- 骨董品
- 2025.07.25
中国掛軸って?特徴や魅力を紹介。買取相場や高価買取が期待できるものなど

「中国掛軸の特徴が知りたい」
「中国掛軸は高い?」
など、中国掛軸について知りたい方のために、魅力や買取相場などを解説いたします。
有名作家や高価買取のポイントに加え、福ちゃんでの買取実績もまとめました。
中国掛軸とは?

中国掛軸は、中国が生み出した伝統美術のひとつです。
具体的な特徴や魅力、高額で取引される理由についてご紹介します。
中国掛軸の特徴や魅力
中国掛軸は、日本の掛軸と比較するとサイズが長いことが特徴です。
また、中国には「書画同源」「詩画一如」という伝統的な思想があり、書と絵画は同一のものとして捉えられています。そのため、中国絵画は文章と絵が一緒に描かれているものがほとんどです。
輪郭をはっきりと描いて大胆に彩色する技法も、にじみや繊細な色使いを駆使する日本掛軸と大きく異なります。
そして、中国掛軸には中国に伝わる歴史や文化が反映されており、伝統的な技法も内包されているのが魅力です。水墨画や色彩画など、多様で美しい画風を楽しめる芸術作品であることも、中国掛軸の興味深い部分でしょう。
中国掛軸が高額な理由
中国掛軸は芸術性が高いため、骨董コレクターや愛好家から注目されており、市場でも高額取引される傾向にあります。
歴史的価値や文化的価値も高く評価されていることから、値打ちがあるものとして扱われることも少なくありません。
また、中国では文化財の持ち出しを禁止する法律ができたことにより、中国掛軸が中国以外に出回ることが少なくなりました。そのため、現在では希少性がある骨董品として価値が高くなっています。
近年では中国が海外に流出した中国文化財の買い戻しに積極的で、中国掛軸も含め非常に需要が高まっています。
査定・出張費・手数料はすべて無料。

中国掛軸の買取相場

中国掛軸の買取相場は、状態や画風、作家、制作された年代などによって大きく異なります。
作家ものであれば数万円から数十万円で取引されることが多く、世界的に有名な作家の作品は数千万円の値が付くこともあるでしょう。
一般的に、日本の作家が手がけた掛軸よりも高額になる傾向にあります。
中国掛軸の有名作家

- ✔︎ 斉白石(せい はくせき)
- ✔︎ 呉昌碩(ご しょうせき)
- ✔︎ 王一亭(おう いってい)
- ✔︎ 費隠通容(ひいん つうよう)
- ✔︎ 呉道玄(ご どうげん)
中国掛軸を手がけた作家は非常に多くいます。その中から世界で評価されている5名の作家について見ていきましょう。
斉白石(せい はくせき)
斉白石は、清末から中華人民共和国の時代に活躍した画家です。近代中国絵画を代表するひとりで、多くの中国掛軸を手がけました。
「人民芸術家」の栄誉称号を与えられており、とくに水墨画が高く評価されています。
シンプルな線描きと精巧な描き込みが特徴で、動物画や山水画などさまざまなジャンルを描き上げました。
呉昌碩(ご しょうせき)
呉昌碩は清代最後の文人といわれ、詩・書・画・篆刻すべてに精通していたことから「四絶」と称えられていました。
とくに篆刻で偉大な業績を残し、生前から各国でさまざまな作品が注目されています。
また、中国最古の石刻といわれている「石鼓文」を研究し、独特の作風で臨書を制作した作家としても知られています。
王一亭(おう いってい)
王一亭は、上海を中心に活動した近代中国美術界を代表する巨匠です。
実業家・銀行家・政治家・書画家など多彩な顔を持ち、各分野で非凡な才能を発揮しました。
「天衣無縫、雄健渾厚」と称されるほどの自由な発想と力強い筆遣いが特徴です。晩年は仏教への信仰が深まり、毎日仏画を描いて過ごしたといわれています。
王一亭について詳しくはこちら↓
王一亭(おういってい)の芸術作品や白龍山人としても活躍した略歴など紹介
費隠通容(ひいん つうよう)
費隠通容は、中国禅宗の五家七宗のひとつである「臨済宗天童派」の興隆に貢献した人物です。
さまざまな書物や掛軸を残し、禅宗の史伝書である「五灯厳統」は日本を含め世界で広く読まれたといわれています。
五灯厳統は現在でも禅宗研究の重要資料とされ、歴史的価値が高く評価されています。
費隠通容について詳しくはこちら↓
費隠通容(ひいんつうよう)とは?伝歴や手がけた書物・代表的な史伝書「五灯厳統」の紹介
呉道玄(ご どうげん)
呉道玄は唐中期の画家で、幼名は「呉道子(ご どうし)」といいます。唐代第一といわれるほどの技術を持っており、山水画・仏画・人物画などすべてのジャンルに秀でていました。
メリハリを付けた線描きを駆使し絵に立体感や躍動感を与える技法は、後世の画に大きく影響を与えたとされています。
中国掛軸の高価買取ポイント

