- 古銭/記念硬貨
- 2026.10.02
甲州金の価値はいくら?種類別の価格例と価値が決まるポイントを解説

戦国武将・武田信玄ゆかりの貨幣として知られる甲州金は、戦国時代の甲斐国(現在の山梨県)で成立した金貨です。
額面を表示して数えて使う仕組みを備え、日本で初めて制度化された貨幣として注目されてきました。
江戸時代に入ってからも、幕府公認の地方貨として甲斐国で使われ続けた歴史を持ちます。
金としての素材価値に、歴史資料としての評価と古銭愛好家からの需要が重なるため、数万円から数十万円で扱われる品もあれば、100万円を超える価格になる希少な種類もあり、評価には大きな幅があります。
本記事では、代表的な甲州金の価格例、価値が決まる査定基準、種類ごとの特徴、見つかった際の保管方法をわかりやすく解説します。
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甲州金の価値はいくら?種類別の価格例

甲州金の金銭的価値は、金貨の額面や作られた時代、市場での流通状況によって大きく変わります。まずは代表的な種類ごとに、甲州金の価値や価格の目安を見ていきましょう。
甲州金の種類別に見る価値・価格の目安
甲州金の価値は、種類や極印、保存状態などによって大きく変わります。
過去の取引例などを踏まえると、代表的な甲州金の価値・価格はおおむね次のような水準が目安となります。
| 甲州金の種類 | 価値・価格の目安 |
|---|---|
| 甲州露一両金 | 100万円を超える場合も |
| 甲州一分金 | 数万円~数十万円程度 |
| 甲州二朱金 | 数万円~数十万円程度 |
| 甲州一朱金 | 数万円~数十万円程度 |
| 甲州朱中金 | 数十万円~100万円を超える場合も |
甲州一分金・二朱金・一朱金は、数万円台から数十万円程度の価格がひとつの目安です。ただし、同じ額面でも古甲金・新甲金の違いや背文字、極印、保存状態によって評価は大きく変わります。
とくに二朱金には、一分金や一朱金より高値になる型もあります。
額面だけで判断するのではなく、どの時代に作られたものか、どのような極印が残っているかまで確認することが重要です。
甲州朱中金は、丸型と角型でも価値に大きな差が見られます。
角朱中金では数十万円程度が目安となる例がある一方、希少な丸朱中金では、100万円を超える価格になる場合も。
露一両金も甲州金の中では高額になりやすい種類です。市場に出る機会が限られ、種類や保存状態によっては100万円を超える価格になる場合もあるでしょう。
同じ甲州金でも価値に大きな差が出る理由
甲州金の間で大きな価格差が生じる主要な要因のひとつが、種類ごとの希少性や市場での流通量の違いです。
一分金や一朱金は現在の古銭市場でも比較的取引例を確認しやすく、価格の目安をつかみやすい種類といえます。
露一両金や朱中金の一部、特殊な極印を持つ品は市場で見かける機会が少なく、収集家の需要が集まって評価額も大きく上がりやすいでしょう。
金貨に刻まれた文字の種類、製作時期、保存状態、真正性を裏付ける鑑定書の有無も価格を左右する要素です。これらが重なり合い、1点ごとの評価が決まります。
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甲州金とは?価値を理解するための歴史と特徴

