- 古銭/記念硬貨
- 2025.08.16
昭和のお金の価値は現代に換算するとどのくらい?昭和に発行された硬貨・紙幣もすべて紹介

昭和に発行されたお金の中には、発行年や状態によって額面をはるかに超える「プレミア価値」の付くものが数多く存在しています。
たとえば、側面にギザギザがある10円玉や、穴の開いていない50円玉、聖徳太子が描かれた旧紙幣などが挙げられます。一見普通に見える昔のお金でも、コレクターの間では驚くほど高値で取引されている逸品があるのです。
この記事では、価値のある「昭和の硬貨・紙幣」の具体的な種類、その価値が決まる理由、そしてお手持ちの古銭を少しでも高く売るためのコツまで、わかりやすく解説いたします。
昭和時代のお金は現在のいくらに換算されるのか?
昭和時代のドラマや小説で「ラーメン1杯50円」「月給1万5千円」といった価格を見て、「今だったらいくらになるんだろう?」と疑問に思ったことはありませんか。
昭和時代のお金の価値を現在に換算するのは、単純な計算では済まない複雑な問題です。
企業物価指数、実際の商品価格、給与水準という複数の指標を総合的に分析することで、より正確な換算が可能になります。
※本項目は日本銀行、内閣府経済統計、総務省などの公表データに基づいて算出したものであり、目安のひとつとしてお考えください。
企業物価指数から見る貨幣価値の変化
日本銀行が発表する企業物価指数は、企業間で取引される商品の価格変動を示す重要な指標です。
2025年3月の最新データでは企業物価指数が「126(2020年基準)」となっており、これを基準に昭和時代の貨幣価値を換算すると以下のようになります。
✔ 昭和35年(1960年):指数48.0 → 現在の「約2.6倍」の価値
✔ 昭和50年(1975年):指数83.6 → 現在の「約1.5倍」の価値
この指標では、昭和35年の1,000円は現在の約2,600円相当、昭和50年の1,000円は約1,500円相当となります。
ただし、これは企業間取引の価格変動であり、消費者が実際に感じる物価変動とは異なる面もあるでしょう。
身近な商品価格で実感する昭和の物価
実際の商品価格の変化を見ると、より生活実感に近い換算ができます。代表的な商品の価格変遷は以下のとおりです。
▼ラーメン1杯の価格変化
昭和35年:35円
昭和50年:211円
令和7年:約700円
▼ビール大瓶の価格変化
昭和35年:125円
昭和50年:171円
令和7年:約350円
▼コーヒー1杯の価格変化
昭和35年:60円
昭和50年:150円
令和6年:約570円
これらの商品価格から計算すると、昭和35年の貨幣価値は現在の約15~20倍、昭和50年は約3~4倍となり、企業物価指数よりもかなり高い倍率になります。
給与水準から見る購買力の変化
当時の給与水準と現在を比較することで、実際の購買力の変化がうかがえます。
✔ 昭和35年の平均月給:約15,000円(年収換算で約18万円)
✔ 昭和50年の平均月給:約80,000円(年収換算で約96万円)
✔ 令和6年の平均月給:約335,000円(年収換算で約402万円)
給与水準で換算すると、昭和35年の貨幣価値は現在の約22倍、昭和50年は約4倍となります。これは物価上昇と同時に所得も大幅に増加したことを示しています。
石油危機が与えた物価への影響
昭和48年(1973年)と昭和54年(1979年)に発生した石油危機は、日本の物価に劇的な変化をもたらしました。
とくに第一次石油危機では、企業物価指数が前年比27.5%も急上昇し、「狂乱物価」と呼ばれる事態となりました。
