- 古銭/記念硬貨
- 2023.05.11
ブリタニア銀貨の買取相場!純度や偽物の見分け方、その他投資用銀貨

「ブリタニア銀貨は買い取ってもらえる?」
「ブリタニア銀貨の相場は安い?」
など、ブリタニア銀貨の買取について知りたい方へ、必要な情報をまとめました。
特徴や相場、偽物の見分け方、最新のブリタニア銀貨「チャールズ3世」デザインについても紹介しています。
ブリタニア銀貨とは?

- ✔︎ 重さ:1トロイオンス(31.1g)
- ✔︎ サイズ:直径 38.61/厚さ 3.0(mm)
- ✔︎ 純度:銀99.9%
ブリタニア銀貨は、イギリスで1997年から毎年発行されている投資用の銀貨です。
銀の含有率99.9%という高純度で、品質はイギリス造幣局が保証しています。
発行の歴史と背景(1997年〜現在)
ブリタニア銀貨(Britannia Silver Bullion Coin)の歴史は、1997年に始まります。
これは、先行して1987年に創設されていたブリタニア金貨の10周年を記念する形で、初めて銀製のブリタニア硬貨として登場したものです。
初年度の1997年は、収集家向けに高品質な仕上げを施したプルーフ版のみが発行されました。
翌1998年からは、投資家向けの地金型(BU版=Brilliant Uncirculated)の製造・発行が開始。
これにより、イギリスはアメリカのイーグル銀貨やカナダのメイプルリーフ銀貨が競う国際的な銀地金型コイン市場への本格的参入となったのです。
発行当初から2012年までの純度は、英国伝統の「ブリタニアシルバー」と呼ばれる95.8%(0.958)が採用されていました。
しかし、2013年に大きな仕様変更が行われ、国際標準である99.9%(0.999)の純銀(ファインシルバー)へと引き上げられます。
これは、他国の主要な地金型銀貨(99.9%〜99.99%)に対抗し、国際競争力を高めるための重要な刷新でした。
近年では、2021年に世界最高水準と評される高度な偽造防止技術が導入され、2023年には長年続いたエリザベス2世女王の肖像から、新国王チャールズ3世の肖像へとデザインが移行するなど、時代と共に進化を続けています。
ブリタニア女神の由来と意味
ブリタニア銀貨の最大の特徴は、コインの裏面に描かれる「ブリタニア女神(Britannia)」の姿でしょう。この女神は、英国の歴史とアイデンティティそのものを象徴しています。
「ブリタニア」という名称は、古代ローマ時代にブリテン島(現在のイギリス)を指す言葉でした。そして、この地を擬人化した像として「ブリタニア女神」が誕生し、古くから英国の硬貨にその姿が描かれてきました。
彼女は一般的に、古代ギリシャの戦士が用いたコリント式の兜を被り、左手にはユニオンジャック(英国旗)が描かれた盾を、右手には三叉槍(トライデント)を携えた姿で表現されます。
この三叉槍は、ローマ神話の海神ネプトゥヌス(ポセイドン)の持ち物であり、英国が海洋国家として海の支配権を持つことを象徴しています。また、盾は「防衛」や「守護」を意味します。
デザインによっては、平和への希求を象徴するオリーブの小枝を手にしていたり、英国の力強さの象徴であるライオンを従えていたりすることもあります。
ブリタニア女神は、英国の強さ、自由、民主主義、そして海との深い結びつきを守る「国の守護神」として、時代を超えて英国民に親しまれているシンボルなのです。
銀貨の種類とサイズ展開
ブリタニア銀貨は、投資家から収集家まで幅広いニーズに応えるため、多様なサイズと仕上げで展開されています。最も基本となるのは、投資用としても主流の「1オンス銀貨」です。
1オンス銀貨は、純銀1トロイオンス(約31.1035グラム)の銀含有量を保証するもので、英国の法定通貨として£2(2ポンド)の額面が刻印されています(ただし、実際の取引価格は額面ではなく、銀の市場価格に基づきます)。
この標準サイズに加え、収集家向けのプルーフセットなどでは、より小さなサイズも製造されています。
具体的には、1/2オンス(額面£1)、1/4オンス(額面50ペンス)、1/10オンス(額面20ペンス)などがあり、これらはセットで販売されることが多いです。
さらに近年では、より大きなサイズへの需要も高まっています。
2013年からは5オンス銀貨(額面£10)が導入され、その後も限定的なプルーフ版として10オンス銀貨、1キログラム銀貨、さらには2キログラムに及ぶ大型の記念銀貨も発行されるほど。
また、仕上げにおいても、投資を主目的とした地金型の「BU版(未流通品)」と、鏡面仕上げで美術品としての価値を高めた収集家向けの「プルーフ版」が明確に区別されています。
純銀のため、持っておけば銀としての資産価値を形成でき、さらにプルーフコインであればデザイン性も高いので、コレクション用としての人気も高いといえるでしょう。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
ブリタニア銀貨の買取相場