甲州金が高い評価を受ける背景には、日本貨幣史における特別な位置づけがあります。
武田氏の領国経営に始まり、徳川幕府の時代へ受け継がれた甲州金の成り立ちと、独自の仕組みを見ていきましょう。
武田氏の時代に生まれ江戸時代まで続いた金貨
武田氏の時代には甲斐国内で金山開発が進み、黒川金山や湯之奥金山など各地で金が産出されました。
こうした産金を背景に甲州金が発達し、軍用金や恩賞、取引などに利用されていったと考えられています。
甲州金の製造には、松木、志村、山下、野中の四氏が関わったとされ、金貨にはそれぞれの名を示す極印を持つものが残されています。
武田氏の滅亡後、甲州金の制度は徳川家康に引き継がれます。江戸幕府が全国の貨幣制度を整えていく中でも、甲州金は幕府公認の地方貨として甲斐国で長く存続しました。
両・分・朱という単位も幕府の金貨制度へ受け継がれています。
両・分・朱など独自の貨幣単位
甲州金の大きな特色は、金の重量をその都度天秤で量る秤量貨幣に対し、額面を決めて数えて使う計数貨幣の仕組みを整えた点にあります。
基準となる1両(4匁・約15g)をもとに、四進法と二進法を組み合わせ、細かな取引に対応できる体系がつくられました。
基本単位は以下の7段階です。
✔ 両(基準単位・重量は約15g)
✔ 分(1両の4分の1・重量は約3.75g)
✔ 朱(1分の4分の1・重量は約0.94g)
✔ 朱中(1朱の2分の1・重量は約0.47g)
✔ 糸目(1朱中の2分の1・重量は約0.23g)
✔ 小糸目(1糸目の2分の1・重量は約0.12g)
✔ 小糸目中(1小糸目の2分の1・重量は約0.06g)
1両は4分、16朱、64糸目にあたります。額面の比率が明確に定められていたため、日々の商取引を円滑に進められました。
基本単位の金貨に加え、複数の単位を組み合わせた一分朱中糸目金のような複合額面の実物も現存しています。
古甲金と新甲金の違い
甲州金は、鋳造された年代によって古甲金と新甲金に大別されます。元禄8年(1695年)の幕府による貨幣改鋳以前のものは、一般に古甲金と呼ばれます。
宝永期以降に改鋳された一群が新甲金です。
代表的な系列には、宝永4年(1707年)から鋳造・発行された甲安金、正徳期の甲安今吹、享保6年(1721年)の甲重金、享保12年(1727年)の甲定金があります。
系列ごとに金の品位や裏面の極印などに違いがあり、現代の鑑別でも重要な手がかりです。
甲州金の主な種類と特徴

甲州金には、一両金や一分金、二朱金、一朱金、朱中金など、額面や形状の異なるさまざまな種類があります。
同じ額面でも作られた時代や極印によって細かく分類されるため、価値を見極めるには、まず種類ごとの特徴を知っておくことが大切です。
露一両金などの一両金と一分金
一両金は、甲州金の基本的な額面体系の中でも大きな単位にあたります。
代表的な露一両金は碁石のような形をしており、重量はおおむね15g前後です。古甲金には、表面に馬の絵の極印を持つ「駒露金」と呼ばれる一両金もあります。
露一両金は甲州金の中でも希少性の高い種類として知られ、保存状態や極印などによって高い評価につながるでしょう。
さらに、1両の約10倍の重量を持つ「甲州金大判」と呼ばれる大型の金貨も伝わっています。
甲州一分金には複数の型があり、古甲金では松木、野中、志村、山下などの名を示す極印が見られます。
代表的な松木系の一分金は直径15ミリ前後の円形で、「壱」「分」の額面表示や五三桐紋、「松木」の極印などが特徴です。
極印の種類や配置、保存状態の違いによって細かく分類され、それぞれ評価も異なります。
二朱金・一朱金
甲州二朱金は、1分の半分にあたる額面を持つ金貨です。重量は1.8〜1.9g前後で、時代や型によって形状や極印が異なります。
古甲金には長方形の「角二朱金」があり、新甲金にも複数の型が存在します。
背文字などの極印の違いが価値を左右しやすく、同じ二朱金でも評価に大きな差が生じることがあるでしょう。
甲州一朱金は、1分の4分の1にあたる小型の金貨です。重量は約0.9g前後で、裏面の極印には複数の種類があります。
一朱という同じ額面でも、作られた時代や型、極印の組み合わせによって分類が分かれるため、細部まで確認することが大切です。
朱中金・糸目金などの小額金貨
甲州朱中金は、1朱の半分にあたる額面を持つ小型の金貨で、重量は約0.47g前後です。
形状には四角い「角朱中金」と円形の「丸朱中金」があり、同じ朱中金でも種類によって希少性や評価が大きく異なります。
とくに丸朱中金には高い評価につながるものがあり、甲州金の中でも注目される種類のひとつです。
甲州糸目金は、1両の64分の1にあたる「糸目」という単位を表す極小の金貨で、重量は約0.23g。
惜しみなく金銭を使うことを意味する「金に糸目をつけない」という慣用句には、この甲州金の「糸目」に由来するという説があります。
一方、凧の姿勢を調整する「糸目」を語源とする説明もあり、語源については複数の説が伝わっています。
碁石金・蛭藻金など甲州金成立前後の初期金貨
甲州金の額面体系が整う以前には、碁石金や蛭藻金と呼ばれる金も使われていました。
碁石金は碁石のような粒状の形をした金で、一定の額面を示す文字や極印を持たず、重量もそろっていません。蛭藻金は、水草のヒルモを思わせる細長い板状の形が特徴です。
山梨県旧勝沼町の福寺遺跡からは、碁石金18点と蛭藻金2点がまとまって出土しています。
碁石金は、一般的な商取引に使う貨幣というより、軍用金や恩賞などに利用されたと考えられています。
碁石金や蛭藻金は、甲州金が額面を持つ計数貨幣として体系化されていく過程を知るうえでも重要な存在です。
甲州金の価値を左右するポイント

