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  • カメラ
  • 2024.10.17

カメラに写り込む「ゴースト」とは?対策やフレアとの違いも

近年、デジタルカメラの進化とともに、写真撮影に情熱を傾ける方が増えています。とくに一眼レフカメラやミラーレスカメラは、その高画質と表現力で多くの方を魅了しており、SNS上では美しい写真が日々シェアされています。

しかし、写真撮影において一度は立ちはだかる壁が「カメラのゴースト対策」です。ゴーストとは、レンズ内に入り込んだ強い光が反射し、光の像が写真に映り込む現象のことです。

この記事では、カメラのゴースト現象が起きる原因と対策方法を詳しく解説いたします。

カメラに写り込むゴーストとは?

カメラに写り込むゴーストとは?

ゴーストはカメラ用語における現象の1つで、写真や映像上に不要な反射や楕円形の光が写る現象を指します。

ゴーストが発生する主な原因は、以下のとおりです。

  • ✔︎ 逆光での撮影
  • ✔︎ レンズの設計(性能)によるもの
  • ✔︎ レンズの汚れ

ゴーストとフレアの違い

撮影時に、ゴーストと混在されやすい現象が「フレア」です。

フレアは、カメラのレンズ内部やセンサー上での不要な光の散乱や反射の結果として、写真が白っぽくなる現象です。フレアが発生している写真は、コントラストがないような印象になります。

一方、ゴーストはフレアの一種で、光がレンズ内での反射によって写真上に円形・楕円形、絞りの形状として現れる現象を指します。

ゴーストとフレアは、どちらもカメラやレンズの内部に強い光が入り込むことで起こる現象です。

ゴーストとフレアの違いとして、ゴーストは光の反射がはっきりと形に写る現象、フレアは光の反射によって写真全体が白っぽくなる現象と覚えましょう。

カメラ初心者にオススメのゴースト対策7選

カメラ初心者にオススメのゴースト対策7選

カメラレンズは光の反射を受けやすいため、ゴーストの発生率が高いといえます。ゴーストはレタッチでも除去が難しいため、カメラ初心者にとってもできれば抑えたい現象ですよね。

ここからは、写真にゴーストが写らないようにするための対策を7つご紹介いたします。

逆光での撮影を避ける

逆光とは、撮影対象の背後に太陽などの光源が存在し、カメラの方向へ光が差している状態のことです。

このような光の条件下で撮影すると、光がレンズの内部で反射や散乱を起こし、ゴーストやフレアといった現象が発生しやすくなります。

光の当たり方には、逆光のほかにも「順光」と「サイド光」があります。

順光は、光源がカメラの背後にあり、撮影対象に光が正面から当たる状態です。主に、被写体の細かなテクスチャーや色合いを捉える撮影に適しています。

サイド光は、撮影対象の真横から光源が当たる状態です。サイド光は、被写体の立体感や陰影を強調し、奥行きのある写真撮影に適しています。

ゴースト対策に適した光の当たり方には、順光やサイド光がオススメです。とくに、サイド光は被写体の形やテクスチャー・立体感を際立たせるため、カメラ初心者にとっても扱いやすく、同時にゴーストの発生率も減少します。

レンズフードを使用する

レンズフードは、カメラレンズの先端に取り付け、側面から侵入する不要な光を防ぐアクセサリーです。

レンズフードを取り付けることにより、レンズ内部で起こる光の反射や散乱が減少し、ゴーストやフレアの発生リスクも低減します。

さらに、物理的にレンズを保護し、直接的な衝撃や埃・雨などからレンズを保護する役割もあるのです。

しかし、レンズフードの使用だけでゴーストやフレアを完全に防げるわけではありません。とくに、光源が画像の中心付近にある場合や、特定の角度から強い光が直接レンズに当たる場合などは、ゴーストを防ぐことが難しいでしょう。

このような状況下での撮影においては、「ハレ切り」という手法を取ることもオススメです。

ハレ切りは、ハレーションを切ること、つまり「遮光」の意味します。強い光源を写真のフレームから少し外し、直接的な光の侵入を防ぐ手法です。

具体的には、撮影時に光源を手やカードなどで遮ったり、カメラの角度や位置を微調整し光源をフレーム外に配置したりして、ゴーストやフレアの発生を抑えます。

保護フィルターを外す 

保護フィルターは、ゴーストやフレアの原因となるケースがあります。たとえば、フィルターの表面やフィルターとレンズの間で光が反射し、不要な光の映り込みが発生するなどです。

とくに強い光源が含まれる場面や、ゴーストやフレアが頻発する場面では、フィルターを外して撮影することも視野に入れましょう。

ただし、フィルターを外すと埃や砂、小石などが直接レンズに当たる可能性が増し、レンズが物理的なダメージを受けるリスクが高まります。フィルターを外したら、撮影後は速やかにキャップを取り付けてレンズを保護することが重要です。

また、フィルターを無理に取り外そうとすると破損の恐れもあるため、慎重に取り外しましょう。

F値を小さくする

F値は、レンズの開口部(絞り)の大きさを示す値です。

F値が小さいと開口部は大きく開き、反対にF値が大きいと開口部は狭くなります。開口部の大きさは、写真の露出や被写界深度(ピントの合っている範囲)に大きく関わってくるのです。

