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  • 2017.03.24

人気の記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは!?

1999年から2000年にかけて発行された「20世紀デザイン切手」。これは、当時の郵政省が手がけた記念特殊切手シリーズです。

日本の20世紀(明治、大正、昭和、平成)を象徴する多岐にわたる出来事、文化、人物が題材として取り上げられています。

その内容は「20世紀日本史アルバム」とも評され、発行のたびに話題となり、コレクター層を中心に高い関心を集めました。

この記事では、「20世紀デザイン切手」の全17集の概要や各集の図案詳細、そして現在の買取市場における価値について、切手買取の専門家の視点から詳しく解説します。

目次

20世紀デザイン切手とは?

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

20世紀デザイン切手」は、郵便切手という枠を超え、1つの時代を記録した文化資料ともいえる人気シリーズです。

ここでは、この切手シリーズがどのようなものなのか、その基本的な概要を改めて確認しましょう。

20世紀の日本を振り返る記念切手

「20世紀デザイン切手」は、1999年(平成11年)8月から2000年(平成12年)12月にかけて、全17集が発行された連作の記念特殊切手です。

その最大の特徴は、日本の20世紀、すなわち1901年の明治時代後期から1998年の平成時代に至るまでの約100年間を象徴する人物、文化、芸術、スポーツ、科学技術、そして社会的な出来事を題材にしている点にあります。

この切手シリーズを通じて激動の20世紀を振り返り、同時に21世紀への夢と希望を込める、という壮大な目的を持って企画されました。

発行の背景と目的

このシリーズの企画は、郵政省(当時)が1998年に設置した「20世紀デザイン切手選考委員会」によって進められました。

委員には、歴史、文化、芸術など各分野の学識経験者など21名の著名人たち。

選考にあたっては、一般の人々からもデザインの題材に関するアンケート募集が行われ、多くの意見が寄せられました。

こうした過程を経て、「その時代を象徴し、後世に夢や希望を与える題材」という基準で、170種の図案が厳選されていきました。

シリーズの仕様と特徴

20世紀デザイン切手は、全17集で構成されています。

各集は、当時の郵便料金に対応した50円切手2種と80円切手8種の、合計10枚が1つのシート(小型シート)に収められています。シートの価格は額面通り740円でした。

シリーズ総数は170種にのぼり、各種700万枚、シリーズ全体での総発行枚数は約11億9千万枚という、記念切手としては非常に大規模な発行となりました。

シリーズ全体の総合デザインは、著名な切手デザイナーである森田基治氏が担当。印刷方式は、多色刷りで精細な表現が可能なグラビア6色刷りが採用されています。

また、シリーズ切手としては初めて、20世紀と21世紀を結ぶ架け橋をイメージした専用のロゴマークが制作され、すべてのシートに印刷されているのも特徴です。

20世紀デザイン切手シリーズ全17集を一挙紹介!

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

ここからは、本記事の核となる全17集の紹介です。

1999年から2000年にかけて発行された第1集から最終第17集まで、各集がどのようなテーマと図案で構成されているのかを具体的に見ていきましょう。

当時の世相や文化的背景とともに、各シートの魅力や注目すべきポイントを、発行順に詳しく解説します。お手持ちの切手と見比べる際にもご活用ください。

全17集一覧(表)

