• 骨董品
  • 2025.06.22

シルクスクリーンの買取相場を徹底解説!値段が決まる基準と高価買取のコツ

昔購入したシルクスクリーン、売れるなら買い取ってほしいけど、価値がわからない……

アンディ・ウォーホルのような有名作品でなくても、その価値がつくのか、ご不安に思いではないでしょうか?

この記事では、シルクスクリーンの相場を決める「6つの査定基準」から「1円でも高く売るための具体的なコツ」まで、シルクスクリーン買取に関する知識を網羅的に解説します。

目次

シルクスクリーンとは?

シルクスクリーンとは?

まずはシルクスクリーンとは何か、定義や特徴を見てみましょう。

また、似た技法として挙げられるリトグラフとの違いについても解説いたします。

シルクスクリーンについて

シルクスクリーンとは、版にインクを通過させる孔(あな)を作り、そこからインクを押し出して印刷する「孔版(こうはん)印刷」の一種です。

日本の伝統的な染色技法である「型染め」をヒントに、生まれたといわれています。

一度の製版で多くの作品を刷れるため、アートがより身近なものとして広まるきっかけとなりました。

シルクスクリーンとリトグラフの違い

項目 シルクスクリーン リトグラフ
版の種類 孔版(こうはん)印刷 平版(へいはん)印刷
表現の特徴 ・色むらが少なく均一
・ポップで鮮やかな発色
・筆のタッチや滲みも再現可能
・繊細で多彩な表現力
インクの質感 厚く盛ることが可能で立体的 薄く均一で、紙に染み込む

シルクスクリーンとリトグラフは、主に「版の種類」とそれによって生まれる「表現」が異なります。

ポップで鮮やかな表現」や「インクの立体感」はシルクスクリーンならではの特徴で、作品の価値を左右する重要なポイントです。

シルクスクリーンの買取相場を左右する【6つの査定基準】

シルクスクリーンの価値を左右する【6つの査定基準】

シルクスクリーンの価値は、一体どのような基準で決まるのでしょうか。

プロの査定士は、主に以下の6つのポイントを総合的に見て、シルクスクリーンの買取価格を判断します。

ご自身の作品がどれに当てはまるか、一つひとつ確認してみましょう。

1. 作家(有名作家か)

最も大きく価格を左右するのが、誰の作品かという「作家のネームバリュー」です。

アンディ・ウォーホル」や「キース・ヘリング」、「草間彌生」や「村上隆」といった国内外の有名作家の作品は、需要が非常に高いため、高価買取が期待できます。

無名の作家や若手作家の作品でも、将来性が評価されて値段がつくことがあるものの、やはり市場での「人気」と「知名度」が、査定額を決定する重要な要素となります。

2. 作品のモチーフ・図柄(人気のある絵柄か)

同じ作家の作品でも、描かれている「モチーフ」や「図柄」によって人気が大きく変わり、査定額にも反映されます。

たとえば、アンディ・ウォーホルであれば、代表作の「マリリン・モンロー」や「キャンベル・スープ缶」が挙げられます。草間彌生であれば、「かぼちゃ」「水玉」といった、その作家を象徴する「代表的なモチーフ」はとくに人気が高く、高値で取引される傾向です。

逆に、実験的な作品や人気の低いモチーフの場合は、代表作に比べ、査定額が落ち着くことがあります。

3. エディションナンバー(限定部数はいくつか)

美術品としての価値を持つシルクスクリーンは、限定部数を刷って制作されます。

作品の余白に「15/100」のように書かれた分数がエディションナンバーで、この分母の数字(総制作枚数)が少ないほど希少価値が高まり、査定額も上がるのです。一般的に、総制作枚数が100部以下のものは希少とされます。 

また、限定番号の他に「A.P.(作家保存用)」や「H.C.(非売品)」といった、記号が入った作品もあります。これらは市場に出回る数が少ない希少なものですが、価値については、「通常のエディションナンバー入りの作品と同等」と評価されるのが一般的です。

4. 保存状態(シミ・退色・破損はないか)

美術品としての価値を保つ上で、作品のコンディションは「極めて重要」です。

とくに注意したいのが、日光や蛍光灯の紫外線による「退色(色褪せ)」と、湿気による「シミ」や「カビ」です。これらは一度発生すると修復が難しく、査定額が大きく下がる原因となります。そのほかにも、絵の破れやシートの折れ、傷なども減額の対象です。

