• 金/貴金属
  • 2026.05.29

金の埋蔵量で日本は世界何位?国内の金鉱山と注目の新供給技術を解説

【記事のポイント】

  • ✅金の埋蔵量は約15年で枯渇するといわれており、資産価値は上昇傾向にある
  • ✅金の埋蔵量の世界ランキング1位はオーストラリア
  • ✅日本の金の埋蔵量は、都市鉱山など新たな供給源に期待できる

「日本は実は金の大国だった」と聞くと、意外に思われる方も多いのではないでしょうか。日本は現在も、都市鉱山を含めると世界有数の金保有国であることをご存じですか。一方で、今のペースで採掘が進めばわずか15年ほどで世界の金は枯渇するともいわれています。

この記事では、国別の金埋蔵量ランキングや日本の金鉱山の現状、さらに現在注目されている新しい金の供給方法について解説します。

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金の埋蔵量は減少傾向?

金の延べ棒とルーペが、金とプラチナの価格推移グラフの上に置かれている様子

金の埋蔵量は無限ではありません。世界全体で採掘可能な金は年々減り続けており、日本も例外ではないといわれています。では、地球にはどれくらいの金が残されているのでしょうか。

ここでは、世界と日本の金の埋蔵量の現状や枯渇リスクが及ぼす影響、金以外に注目すべき希少金属の動向について解説します。

金の埋蔵量とこれまでの採掘量

人類がこれまでに掘り出してきた金の総量は、およそ17万トン〜19万トンと推定されています。

アメリカ地質調査所(USGS)の2024年データによると、経済的に採掘可能な金の埋蔵量は約5万9,000トンです。直近の年間採掘量は約3,000トン~4,000トン規模で推移しており、単純に割り算をすると残り約15年〜16年で枯渇してしまう計算になります。

もちろん、新たな鉱脈の発見や採掘技術の進歩によって埋蔵量の数字は変動しますが、金が有限の資源であるという事実は変わりません。こうした供給面の制約は、日本を含む各国の金の埋蔵量や今後の価格動向にも深く関わってきます。

金の枯渇で資産価値が高まる可能性

金の需要は世界的に拡大し続けています。供給量が限られる中、宝飾品や工業用途に加え、2022年以降、世界の複数の中央銀行が金の保有量を大幅に増やしています。

こうした需要増に対し、前述の通り金の埋蔵量は約15年〜16年分しか残されていません。供給が先細る一方で買い手が増えれば、希少性は一層高まります。

リサイクルや新技術による供給補填の可能性はあるものの、金は人工的にほぼ生成できない資源であり、需給バランスが崩れるほど価格の上昇圧力は強まると予測されます。

プラチナなど他の希少金属にも注目

希少な貴金属は金だけではありません。プラチナもまた、投資などを目的とした需要が高いといわれている貴金属です。

プラチナの世界的な埋蔵量は約1万6,000トンと見積もられており、金の約5万9,000トンと比べると3分の1以下にすぎません。

しかも産出地が南アフリカに集中しており、国の政情や労働問題が供給量を左右しやすいという構造的なリスクを抱えています。

また、用途面でも、プラチナは自動車の排ガス浄化触媒や燃料電池車(FCV)の電極材料など、産業分野での需要が大きい点が特徴です。

日本の金埋蔵量は世界で何位?

古地図の上に置かれた金貨や懐中時計、羽根ペン

金の埋蔵量で日本は世界ランキングのどの位置にいるのでしょうか。天然の金鉱脈だけを見ると意外な結果に感じるかもしれませんが、都市鉱山まで視野を広げると評価は大きく変わります。

ここからは、USGSのデータをもとにした国別の埋蔵量ランキングと、実際の年間産出量ランキングを紹介します。

金の埋蔵量ランキング

アメリカ地質調査所(USGS)の最新データによると、金の埋蔵量世界1位はオーストラリアで約12,000トンです。2位はロシアで約11,100トン、3位には南アフリカの約5,000トンが続きます。

以下、アメリカと中国がそれぞれ約3,000トン、インドネシア約2,600トン、ブラジル約2,400トン、カナダとペルーが各約2,300トン、ウズベキスタン約1,800トンと並びます。