まずは、全17集の概要を一覧表でご覧ください。各集のシートタイトルと発行日、主な題材となった年代をまとめています。

集号 シートタイトル(題材例) 発行日 題材年代(概ね)
第1集 1901年「みだれ髪」から 1999年8月23日 1901年~1909年頃
第2集 「文部省唱歌」から 1999年9月22日 1910年~1913年頃
第3集 「東京駅開業」から 1999年10月22日 1914年~1920年
第4集 「箱根駅伝始まる」から 1999年12月22日 1920年~1925年
第5集 「昭和」始まる 2000年1月21日 1927年~1928年
第6集 「昭和初期の浅間山」から 2000年2月9日 1929年~1932年
第7集 「大言海」から 2000年2月23日 1932年~1936年
第8集 「ヘレン・ケラー女史初来日」から 2000年3月23日 1937年~1940年
第9集 「杉原千畝副領事がビザ発給」から 2000年4月21日 1940年~1945年
第10集 「リンゴの唄」から 2000年5月23日 1945年~1952年
第11集 「ラジオ定着・テレビ本放送開始」から 2000年6月23日 1953年~1958年
第12集 「カラフト犬タロ・ジロ南極越冬」から 2000年7月21日 1959年~1964年
第13集 「ひょっこりひょうたん島」から 2000年8月23日 1964年~1971年
第14集 「高松塚古墳壁画発見」から 2000年9月22日 1972年~1974年
第15集 「時代」から 2000年10月23日 1975年~1983年
第16集 「昭和から平成へ」から 2000年11月22日 1986年~1993年
第17集 「皇太子殿下御成婚」から 2000年12月22日 1993年~1998年

第1集|1901(明治34)年「みだれ髪」からの詳細

発行日:1999年8月23日

1901年から1909年ごろの出来事がテーマとなっています。明治時代の後期にあたり、文学や芸術、人々の風俗が大きく花開いた時期が中心です。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 与謝野晶子の歌集「みだれ髪」
✔ 日本初の常設映画館「電気館」開業
✔ 日本初の路面電車「チンチン電車」
✔ 俳優の川上音二郎と川上貞奴
✔ 日露戦争
✔ 夏目漱石の「吾輩は猫である」
✔ 夏目漱石の「坊っちゃん」
✔ 「ハイカラ」な風俗
✔ 相撲の殿堂「両国国技館」落成

シリーズの記念すべき第1弾として、発売当時も高い注目を集めたようです。

日露戦争」の切手では、2枚の切手を並べると1枚の錦絵が完成する「連刷」という形式が採用され、話題となりました。

第2集|明治から大正へ ~「文部省唱歌」からの詳細

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

発行日:1999年9月22日

1910年から1913年ごろの出来事がテーマとなっています。明治時代の末期から大正時代の初期へと移り変わる、まさに「過渡期」の日本が描かれています。

主な図案としては以下のとおり。

✅ 文部省唱歌始まる(「故郷」の楽譜など)
✅ 白瀬隊南極探検(白瀬矗中尉)
✅ 初の国産飛行機と飛行船
✅ 野口英世博士の活躍
✅ ニホンオオカミ絶滅
✅ オリンピック初参加(ストックホルム大会)
✅ 宝塚唱歌隊誕生
✅ カチューシャの唄(松井須磨子)
✅ ミルクキャラメル発売

「カチューシャの唄」や「文部省唱歌」といった音楽文化に加え、野口英世や白瀬矗といった世界的偉人が題材となりました。ニホンオオカミの絶滅という環境史的なトピックも含まれています。

第3集|「東京駅開業」からの詳細

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

発行日:1999年10月22日

1914年から1920年の出来事がテーマとなっています。大正時代前半のモダンな文化が花開きつつ、社会が大きく動いた時代が描かれてました。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 東京駅開業(辰野金吾設計の赤煉瓦駅舎)
✔ 第一次世界大戦
✔ 洋髪流行
✔ 芥川龍之介「羅生門」「鼻」
✔ 簡易生命保険始まる
✔ 大正デモクラシー(吉野作造)
✔ 米騒動
✔ 竹久夢二の活躍

