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仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

悠久の歴史が刻まれた、シルクロードのオアシス「敦煌(とんこう)」。

その地にある「莫高窟(ばっこうくつ)」の壁画は、東西文化が織りなす仏教美術の最高峰として、世界中の人々を魅了し続けています。

1987年、中国はこの貴重な文化遺産を題材にした特別な切手を発行しました。

敦煌の壁画(1次)切手」と名付けられたこの切手シリーズは、菩薩や天人、そして感動的な物語を描いた鮮やかな色彩と精緻な描写で、壁画に込められた深遠なメッセージを現代に蘇らせます。

この記事では、「敦煌の壁画(1次)切手」のデザインをはじめ、背景にある物語から切手の市場価値まで。あらゆる角度から、徹底解説します。仏教美術の傑作をモチーフにしたこの切手は、所有者のコレクションに深みと彩りを添えることでしょう。

ぜひ最後までご覧ください。

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「敦煌の壁画切手」とは?

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

敦煌の壁画(第1次)切手」とその小型シートは、1987年に中国が発行した特別な切手シリーズです。悠久の歴史を誇る敦煌莫高窟の壁画を題材に、その美しさと価値を世界に発信しました。

甘粛省に位置する「敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)」は、366年頃から造営が始まったとされる仏教芸術の宝庫です。

長い年月をかけて、数々の仏像や壁画がここに描かれました。シルクロードの要衝として栄えたこの地では、インドから伝来した仏教文化と中国独自の美術が融合し、他に類を見ない貴重な空間が生まれました。

壁画には、仏や菩薩、経典に基づく物語など、宗教的なテーマを中心に描かれています。当時の社会や人々の信仰を色濃く反映したこれらの作品は、歴史的にも芸術的にも極めて重要な価値を持っています。

20世紀初頭に再発見された敦煌莫高窟は、その芸術的価値が世界中に知られるようになりました。しかし同時に、この貴重な文化遺産を保護することの重要性も浮き彫りになったのです。

敦煌の壁画(第1次)切手」シリーズは、仏教芸術の重要な一部である敦煌の壁画を広く紹介し、その保存を支援する目的で制作されました。

切手を通して、人々は敦煌の美に触れ、その保護への意識を高められるのです。

「敦煌の壁画(1次)切手」の全デザインをご紹介

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

中国切手「敦煌の壁画(1次)」は、シルクロードの至宝・敦煌莫高窟の壁画を題材にした美しいシリーズです。

4種類の切手と1枚の小型シートで構成されており、コレクターの間で高い人気を誇ります。ここからは、人気の高い4種類の切手デザインを詳しくご紹介します。

それぞれのデザインテーマと発行枚数は、以下のとおりです。

✔ 菩薩信仰(額面8分、発行枚数1,675万5,020枚)
✔ ジャータカ(額面10分、発行枚数643万5,520枚)
✔ 天界の伎楽(額面20分、発行枚数932万6,020枚)
✔ 空を舞う天人(額面40分、発行枚数645万9,720枚)

下記より、詳細について解説します。

菩薩信仰(北涼・供養菩薩)

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

菩薩信仰は、仏教において人々を救済へと導く「菩薩(ぼさつ)」を対象とした信仰です。

菩薩は、慈悲と智慧を兼ね備え、悟りを求めるだけでなく、あらゆる衆生を救うために修行を続ける存在として描かれます。

この切手のデザインテーマは、北涼時代に描かれた「供養菩薩」です。

説法を聴く菩薩たちの姿は実に多様で、それぞれの信仰の深さや姿勢を反映しています。蓮華や衣を捧げ敬虔な祈りを捧げる菩薩、法悦のあまり踊り出す菩薩、熱心に教えを議論する菩薩、深い瞑想に耽る菩薩など。その表現は、実に豊かです。

これらの多様な菩薩の姿は、菩薩信仰の奥深さと、人々がいかに熱心に菩薩を信仰していたかを物語っています。

1枚の切手から、当時の信仰心の篤さと、仏教美術の豊かな表現力を感じられるでしょう。

ジャータカ(北魏・鹿王本生)

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

ジャータカとは、お釈迦様の前世における善行や物語を描いた仏教説話です。

人々に道徳的な教訓を伝える、重要な役割を果たしてきました。

この切手の図案は、敦煌壁画の中でもとくに有名な北魏時代の「鹿王本生」から選ばれています。

美しい「九色鹿」の姿が印象的なこの物語は、慈悲深い鹿王が溺れる人間を救う場面から始まります。しかし、救われた人間は恩を仇で返し、鹿王を裏切ってしまうのです。

物語は、真実を知った国王が鹿王の慈悲深さに感動し、悪人が報いを受けるという結末を迎えます。

善行の大切さと因果応報の厳しさを鮮やかに描き出し、仏教の道徳観を象徴する物語といえるでしょう。

天界の伎楽(北魏・天宮伎楽)

