- 骨董品
- 2025.08.23
陶芸品(陶器)の買取相場は?価値の見分け方や高額査定が期待できる作家もの紹介

「陶芸品は買い取ってもらえる?」
「陶芸品の買取相場が知りたい」
という方のために、陶芸品の買取について解説いたします。
相場や価値の見分け方、高額査定が期待できる特徴など、ぜひ参考にしてください。
陶芸品とは?

陶芸品とは、粘土などを原料に形を作り、それを高温の窯で焼成することで出来上がる「焼き物」の一種です。
素材や焼成する際の温度の違いによっては「陶器」「磁器」と呼ばれ、総称として「瀬戸物」や「陶芸品」と呼ばれています。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
陶芸品の買取相場

下記は、福ちゃんが実際にお買取した陶芸品の買取価格です。
陶芸品の価値は、手がけた作家などによって大きく異なります。
有名作家の作品であれば、数十万円から数百万円することも少なくありません。
また、無名作家の作品であっても、状態や需要などで数千円や数万円で買い取ってもらえる可能性があります。
13代酒井田柿右衛門「濁手地文花瓶」:15万円

13代酒井田柿右衛門は、初代が確立した後に7代以降途絶えていたとされる「濁出(にごしで)」という技術を復活させた陶芸家です。
濁出は、地肌に赤絵を施す柿右衛門窯独自のスタイルで「柿右衛門様式」と呼ばれています。
13代が手がけた「濁手地文花瓶」は、濁出を用いた柿右衛門ブランドを象徴する絵柄で、現代的な感覚も取り入れられた作品です。
13代のサインや落款がある共箱も付属していたことから、15万円でお買取いたしました。
13代酒井田柿右衛門「濁手地文花瓶」について詳しくはこちら↓
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加藤卓男「呉洲鶴花文鉢」:18万円

加藤卓男は、江戸時代から続く窯元「幸兵衛」の6代目で、人間国宝に認定された人物です。
9〜14世紀にペルシア・シリア・エジプトなどイスラム文化圏の陶器に使われた「ラスター彩」という技術を復元し、多大なる功績を残しました。
ラスター彩は、釉薬(ゆうやく)をかけて焼成した表面に銀や銅などの酸化物で絵付けをする技法です。
「呉洲鶴花文鉢」という作品は、1986年に開催された、トプカプ宮殿での個展で展示されたものと考えられます。
ラスター彩が用いられ、加藤卓男が得意とする創作の特徴が現れているため、18万円でお買取いたしました。
加藤卓男の「呉洲鶴花文鉢」について詳しくはこちら↓
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9代大樋長左衛門「寶珠 赤茶碗 即中斎書付」:16万円

大樋長左衛門は、石川県金沢市で焼かれる大樋焼の本家です。
大樋焼は楽焼が公式に認める脇窯の一派で、石川県金沢市で350年以上の歴史があります。
9代大樋長左衛門が手がけた「寶珠 赤茶碗 即中斎書付」は、大樋焼独特のねっとりとした質感が特徴です。
即中斎の書付も付属していたため、16万円でお買取いたしました。
9代大樋長左衛門「寶珠 赤茶碗 即中斎書付」について詳しくはこちら↓
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入江光人司「備前 龍摘宝瓶」:15万円

入江光人司は備前焼の陶芸家で、ろくろを使わず手で土をひねって作品を作り上げます。細かい装飾も精巧に仕上げられるため、見応えある美しい作陶が可能です。
「備前 龍摘宝瓶」は入江光人司の代名詞ともいえる宝瓶の作品で、摘みに「獅子」「瓢箪」「蟹」「龍」などの細工が施されています。
良好な状態や入江光人司作品の中でも人気の龍摘であることから、15万円でお買取いたしました。
入江光人司の「備前 龍摘宝瓶」について詳しくはこちら↓
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陶芸品の価値を見分ける方法