この集の目玉は、なんといっても2枚の切手を横に繋げて東京駅の壮麗な駅舎をパノラマで表現したデザインでしょう。

竹久夢二の切手も2種類が続き絵のようになっており、連刷デザインが多く用いられた点が特徴です。

「大正デモクラシー」や「米騒動」といった社会史的なテーマが切手の図案として採用されたことも注目されました。

第4集|「箱根駅伝始まる」からの詳細

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

発行日:1999年12月22日

1920年から1925年の出来事がテーマとなっています。大正時代の後期から、昭和時代が始まる直前までのトピックが中心です。

主な図案としては以下のとおり。

✅ 箱根駅伝始まる
✅ 流行歌「ゴンドラの唄」
✅ 関東大震災
✅ 漫画「のんきな父さん」
✅ 漫画「正チャンの冒険」
✅ タンチョウ(丹頂鶴)の生息確認
✅ 甲子園球場開場
✅ 無声映画全盛(尾上松之助と阪東妻三郎)
✅ モダンボーイ・モダンガール

「関東大震災」という未曽有の大災害や、当時大人気だった新聞漫画2作品(のんきな父さん、正チャンの冒険)が題材となるなど、バラエティ豊かな構成が特徴です。

第5集|「昭和」始まるの詳細

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

発行日:2000年1月21日

1927年から1928年の出来事がテーマとなっています。元号が「昭和」に改元された直後の、新しい時代の文化、社会、そしてスポーツがテーマです。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 映画「鞍馬天狗」(嵐長三郎=のちの嵐寛寿郎)
✔ 東京地下鉄開業(東洋初の地下鉄、上野~浅草間)
✔ ラジオ体操始まる
✔ アムステルダム五輪(鶴田義行、織田幹雄、人見絹枝)
✔ カフェー全盛
✔ 林芙美子「放浪記」

アムステルダム五輪での日本人選手の活躍やラジオ体操の開始など、スポーツに関連する題材が10種中4種を占めており、「スポーツ切手特集」とも評されました。

新しい時代の幕開けを感じさせる、明るく活気のあるテーマが目立つシートです。

第6集|「昭和初期の浅間山」からの詳細

発行日:2000年2月9日

昭和初期の出来事が主な題材となっている切手群です。
主な図案としては以下のとおり。

✅ 昭和初期の浅間山(版画)
✅ 小林多喜二「蟹工船」
✅ 婦人洋装化進む
✅ 国産乗用車量産(ダットサン)
✅ 漫画「のらくろ」
✅ 日本ダービー始まる
✅ 「影を慕いて」(古賀政男)
✅ 五・一五事件、二・二六事件

昭和初期の不穏な空気と、一方で華やかに発展していく大衆文化の対比が見て取れます。とくに漫画「のらくろ」や日本ダービーなどは、当時の庶民の娯楽を象徴しています。

第7集|「大言海」からの詳細

発行日:2000年2月23日

1932年から1936年ごろの出来事がテーマとなっています。昭和初期の激動の時代、社会基盤の整備や新たな文化の台頭が描かれています。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 辞書「大言海」完結(大槻文彦)
✔ 東京音頭
✔ エノケン一座(榎本健一)
✔ 忠犬ハチ公
✔ 職業野球(プロ野球)始まる
✔ 「宮本武蔵」吉川英治
✔ 蒸気機関車D51登場
✔ リュウキュウカラスバト

忠犬ハチ公やエノケン一座といった親しみやすい題材の一方で、プロ野球や蒸気機関車の登場など時代の幕開けを感じる出来事が切手に採用されています。

第8集|「ヘレン・ケラー女史初来日」からの詳細

発行日:2000年3月23日

1937年から1940年ごろの出来事がテーマとなっています。戦時色が徐々に濃くなっていく中での文化や社会の動きが中心です。

主な図案としては以下のとおり。

✅ ヘレン・ケラー女史初来日
✅ 神風号・ニッポン号飛行成功
✅ 千人針・国民服・モンペ
✅ 山本有三「路傍の石」
✅ 映画「愛染かつら」
✅ 横綱双葉山69連勝
✅ 沢村栄治投手の活躍
✅ 「誰か故郷を想わざる」
✅ 棟方志功の活躍