購入後は、UVカット加工のアクリル板を使った額に入れるなど、保管方法に気を配ることが「作品価値の維持」につながります。

5. サインの有無(作家の直筆サインはあるか)

作品に作家本人の「直筆サイン」が入っているかどうかも、価値を大きく左右するポイントです。

サインは、その作品が「本物であることを証明」する重要な要素の1つであり、サインがあるだけで、買取価格が大きく上がるケースも少なくありません。

サインは版の中に刷り込まれた「版上サイン」ではなく、作品完成後にサインペンや鉛筆などで直接書かれた、「直筆サイン」であることが重要です。

6. 来歴(どこで購入・入手した作品か)

シルクスクリーンの買取における「来歴(らいれき)」とは、その作品がこれまで誰に所有され、どのような経緯で現在に至るかという履歴のことです。

来歴は、作品が本物であることを裏付ける、重要な証明になります。たとえば、有名デパートの画廊や信頼できる専門店での「購入証明書」、あるいは真贋を鑑定した「鑑定書」などがあれば、査定時の信頼性が格段に高まるのです。

来歴が不明な作品に比べ、こうした証明書が揃っている作品は、より高額な査定が期待できます。

シルクスクリーンの買取相場を作家別に解説

シルクスクリーンの買取相場を作家別に解説
作家買取相場
アンディ・ウォーホル
(Andy Warhol)
数百万円
キース・ヘリング
(Keith Haring)
数百万円
ヒロ・ヤマガタ
(Hiro Yamagata)
数万〜十数万円
クリスチャン・リース・ラッセン
(Christian Riese Lassen)
数万円
トーマス・マックナイト
(Thomas McKnight)
数千〜数十万円
草間彌生
(Yayoi Kusama)
数百万円
村上隆
(Takashi Murakami)
数十万円
平山郁夫
(Ikuo Hirayama)
数十万円
東郷青児
(Seiji Togo)
数万円
笹倉鉄平
(Teppei Sasakura)
数十万円
鈴木英人
(Eizin Suzuki)
10万円前後
オノサトトシノブ
(Toshinobu Onosato)
数千〜数万円

シルクスクリーン作品で名が挙がる作家と買取相場をまとめました。それぞれ詳しく解説いたします。

また、リストに名前が挙がった作家はほんの一部です。リストにない作家の作品でも思わぬ価値がつく可能性は十分にあるため「作家がわからない」などであっても買取業者などで査定してもらいましょう。