- ✔︎ 付属品がそろっている
- ✔︎ 著名作家の作品
- ✔︎ 素材が高価
- ✔︎ 古い時代に作られている
中国掛軸は、上記のような作品が高く評価される傾向にあります。
付属品がそろっている
掛軸には、共箱や軸棒、紐などが付属していることがあります。
付属品がそろっていると査定額が向上し、高額になる可能性があるでしょう。
とくに共箱は作者の署名や捺印などがはっきり残っていると、高く評価される傾向にあります。
著名作家の作品
著名作家が手がけた中国掛軸は、高額買取が期待できます。
中国掛軸は芸術性の高い落款が使用されることが多く、著名作家の落款と認められれば査定額に大きく影響するでしょう。
素材が高価
上質な和紙や絹に描かれていたり、軸先に象牙などの希少素材が使われていたりすると高評価につながります。
素材の価値が評価されるため、作品の出来映えに上乗せされる形で買取価格が向上する可能性があります。
古い時代に作られている
古い時代に制作された中国掛軸は希少価値が高いため、高額買取が期待できます。
歴史的価値や文化的価値が認められれば、予想以上の価格が付くことも。
たとえば、明時代に制作された仏画掛軸「タンカ」は、2014年に行われた香港のオークションで約50億円で落札されました。
福ちゃんの中国掛軸買取実績

ここからは、これまで福ちゃんがお買取した中国掛軸の一部をご紹介します。
斎白石「葡萄鼠図」

実り豊かな葡萄とそれをついばむ鼠が描かれた掛軸で、子孫繁栄を象徴する縁起物としても人気がある作品です。余計な彩色がなくぼかしやにじみで繊細に表現されています。
作家サインである「白石」の文字と落款が右下に見られることも評価し、高額買取につながりました。
斎白石「柳牛図」

柳と牛が描かれた掛軸で、禅宗の「十牛図」がモチーフになっています。斎白石の大胆かつ緻密な筆遣いが見られる作品です。
白石が得意としていた自然モチーフで国内外から高い需要が見込まれるため、高く評価いたしました。
王一亭「花石図」

王一亭が得意とした山水図のひとつで、素朴な線から豊かな表現を生み出す見事な技法が顕著に表れている作品です。
全体的に良好な状態で保管されていたことや、コレクターから注目されている作家であることなどを加味し、高額でのお買取となりました。
中国掛軸は福ちゃんにお任せください

中国掛軸を手放す際は、福ちゃんにお任せください。
福ちゃんは、中国掛軸をはじめとするさまざまな中国の骨董品を買取してきた実績があります。
骨董品に精通したプロの査定士が在籍しているため、時代背景や市場価値などを総合的に判断し、最大限の価値を見いだした査定額のご提示が可能です。
中国掛軸を含む骨董品の売却なら、お気軽に福ちゃんへご相談ください。
まとめ
中国掛軸は中国で制作された掛軸で、書と絵が一緒に描かれている構図や日本掛軸より長めに作られている点が特徴です。
中国の文化財持ち出し禁止の条例や買い戻しなどで、希少価値や需要が高まっていることから、骨董市場で高く評価されています。
買取相場は作品の状態や作家、作られた時代などによって異なり、著名作家の作品であれば数千万円の価値が付くことも。
世界的に評価されている作家には「斎白石」や「呉昌碩」「王一亭」などがおり、斎白石の「葡萄鼠図」や「柳牛図」などは、福ちゃんでお買取した実績があります。
福ちゃんでは中国の骨董品に詳しい査定士が対応するため、適切な査定と適正価格のご提示が可能です。
中国掛軸は、ぜひ福ちゃんにお問い合わせください。