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  • 古銭/記念硬貨
  • 2025.12.21

貿易銀の種類と価値はどの程度?本物を見分けるコツと売却のポイント

明治時代の日本では、海外貿易の振興のために「貿易銀」と呼ばれる銀貨が流通していました。貿易銀は、発行年や状態によって数万円から数百万円と価値が大きく異なります。

自宅の片付けや遺品整理などのタイミングで貿易銀を発見し、どの程度の価値があるのか知りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、貿易銀の基本知識から年代ごとの特徴、本物を見分けるコツを紹介します。併せて価値を保つ保存方法と売却のコツも解説するので、正確な知識を得て、手持ちの貿易銀を高値で売却しましょう。

貿易銀とは?

硬貨と小槌、天秤

貿易銀は、貿易のみに使用する目的で鋳造された硬貨で、「貿易銀」と刻印されています。最初に貿易銀が発行されたのは、1875年(明治8年)です。

1870年の明治3年から貿易専用として発行された1円銀貨も含めて「貿易銀」と表すこともありますが、この記事では1875年(明治8年)~1877年(明治10年)に発行され、「貿易銀」と刻印されているものを扱います。

貿易銀の特徴

  • 重さ:約27.2g
  • 直径:約38.6mm
  • 厚さ:約2.6mm

貿易銀は、1870年(明治3年)から発行されていた1円銀貨と同じように、表面の中央に竜の刻印があります。縁には重さを表す「420 GRAINS」、貿易専用であることを表す「TRADE DOLLAR」、銀位を表す「900 FINE」、発行年などの刻印が見られます。

裏面は「貿易銀」と菊紋や桐葉などの刻印が特徴的です。

貿易銀の発行経緯

貿易銀が発行される前も、日本は貿易用の1円銀貨を発行していました。しかし、明治初期、東洋の貿易ではメキシコが圧倒的勢力を誇っており、メキシコの銀貨が日本のものより銀品位が高いものだったため、日本の1円銀貨があまり流通しなかったと考えられています。

アメリカが銀品位を上げた銀貨で東洋市場での勢力を伸ばしたのを見て、日本も銀品位を上げた「貿易銀」の発行に至りました。

貿易銀を国際通貨として普及させる狙いでしたが、品質を向上させたにもかかわらず結果が得られなかったため、約3年間で製造停止に至ったといわれています。

一圓銀貨について詳しくはこちら
一圓銀貨の価値や種類は?本物と偽物の見分け方や特年の紹介

【年代別】日本の貿易銀3種類|特徴と買取相場

貿易銀の年代別買取相場

貿易銀は1875年(明治8年)~1877年(明治10年)の3年間しか発行されませんでしたが、製造年によって発行枚数や細かいデザインに違いがあり、それぞれ異なる価値を持っています。

ここでは、発行された3種類の貿易銀について、年代別にそれぞれの特徴や希少性を見ていきましょう。

【1875年(明治8年)】日本で初めて発行された貿易銀

明治8年の貿易銀

1875年(明治8年)に発行された貿易銀は、発行開始年ということもあり、コレクターにも注目されています。裏面には「貿易銀」の文字と菊の紋章、桐の葉がデザインされていて、日本の近代貨幣としての品格を感じさせる仕上がりといえるでしょう。

1875年(明治8年)に発行された貿易銀の中で特に注目したいのが、「大桐」と呼ばれるデザインです。通常の貿易銀よりも桐の葉が大きく描かれていて、彫りが浅くなっています。大桐は希少性が高く、状態によっては数十万円の価値がつくこともあるプレミア品です。

「丸銀打」と呼ばれる、銀の文字を丸で囲んだ刻印がある種類はさらに珍しく、100万円近い価格で取引されることもあります。

【1876年(明治9年)】発行数が多い貿易銀

明治9年の貿易銀

1876年(明治9年)に発行された貿易銀のデザインは、1875年製造のものと基本的に変わりません。「大桐」と呼ばれる通常より桐の葉が大きく描かれているデザインが存在するのも、共通点です。

1875年および1877年の貿易銀より発行枚数が多いぶん、市場価値がやや控えめになることもあります。しかし、古銭としては高い価値があることに変わりはなく、10万円前後の査定額がつくことも少なくありません。