大相撲の双葉山や伝説の投手・沢村栄治など、スポーツ界の英雄が登場。一方で、千人針や国民服といった戦時下の生活様式も記録されています。

第9集|「杉原千畝副領事がビザ発給」からの詳細

発行日:2000年4月21日

1940年から1945年の出来事がテーマとなっています。第二次世界大戦(太平洋戦争)の開戦から終戦まで、激動の5年間が刻まれています。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 杉原千畝副領事がビザ発給(命のビザ)
✔ 国民学校始まる
✔ 真珠湾攻撃
✔ 詩集「道程(高村光太郎)」で第一回帝国芸術院賞
✔ 昭和新山
✔ 広島・長崎の被爆(原爆ドームと平和祈念像)
✔ 終戦(玉音放送)
✔ 黄金バッド

戦争の悲惨さと平和への願いが込められた作品集です。とくに「杉原千畝」や「広島・長崎」の図案は、歴史的な重みを感じさせます。

第10集|「リンゴの唄」からの詳細

発行日:2000年5月23日

1945年から1952年ごろの出来事がテーマです。戦後の焼け野原からの復興、そして新しい民主主義の時代の幕開けが描かれています。

主な図案としては以下のとおり。

✅ リンゴの唄(並木路子)
✅ サザエさん(長谷川町子)
✅ 日本国憲法施行
✅ 古橋廣之進選手世界新記録(フジヤマのトビウオ)
✅ 湯川秀樹博士 ノーベル物理学賞
✅ 紅白歌合戦始まる
✅ 鉄腕アトム(手塚治虫)
✅ 映画「君の名は」・真知子巻き流行
✅ 壺井栄「二十四の瞳」

「リンゴの唄」や「サザエさん」など、戦後の日本を明るく照らした文化が数多く取り上げられています。湯川秀樹の日本人初ノーベル賞受賞もこの時期の大きなトピックです。

第11集|「ラジオ定着・テレビ本放送開始」からの詳細

発行日:2000年6月23日

1953年から1958年ごろの出来事がテーマとなりました。高度経済成長期の前夜、マスメディアの発達とともに新しい大衆文化が花開いた時代です。

主な図案としては以下のとおり。

✔ ラジオの定着・テレビ本放送開始
✔ 映画「七人の侍」(黒澤明監督)
✔ 力道山の活躍(プロレスブーム)
✔ ゴジラ(第1作)
✔ 太陽族流行
✔ 1万円札発行(聖徳太子)
✔ 東京タワー完成

テレビ時代の到来を告げる図案や、怪獣映画の金字塔「ゴジラ」、プロレスの力道山など、昭和30年代の熱気が伝わってくるようなラインナップです。

第12集|「カラフト犬タロ・ジロ南極越冬」からの詳細

発行日:2000年7月21日

1959年から1964年ごろの出来事がテーマとなっています。戦後復興を遂げ、日本が国際社会に復帰し、大きく飛躍していく様子が描かれています。

主な図案としては以下のとおり。

✅ カラフト犬タロ・ジロ南極越冬
✅ 皇太子殿下(現上皇陛下)御成婚
✅ 伊勢湾台風
✅ 永六輔・中村八大「上を向いて歩こう」(坂本九)
✅ 「竜馬がゆく」司馬遼太郎
✅ こんにちは赤ちゃん
✅ 東海道新幹線開業
✅ 東京オリンピック

「ミッチー・ブーム」を巻き起こした皇太子ご成婚や、東京オリンピック、新幹線といった日本の成長を象徴する出来事が目白押しです。

第13集|「ひょっこりひょうたん島」からの詳細

発行日:2000年8月23日

1964年から1971年ごろの出来事がテーマとなっています。いざなぎ景気と呼ばれる好況期、テレビや漫画のキャラクターたちが子供たちのヒーローとなった時代です。

主な図案としては以下のとおり。

✔ ひょっこりひょうたん島
✔ 新三種の神器(カラーテレビ・車・クーラー)
✔ ウルトラマン
✔ グループサウンズ流行(GS)
✔ ノーベル文学賞受賞
✔ 映画「男はつらいよ」
✔ 大阪万博(太陽の塔)
✔ 戦争を知らない子供たち