ブリタニア銀貨の買取相場は、数千円から数万円と言われています。
銀貨の状態、発行年銘などによって査定額は前後しますが、ブリタニア銀貨は世界的に人気があり、オークションでは高値がつきやすい種類です。
そのため、他の投資用銀貨よりも買取価格が高くなる傾向にあります。
しかし、人気の落ち着きや銀の価格推移、希少性など、さまざまな要因で相場は変動する可能性があるでしょう。
ブリタニア銀貨の偽物を見分ける方法

- ✔︎ デザイン
- ✔︎ 重さやサイズ
- ✔︎ 磁石にくっつくか
ブリタニア銀貨は、注目度の高さからか贋作が複数確認されていると言われています。
本物か偽物かを見極める方法として、デザイン、重さやサイズ、磁石にくっつくかどうかを確認することが有効とされています。
ブリタニア銀貨は2021年発行分から偽造防止技術が取り入れられ、精巧な点画が施されるようになりました。
角度によって絵柄が変わって見えるため、2021年以降に発行されたブリタニア銀貨に関してはそういった特徴が見られなければ偽物でしょう。
また、重さやサイズが違うと素材が異なることが証明されるので、偽物の可能性が高くなります。
デザイン、重さやサイズが似ていても、磁石がくっつけば銀ではないため、偽物と判断できるでしょう。
しかし、真贋の見極めは本物に関する知識などが必要になることがあるので、買取業者に査定してもらう方法が確実です。
ブリタニア銀貨2023年銘は「チャールズ3世」

ブリタニア銀貨は2023年銘が発行されています。
2022年9月に現イギリス国王のチャールズ3世が即位したことにより、2023年発行のブリタニア銀貨にはチャールズ3世がレリーフされました。
チャールズ3世がデザインされた初めての銀貨として、2023年銘は注目を集めています。
デザイン変更の背景と象徴性
このデザイン変更の直接的な背景は、2022年9月のエリザベス2世女王の逝去と、それに伴うチャールズ3世の新国王即位です。
英国の硬貨は、その国の君主(元首)の肖像を表面(オブバース)に刻むという長年の伝統があります。
ブリタニア銀貨も例外ではなく、1997年の発行当初からエリザベス2世の肖像が使用されてきました。
(1997年は第3肖像、1998年〜2015年は第4肖像、2015年後半〜2022年は第5肖像)
2023年銘から採用されたチャールズ3世の新しい肖像は、著名な彫刻家マーティン・ジェニングスによって手がけられたものです。
この肖像には英国の硬貨におけるもうひとつの重要な伝統が反映されています。それは、新しい君主は、前の君主とは逆の向きの肖像が刻まれるというルールです。
エリザベス2世が右向きであったため、チャールズ3世の肖像は左向きとなっています。
この変更は、約70年続いたエリザベス女王の治世の終わりと、新しい時代の幕開けを象徴する歴史的な出来事として、コインに刻まれました。
チャールズ3世版の希少性と初年度プレミア
新しい君主の肖像が刻まれた最初の年号のコインは、世界中のコインコレクターにとって特別な意味を持ちます。そのため、「初年度発行」のコインとして収集需要も高まりにも期待できるでしょう。
2023年のブリタニア銀貨は、この点でも非常に特殊な年となりました。
年号は「2023」でありながら、表面の肖像がエリザベス2世のまま製造されたものと、チャールズ3世の新肖像で製造されたものの、2種類が混在することになったのです。
・エリザベス2世の肖像:主に2022年後半〜2023年初頭に製造
・チャールズ3世の肖像:2023年中に製造開始
とくに「チャールズ3世・初年度」となる2023年銘のブリタニア銀貨は、歴史的な節目を記念するアイテムです。
地金型(BU版)であっても将来的に「初年度プレミア」と呼ばれる付加価値がつく可能性も十分に考えられます。
また、収集家向けのプルーフ版においても、2023年銘はチャールズ3世の肖像と、ジョナサン・オリフがデザインした新しい裏面「海洋戦車に乗るブリタニア」 との組み合わせとなり、新時代の幕開けを飾る逸品として高い注目を集めています。
ブリタニア銀貨以外の注目銀貨