一方、日本の天然の金鉱脈はごくわずかで、このランキングには登場しません。しかし、廃棄された電子機器などに含まれる「都市鉱山」には約7,000トン近い金が眠っていると推定されています。

順位国名埋蔵量(トン)
1オーストラリア約1万2,000
2ロシア約1万1,100
3南アフリカ約5,000
4アメリカ約3,000
中国約3,000
6インドネシア約2,600
7ブラジル約2,400
8カナダ約2,300
ペルー約2,300
10ウズベキスタン約1,800

金の産出量ランキング

埋蔵量に続いて、実際にどれだけの金が掘り出されているかを見てみましょう。

2023年の年間産出量では、中国が約370トンで首位を維持し、オーストラリアとロシアがそれぞれ約310トンで続きます。

4位以降は、カナダ約200トン、アメリカ約170トン、カザフスタン約130トンと並び、世界全体の産出量は約3,000トンに達しました。

一方、日本の年間産出量は約6トンにとどまります。産出量だけを見れば日本の存在感はごくわずかといえるでしょう。

順位国名年間産出量(トン)
1中国約370
2オーストラリア約310
2ロシア約310
4カナダ約200
5アメリカ約170
6カザフスタン約130
7メキシコ約120
8インドネシア約110
9ウズベキスタン約100
9南アフリカ約100

日本の金埋蔵量と金鉱山

金色のダンプトラックのおもちゃから金の延べ棒が積み下ろされている

日本の金の埋蔵量を支えてきたのは、各地に点在する金鉱山の存在です。

現在も稼働を続ける鉱山から、江戸時代に幕府の財政を支えた伝説的な鉱山、さらには「東洋一」と称された北海道の鉱山まで、日本には個性豊かな金鉱山の歴史が刻まれています。代表的な3つの金鉱山を見ていきましょう。

菱刈鉱山

鹿児島県伊佐市に位置する菱刈鉱山は、日本国内で唯一、商業規模の採掘を続けている金鉱山です。確認されている埋蔵量は約150トンとされ、日本の金埋蔵量を語るうえで欠かせない存在といえます。

1985年の操業開始以降、菱刈鉱山では累計で約260トンもの金が産出されてきました。現在の年間採掘量は約6トンから4.4トンへ段階的に引き下げられています。

特筆すべきは、鉱石に含まれる金の濃度の高さです。鉱石1トンあたり平均約20グラムの金を含み、世界の主要鉱山の平均(3グラム〜5グラム程度)と比べて4倍以上にのぼります。

佐渡金山

菱刈鉱山と並んで日本の金鉱山史を代表するのが、新潟県佐渡島の佐渡金山です。

1601年に本格的な採掘が始まり、1989年の閉山まで約388年間にわたって操業が続けられました。累計の産出量は金が約78トン、銀は約2,330トンにのぼり、国内最大規模の金銀山として知られています。

江戸時代には徳川幕府の直轄領として管理され、ここで得られた金が幕府財政の重要な柱となりました。明治期には西洋の採掘技術が導入され、近代鉱業への転換点になったともいわれています。

2024年には「佐渡島の金山」としてユネスコ世界遺産に登録され、産業遺産としての価値があらためて評価されています。

鴻之舞金山

北海道紋別市にかつて存在した鴻之舞金山も、日本の金埋蔵量を語るうえで外せない鉱山のひとつです。1915年に鉱山開発がスタートし、1973年の閉山までおよそ58年間にわたって操業が続きました。

掘り出された金の総量は約64トンにのぼり、最盛期には「東洋一の金山」と称されるほどの産出量を誇りました。鉱脈の枯渇が閉山の主な原因です。

北海道で起きたゴールドラッシュの象徴として「東洋のクロンダイク」とも呼ばれたこの地域ですが、現在の跡地には鉱山施設の遺構がわずかに残るのみとなっています。

日本でも可能な金供給の新しい技術

金の延べ棒と指輪やネックレスなどのジュエリーが並べられている

日本の金の埋蔵量は天然資源だけで見ると決して多くありません。しかし、地下を掘る以外にも金を確保する方法は着実に広がっています。

廃棄された電子機器や下水、さらには広大な海域まで、意外な場所が新たな供給源として注目され始めました。ここでは、日本で実現可能な5つの金供給技術について解説します。