アンディ・ウォーホル(Andy Warhol):数百万円

ポップアートの帝王として、絶大な知名度を誇ります。

マリリン・モンロー」や「キャンベル・スープ缶」といった大衆的なモチーフを、カラフルなシルクスクリーンで表現。独自の世界観でアートの歴史を変えました。

彼の作品は版画であっても極めて価値が高く、世界中のコレクターが探し求める、まさに王道の高価買取作家です。

キース・ヘリング(Keith Haring):数百万円

1980年代のニューヨーク・ストリートアートを代表する伝説的なアーティスト。

シンプルかつ、リズミカルな線で描かれる人や動物のモチーフは、誰の目にも瞬時に彼の作品とわかるほど象徴的です。

愛や平和といった普遍的なメッセージで、没後も世界中で絶大な人気を誇ります。

ヒロ・ヤマガタ(Hiro Yamagata):数万〜十数万円

アメリカを拠点に活動し、世界的な評価を受ける日本人作家です。

ヤマガタブルー」と称される鮮烈な青の表現や、100色以上もの色を巧みに使い分ける、カラフルで緻密な作風が特徴。

世界各地の風景やお祭りを描いた、幸福感あふれる作品は広く愛されています。

ヒロ・ヤマガタについて詳しくはこちら↓
ヒロ・ヤマガタの5大作品とは?買取価格やその他の作品における価値などを解説

クリスチャン・リース・ラッセン(Christian Riese Lassen):数万円

イルカやクジラが戯れる幻想的な海の世界を描く、マリンアートの第一人者です。

1990年代の日本で一大ブームを巻き起こし、その名は広く知られています。

光と色彩が織りなす、生命力に満ちた海の風景は、今なお根強い人気を誇ります。

トーマス・マックナイト(Thomas McKnight):数千〜数十万円

鮮やかな色彩で、世界中の都市やリゾート地の風景を描くアメリカの画家です。

誰もが憧れるような理想の風景を、洗練された構図と色使いで表現します。

その心安らぐ独特の世界観は、インテリアアートとしても高く評価されています。

草間彌生(Yayoi Kusama):数百万円

日本を代表する、前衛芸術家(ぜんえいげいじゅつか)であり、世界で最も影響力のあるアーティストの一人です。

彼女の代名詞でもある「かぼちゃ」や「水玉」をモチーフにした作品は、国内外で絶大な人気を誇り、常に高値で取引されています。

村上隆(Takashi Murakami):数十万円

日本のサブカルチャーと伝統美術を融合させた「スーパーフラット」論で、世界のアートシーンに衝撃を与えた現代アーティストです。

カラフルな「お花」や「DOB君」といった、アイコニックなモチーフは版画作品でも非常に人気が高く、高価買取が期待できます。

村上隆について詳しくはこちら↓
村上隆×ドラえもん!夢のコラボ作品「藤子・F・不二雄先生とタイムマシンで何処までも!」の買取実例

平山郁夫(Ikuo Hirayama):数十万円

日本画の大家であり、文化勲章も受章した国民的画家です。

自身の被爆体験から、平和への強い祈りを込めて、壮大なシルクロードの風景や仏教をテーマにした作品を数多く残しました。

その気高い精神性に満ちた作品は、深く尊敬されています。

平山郁夫について詳しくはこちら↓
「平山郁夫」作品の買取価格は?代表作や高額買取されやすい作品などを紹介

東郷青児(Seiji Togo):数万円

青児美人」と呼ばれる優美で独特な曲線美を持つ「女性像」で一世を風靡した洋画家です。

夢見るような甘い雰囲気と、洗練されたデザイン性は、時代を超えて多くの人々を魅了し続けています。

東郷青児について詳しくはこちら↓
東郷青児(とうごうせいじ)の美人画やアーティストとしての経歴などを詳しく解説

笹倉鉄平(Teppei Sasakura):数十万円

光の情景画家」と称され、ヨーロッパの街並みを中心とした、穏やかな風景画で知られます。

柔らかな光と色彩が織りなすロマンティックな作風は、幅広い層から支持されており、多くのファンに親しまれています。

鈴木英人(Eizin Suzuki):10万円前後

1980年代の日本の「シティポップカルチャー」を象徴する、著名なイラストレーターです。

アメリカ西海岸を思わせる、清々しい海辺の風景やクラシックカーを、明快な色彩とクリーンな線で描きます。

山下達郎のレコードジャケットや、FMステーション誌のカバーデザインのイラストなどを描いたことでも知られ、その作風は1つの時代を築きました。

鈴木英人について詳しくはこちら↓
鈴木英人氏の作品『SO MANY STARS』を福ちゃんが買取!査定額◯万円の理由とは?

オノサトトシノブ(Toshinobu Onosato):数千〜数万円

日本における抽象画の先駆者の一人として、国際的にも高く評価されている作家です。

円(丸)をモチーフにした、幾何学的な構成の作品を生涯にわたって追求しました。その理知的で宇宙的な広がりを感じさせる作風は、国内外に熱心なコレクターを持っています。

1円でも高く売るには?シルクスクリーン高価買取のコツ

1円でも高く売るには?シルクスクリーン高価買取のコツ

査定基準がわかったところで、次にご自身のシルクスクリーンを「1円でも高く売る」ための具体的なコツをご紹介します。

少しの手間や知識が、査定額に大きく影響することもあります。次にご紹介する5つのポイントを、ぜひ参考にしてください。

1. 鑑定書や購入時の付属品をすべて揃える

作品の価値を証明する上で、付属品は非常に重要な役割を果たします。

査定に出される前には、以下のものが揃っているか、もれなく確認しましょう。

鑑定書 / 保証書
作品が本物であることを証明する「最も重要な書類」です。これがあるだけで、作品の信頼度が格段に上がり、高額査定に直結します。

額・黄袋(きぶくろ)・差し箱
購入時に作品が入っていた額や箱も、作品の一部と見なされます。とくに作家オリジナルの額はそれ自体に価値があるため、捨てずに必ず一緒に査定に出してください。

購入時の領収書や個展のパンフレットなど
いつ、どこで、誰が購入したかという「来歴」を証明する材料になります。これらも作品の信頼性を高める、プラス査定の要素の1つです。