【1877年(明治10年)】日本最後の貿易銀

明治10年の貿易銀

1877年は貿易銀が発行された最後の年です。この年は貿易銀の発行枚数が少なく、「大桐」のデザインは採用されていません。

発行数が少ないために価値が高く、美品であれば10万円以上の査定額がつくことも多く、未使用品であれば20万円以上で取引されるケースもあります。市場に流通する量が限られていて、コレクターからの需要が高いためです。

⚠︎CAUTION!
紹介している買取相場はあくまでも目安です。実際の買取価格は保管状態や市場の需給バランスなど、さまざまな要因で変動します。詳細は古銭買取業者にご確認ください。

貿易銀における細かいデザインの違い

硬貨を鑑定している人の手元

貿易銀は製造年だけでなく、裏面に刻印された桐の葉のデザインにも細かな違いが存在します。これらのデザインバリエーションは「長支脈」「短支脈」「対称脈」と呼ばれ、それぞれ細かい部分が異なっていて、価値にも影響するため要チェックです。各デザインの特徴と見分け方を見ていきましょう。

【長支脈】葉の支脈がはっきりしている

貿易銀には、「長支脈」と呼ばれるデザインがあります。通常の貿易銀と比較すると、裏面の7時方向に刻印されている桐の葉の3本の葉脈が、同じ位置からきれいに伸びているのが長支脈の特徴です。

葉脈の線が明瞭に刻印されていて、一目で判別できる場合もあります。ただし、経年劣化や摩耗の状態によっては葉脈の確認が難しいケースもあるため、ルーペや拡大鏡を使用して慎重にチェックすることが大切です。

【短支脈】葉の支脈が少しずれている

裏面の7時方向にある桐の葉の3本の支脈が同じ起点から放射状に伸びている「長支脈」に対し、「短支脈」は支脈の根元が微妙にずれているのが特徴です。長支脈以外の普通の貿易銀も、支脈は同じ起点から伸びています。

この微細なずれは肉眼では判別しにくい場合もあるため、10倍程度のルーペを使用して慎重に観察するのがおすすめです。照明の角度を変えながら確認すると、支脈の位置関係がより明確に見えるでしょう。

【対称脈】葉の中央の支脈がない

「対称脈」は、裏面の7時方向にある大きな桐の葉の支脈が2本しかないデザインです。通常の貿易銀では3本の支脈が同じ位置から分かれているのに対し、対称脈は中央の支脈を軸として左右の支脈が対称的な位置に配置されています。

対称脈の貿易銀は珍しく、高値がつく可能性がある1枚です。ルーペなどを使用して念入りにチェックし、見つけた際は専門家に査定を依頼するとよいでしょう。

貿易銀の本物と偽物(レプリカ)の見分け方

貿易銀の本物と偽物(レプリカ)の見分け方

希少価値が高く、査定額も高額になる傾向にある貿易銀は、偽物が非常に多く出回っています。手持ちの貿易銀が本物か見極めたいときは、以下のポイントに注目しましょう。

  • 重さ・サイズ
  • 刻印
  • シークレットマーク

それぞれの着眼点を詳しく解説します。貿易銀の売却を考えている方は、ぜひ事前に確認してみましょう。

重さ・サイズを確認する

本物の貿易銀は重さが27.2g、直径約38.6mm、厚さ約2.6mmです。摩耗や硫化、製造誤差による違いはありますが、この数値と大きく異なるものは偽物の可能性が高いといえます。

特に、厚さが3mmを超えると高確率で偽物といわれているため、注意が必要です。また、偽物は質量が軽い傾向があるため、重さと厚みの双方を確認すると本物かどうかを見極められることがあります。

刻印の品質を確認する

貿易銀の偽物は、本物と比べると刻印に違いが見られることがあります。偽物は刻印が明確でなかったり、文字が細く彫られていたりするため、細かく見れば見分けられる可能性もあるでしょう。

しかし、本物のデザインについて知識がないと、刻印で見分けることは不可能です。本物かどうかの見極めに悩んだら、古銭に強い買取業者の査定士に依頼しましょう。

シークレットマークを確認する

シークレットマークとは、偽造防止のために施された秘密の印です。現在でいう紙幣の透かしやホログラムのようなものを言います。貿易銀に施されているシークレットマークは、裏面の「馬の歯」と呼ばれる縁を飾るギザギザです。

本物の貿易銀であれば、菊紋の真上から数えて8番目にある馬の歯が他の馬の歯に比べて細くなっています。シークレットマークがなければ、偽物の可能性が高いでしょう。

側面のデザインを確認する

本物の貿易銀はプレス加工で製造されているため、側面のギザギザが均一で深く、等間隔に刻まれています。溝の深さや幅が一定であり、手触りでもはっきりと凹凸を感じ取れるのが特徴です。