同じ額面の甲州金であっても、専門的な鑑定の場では細かな差異によって評価額が大きく変動します。
査定で見られやすい4つのポイントを順に確認しましょう。
時代・種類・希少性
甲州金の評価では、作られた時代だけでなく、具体的な種類や型も重要です。
古甲金・新甲金のいずれにも市場で見かける機会が限られる型があり、同じ額面でも極印や保存状態によって評価が大きく異なります。
露一両金や朱中金の一部など、取引例が限られる種類では希少性が価格を押し上げる要因になります。
需要に対して市場へ出る個体がどれだけ限られているかは、価格を左右する重要な要素といえるでしょう。
極印や背文字の違い
甲州金には表裏にさまざまな極印が打たれており、裏面の極印やその配置は型を見分ける重要な手がかりです。
「定」「重」「忠」のほか、「甲」と「安」の配置によって区別される「中安」「下安」、裏面に極印がない「無背」などがあります。
こうした違いは専門市場でも型分類に用いられ、種類によって価格差が見られます。
保存状態
保存状態は、査定時のグレードを左右する判断要素です。摩耗の程度、極印の鮮明さ、傷や欠け、変形、洗浄や研磨の痕跡などを細かく確かめます。
保存状態に加え、自己流の洗浄や研磨が行われていないことも評価に関わります。こうした観察結果を総合して、1点ごとのグレードが決まります。
鑑定書や伝来資料
付属する資料の有無も、価値を確認するうえで重要な役割を担う要素です。
日本貨幣商協同組合(JNDA)の鑑定書が付属している場合は、真正性や評価を確認する資料となります。
桐箱、由緒書、包み紙などが残っている場合も、来歴を確認する手がかりになることがあります。金貨と分けず、一緒に保管しておきましょう。
甲州金の真贋確認で見られるポイント

甲州金には模造品や、真正性を判断しにくい品も存在します。真贋確認ではどのような点を観察しているのか、原状を保つ重要性とあわせて見ていきましょう。
形状・極印・重量は判断材料になる
甲州金では、形状、寸法、重量、極印の書体や配置、表面の状態などが判断材料になります。当時の規格に基づいた重量かどうかを、精密な天秤で測定する方法も有効です。
真正品に近い外観や重量を持つ模造品も考えられるため、現場では複数の要素を組み合わせて検証が進められます。
金品位などは専門的な確認が必要
甲州金は純金ではなく、金の品位は時代や種類によってさまざまです。
古甲金には、金品位が81〜83%程度のものも確認されています。ただ、外見の色味から正確な品位を割り出すことは困難です。
真贋確認では形状、重量、極印、表面状態などを総合的に確かめ、必要に応じて専門的な分析が加わります。
家庭で確認できる範囲には限りがあるため、判断が難しい品は古銭に詳しい査定先や鑑定機関で確認するとよいでしょう。
洗浄や研磨をせず原状を保つ
見つけた甲州金が黒ずんでいたり汚れていたりしても、家庭用の洗剤や金属磨き粉、薬品で磨く行為は避けてください。
洗剤や研磨剤を使って擦ると、表面に細かな傷が付いたり、本来の表面状態が変わったりするおそれもあります。
古銭では、洗浄や研磨の痕跡が評価に影響します。一度変わってしまった表面は元に戻せません。
土やホコリが付着している場合でも、見つけた状態を保ったまま査定や鑑定へ進むのが安全です。
甲州金を見つけたときに確認したいこと