「ひょっこりひょうたん島」の切手は、横に連なる2枚の変形切手(横連刷)で、ひょうたん形を表現した非常にユニークなデザインとなっており、シリーズの中でもとくに遊び心にあふれています。

第14集|「高松塚古墳壁画発見」からの詳細

発行日:2000年9月22日

1972年から1974年ごろの出来事がテーマとなりました。高度成長の終わりと、社会の成熟、国際関係の変化などが記録されています。

主な図案としては以下のとおり。

✅ 高松塚古墳壁画発見(西壁女子群像など)
✅ ジャイアントパンダ初来日(カンカン・ランラン)
✅ 沖縄復帰
✅ ベルサイユのばら(池田理代子)
✅ 小澤征爾の活躍
✅ ON時代・王貞治選手 長嶋茂雄選手の活躍
✅ 襟裳岬
✅ 宇宙戦艦ヤマト

日本中が沸いたパンダブームや、社会現象となった「ベルサイユのばら」、そして長嶋茂雄の活躍など、記憶に残るニュースが切手になっています。

第15集|「時代」からの詳細

発行日:2000年10月23日

1975年から1983年ごろの出来事がテーマとなっています。昭和後期の、多様化する文化とテクノロジーの進化が感じられる時代です。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 「時代」(中島みゆき)
✔ 「およげ!たいやきくん」
✔ カラオケ流行
✔ 山口百恵「秋桜」
✔ ピンク・レディー「UFO」
✔ テレビドラマ「3年B組金八先生」
✔ テレビアニメ「機動戦士ガンダム」
✔ 電子音楽の流行(YMOなど)
✔ テレビドラマ「おしん」

「ガンダム」や「YMO」、「インベーダーゲーム」など、のちのサブカルチャーに多大な影響を与えたコンテンツが登場します。

第16集|「昭和から平成へ」からの詳細

発行日:2000年11月22日

1986年から1993年ごろの出来事が切手のテーマに。昭和の終わりと平成の始まり、そしてバブル経済の時代背景が映し出されています。

主な図案としては以下のとおり。

✅ ハレー彗星接近
✅ 青函トンネル開通
✅ 「それいけ!アンパンマン」
✅ 吉野ヶ里遺跡発掘
✅ 美空ひばり国民栄誉賞受賞
✅ Jリーグ開幕
✅ 平山郁夫が描いた世界遺産「敦煌」
✅ 平山郁夫が描いた世界遺産「法隆寺」

「ハレー彗星」の切手は日本初の五角形切手として発行され、大きな話題となりました。Jリーグ開幕など、平成初期の活気が感じられます。

第17集|「皇太子殿下御成婚」からの詳細

発行日:2000年12月22日

1993年から1998年ごろの出来事がテーマです。20世紀の最後を締めくくる第17集は、未来への希望と記憶すべき出来事が凝縮されています。

主な図案としては以下のとおり。

✔ 皇太子殿下御成婚
✔ 阪神・淡路大震災
✔ 情報通信サービスの普及
✔ 日本人宇宙飛行士の活躍
✔ 地球温暖化防止問題
✔ 長野冬季オリンピック
✔ 日本サッカー世界へ飛躍

この最終第17集は「20世紀最後に発行する郵便切手」と位置づけられ、シリーズの最後を飾るにふさわしい内容となりました。

震災の記憶を刻みつつ、長野五輪や宇宙開発など、21世紀への架け橋となる希望が描かれています。

20世紀デザイン切手の特徴と注目ポイント

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

この20世紀デザイン切手シリーズが切手収集家や歴史愛好家からなぜこれほど注目されるのか、そのユニークな特徴や特筆すべき点を解説します。

20世紀日本史を凝縮した「アルバム」

20世紀デザイン切手」シリーズの最大の功績は、20世紀の日本の歩みを視覚的にまとめた一種の「歴史アルバム」としての性格を持つ点です。

芸術、文学、スポーツ、科学技術、社会風俗、そして時には戦争や災害といった出来事まで、多岐にわたる分野から題材が網羅的に選ばれています。

発行当時は、新しいシートが発行されるたびに新聞やテレビで取り上げられるなど大きな話題となり、切手を通じて近現代史を学ぶ、歴史教育・文化資料としての側面も持っていました。