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

天界の伎楽は、仏教における極楽浄土や天上世界で繰り広げられる、美しい音楽と舞踊の世界を描いたものです。

この切手のデザインは、敦煌壁画の中でもとくに華やかな「天宮伎楽」を題材にしています。

美しい衣装を身に纏い、笛や琴などの楽器を奏でながら優雅に舞う天人たち。その姿は、見る者をたちまち天上の世界へと誘います。

天宮は「乾闥婆城」とも呼ばれる天空の宮殿で、天人たちが仏への感謝と祈りを込めて音楽と舞踊を奉納する場所です。その光景は、極楽浄土の平和と歓喜に満ち溢れ、私たちに仏教の教えがもたらす理想郷の姿を垣間見せてくれます。

この切手は、修行を積むことで到達できる天界の喜びと美しさを表現しており、信仰心を持つ人々にとって、大きな希望と励みとなるでしょう。

空を舞う天人(北魏・飛天)

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

この切手には、仏教の世界で音楽と舞踊を司る神、「乾闥婆(けんだつば)」が描かれています。

天衣と帯を風になびかせ、軽やかに天を舞うその姿は、まるで音楽が聞こえてくるかのようです。周囲に舞う天の花々も、この神聖な雰囲気をいっそう高めています。

この美しい図案は、敦煌莫高窟の壁画に見られる「飛天」と呼ばれる、天人の姿に基づいています。

飛天は、仏教における天上界の美しさと神秘性を象徴する存在であり、見る者に極楽浄土の素晴らしさを想像させるのです。

▼中国切手「敦煌の壁画(1次)」の詳細
・発行日:1987年5月20日
・額面:8分~40分
・切手デザイン:全4種類
・編号:T116

慈悲と自己犠牲の物語を伝える「敦煌の壁画 小型シート」

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

敦煌の壁画 小型シート」は、通常の切手よりも大きな一枚絵の切手で、仏教説話「仔虎を救う王子(薩埵太子の捨身飼虎)」をテーマにした壮大なデザインが特徴です。

仔虎を救う王子(北魏・薩埵太子の捨身飼虎)

切手には、仏教の教えの中でもとくに重要な「慈悲」と「自己犠牲」を体現した、感動的な物語が描かれています。

主人公は、高貴な王子「薩埵太子」。

彼は、兄たちと山を散策中に、飢えた母虎と仔虎たちに出会います。その痛ましい光景を目にした太子は、深い慈悲の心から、自らの身を犠牲にすることを決意。自らの命を絶ち、虎たちの餌となるのです。

切手には、太子が自害する場面だけでなく、その前後の出来事も重ねて描かれています。王子の崇高な行いと、それによってもたらされた悲劇的な結末が、見る者の心を打ちます。

この物語は、そのような自己犠牲と慈悲の精神を通じて、仏教の根幹を伝えるものです。

▼中国切手「敦煌の壁画 小型シート」の詳細
・発行日:1987年5月20日
・額面:2元
・切手デザイン:全1種類
・編号:T116m

「敦煌の壁画(1次)切手」の価値と高価買取のコツ

仏教美術の傑作「敦煌の壁画(1次)」はどのような中国切手?価値やデザインもすべて解説

「敦煌の壁画(第1次)切手」は、中国切手の中でもコレクターから高い人気を誇り、買取市場でも注目されています。

とくに、大型シート「仔虎を救う王子」は希少性が高く、保存状態の良いものは高値で取引される傾向があります。

お手持ちの中国切手を少しでも高く売るためには、「切手の状態を良好に保つ」ことが重要です。専用のアルバムや保護フィルムを活用し、切手の劣化を防ぎましょう。

新品に近い状態ほど、高価買取が期待できます。

「敦煌の壁画(第1次)切手」の価値が気になる方、売却をお考えの方は、ぜひ「買取福ちゃん」へご相談ください。

切手に精通した専門スタッフが、お客様の大切な切手を査定いたします。

中国切手以外にも、さまざまな切手を高価買取中です。

たとえば、古い切手には価値がないと思われるかもしれませんが、その希少性に価値が付き、意外と高く売れる場合がございます。

お客様にとってご面倒な切手の仕分け作業も必須ではございませんので、「切手を売りたい」とお考えの方は、お気軽に福ちゃんまでお問い合わせくださいませ。

切手の種類や枚数などを問わず、無料で査定させていただきます。

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まとめ

切手買取なら“福ちゃん”にお任せください

「敦煌の壁画(第1次)切手」シリーズは、芸術・歴史・文化・宗教が織りなす敦煌壁画の魅力を、小さな切手の中に凝縮した傑作です。

単なる郵便切手としての枠を超え、中国の文化遺産を称える芸術作品として、そして教育的な価値を持つ資料として、発行から数十年を経た今も輝きを失っていません。

中国切手のコレクターの方はもちろん、芸術や歴史に関心のある方にとっても、このシリーズは魅力的なコレクションとなるでしょう。

とくに「敦煌の壁画 小型シート」は、保存状態の良いものが希少になりつつあるため、高額査定の可能性を秘めた逸品です。

もしかすると、読者様の切手コレクションの中に、このような思いがけない価値を秘めた切手が眠っているかもしれません。

この機会に、コレクション整理も兼ねて、お手元の切手を査定に出してみてはいかがでしょうか。

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