- 古銭/記念硬貨
- 2023.04.11
竜50銭銀貨は価値が高い?重さや厚みなどのサイズや真贋の判断方法なども紹介

「竜50銭銀貨の現在の価値は?」
「竜50銭銀貨を持っているけど本物かどうか知りたい」
という方のために、竜50銭銀貨について解説します。
現在の価値はもちろんのこと、サイズや本物と偽物の違いなども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
竜50銭銀貨は明治6年発行の銀貨

竜50銭銀貨は、1873年の明治6年に発行が始まった銀貨です。
当時は1/2円(0.5円)の価値を持つ銀貨として流通していました。
まずは、竜50銭銀貨のデザインや歴史的背景を紹介します。
特徴
- ✔︎ 重さ:約13.5g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ サイズ:直径 約30.1/厚み 約2.1(mm)
竜50銭銀貨は、その名のとおり表面に竜が描かれているのが特徴です。この竜図は、明治初期の日本の貨幣を象徴するデザインでした。
縁には国名「大日本」や発行年数の他、国際化が進行している背景があったことからアルファベットで「50SEN」と刻印されています。
裏面は中央に「五十銭」と漢字で額面が彫られ、その周りを菊紋や桐枝、リボンなどが囲っているデザインです。
側面は均等に溝が彫られ、いわゆる「ギザ」ありの偽造防止の技術が施された銀貨となっています。
歴史
竜50銭銀貨は、明治政府が近代的な貨幣制度を確立するために1871年(明治4年)に制定した「新貨条例」に基づき、補助貨幣として発行されました。
当時の日本には、江戸時代からの旧貨幣や明治初期の紙幣(明治通宝)などが混在しており、貨幣制度の統一が急務でした。
竜50銭銀貨は、これらの旧貨幣を回収し、新しい「円」を中心とした通貨制度を浸透させる役割も担っていました。
しかし、当初は銀の不足などから生産量が追いつかない状況もあったといわれています。
1905年(明治38年)まで断続的に発行されましたが、1897年(明治30年)に「貨幣法」が制定されると、貨幣の表裏の定義が変更され、それまで表面とされていた竜図が裏面として扱われるようになりました。
現在、明治6年、7年、9年、10年、13年、18年、および明治30年から38年までの年銘が確認されています。
竜デザインの背景と「円」の導入
明治政府が貨幣のデザインに「竜」を採用したのには、複数の理由があったとされています。
竜は古来より日本の神話や伝説に登場する力や権威の象徴であり、西洋列強に負けない近代国家としての威厳を示す狙いがありました。
また、新貨条例によって導入された「円」という単位は、それまでの「両・分・朱」といった複雑な四進法の体系から、国際標準である十進法へと移行する画期的なものでした。
竜50銭銀貨は、この新しい貨幣制度を国民に広めるための重要なツールでもあったのです。
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竜50銭銀貨の価値は?希少価値が高い年銘紹介

- ✔︎ 明治7年
- ✔︎ 明治9年
- ✔︎ 明治10年
- ✔︎ 明治13年
竜50銭銀貨は、発行年数によって価値が大きく違う銀貨です。
希少価値が高いのは、上記の4つと言われており、なかでも明治13年のものは極めて希少と言われています。
通常は1,000円前後で取引されることが多いですが、上記4つの年銘は数十万円の査定額が期待できるでしょう。
状態など条件が揃えば、100万円近くになる可能性もあります。
特に希少価値の高い明治13年は、数百万という高額での取引となるでしょう。
《一覧表》竜50銭銀貨の年銘別 買取相場目安
竜50銭銀貨の価値は、年銘と状態によって大きく変動します。以下はあくまで目安の相場です。
| 年銘 | 状態:並品(傷や摩耗が目立つ) | 状態:美品(摩耗や傷が少ない) | 状態:未使用(製造時の輝きが残る) |
| 通常年銘(明治6年、18年、30~38年) | 数百円~1,500円程度 | 2千円~8千円程度 | 数万円~25万円程度 |
| 希少年銘(明治7年、9年、10年) | 数万円~数十万円 | 数十万円~100万円程度 | 100万円~ |
| 激レア年銘(明治13年) | (要鑑定) | (要鑑定) | 数百万円~ |
※相場は常に変動しており、状態や真贋によって大きく異なります。
※手替わり種が多いことにも注意が必要です。
価値を大きく左右する「銀貨の状態」
上記の相場表からもわかる通り、古銭の価値は「状態」によって数倍、ときには数十倍も変わってきます。
コレクターや買取業者は、銀貨の状態を「未使用」「極美品」「美品」「並品」といった区分で評価します。
「未使用」は製造された当時の輝きがそのまま残っている状態を指し、最も価値が高くなります。逆に「並品」は、長年流通して摩耗が進み、傷や汚れが目立つ状態です。
注意が必要なのは、汚れているからといって磨いてしまうことです。
古銭の「汚れ」や「サビ」は、その硬貨が経てきた歴史の証(「パティナ」と呼ばれることもあります)として評価されることが多く、磨いてしまうと「洗い」と呼ばれる不自然な状態になり、価値が大きく下がってしまいます。
ご自宅で見つけた際は、決して磨かずにそのままの状態で専門家に見てもらうことが重要です。
実際の買取価格は保管状態、市場の需給バランス、為替相場(銀価格の変動)など、さまざまな要因で変動します。正確な価値は、古銭の専門知識を持つ買取業者に確認してもらいましょう。
竜50銭銀貨の通常と違うデザイン(手替わり)