初めての試みとユニークなデザイン

このシリーズは、技術面やデザイン面でも多くの新しい試みがなされました。

まず、シリーズ切手としては初めて専用のロゴマーク(20世紀と21世紀を結ぶ橋のイメージ)が制作され、全シートに印刷されました。

デザイン面では、第13集の「ひょっこりひょうたん島」が横に連なる2枚の変形切手(横連刷)で、ひょうたん形を表現したデザインに。

さらに、第16集では、ハレー彗星の接近を題材にした切手が、五角形の切手として発行され、コレクターたちの注目を集めました。

当時の写真やポスター、錦絵など、史料に基づいたビジュアルがデザインに取り入れられている点も大きな特徴です。

20世紀デザイン切手の買取相場と価値

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

発行当時は絶大な人気を誇った20世紀デザイン切手ですが、現在の切手買取市場ではどのような評価を受けているのでしょうか。

ここでは、切手買取に関する情報として現在の価値と相場について解説します。発行枚数や現在の人気、どのような状態であれば価値がつくのかを見ていきましょう。

発行枚数が多く、額面以上の価値はつきにくい?

20世紀デザイン切手が、額面(シート価格740円)を大きく上回るプレミア価格がつくことは、現在の市場では稀です。その最大の理由は、発行枚数の多さにあります。

切手は各種700万枚、シリーズ総計では約11億9千万枚という非常に多くの枚数が発行されました。発行当時に多くの人が購入し、大切に保管しているため、現存数も多いと推定されます。

ただし、発行からすでに20年以上が経過しており、シミや汚れのない美しい状態で残っている未使用シートは、徐々に貴重になっているともいえます。

シート(全集)とバラ切手での価値の違い

切手買取の基本的な原則として、切手は1枚ずつ(バラ)の状態よりも、シート(台紙)の状態で残っている方が価値が高くなります。

20世紀デザイン切手シリーズにおいては、この点がとくに重要です。

なぜなら、第3集の「東京駅開業」や第1集の「日露戦争」のように、切手2枚で1つのデザインが完成する連刷が含まれているからです。

これらを切り離してしまうと、デザイン的な価値は大きく損なわれます。

また、シートの余白(耳紙)部分にも専用ロゴマークやタイトルが印刷されており、これらがすべてそろった「完片」であることは高評価となります。

最も価値が期待できるのは、第1集から第17集まですべてがそろった「全集」の状態です。

さらに、発行当時の専用アルバムに収められている場合は、コレクションとしての価値が評価されやすいでしょう。

「第1集の贈呈用シート」や「マキシマムカード」は高価買取に期待できる

20世紀デザイン切手の第1集には、「贈呈用シート」が存在します。これは抽選でプレゼントされていたもので発行数もわずか。保存状態が良ければ高額にも期待できるでしょう。

「マキシマムカード」は切手とハガキが同じデザインで、押された消印がデザインと関連しているハガキのことです。

20世紀デザイン切手では、マキシマムカード用の台紙があり、好条件がそろうとプレミアが付きます。

そのほか、印刷ミスによるエラー切手なども高い価値を持つため、通常の切手とは異なると感じる場合には専門家にみてもらうのがオススメです。

20世紀デザイン切手を高く売るためのコツ

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

もしご自宅に眠っている「20世紀デザイン切手」の売却を検討されている場合、いくつかのポイントを押さえることで、その価値を最大限に活かすことができます。

切手は非常にデリケートなため、保管方法や売却先の選び方が査定額に直結します。

良好な状態を保つ(シミ・折れ・黄ばみの防止)

