三味線の歴史|三味線の魅力・三線との違いも解説

三味線とは、民謡や小唄、現代的な演奏などの伴奏楽器として幅広く使用される、日本の伝統弦楽器のことです。三味線は約500年もの歴史があり、さまざまな時代背景を経て現在の形が確立されました。

三味線のルーツや日本に広まった理由を知れば、さらに三味線への理解が深まり演奏も楽しめるでしょう。

当記事では、三味線のルーツや三味線の形が確立した時代など、三味線の歴史について解説いたします。三味線の歴史に触れ、さらに魅力を発見したい方はぜひご覧ください。

三味線とは?魅力も解説

三味線とは?魅力も解説

三味線は、動物などの皮を張った胴(どう)に棹(さお)を貫通させ、3本の弦(げん)を張った日本の伝統弦楽器です。

ギターと似た作りをしていますが、音階を視覚的に確認できるフレットはなく、「勘所(かんどころ)」と呼ばれるポイントを押さえて弦を撥(ばち)で弾き演奏します。

そして、三味線の魅力は多彩な表現力です。撥(ばち)が弦を弾くと、するどい音から優しく繊細な音色まで、三味線特有のさまざまな音の響きを楽しめます。

そのため、三味線音楽は民謡や小唄だけでなく、現代的な演奏など伴奏楽器としても幅広く使用されます。

三味線のパーツの名前

三味線には多くのパーツが存在し、覚えるにも一苦労です。

以下では、三味線のパーツの名前や役割をいくつかご紹介します。

天神(てんじん)音程を決める役割のある「糸巻き(いとまき)」、弦を巻く「糸蔵(いとぐら)」、糸巻きを差し込む「畔(あぜ)」などを含んだ三味線の最上部に位置する部位です。
糸巻き(いとまき)弦を巻き上げて、緩めたり縮めたりすることで音色を変える役割があります。
一の糸巻き、二の糸巻き、三の糸巻きと弦ごとに付いており、三味線の音程を細かく調整できます。
棹(さお)木から作られており、弦を押さえて音程を決める役割がある部位です。
棹は、ギターでいうと「ネック」の部分にあたります。
弦・糸(げん・いと)3本の弦が使用され、向かって左から一の糸、二の糸、三の糸と呼ばれています。弦の素材には絹が多く使用されており、一の糸が一番太く低音で、三の糸は細く高音を奏でます。
胴(どう)音の響きに影響のある部位です。
4つの木の板を使用して木枠を作り、その上から皮を張っています。
皮(かわ)胴部分に張られる皮は、猫や犬などの動物の皮が使用されてきました。
最近では動物の皮は入手しにくく、合皮が使用されることも増えています。
駒(こま)弦を弾いたときの振動を、皮に伝える役割がある部位です。3本の弦を通して使用します。
根緒・音緒(ねお)棹と胴に通した弦の張りを維持する、ストッパーのような役割がある部位です。

三味線の歴史

三味線の歴史

三味線は約500年の歴史があり、日本の伝統芸能の中では新しい部類に入る楽器です。
江戸時代に上流階級から庶民まで三味線が広がり、身分関係なく習い事として人気がありました。

下記では、日本の伝統楽器である「三味線のルーツ」や「三味線の形が確立した時代」について、詳しく解説いたします。

三味線のルーツは三弦・三線

三味線のルーツには、明確な定義はありません。

しかし、13世紀頃の中国元時代に存在した「三弦(サンシェン)」と呼ばれる弦楽器が、三味線の起源であるとされています。

三弦は、紀元前の中国で演奏されていた「弦鞀(シェンタオ)」という弦楽器が、時代とともに変化して生まれた楽器です。

ニシキヘビの皮で作られており、演劇や民謡の演奏に使われたと伝えられています。また、三弦は14世紀の終わりに貿易によって琉球王国に伝わります。

そこから琉球独自の進化を遂げ、三弦をコンパクトにした楽器が「三線(さんしん)」であり、現在でも沖縄の伝統楽器として親しまれているのです。

そこから、三線は16世紀頃に貿易によって大阪に伝わり、庶民の間で広まります。

そして、大阪に伝わってからおよそ半世紀かけてさまざまな改良を行い、現在の「三味線」が誕生しました。

三味線を初めて演奏したのは琵琶法師

三味線を初めて演奏し、今の形を作り上げてきたのは、琵琶法師だという説があります。

三味線が本土に初めて輸入されたとき、三線に精通した演奏者はいませんでした。そのため、三味線と同じ弦楽器である「琵琶」を演奏できる法師たちの手に、三線が渡ったのです。

そこから、琵琶法師たちは琵琶をもとに改良を重ね、現在の日本独自の三味線を作り上げます。そのため、撥(ばち)で弦を弾く三味線の演奏方法は、琵琶の演奏方法を参考に改良した結果だとされています。