上記でご紹介した付属品は、作品の価値を示す「身分証明書」のようなものです。

できる限りすべて揃えて、万全の状態で査定に臨みましょう。

2. 無理に修復せず、綺麗な状態で保管する

作品のコンディションは査定額を大きく左右しますが、ご自身で無理に綺麗にしようとするのは、控えるようにしてください。

シミや汚れを自分で拭かない
専門的な知識や道具がないまま対処されると、かえって汚れが広がったり、絵の具が剥がれたりする危険があります。

破れをテープで貼らない
テープの粘着剤が化学変化を起こし、修復不可能なダメージになることがあります。

査定士は、経年劣化もある程度は考慮して査定します。

現状以上に悪化させないことが、なにより重要です。

直射日光と湿気を避け、風通しの良い場所で保管することを心がけ、査定には「そのままの状態」で持ち込みましょう。

3. 美術品専門の買取業者に依頼する

シルクスクリーンの買取は、リサイクルショップや質屋ではなく、必ず「美術品(骨董品)専門」の買取業者に依頼するようにください。

理由は、査定士の専門知識と販売ルートが「まったく違う」からです。

専門知識
専門業者の査定士は、作家の経歴・モチーフの人気度・市場の動向といった、深い知識を持っています。作品の真の価値を正しく判断できるため、安く買い叩かれるリスクを抑えられます。

販売ルート
専門業者は、国内外のオークションやコレクターといった、作品を最も高く売れる独自の販路を持っています。高く売れる見込みがあるからこそ、高い買取価格を提示できるのです。

価値ある作品を正しく評価してもらうために、業者選びは最も重要なポイントといえます。

4. 複数の業者に査定を依頼して比較する(相見積もり)

優良な専門業者を1つ見つけたとしても、即決してしまうのは早計かもしれません。より高く売るためには、2~3社の専門業者に査定を依頼し、見積もりを比較する「相見積もり」が非常に有効です。

業者によって、「得意な作家」や「買取強化中の作品」が異なるため、同じ作品でも査定額に差が出ることが、実はよくあります。

複数の見積もりを取ることで、お手持ちの作品の「最高額」がいくらなのかを、客観的に知ることが可能です。手間はかかりますが、このひと手間で買取価格が数万円変わることも珍しくありません。

5. 売ると決めたら、なるべく早めに査定に出す

「いつか売ろう」と考えているうちに、作品の価値が下がってしまう可能性もあります。

シルクスクリーンの売却を決心されたのであれば、なるべく早く行動に移されることをオススメします。

経年劣化の進行
どれほどに大切に保管されていたとしても、紙やインクの劣化は少しずつ進行します。コンディションが良いうちに売るのが得策です。

市場トレンドの変化
アート市場の流行や、作家の人気のピークは常に変動しています。人気の絶頂期を逃すと、相場が下がってしまうことも考えられます。

もちろん、焦ってお売りになる必要はございません。

しかし、ご自身の気持ちが固まったときが、「最も良い売りどき」といえるでしょう。

シルクスクリーンの買取なら【福ちゃん】にお任せください!

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ここまでシルクスクリーンの価値や、高く売るためのコツをご紹介してきましたが、「じゃあ、具体的にどこへ依頼すればいいの?」と、思いではないでしょうか。

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まとめ

当記事では、お手持ちのシルクスクリーンの価値を正しく見極め、自信を持って買取に臨むためのポイントを解説しました。

作品の価値は主に「1.作家名」「2.モチーフ」「3.エディションナンバー」「4.保存状態」「5.直筆サイン」「6.来歴」という6つのポイントで決まります。有名作家の人気作品であれば、数十万円以上の価値がつくことも珍しくはありません。

そのような、シルクスクリーンの価値を最大限に引き出すためには「専門知識が豊富な買取業者」に査定を依頼することが、必要不可欠です。

福ちゃんには、シルクスクリーンの専門知識と買取経験を豊富に持つ査定士が、多数在籍しております。

当記事で得た知識を活かして、所有されているシルクスクリーンの「真の価値」について一度、お確かめになってみてはいかがでしょうか。

⚠︎CAUTION!
当記事でご紹介している買取価格はあくまでも目安です。実際の買取価格は保管状態や市場の需給バランスなど、さまざまな要因で変動します。詳細は買取業者にご確認ください。

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