- ✔︎ 作家ものかどうかを確認
- ✔︎ 作られた年代を確認
陶芸品の価値を見分ける際にポイントとなるのが、「作家」「年代」の2つです。
この2つを確認すれば、素人でもある程度の価値を測れる場合があります。
作家ものかどうかを確認
陶芸品は、有名な作家が作ったものであれば価値が高いものと判断できます。
「落款(らっかん)」や「銘」と呼ばれる印やサインがあるかを確認しましょう。
陶芸品が入っている箱や陶芸品の裏に、作家のものと思われるサインがあれば、落款や銘かもしれません。
落款や銘があれば作家ものである可能性があり、高額査定も期待できるでしょう。
作られた年代を確認
古い陶芸品は希少価値が高い可能性があるため、高額査定になりやすい傾向があります。
付属品などにいつ作られたかが記されていないか確認しましょう。
明治時代以前に作られたものは、価値が高いと評価される可能性があります。
作られた時代が古くても現存数が多いなど希少性がなければ価値は期待できません。しかし、多くの場合は古く状態が良いものほど高値が付きやすいため、作られた年代からも価値を測ることが可能です。
高額査定が期待できる陶芸品の特徴

- ✔︎ 有名作家・メーカーが手がけている
- ✔︎ 有名産地で作られている
- ✔︎ 伝統的技法が用いられている
高額査定が期待できる陶芸品の特徴は、主に上記3つです。
有名作家・メーカーが手がけている
人間国宝などに認定されている有名作家や、有名メーカーが作った陶芸品は、質が良いだけでなくコレクターが多く需要も高いため、高額査定が期待できます。
▼ 高額査定が期待できる有名作家
- ✔︎ 河井寛次郎
- ✔︎ 酒井田柿右衛門
- ✔︎ 金重陶陽
- ✔︎ 近藤悠三
- ✔︎ 濱田庄司
- ✔︎ 荒川豊蔵
- ✔︎ 島岡達三
- ✔︎ 伊藤赤水
- ✔︎ 金城次郎
- ✔︎ 田村耕一
- ✔︎ 山本陶秀
- ✔︎ 徳田八十吉
- ✔︎ 藤原啓
- ✔︎ 井上萬二
- ✔︎ 加藤卓男
有名産地で作られている
萩焼や信楽焼など、有名産地で作られている伝統的な陶芸品は高額査定が期待できます。
中でも、日本三大陶磁器といわれる「有田焼」「瀬戸焼」「美濃焼」はコレクターが多く、ギフトやお土産などでも需要がある陶芸品です。
▼ 高額査定が期待できる有名作家
- ✔︎ 益子焼(ましこやき)/栃木県
- ✔︎ 九谷焼(くたにやき)/石川県
- ✔︎ 美濃焼(みのやき)/岐阜県
- ✔︎ 瀬戸焼(せとやき)/愛知県
- ✔︎ 常滑焼(とこなめやき)/愛知県
- ✔︎ 信楽焼(しがらきやき)/滋賀県
- ✔︎ 丹波焼・丹波立杭焼(たんばやき・たんばたちくいやき)/兵庫県
- ✔︎ 備前焼(びぜんやき)/岡山県
- ✔︎ 清水焼(きよみずやき)/京都府
- ✔︎ 萬古焼(ばんこやき)/三重県
- ✔︎ 萩焼(はぎやき)/山口県
- ✔︎ 小石原焼(こいしわらやき)/福岡県
- ✔︎ 有田焼・伊万里焼(ありたやき・いまりやき)/佐賀県
- ✔︎ 唐津焼(からつやき)/佐賀県
- ✔︎ 波佐見焼(はさみやき)/長崎県
- ✔︎ やちむん/沖縄県
伝統的技法が用いられている
陶芸品には、先人たちが確立し、発見と改良を経て現代に伝わっている伝統的技法があります。
伝統的技法が用いられている陶芸品は価値が高いとされ、高額査定が期待できるでしょう。
▼ 絵付けの有名な技法
- ✔︎ 色絵
- ✔︎ 染付
- ✔︎ 鉄絵
- ✔︎ 金襴手(きんらんで)
▼ 釉薬に含まれる鉱物を熱で発色させる技法
- ✔︎ 灰釉
- ✔︎ 鉄釉
- ✔︎ 辰砂釉
- ✔︎ 志野釉
- ✔︎ 織部釉
▼ 彫りや刻みを付ける技法
- ✔︎ 粉引
- ✔︎ 搔き落し
- ✔︎ 象嵌
- ✔︎ 刷毛目
▼ 異なる種類の陶土を合わせる技法
- ✔︎ 化粧がけ
- ✔︎ 練り込み
陶芸品を少しでも高額査定してもらうポイント

