- 金/貴金属
- 2025.02.18
金箔とは?伝統の製法「縁付」と「断切」の違いから用途までわかりやすく解説

金を打ち延ばしてつくられる「金箔」。
古くは、建物や工芸品に使われることの多かった金箔ですが、現在では食品や美容、インテリアなど、私たちの身近な場面でも見かけるようになりました。
この記事では、
・金箔とはどのようなものか
・製法の種類
・用途
について解説していきます。
金箔とは

最初に、金箔がどのようなものか見ていきましょう。
金箔とは、金をおよそ1万分の1~2mm(0.0001mm)の薄さに打ち延ばした箔片のことです。
イメージしやすい例を挙げると、約2gの金を畳1畳分のサイズまで打ち延ばしたときに、1万分の1mmの薄さになります。
この薄さは、向こう側が透けて見えるほどで、指で触れると体温や静電気で崩れてしまったり、消えてしまったりするほど繊細です。
金箔の成分と純度
一般的に「金箔」といっても、純金(24K)だけでつくられているとは限りません。
市販の金箔は、純金(99.99%以上)だけとは限らず、銀や銅を微量に加えた合金が一般的です。
合金にすることで、打ち延ばしやすい適度な硬さ・変形抵抗を与えたり、配合によって色調を調整したりできます。
具体的には、微量の銀や銅を「割り金(わりがね)」として配合し、延ばしやすく加工。
この配合比率によって色味が変わり、「四号色(よんごういろ)」と呼ばれる配合(金:94.438%、銀:4.901%、銅:0.661%)が、日本の金箔の標準的な色味とされています。
なぜ金沢がシェア99%なのか
日本で生産される金箔は、その大半(99%以上、あるいは98%以上とも)を石川県金沢市が占めるとされています。
なぜ金沢がこれほどの産地となったのか、主な理由は以下の3点です。
気候(湿度)
金沢は雨や雪が多く、年間を通じて湿度が高い地域です。湿度は、金箔製造の大敵である静電気の発生を抑えるために不可欠な条件となっています。
水質
金箔づくりには、良質な紙づくりが欠かせません。金沢は、製造に使われる和紙の仕込みに適していたとされています。
歴史的背景
江戸時代、加賀藩主の前田家が美術工芸を奨励し、職人を保護した歴史があります。それから金沢の金箔づくりの歴史は、400年以上にもおよび続いてきました。
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金箔の製法の種類

金箔の製法は、以下の2種類に大きく分けられます。
・縁付製法
・断切製法
それぞれの特徴や違いを見ていきましょう。
縁付製法(伝統的製法)
「縁付」は、400年以上前から続く伝統的な製法です。
2020年には「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」のひとつとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
最大の特徴は、金を延ばす際に挟む「箔打紙(はくうちがみ)」にあります。
特殊な泥(土)を混ぜた雁皮紙(がんぴし)を、わら灰の汁や柿渋、卵白に浸し、数ヶ月かけて叩いて仕込みます。
この手作りの紙を使うことで、金箔の表面に紙の繊維目が写り、柔らかく落ち着いた輝きが生まれます。
国宝や重要文化財などの保存修理では、伝統的な質感が求められる場面で、縁付金箔が用いられることが多いとされています。
断切製法(現代的製法)
「断切」は、昭和40年代以降に普及した、効率を重視した製法です。
手間のかかる和紙の代わりに、グラシン紙(機械ずき)を用い、例として裏表にカーボンを塗ったものを箔打紙として使用します。
一度に約1,000枚以上重ねて打ち延ばし、最後に紙ごと四角く断裁するため、生産性が高いのが特徴です。
仕上がりは光沢が強く、つややかな輝きを持ちます。
コストパフォーマンスに優れているため、一般的な工芸品や食品、雑貨など、幅広い用途で使われています。
製法の違いまとめ
| 項目 | 縁付製法(えんつけ) | 断切製法(たちきり) |
|---|---|---|
| 使用する紙 | 手漉き和紙(雁皮紙) | グラシン紙(カーボン塗布) |
| 生産効率 | 低い(手間と時間がかかる) | 高い(量産向き) |
| 輝きの特徴 | 柔らかく上品な光沢 | 強くはっきりした光沢 |
| 主な用途 | 国宝修復・高級仏壇・美術品 | 食品・汎用工芸品・インテリア |
金箔の用途

金箔は非常に薄く、繊細な表現ができるため、さまざまな用途で使われてきました。
主な用途として、以下が挙げられます。
・建造物
・工芸品
・食品や飲料
・美容
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
建造物
日本では古くから、建造物の装飾に金箔が使われてきました。
金箔が使われている日本の建物として、真っ先に思い浮かぶのは、「金閣寺」ではないでしょうか?
金閣寺では、約20kg以上もの金箔が使用されているといわれています。
金箔がふんだんに使われているほかの建物として、岩手県にある「中尊寺金色堂」も挙げられます。
中尊寺金色堂は内外が金箔で装飾されており、世界的に見ても、歴史的価値の高い建造物です。
マルコポーロ著の『東方見聞録』において、日本が“黄金の国ジパング”と称された要因が、この尊寺金色堂ではないかともいわれています。
工芸品
建造物以外で金箔のイメージを持たれることも多いのが、工芸品です。
金箔は、以下のような日本の工芸品に欠かせない素材です。
・漆器
・陶器
・屏風
・仏壇仏具
工芸品に金箔を使用することで、美しさや華やかさが増します。
金箔を平らに貼るだけでなく、粉状にした「砂子」を蒔いたり、細く切って模様を描いたりするなど、職人の高度な技術によって多彩な表現が生み出されます。
とくに金沢仏壇や輪島塗などは、金箔の美しさを最大限に引き出した工芸品として有名でしょう。
食品や飲料
食品や飲料は、食用金箔で装飾されることがあります。
とくにお正月やお祝いの席で、金箔が使われた料理やお酒を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
食用として流通する金箔は、国の基準を満たす範囲で食品添加物(既存添加物)として「金/金箔」が掲載されています。
一般に金は化学的に安定で消化管で吸収されにくいとされ、通常の使用量であれば健康影響は大きくないとされているのです。
金箔は香りや味がありません。そのため、食品本来の味を邪魔することなく、見た目を華やかにすることが可能です。
美容
最近では、化粧品に金箔が使われるケースも少なくありません。
その例として挙げられるのが、金箔を使ったフェイスパックです。
金箔を使った化粧品は、見た目がゴージャスなだけでなく、新陳代謝を促進する効果があるといわれています。
大きな可能性を秘めている金箔

金箔は、古くから建造物や工芸品の装飾として使われていることから、なかなか手の届きにくい存在に感じるかもしれません。
ただ、最近では食品や美容など、身近なところで使われるケースも増えてきています。そのほかに、インテリアやアクセサリーに使われることもあります。
このようにさまざまな用途で使用される金箔は、大きな可能性を秘めた素材といえるでしょう。
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