レンズのF値を小さくする、つまり絞りを開放すると、多くの光を取り込めるようになります。理由としては、F値が小さいほどレンズの開口部が大きくなり、より多くの光がレンズを通過できるようになるためです。

同時に、開口部が大きくなることで、レンズ内部で光が反射したり散乱したりする割合が減少し、結果としてクリアでシャープな画像が得られます。

そのため、ゴーストを防ぐためには、F値の小さいレンズ、とくに単焦点レンズを選ぶとよいでしょう。単焦点レンズは、ズームレンズと比べて構造がシンプルで、光の反射や散乱が起こりにくく、ゴーストのリスクが低減します。

望遠レンズで撮影する

カメラレンズは大きく、「広角レンズ」と「望遠レンズ」の2つに分類されます。

広角レンズは、人間の視野よりも広い範囲を写真に収めるられるレンズです。雄大な風景や、奥行きのある建物の内部など、広い範囲をダイナミックに写したいときに最適です。

しかし、広角レンズは画角が広い分、太陽などの強い光源が写り込みやすくなるという特徴も持ち合わせています。そのため、撮影の際には構図に注意したり、フィルターを使用したりするなど、光のコントロールが重要になります。

望遠レンズは、遠くにある被写体をまるで目の前にいるかのように、大きく写し出せるレンズです。肉眼では捉えきれない細部まで描写できるため、被写体の迫力や存在感を最大限に引き出せます。

たとえば、スポーツ撮影で、競技中の選手の表情や躍動感を捉えたいとき。あるいは、サバンナの奥地に生息する野生動物の姿を、安全な距離から生き生きと記録したいときなどに、その真価を発揮します。

望遠レンズは、画角が狭いため、背景を大きくぼかして被写体を際立たせる効果もあります。また、広角レンズと比べて、太陽などの強い光源が写り込む可能性が低く、光のコントロールがしやすいというメリットもあるのです。

さらに、「望遠レンズの特徴や使い方」について、下記の記事で詳しく解説しております。望遠レンズを使用する際の注意点にも触れているため、ゴーストを防ぐためにもぜひお役立てください。

▶︎ 望遠レンズとは?特徴やシーン別の使い方・注意点を解説!

レンズのコーティングに注目する

レンズの透過面に反射防止を目的としたコーティングが施されていると、内部反射が減少しやすく、結果的にゴーストやフレアの発生を軽減・防止できます。

とくに、近年のレンズは多層膜コーティングにより、ゴーストやフレアを効果的に防ぐことが可能です。また、多層膜コーティングは、異なる層を組み合わせることで、光の波長に対して高い透過率と低い反射率を持っています。

一方、古いレンズ、とくにコーティング技術がまだ発展途上だった時代のレンズは、新しいものに比べてゴーストやフレアが発生するリスクが高いのです。

これは、古いレンズが単層コーティングしか施されていなかったり、コーティングがまったく施されていなかったりが原因に挙げられます。

レタッチソフトを使用する

撮影を楽しんでいる際には気付かなかったゴーストやフレアも、後から写真を確認した際に発見されることはよくあります。

とくにカメラ初心者の場合、撮影時の細かな設定や光の状況を完璧に把握することは難しく、思わぬゴーストが写り込むケースも少なくないでしょう。

このような場合は、レタッチソフトを使用して修正する方法もあります。レタッチソフトは、Adobeの「Photoshop」や「Lightroom」などが代表的です。

ゴーストが写真を魅力的に演出することも

ゴーストが写真を魅力的に演出することも

クリアで鮮明な写真を目指す場合、ゴーストを避けたいケースが多いでしょう。しかし、すべてのゴーストが写真の価値を低下させるものではありません。

ゴーストを巧みに利用することで、写真に深みや独自の雰囲気を演出することも可能です。

たとえば、太陽をバックに夕暮れ時を撮影した風景写真では、太陽の光がレンズを通過した際にゴーストとして写り込むことで、幻想的な雰囲気を撮影できます。

ほかにも、都市のネオンや車のライトを夜に撮影すると、ゴーストが多重露光のような効果を生み出し、都市の活気や動きの表現に役立つケースもあるでしょう。

まとめ

まとめ

ゴーストとは、カメラのレンズ内で光が反射を繰り返すことで、写真に意図しない光の模様として現れる現象のことです。まるで幽霊のように、本来そこに存在しない光が写り込むことから、その名が付けられました。

多くの場合、ゴーストは写真のクォリティを損なう不要な存在とされています。しかし、その光の模様は、ときに幻想的で芸術性の高い雰囲気を写真に加えることも可能です。

ゴーストを避けるためには、「逆光での撮影を避ける」「レンズフードを使用する」などの対策に加え、「F値を小さくする」といった方法も挙げられます。

一方で、ゴーストを魅力的な演出方法として、積極的に活用するのも写真撮影の醍醐味です。ゴーストを効果的に取り入れることで、幻想的な雰囲気や、光に満ちた神秘的な表現を写真に加えられます。

ゴーストは、単なる邪魔者ではなく、使い方次第で「写真に個性的な魅力を与える強力なツール」にもなり得るのです。

ゴースト現象を理解し、コントロールすることで、写真撮影の幅は大きく広がります。この機会に、いろいろな撮影条件で試し、ご自身だけの撮影テクニックを身に付けてみてはいかがでしょうか。

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