この影響で昭和48年から昭和50年にかけて多くの商品価格が急騰し、昭和35年と昭和50年の間には大きな貨幣価値の差が生まれることになったのです。
総合的な換算結果
複数の指標を総合的に分析した結果、昭和時代のお金の価値を現代に換算すると以下のように推定されます。
▼昭和35年(1960年)の換算例
100円 → 現在の約500円
1,000円 → 現在の約5,000円
1万円 → 現在の約5万円
▼昭和50年(1975年)の換算例
1,000円 → 現在の約2,500円
1万円 → 現在の約2万5千円
つまり、昭和35年の貨幣価値は「約5~10倍」、昭和50年は「約2.5~3倍」というのが妥当な換算と考えられます。
昭和時代の「安い」と感じる価格も、現在の価値に換算すると意外に高額だったことがうかがえるでしょう。
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昭和に発行されたお金|硬貨一覧
✔︎ 1円黄銅貨 昭和23年~昭和25年
✔︎ 大型50銭黄銅貨 昭和21年~昭和22年
✔︎ 小型50銭黄銅貨 昭和22年~昭和23年
✔︎ 10銭ニッケル貨 昭和8年~昭和12年
✔︎ 10銭アルミ青銅貨 昭和13年~昭和15年
✔︎ 菊10銭アルミ貨 昭和15年~昭和18年
✔︎ 10銭錫貨 昭和19年
✔︎ 稲10銭アルミ貨 昭和20年~昭和21年
✔︎ 5銭ニッケル貨 昭和8年~昭和12年
✔︎ 5銭アルミ青銅貨 昭和13年~昭和15年
✔︎ 5銭アルミ貨 昭和15年~昭和18年
✔︎ 穴アキ5銭錫貨 昭和19年
✔︎ 鳩5銭錫貨 昭和20年~昭和21年
✔︎ カラス1銭黄銅貨 昭和13年
✔︎ カラス1銭アルミ貨 昭和13年~昭和15年
✔︎ 富士1銭アルミ貨 昭和16年~昭和18年
✔︎ 1銭錫貨 昭和19年~昭和20年
✔︎ 500円白銅貨 昭和57年~平成11年
✔︎ 鳳凰100円銀貨 昭和32年~昭和33年
✔︎ 稲100円銀貨 昭和34年~昭和41年
✔︎ 桜100円白銅貨 昭和42年~
✔︎ 菊穴ナシ50円ニッケル貨 昭和30年~昭和33年
✔︎ 菊50円ニッケル貨 昭和34年~昭和41年
✔︎ 50円白銅貨 昭和42年~
✔︎ 10円青銅貨(ギザ十) 昭和26年~昭和33年
✔︎ 10円青銅貨 昭和34年~
✔︎ 穴ナシ5円黄銅貨 昭和23年~昭和24年
✔︎ 5円黄銅貨(楷書体) 昭和24年~昭和33年
✔︎ 5円黄銅貨(ゴシック体) 昭和34年~
✔︎ 1円アルミ貨 昭和30年~
ここからは、昭和に発行された硬貨の中でもとくに高値が期待できる硬貨をご紹介します。
鳳凰100円銀貨・稲100円銀貨
昭和32年から昭和33年に発行された「鳳凰100円銀貨」と、昭和34年から昭和41年に発行された「稲100円銀貨」は、価値の高い通貨として昭和の硬貨における代表的存在です。
これらは銀を60%含む銀貨であり、素材価値があるため額面以上の価値となりやすい古銭といえます。
鳳凰100円銀貨は表面に鳳凰、裏面に旭日が描かれ、稲100円銀貨は表面に稲穂、裏面に分銅が描かれています。
とくに未使用品や極美品の状態であれば、銀相場の上昇とともに価値も上昇する傾向にあり、長期的な資産価値も期待できる硬貨です。
▼関連コラム
→ 鳳凰100円銀貨は国内初の100円銀貨!特徴や価値、他の100円銀貨も紹介
→ まだ使える?稲穂デザインの旧100円玉「稲100円銀貨」紹介!価値ある年号等
菊穴ナシ50円ニッケル硬貨