三味線の形が確立した江戸時代

現存する最古の三味線は、16世紀終わりに豊臣秀吉の命令によって作られた、「淀(よど)」と呼ばれる楽器です。

淀の形は、現在演奏に使用されている三味線とよく似た形をしています。

そこから、現在とまったく同じ形の三味線が完成したのは、17世紀頃の江戸時代です。

また、三味線は都市部の上流階級が好んで使用していましたが、歌舞伎や人形浄瑠璃などの芝居で演奏されるようになり、庶民の間にも広がりました。

さらに、江戸時代には三味線を弾けると異性から人気が出るといわれており、習い事としても流行しました。
とくに、女性は芸事が優れていると上流階級に嫁げる可能性があるといわれ、三味線を熱心に習っていたとされています。

また、日本の三味線の創始者は、「石村検校(いしむらけんぎょう)」です。

検校とは、盲人に与えられた最高位の役職を指します。日本では、鎌倉時代から盲目の人が楽器を演奏して、生計を立てるという文化がありました。

三味線も盲人が生活するためによく演奏され、出世するには三味線の演奏技術が重要だったとも伝えられています。

そこから、常磐津(ときわづ)や長唄(ながうた)、箏曲合奏(そうきょくがっそう)などさまざまなジャンルの演奏に使用されるようになり、現代の三味線が確立しました。

三線と三味線の違い

三線と三味線の違い

琉球王国で進化を遂げた三線と、そこから大阪で進化を遂げた三味線。

同じ和楽器である三線と三味線には、以下のような4つの違いがあります。

◯ 大きさ
◯ 素材
◯ 弾き方
◯ 弾く姿勢

大きさ

見た目でわかりやすいのは、大きさの違いです。

三線は約70〜80cmの長さに対し、三味線の全長は約90〜100cmあります。

そのため、大きさに比例して重量にも違いがあり、三線は約1kgなのに対し三味線は約2〜3kgあります。

ただし、三線や三味線にはさまざまな種類があり、ご紹介した大きさと違うモノも存在いたしますので、さらに詳しく調べてみるのもよいでしょう。

素材

三線と三味線では、使用される皮の素材に違いがあり、三線の胴はニシキヘビの皮を使用します。

一方、三味線の胴には、猫や犬などの動物の皮が使用されるのが特徴です。

また、最近では三線と三味線どちらの胴にも、合皮が使用されることも増えました。

弾き方

三線と三味線の弾き方による大きな違いは、演奏に使用する道具です。三線では、指に装着する「ツメ」と呼ばれる道具を使用します。

一方、三味線の演奏時には、基本的に先端が扇のように広がった「撥(ばち)」を使用する演奏スタイルです。

また、こちらの記事では「三味線の弾き方」について詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

▶︎ 三味線の弾き方|姿勢・構え方から基本演奏まで

弾く姿勢

三線と三味線のどちらも、座って演奏することが一般的です。

三線は、お稽古やコンクールなどで、正座で演奏することが多くあります。

一方、三味線は椅子に座るまたは正座で演奏します。

立って演奏する場合は、三線はコツを掴めばストラップなしで演奏できますが、三味線は重量があるのでストラップが必要です。

三味線の種類

三味線の種類

三味線の種類は、大きく以下の3種類に分けられます。

◯ 太棹(ふとざお)
◯ 中棹(ちゅうざお)
◯ 細棹(ほそざお)

太棹(ふとざお)

太棹三味線は、名前の通り棹が太く全体的に大きいことが特徴です。

民謡の伴奏や津軽三味線、浪曲などに使用されます。

そして、有名な津軽三味線奏者である「吉田兄弟」が使用していることもあり、3種類の中でもとくに人気が高い三味線です。

重みのある音色で想像以上の音量が出るため、迫力のある演奏が可能になります。

中棹(ちゅうざお)

中棹三味線は、民謡の伴奏や琴との合奏などで演奏され、もっともポピュラーな三味線といえます。

さまざまなジャンルの音楽に使用され、応用が効きやすい三味線です。

太棹三味線よりも小さく細い棹のため、高音を出せます。そして、唄う際に音量の調和が取りやすく、響きの美しい音色が魅力です。

細棹(ほそざお)

細棹三味線は3種類の三味線の中でもっとも棹が細く全体的に小さいことが特徴です。

18世紀初めに歌舞伎の音楽として生まれ、江戸時代に発展した「長唄」の演奏でよく使用されます。

細棹三味線は、軽く甲高い音色を響かせるため、劇場や舞台上での演奏は迫力のある音色を楽しめるでしょう。

こちらでは、「三味線の種類」についてさらに詳しく記述しておりますので、ぜひご参考にしてください。

▶︎ 三味線の種類|種類ごとの演奏ジャンル・三味線の選び方も解説

まとめ

三味線は、約500年の歴史をもつ日本の伝統弦楽器です。

三味線のルーツは、13世紀頃の中国元時代に存在した「三弦(サンシェン)」と呼ばれる弦楽器といわれており、演劇や民謡の演奏に使用されていました。

そして、三弦が日本に伝わったのは14世紀の終わりであり、沖縄音楽として現在でも親しまれている「三線(さんしん)」として、独自の変化を遂げました。

その後、三線はさまざまな改良を経て、現在の三味線が誕生したといわれています。

また、500年の歴史をもつ三味線は、日本の伝統楽器としては新しいものの、使用素材などによって価値は大きく変わります。

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