- カメラ
- 2022.09.24
今さら聞けない?「フラッグシップモデル」とは
カメラには「フラッグシップ機」と呼ばれるモデルがあります。「よく聞くフラッグシップ機って、何?」「ハイエンドモデルとは違うの?」と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回はカメラ業界における「フラッグシップ機」についてまとめてみました。本ブログでは気になる「売却」についても触れているのでぜひ参考にしてみてください。
目次
カメラのフラッグシップとは?
「フラッグシップ」はもともと海軍用語で「多数の艦隊をまとめる人」、「指揮を執る艦」のことをさしますが、カメラの世界ではメーカーの「象徴的な存在」となる製品、またはメーカーが持ちうる技術のすべてを詰め込んで作り上げた製品のことをさします。
「メーカーの象徴的な存在」と聞くと「一番人気」を想像される方もいらっしゃると思いますが、フラッグシップ機は万人に向けた機種ではなく、ユーザーをプロのカメラマンと想定し製造されています。
どんな環境にも耐えられるような「堅牢性」、早く、そして正確に目の前の景色を切り取るための画質、そして「操作性」が追求されているため、初心者には少々難しいカメラともいえるようです。
ちなみに、「フラッグシップ機=最新、高級」と思われている方もいらっしゃるかと思いますが、フラッグシップ機には新しさや高級感といった点に焦点を当てていません。
結果的に高価であることに違いありませんが、「フラッグシップ機」というブランド性に値段が付いているのではなく、「最高品質の性能を搭載したカメラだから高価」であると覚えておきましょう。
フラッグシップとハイエンドの違い
フラッグシップ機と区別しにくい言葉に「ハイエンドモデル」があります。これは「各クラスの中での最高モデル」という意味を持ちます。
「どういうこと?」
と思われた方もいらっしゃると思うので、もう少し具体的に説明することとします。
カメラは以下の3種類に分けることができます。
・初心者向けの「入門機(エントリーモデル)」、
・中級者~上級者向けの「中級機」
・プロ仕様、セミプロ向けの「プロ機」
「ハイエンドモデル」は「入門機」「中級機」「プロ機」、各グループで作られています。入門機の中のハイエンドモデル、中級機の中でのハイエンドモデル……とそれぞれ一台ずつあるイメージです。
対して今回取り上げている「フラッグシップ機」は入門機からプロ機、全モデルの中の最高峰とされるモデルとなります。ハイエンドモデルは「唯一」の存在なのです。
フラッグシップの特徴とは?
前述したように、フラッグシップ機は報道関係者やプロのカメラマンなどが使用することを想定して作られています。高い堅牢性を保つため、ボディにマグネシウム合金が使われるなど「頑丈である」ということも特徴のひとつです。
しかし、何をもって「いいカメラ」とするかは人によって異なります。前述したように「壊れにくい」ということに重きをおいているメーカーもあれば、「使いやすさ」に重きを置いているメーカーもあるでしょう。つまり、各メーカーによって個性が現れている、というのもフラッグシップ機の特徴といえます。
また、カメラ初心者の方でも一度は耳にしたことがある「画素数」ですが、実は画素数は「高ければ高いほどいい」というものではありません。
画素数は車でいうところの「最高速度」です。この数値を引き出すためのレンズ、イメージセンサーやシャッタースピード、さらにメニューボタンの配置や精度など、あらゆる機能面や性能面が優れていない限り「最高速度」には到達しません。
フラッグシップはメーカーが考える「最高傑作」です。
よって、「フラッグシップなのに最新ではない」、「同じメーカーの別のモデルのほうが画素数が高い」ということもあり得るのです。
各メーカーのフラッグシップモデルをご紹介!
ここで各メーカーのフラッグシップモデルについてご紹介したいと思います。「いつかはフラッグシップ機が欲しい」とお考えの方はぜひチェックしてみてください。
Nikon『D1桁シリーズ』、『Z9』
Nikonはデジタル一眼レフカメラ「D」シリーズを多数展開していますが、中でも『D6』など、Dのあとに来る数字が1桁であるシリーズがフラッグシップ機とされています。
Nikonのカメラは「ヒトが見ている色に近い色を再現する」とされていますが、このフラッグシップ機はこれに加え高い耐久性、フラッグシップ機専用で開発されたAF(オートフォーカス)機能が最高レベルだと公表されています。
なお、これまでフラッグシップ機はデジタル一眼レフカメラとしてきたNikonですが、2021年、フラッグシップ機にミラーレスカメラ『Z9』が登場しました。
フラッグシップ機にミラーレスカメラを選ぶということは、Nikonが「ミラーレスカメラを主力商品としていく」とアピールしたということ。これはカメラ業界でも大変に話題になりました。
『Z9』は旧フラッグシップ機『D6』より20%小さく、同機より100gの軽量化に成功しています。また、液晶モニターには既存のものより可動域が広がり、最高で20コマ/秒の高速連写を実現するなど、機能性の面でも進化したといいます。
Canon『EOS-1D X Mark III』
デジタルカメラの頂点に君臨している「Canon(キヤノン)」。同社の特徴は「発色の良さ」「きれいと感じる色」といわれています。
そんなCanonのフラッグシップ機は『EOS-1D X Mark III』です。従来のフラッグシップ機は、あえて画素数を下げ、「ノイズの発生を抑制し、プロが使う現場に合わせた仕様」となっていましたが、このモデルは画素数2000万画素を搭載。
暗い場所やシャッタースピードを遅くした場合の撮影でも美しい写真が撮れるとして人気を集めています。『EOS-1D X Mark III』でも最高20コマ/秒の高速連写に対応しています。
OLYMPUS『OM‐D E-M1X』
『PEN』シリーズなど、初心者や女性人気が高いOLYMPUS。そんなOLYMPUSがフラッグシップ機としているのが『OM‐D』シリーズです。
外観は『PEN』と異なり、無骨でクラシカルなカメラといった印象を受けますが、これが男女問わず「飽きの来ないデザイン」として人気を呼んでいます。
特徴は世界最高の7.5段手ぶれ補正が搭載されていること。「段」が表す数字が大きくなればなるほど「手振れが起きない」とされているのですが、この7.5という数値は「もはやほとんどブレない」ともいわれています。
フラッグシップモデルは高く売れる!
「カメラ好きが憧れるカメラ」であるフラッグシップ機。しかし、さまざまな理由によって「売却」を考えなくてはならない場面がやってくるかもしれません。
ご安心ください。フラッグシップ機はカメラの中でも「高く売れる」といわれています。その理由は中古での需要にあります。
フラッグシップ機のような高価なものとなると、「少し待ってでも、お値打ちで購入したい」「できるだけ安く買いたい」という人が増えます。
また、「フラッグシップ機である」という価値は簡単に下がることはありません。仮に、年式の新しい「フラッグシップ機ではないもの」と、少し古い「フラッグシップ機」を一緒に売った場合、状態によってはフラッグシップ機のほうが高く売れるという場合もあります。
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