- ✔︎ イーグル銀貨
- ✔︎ メイプルリーフ銀貨
- ✔︎ パンダ銀貨
ブリタニア銀貨以外にも注目されている投資用銀貨を紹介します。
今回は、アメリカ合衆国発行の「イーグル銀貨」、カナダ発行の「メープルリーフ銀貨」、中華人民共和国発行の「パンダ銀貨」の3つについて見ていきましょう。
イーグル銀貨

- ✔︎ 重さ:31.1g
- ✔︎ 品位:銀99.9%
- ✔︎ 直径: 40.6mm
イーグル銀貨はアメリカ合衆国で1986年から発行されている銀貨です。
表面は自由の女神、裏面はイーグルと、アメリカを象徴するデザインが施されています。
額面は1ドルで、発行当時から現地では流通量が多く、今では世界的コインの一種となりました。
イーグル銀貨について詳しくはこちら↓
イーグル銀貨は高い?相場や偽物の見分け方・他のイーグルコインや注目銀貨等
メイプルリーフ銀貨

- ✔︎ 重さ:31.1g
- ✔︎ 品位:銀99.99%
- ✔︎ 直径:38.0mm
メイプルリーフ銀貨はカナダで1988年から発行されており、99.99%と銀の含有率が高い特徴を持つ銀貨です。
表面にはイギリスのエリザベス二世、裏面にはカナダのシンボルであるカエデの葉がレリーフされています。
流通量は世界一と言われるほど人気が高く、最も注目されている銀貨といえるでしょう。
メイプルリーフ銀貨について詳しくはこちら↓
メイプルリーフ銀貨の価値は?価格相場や偽物の見分け方・他の注目銀貨
パンダ銀貨

- ✔︎ 重さ:31.1g(2016年以降は30g)
- ✔︎ 品位:銀99.9%
- ✔︎ 直径:40mm
パンダ銀貨は1983年から中国で発行されている銀貨です。中国では「熊猫銀幣」と呼ばれています。
表面には中国の代名詞であるジャイアントパンダ、裏面には世界遺産にもなっている北京天壇がレリーフされており、額面は10元です。
愛らしいデザインが人気で、世界的に有名な銀貨となっています。
パンダ銀貨について詳しくはこちら↓
パンダ銀貨の買取価格や価値を紹介!偽物の見分け方やその他のコインも
ブリタニア銀貨の買取は福ちゃんへ

ブリタニア銀貨はイギリスが発行している純銀の銀貨です。
買取相場は数千円から数万円と言われていますが、銀貨の状態や銀の価格推移、発行年銘によって変動するでしょう。
デザインやサイズなどで偽物を見分けられることがあるものの、確実な方法は買取業者で査定してもらうことです。
銀貨の買取実績が高い業者に持って行ってみましょう。
また、買取も銀貨に精通している業者に持っていけば適切な査定額をつけてもらえます。
福ちゃんでは、銀貨に関する深い知識を持っている査定士が対応し、さまざま銀貨の買取をまとめています。
ブリタニア銀貨の買取は福ちゃんへお任せください。
銀貨について詳しくはこちら↓
人気の銀貨一覧!今の値段や当時の価値、日本が製造した現在の注目銀貨も紹介