昭和30年から昭和33年に発行された、穴の開いていないこの50円玉は4年間のみの発行となりました。
100円玉との識別を容易にするため、昭和34年から穴あきのデザインに変更された経緯があります。
状態によっては数百円から数千円の価値が付くこともあり、中でも昭和33年発行分は発行枚数が最も少なく価値が高いとされています。
ギザ十(ギザあり10円玉)
「ギザ十」は、側面にギザギザの刻印がある10円玉で、昭和26年から昭和33年に発行されたものを指します。
現在流通している10円玉は側面が平滑ですが、この時代の10円玉は偽造防止のために側面にギザギザが刻まれていました。
価値が高いとされる年号は、発行枚数が少ない昭和32年と33年です。未使用品やそれに近い美品であれば、数百円から千円以上の価値が付く可能性もあります。
また、昭和26年発行のギザ十は発行初年ということもあり、比較的価値が高くなっています。状態によっては数万円の価値になることもあるため、見つけた際は大切に保管しておくとよいでしょう。
▼関連コラム
→ 10円玉で価値のある年号は何年?適切な保管や買取方法まとめ
フデ5(楷書体の5円玉)
現在発行されているゴシック体の「日本国」とは異なり、楷書体で書かれている5円玉を「フデ5」と呼びます。
昭和24年から昭和33年に発行されたものが該当し、特徴的な筆文字の「日本国」が刻印されています。
状態が良ければ数千円の価値があり、とくに昭和27年や32年の発行分は高く評価される傾向です。
昭和に発行されたお金|紙幣一覧
✔︎ 乙号券 昭和2年〜昭和21年
✔︎ 丙号券 昭和5年〜昭和21年
✔︎ 丁号券 昭和5年〜昭和21年
✔︎ い号券 昭和17年~昭和20年
✔︎ ろ号券 昭和20年~昭和21年
✔︎ 改正不換紙幣 昭和19年~昭和28年
✔︎ 再改正不換紙幣 昭和20年~昭和21年
✔︎ 政府紙幣 昭和13年~昭和23年
✔︎ 日本銀行券A号 昭和21年~
✔︎ 政府紙幣B号50銭 昭和23年~昭和28年
✔︎ 日本銀行券B号 昭和25年~
✔︎ 日本銀行券C号 昭和32年~
✔︎ 日本銀行券D号 昭和59年~
ここからは、昭和に発行された紙幣の中でも、とくに高価買取が期待できる紙幣の特徴をご紹介します。
聖徳太子の旧1万円札・旧5千円札(日本銀行券C号)
昭和33年から発行された聖徳太子の1万円札と、昭和32年から発行された5千円札は、現在でも法的に使用可能で、さらに古銭市場では額面以上の価値で取引されることがあります。
とくに発行初期の紙幣や、状態が良いもの、珍しい記番号(アルファベット1桁など)は高価買取が期待できるでしょう。
1万円札では、記番号が「A-A」の最初期のものは価値が高いとされています。また、5千円札も同様に、「A-A」から「B-A」の初期発行分が価値が高い傾向にあるのです。
また、未使用品や極美品の状態を保っているものは、額面の1.5倍から2倍程度の価値が付くことも珍しくありません。透かしの鮮明さや印刷の美しさも評価のポイントとなります。
岩倉具視の旧500円札
昭和26年から発行されたB号券と、昭和44年から発行されたC号券の2種類があります。
とくに価値が高いのは発行期間が短かったB号券で、記番号のアルファベット桁数によっても価値が変わるのです。
B号券の初期発行分の紙はクリーム色、後期は白色になっており、前期のものがより高く評価されています。
また、C号券でも記番号が珍番号(ゾロ目や階段など)のものは、通常より高い価値に期待できるでしょう。
なぜ昭和に発行された昔のお金に価値が付くのか?
