銀や安政丁銀は価値も低くなる傾向があります。

加えて、発行数が少なく現存数が限られるものは、希少性からさらに評価が高まるでしょう。

ポイント2:極印の鮮明さと数

丁銀の表面に打たれた極印の状態は、査定額に大きく影響します。大黒像の表情や、「」「常是」といった文字が、摩耗せずにくっきりと鮮明に残っているものほど高く評価される傾向です。

また、丁銀には複数の極印が打たれていますが、その数が多いものや、配置のバランスが美しいものは「見栄えが良い」とされ、収集家からの人気が高まるため、価値が上がる要因となります。

ポイント3:保存状態(傷・汚れ・変形)

丁銀そのもののコンディションも査定における重要なポイントです。

たとえば、ひび割れや欠け、人為的に付けられた大きな傷、大きく曲がっているなどの変形があると、価値は下がってしまいます。

一方で、長年の時間の経過によって自然に生じた黒ずみ(銀の硫化によるもの)は、必ずしもマイナス評価にはなりません。

むしろ、歴史を物語る「古色」として、風合いが評価されるケースも。

お持ちの丁銀を高く売るためのコツ

丁銀の価値はどうやって決まる?慶長から安政までの特徴と古銭買取ポイント

価値ある丁銀も、その売り方を誤ると、本来の価値よりも低い価格で手放してしまうことになりかねません。

お持ちの丁銀の価値を最大限に引き出し、満足のいく売却を実現するために、知っておきたい3つのコツを紹介します。

無理に綺麗にしようとしない

丁銀が黒ずんでいたり汚れていたりすると、綺麗にしたくなるかもしれません。しかし、ご自身で磨いたり、薬品を使ったりして洗浄するのは絶対に避けてください。

古銭の価値には、経年変化によって生まれた古色や風合いも含まれています。

不用意に磨くと、表面に無数の傷をつけてしまったり、歴史的な価値を損ねたりする原因となり、査定額が大幅に下がってしまう危険性があります。

見つけたときの「現状のまま」で査定に出すことが、最も重要です。

鑑定書や付属品があれば一緒に査定へ

もし、丁銀に鑑定書が付属している場合は、必ず品物と一緒に査定に出しましょう。

専門機関が発行した鑑定書は、その丁銀が本物であることの強力な証明となり、査定士の信頼を高めます。結果として、査定額の向上に繋がることもあるのです。

また、丁銀が収められていた桐の箱や、古い包み紙といった付属品も大切です。

それらが作られた当時からのものである場合、付属品自体にも価値が認められ、全体の評価額を押し上げる可能性があります。

古銭の価値がわかる専門買取業者に依頼する

丁銀の価値を正確に判断するには、銀の品位や極印の種類、歴史的背景といった専門的な知識と、多くの品物を扱ってきた豊富な査定経験が不可欠です。

一般的なリサイクルショップや貴金属を扱うお店では、古銭としての付加価値が考慮されず、「銀の重さ」に基づく価格しか提示されない可能性も。

丁銀が持つ歴史的な価値や希少性を正しく評価してもらうためには、古銭の買取実績が豊富な専門の買取業者に依頼することが、適正価格で売却するためには確実な方法といえるでしょう。

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まとめ

この記事では、江戸時代に流通した丁銀の価値について解説しました。丁銀は、重さで価値が決まる歴史的にも興味深い銀貨です。

その価値は、銀の品位が高い慶長丁銀や正徳丁銀から、幕末に発行された低品位な安政丁銀まで、種類や発行年代によって大きく異なります。

極印の鮮明さや保存状態なども査定額を左右する重要な要素であり、正確な価値を知るには専門家の目利きが欠かせません。

もし、ご自宅に価値がわからないまま眠っている丁銀がありましたら、弊社の無料査定を利用してみてはいかがでしょうか。

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