実家の整理や蔵の片付けで甲州金らしき古銭を発見した場合、適切に対応すれば価値を損なわずに保管できます。
発見直後に確認したい事項と保管の注意点をまとめました。
箱や書類も含めてそのまま保管する
甲州金が古い木箱や紙の包みに入っていた場合は、まず付属品との関係を崩さずに保管しましょう。
金貨が収められていた桐箱、添えられていた書き付け、鑑定札などは、その金貨がどのような経路で伝わってきたのかを示す貴重な手がかりです。
保管場所には、直射日光や高温多湿を避けた落ち着いた環境が最適です。触れる回数を必要最小限に抑えることも、金貨の保護につながります。
種類や極印まで評価できる査定先で確認する
甲州金の価値は、貴金属としての重量に、貨幣単位、作られた時代、背文字、希少性などの歴史的要素が重なって決まるものです。
甲州金の特徴や古銭市場の動向を把握している査定先を選ぶことで、お手元の品が持つ本来の価値を確認できます。
金貨の種類や極印の意味をわかりやすく説明してくれる専門先への相談が、納得のいく評価への近道です。
複数の観点から丁寧に確認してくれる相手を選びましょう。
まとめ

甲州金は戦国時代の甲斐国で発達した金貨で、日本で初めて制度化された貨幣ともいわれています。
両、分、朱、朱中、糸目などの細かな単位体系が整えられ、その仕組みの一部は江戸幕府の金貨制度にも受け継がれました。
元禄以前の古甲金から宝永以降の新甲金まで、その種類は多彩です。
現在の市場では、種類や背文字、保存状態、希少性などによって数万円から数十万円で扱われるものがあり、希少品では100万円を超える場合もあります。
お手元にある甲州金の価値を見極めるには、洗浄や研磨を施さず、付属品とともにそのままの状態で査定士に見せることが重要です。
買取福ちゃんでは、甲州金をはじめとする古銭の無料査定を随時受け付けています。
お手元にある金貨の売却を検討している場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
甲州金の価値に関するよくある質問
甲州金の価値や取り扱いについて、多くのお客様から寄せられる代表的な質問をまとめました。査定や売却を検討する際の参考にしてください。
汚れや変色があっても価値はある?
汚れや変色が見られても、甲州金としての価値が残っている場合があります。種類や希少性、保存状態などを含めた総合評価が基本です。
薬品や布で無理に汚れを落とそうとすると表面を傷つける恐れがあるため、見つかったときの状態のまま査定を受けましょう。
鑑定書がなくても価値を調べられる?
鑑定書が付属していない甲州金でも、査定や鑑定は可能です。形状、重量、極印、保存状態などを確かめ、種類や真正性、現在の市場状況を踏まえた評価が行われます。
桐箱などの付属品がそろっていない金貨単体であっても、安心して査定をご依頼ください。
甲州金の価値は金の重量だけで決まる?
甲州金では、金としての素材価値に加えて、種類、希少性、極印、保存状態などによる収集品としての評価が価格に大きく反映されます。
戦国時代から江戸時代にかけて作られた歴史資料としての性格が強いためです。
同じ重量の金であっても、市場で見かける機会の少ない額面や珍しい背文字を持つ個体には、素材価値を大きく上回る評価が付きます。
現在の金価格は甲州金の価値にも影響する?
甲州金には金が含まれるため、金相場は素材価値を考えるうえでの一要素です。実際の取引価格には、種類、希少性、極印、保存状態、収集需要などが大きく関わります。
甲州金の価格は、日々の金相場に連動するというより、古銭市場独自の評価軸に沿って形成されると考えてよいでしょう。