昭和のお金がなぜ額面以上の価値を持つのでしょうか。
ここでは、額面以上の価値が生まれる背景にある3つの主要な要因について解説いたします。
発行枚数が少なく希少価値が高いから
古銭の価値を決定づける最も大きな要因が「希少性」です。特定の年号に発行された枚数が極端に少ない硬貨や紙幣は、コレクターからの需要が高く、価値が上がりやすい傾向にあります。
また、記念硬貨の発行により通常硬貨の製造が一時的に減少した年なども、希少価値の高い硬貨が生まれる要因となっています。
素材そのものに価値があるから(銀貨など)
昭和の特定の時期に発行された硬貨には、銀などの貴金属が使われているものもあります。
これらの硬貨は、古銭としての価値だけでなく、含まれる銀の地金としての価値(素材価値)も持つため、額面以上の価格で取引されているのです。
具体的な例として、鳳凰100円銀貨や稲100円銀貨が挙げられ、これらは銀を60%含有しているため、銀相場の影響を受けて価値が変動します。
コレクターからの需要があるから
エラープリント(印刷ミス)やエラーコイン(刻印のズレ、穴なしなど)は、市場に出回る数が極めて少ないため、コレクターの間で非常に高い価値を持ちます。
製造過程で偶然生まれるこれらの「エラー品」は、1点ものの希少性から数万円以上もの価値が付くことも。
また、紙幣の記番号が「1番」や「ゾロ目」「階段」など珍しい番号(珍番号)も、収集家からの需要が高く、通常の紙幣よりもはるかに高値で取引されています。
▼関連コラム
→ エラーコインの種類を知りたい!珍しいエラーや見分け方も紹介
昭和のお金をより高く売るための3つのコツ
価値ある昭和のお金を見つけたら、次は「いかに高く売るか」が重要になります。
保管状態や売却先の選び方次第で、買取価格は大きく変わることがあります。ここでご紹介する3つのコツを実践し、お手元の古銭の価値を最大限に引き出しましょう。
1)現状のまま査定に出す(無理に洗浄しない)
古銭は「発行当時の状態」が最も価値が高いとされています。
汚れているからといって、無理に洗浄したり磨いたりすると、表面に傷が付いてしまい、かえって価値を下げてしまう危険性も。
とくに金属製の硬貨は、研磨剤や洗剤を使用することで表面の細かな刻印が削れてしまい、大幅な価値の低下を招く可能性があります。
サビや汚れも「古さ」の証明であり、歴史的な価値の一部であるため、見つけたらそのままの状態で専門家に見せることが最善です。
どうしても気になる汚れがある場合は、やわらかい布で軽く拭く程度に留めておきましょう。
2)良好な状態で保管する
古銭の価値を保つための適切な保管方法を実践し、将来的な価値の維持・向上を目指しましょう。
硬貨はコインアルバムやコインホルダー、紙幣は紙幣アルバムや専用の保存ケースなどに入れて保管することが望ましく、これにより空気中の湿気や汚れから保護できます。
裸のまま缶などに入れて保管すると、硬貨同士がぶつかって傷の付く恐れがあるため避けましょう。また、温度変化の少ない場所で保管し、定期的に状態を確認することも大切です。
3)古銭の価値がわかる専門の買取業者に依頼する
昭和のお金の価値は、年号や状態、市場の需要など専門的な知識がないと正確に判断することは困難です。
リサイクルショップなどの一般的な買取店では、古銭の真の価値を見極めることが難しく、相場よりもはるかに安い価格で買い取られてしまう可能性があります。
古銭の専門知識を持った査定士が在籍する買取専門店に依頼することで、適正な価格での買取に期待できるでしょう。
昭和のお金の価値を知りたいなら買取実績が豊富な福ちゃんへ
福ちゃんは古銭買取において多くの実績を持ち、数多くのお客様から信頼のお声をいただいている買取専門店です。
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まとめ
本記事では、価値のある昭和の硬貨・紙幣について詳しく解説いたしました。
ギザ十や穴なし50円、フデ5、そして聖徳太子の旧紙幣など、一見普通に見えるお金の中にも驚くほど高い価値を持つものが存在します。
そのため、何気なく保管していた昭和のお金に、思わぬプレミア価値が眠っている可能性は十分にあるでしょう。
発行年号や状態、希少性などの要素が複雑に絡み合って価値が決まるため、素人目には判断が難しいのが古銭の世界です。だからこそ、価値を正確に知るためには、専門家による査定が不可欠なのです。
もしお手元に昭和時代の古いお金をお持ちでしたら、福ちゃんの無料査定サービスを利用して、その価値を確かめてみてはいかがでしょうか。