- ✔︎ 箱などの付属品を一緒に出す
- ✔︎ 洗浄や修理などをしない
- ✔︎ 直射日光・高温多湿を避けて保管
- ✔︎ 手袋をして触る
陶芸品を少しでも高額査定してもらうには、上記4つに注意しましょう。
箱などの付属品を一緒に出す
箱や鑑定書などの付属品は、陶芸品の重要な情報となります。
付属品がある場合は余すことなく一緒に査定に出しましょう。
単体で買取に出すよりも高額になる可能性があります。
洗浄や修理などをしない
陶芸品を洗浄したり修理したりすると、逆に査定額が低くなる場合があります。
陶芸品はデリケートなものであり、素人が洗浄すると傷を付ける恐れがあるため、推奨されません。
また、欠けていたりひびが入っていたりしていても、修理すると適切な査定ができない可能性があります。
洗浄や修理はせず、現状を保つことを意識しましょう。
直射日光・高温多湿を避けて保管
陶芸品の保管は、変色や変形、カビなどを防ぐために直射日光や高温多湿を避けることが重要です。
陶芸品は主原料が土であることから、直射日光や湿気の影響を受けやすい特徴を持っています。
劣化防止のためには、日が当たらず湿度や温度が安定している場所で保管しましょう。
手袋をして触る
汚れや傷を付けないために、触る際は手袋を使用しましょう。
汚れや皮脂はカビの原因にもつながるため、注意が必要です。
陶芸品を買い取ってもらう方法
- ✔︎ フリマアプリ
- ✔︎ ネットオークション
- ✔︎ 買取業者
陶芸品を買い取ってもらう方法として、主に上記3つが挙げられます。それぞれのメリット・デメリットを見てみましょう。
フリマアプリ
フリマアプリは、スマートフォンが1台あれば誰でも手軽に出品できる点が魅力です。さまざまなジャンルのものを売買でき、安く買えたり高く売れたりできる可能性があります。
価格を自身で設定できる点も大きなメリットです。陶芸品が出品されていることも多く、コレクターにも注目されています。
しかし、個人間での取引となるため、トラブルになることも少なくありません。また、商品ページの管理や発送作業などの手間が発生する点も覚えておきましょう。
ネットオークション
ネットオークションは、オークション形式で商品を出品できるサービスです。複数の入札者が競い合うため、商品の価値が上がって高値で落札される可能性があります。
とくに希少価値が高いものは、相場より高額になることも期待できます。
しかし、フリマアプリ同様に出品から発送まで手間と時間がかかったり、落札者とトラブルに発展したりすることも。
商品説明や商品の写真撮影がうまくいかないと、売れないことや相場以下の価格で手放す場合も考えられます。
買取業者
買取業者を利用すると、プロの査定士に適切な価格を付けてもらえるため、スムーズな取引ができます。業者によっては、査定後にその場で現金と商品を引き換えるてくれるため、手間と時間がかからない点もメリットです。
取引後のクレームなどトラブルのリスクも低いでしょう。しかし、業者選びをしっかり行わないと、安く買い叩かれたり価値を見誤られたりしまう可能性も。
買取業者に陶芸品を買い取ってもらう際は、陶芸品買取の実績が高い業者を選びましょう。
陶芸品の買取は福ちゃんへお任せください

陶芸品は、粘土を使用して高温で焼き上げる技術によって作られたもので、有名作家のものや有名産地のものは高額査定される可能性があります。
落款や銘を確認して作家ものか調べたり、書付などで作られた年代を確認したりすると、素人でもある程度の価値を判断できる場合があります。
高額で買い取ってもらうには、付属品を一緒に査定に出しましょう。
また、修理や洗浄は行わず、保管などに注意して現状を維持することも重要です。
陶芸品を買い取ってもらう方法としては、フリマアプリやネットオークションなどさまざまで、中でも陶芸品買取実績が高い買取業者がオススメです。
福ちゃんは陶芸品に関して知識が深いプロの査定士が査定を行い、適切な価格を判断いたします。
国内外に多数の販売経路を持っているため、損のない取引が提供可能です。
陶芸品の買取は福ちゃんへお任せください。
お電話が混雑しており繋がらない場合は、大変申し訳ございませんが時間を空けてお問合せください。