  • 都市鉱山
  • 下水汚泥
  • 海水
  • 海底熱水鉱床
  • アクセサリー・古銭・貴金属などのリサイクル

都市鉱山

都市鉱山とは、スマートフォンやパソコンなどの電子機器に使われている微量の金が廃棄後も消えずに残ることに着目し、都市部に蓄積された工業製品を資源の山と見なす考え方のことです。

1988年に東北大学の南條道夫教授らが提唱した概念で、リサイクルへの関心が高まるにつれ広く知られるようになりました。日本国内の都市鉱山には約6,800トンもの金が存在し、世界全体の埋蔵量のおよそ16%に相当すると推計されています。

回収効率の面でも、天然の金鉱石1トンから取れる金が約5グラムであるのに対し、携帯電話1トン分(約1万台)からは約280グラムの金を回収できるといわれています。

下水汚泥

都市鉱山と同様に、意外な場所から金を回収する手段として注目されているのが下水汚泥です。

私たちが日常的に使う洗剤や食品には、ごく微量の金属成分が含まれています。さらに、工場から排出される産業排水にも金が混じっているケースがあり、これらが下水処理の過程で汚泥に濃縮されていきます。

実際に長野県の諏訪湖流域では、焼却した汚泥の灰を精製業者へ売却し、2009年度には約65トンの灰からおよそ12キログラムの金が回収されました。

コスト面や回収技術の課題は残るものの、下水汚泥が将来の金の供給源のひとつになる可能性は十分に考えられます。

海水

地球の海水にも微量ながら金が溶け込んでいます。海水1トンあたりに含まれる金の量は、平均で約0.01ミリグラム〜0.06ミリグラムとごくわずかです。

しかし、地球全体の海水量をもとに計算すると、その総量はおよそ50億トンにも達すると推定されています。人類がこれまでに採掘した金が約20万トンですから、海には桁違いの金が眠っていることになります。

では、なぜ回収が進まないのでしょうか。最大の理由はコストと技術の壁にあります。海水中にはナトリウムなど他の元素も含まれており、金だけを選び出す技術は、現時点では実用化に至っていません。

技術革新が進めば、海水が日本における金の新たな供給源となる日が来る可能性もあります。

海底熱水鉱床

「海底熱水鉱床」とは、海底の地下から高温の熱水が噴き出し、そこに含まれる金やレアメタルなどの金属成分が冷たい海水に触れて固まり、堆積したものを指します。

日本は領海と排他的経済水域(EEZ)の広さで世界6位を誇り、この広大な海域に複数の有望な鉱床が確認されています。ただし、深海での作業には莫大なコストがかかるうえ、独自の生態系への環境影響も慎重に評価しなければなりません。

実用化にはまだ時間を要するものの、日本近海に眠る金の埋蔵量を考えれば、将来の供給源として大きな可能性を秘めた技術といえます。

アクセサリー・古銭・貴金属などのリサイクル

大規模な技術開発だけでなく、家庭の引き出しに眠っている金製品も立派な供給源になり得ます。

使わなくなったネックレスやリング、金歯、記念金貨といった品々には、精製すれば再び市場へ戻せるだけの金が含まれています。

実際、2021年の世界全体では鉱山からの新産金が約3,700トンだったのに対し、リサイクルによる二次供給は約1,200トンに達しました。

貴重な資源の循環に貢献しながら、不要品を現金化できるというメリットもあるため、貴金属リサイクルへの関心は今後さらに高まっていくでしょう。

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手袋をした人物が金色の腕時計を手に取り、状態を確認している様子

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まとめ

白い布の上に積み重ねられた金の延べ棒

日本の金の埋蔵量は世界ランキングでは上位に入らないものの、都市鉱山や海底熱水鉱床、下水汚泥といった新たな供給源の研究が着実に進んでいます。

世界の確認埋蔵量は、現在の採掘ペースでは約15年で枯渇する恐れがあるとされる中、日本のリサイクル技術と資源のポテンシャルは、今後さらに価値を高めていくと考えられます。

ご家庭に眠るアクセサリーや古銭も、日本の資源を支える大切な資産のひとつです。金製品の売却をお考えの際は、独自の精製設備と確かな査定力を持つ福ちゃんに、ぜひご相談ください。

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