一方、偽物は鋳造によって作られるケースが多く、側面の溝が浅かったり間隔が不ぞろいだったりします。

さらに注意したいのが、鋳造時に残った「バリ」と呼ばれる突起です。プレス加工による製造ではバリができないため、バリがあるものは偽物と判断できるでしょう。

貿易銀には試鋳貨幣も存在

貿易銀には、発行開始年である1875年より前に製造された試鋳貨幣があります。これは1874年に製造されていて、「明治7年」の刻印があるためすぐに判別可能です。

試鋳貨幣とは、本格的な発行に先立って製造された試作段階の貨幣を指します。試鋳貨幣は翌年から発行された貿易銀と同じデザインであるものの、製造枚数が極めて少ないことが特徴です。

市場に現存する数がごくわずかであるため、通常の貿易銀と比較して希少価値が高く評価されています。過去には海外のオークションにおいて24万ドル以上で落札された記録もあり、コレクターから高い関心を集める貨幣です。

貿易銀の高値買取につながる適切な保存方法

コインケースに収められた銀貨

貿易銀の買取価格は、保存状態によっても変化します。高値での売却を実現するには、日頃からの適切な管理が欠かせません。

ここからは、貿易銀の状態を長期間維持し、買取時に高い評価を受けるための保存方法について紹介します。

適切な環境で保存する

貿易銀は銀製品であるため、硫化による変色が起こりやすい特性があります。硫化は、銀が大気中の硫黄成分と反応し、硫化銀を生成する現象です。

保管環境の湿度が高いと硫化が促進され、表面に黒ずみが発生します。そのため、直射日光や高温多湿の環境を避けて保管することが大切です。具体的には、除湿剤と一緒に密閉性の高い容器で保管することをおすすめします。

また、素手で触れると皮膚の油分や汗に含まれる硫黄成分と反応しやすくなるため、取り扱う際は手袋を着用しましょう。

保存用のケースを使用する

長期的に貿易銀の美しい状態を保つには、専用の保存ケースを使用するとよいでしょう。

手軽に用意できるのは、プラスチック製のコインカプセルです。貿易銀のサイズに合った直径38mm程度のカプセルを選ぶと硬貨がぴったり収まり、空気との接触を最小限に抑えられます。

ただし、コインカプセルは経年劣化で破損する可能性があるため、定期的に確認して必要に応じて交換しましょう。

定期的にメンテナンスする

貿易銀の価値を長期にわたって保つためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。定期的に目視点検し、表面に変色や汚れが発生していないか、ケースに破損がないかをチェックします。

軽い汚れが付着していたら、柔らかいマイクロファイバークロスで優しく拭き取りましょう。力を入れてこすると、表面に細かな傷が入って価値が下がる恐れがあります。

硫化が進んでいる場合でも、自己判断でクリーニング剤を使用するのは避けましょう。不適切なクリーニングは、かえって貿易銀を傷める原因になります。メンテナンスに関して不安があるときは、専門家に相談するのがおすすめです。

貿易銀の買取は福ちゃんにお任せ!

手持ちの貿易銀を売却しようと考えている方は、ぜひ福ちゃんにご相談ください。福ちゃんは古銭買取にも力を入れていて、価値を正確に判断できる経験豊富な査定士が在籍しています。

貿易銀を丁寧に査定し、適切な価格での買取が可能です。出張買取・宅配買取・店舗買取の3つの方法から選べるため、都合のよい方法で査定を依頼できるのも、福ちゃんのメリットです。

査定は無料で実施しており、買取価格に納得できない場合はキャンセルできます。手元にある貿易銀の価値を知りたい方も、ぜひ福ちゃんの無料査定をご活用ください。

まとめ

古銭・硬貨売るならやっぱり福ちゃん

貿易銀は1875年~1877年にかけて発行された銀貨で、年代ごとに大桐の有無や支脈のデザインなど細かな違いが存在します。偽物も出回っているため、重さ・サイズ・刻印品質・シークレットマーク・側面デザインを確認することが重要です。

手持ちの貿易銀にどの程度の価値があるのか知りたい方や、売却を検討している方は、ぜひ福ちゃんに査定をご依頼ください。福ちゃんには貿易銀を含めた古銭のことを熟知した査定士がいるため、丁寧に状態を確認し、適切な価格を提示します。

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