切手買取において、その価値を最も左右するのは「状態」です。

切手は紙でできているため、湿気や光に非常に弱いという特性があります。シミや黄ばみ、カビが発生したり、折れや破れが生じたりすると、価値は著しく下がってしまいます。

保管する際は、湿気が少なく、直射日光が当たらない場所を選んでください。専用の切手アルバムやストックブックに入れて保管するのが最も理想的です。

ビニール袋などに入れる場合は、湿気がこもって逆にカビの原因にならないよう注意が必要です。

シートは切り離さず、全集はそろえて売る

このシリーズはシート単位、あるいは全集単位でコレクションすることに価値があります。

シートの周りの耳紙を切り取ったり、連刷の切手を面白半分で切り離したりすることは、絶対に避けてください。

もし全17集がそろっていなくても、持っている分をすべてまとめて査定に出すことを推奨します。

バラバラになっている場合でも、専門家が見れば価値を判断できます。ご自身で「これは価値がないかも」と判断せず、そのままの状態で査定に出しましょう。

切手の価値がわかる専門業者に依頼する

20世紀デザイン切手のような記念切手シリーズの価値を正しく評価するには、切手に関する専門知識が不可欠です。

たとえば、一般的なリサイクルショップや金券ショップでは、「額面の何パーセント」という形でしか買い取ってもらえない場合がほとんどです。

シリーズの歴史的価値や、全集がそろっていることのコレクション価値は考慮されません。

切手の価値をしっかりと評価し、適正な価格で買い取ってもらうためには、切手買取を専門とし、経験豊富な査定士が在籍する業者に依頼することが、高価買取への一番の近道といえます。

20世紀デザイン切手の買取なら福ちゃんへ

切手買取の福ちゃんには、切手に関する深い専門知識と豊富な買取実績を持つ査定士が多数在籍しています。

20世紀デザイン切手についても、シリーズ全体の価値、各シートの状態、全集そろいかどうか、専用アルバムの有無などを細かくチェックし、その切手が持つ価値をしっかりと評価します。

20世紀デザイン切手の売却をお考えなら、福ちゃんまでお気軽にご相談ください。

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まとめ

記念切手「20世紀デザイン切手シリーズ」とは

20世紀デザイン切手」は、1999年から2000年にかけて発行された、日本の20世紀の歴史と文化が凝縮された壮大な切手シリーズです。

その内容はしばしば「20世紀日本史アルバム」と評されることもあるなど、文化遺産ともいえる存在感を放っています。

発行枚数が多かったため、プレミア価値がつきにくい現状はありますが、その優れたデザイン性や歴史的価値から、発行から20年以上が経過した今も高い人気があります。

もしお手元に20世紀デザイン切手をお持ちであれば、その価値がどれほどのものか、一度確かめてみてはいかがでしょうか。

20世紀デザイン切手に関するQ&A

20世紀デザイン切手に関して、お客様からよく寄せられる疑問などをまとめました。

Q. 全何種類ありますか?

A. 「20世紀デザイン切手」は、全17集(シート)で構成されています。各集は10枚の切手(50円2種、80円8種)で構成されているため、切手の種類としては合計170種類となります。

Q. 額面はいくらですか?

A. 各シートは、50円切手が2種類(合計100円)と80円切手が8種類(合計640円)の、合計10枚で構成されています。したがって、シート1枚としての額面(定価)は740円です。

Q. 発行枚数はどれくらいですか?

A. 各切手の発行枚数は、それぞれ700万枚です。シリーズは全170種ありますので、その総計は約11億9千万枚に達します。記念切手としては非常に発行枚数が多いシリーズです。

Q. バラ切手でも買い取ってもらえますか?

A. はい、福ちゃんではバラ切手1枚からでも査定・買取が可能です。

20世紀デザイン切手の場合は、切り離されていないシートの状態や、全集がそろっている方がコレクションとしての価値が高くなる傾向にあります。

お持ちの切手は、バラであってもシートであっても、すべてまとめてご相談ください。

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