- ✔︎ 長年・中年
- ✔︎ 上切・下切
竜50銭銀貨には、「手替わり」と呼ばれる通常と違う特徴を持っている種類があります。
手替わりの特徴を持っている竜50銭銀貨は希少価値が高いため、査定額の向上が見込めるでしょう。
竜50銭銀貨でポピュラーな手替わりの4種類を紹介します。
長年・中年

「長年」や「中年」は、刻印されている発行年数の「年」の字に特徴が見られます。
通常のものは「正年」と呼ばれており、長年や中年は「年」の6角目が正年より長く彫られています。
長年は「年」の6画目が中年よりも長いのが特徴ですが、長年と中年の見極めは簡単ではありません。
素人では見比べてやっとわかるかもしれないくらいなので、銀貨に関して深い知識を持ったプロに見てもらう必要があります。
上切・下切
「上切」や「下切」は、竜50銭銀貨に刻印されている「五十銭」の下にある枝に特徴があります。
左側にある枝の終わり部分を見て、切り口が上になっていれば「上切」、下になっていれば「下切」です。
手替わり品が評価される理由
こうした「手替わり」が生まれる理由は、貨幣を製造する際の金型(極印=ごくいん)の違いにあります。金型は消耗品であるため、摩耗するたびに新しい金型が作られました。
その際、職人の手作業による修正や微妙なデザイン変更が加わることがあり、それが「手替わり」として現代に残っているのです。
現存数の少ない手替わり品は、その希少性からコレクターに珍重され、高い価値がつけられます。
竜50銭銀貨の偽物の見分け方

- ✔︎ 重さ・サイズ
- ✔︎ デザイン
- ✔︎ 側面の溝
年銘によっては高い価値がつくため、竜50銭銀貨は偽物が出回る傾向にあります。
本物と偽物を見分けるポイントとなる上記3つについて紹介するので、参考にしてください。
重さ・サイズ
竜50銭銀貨の重さは約13.5gで、直径や厚みはそれぞれ約30.1mmと約2.1mmです。
本物でも多少の誤差はありますが、重さが1g以上違うものは偽物の可能性が高いと言われています。
また、サイズもチェックしてみてください。
重さが本物と同じくらいでも、直径や厚みが違えば偽物を疑いましょう。
デザイン
竜50銭銀貨の偽物は刻印が雑になっているものが多く見られます。
竜の鱗が潰れていたり、「五十銭」を囲む植物の葉脈が浅く彫られていたりするものがあります。
また、「五十銭」と彫られている面の縁には馬の歯と呼ばれる凹凸が等間隔で並んでいますが、馬の歯が不明瞭、間隔がバラバラなどの特徴があれば、偽物の可能性があるでしょう。
さらに、竜を丸く囲む点図も注意して見てください。
点が伸びたような形になっているなど、乱雑な印象を受けるものは偽物かもしれません。
側面の溝
竜50銭銀貨は側面に溝があり、本物の竜50銭銀貨は側面の溝が真っ直ぐ同じ間隔でしっかり刻まれています。
側面の溝が斜めになっていたり、ばらつきがあったりする場合は、偽物の可能性が高いでしょう。
本物かどうかの判断は、本物に関する専門的知識が必要になる場合があるため、竜50銭銀貨の買取実績がある買取業者に持っていくのが一番の方法です。
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竜50銭銀貨以外の竜がデザインされた50銭銀貨

- ✔︎ 旭日竜大型50銭銀貨
- ✔︎ 旭日竜小型50銭銀貨
明治時代は、竜50銭銀貨以外にも竜が刻印された50銭銀貨が製造されています。
「竜図」が国を代表するものだと考えられていたからです。
竜に加え、日本文化の象徴とも言える旭日が刻印されている、旭日竜大型50銭銀貨と旭日竜小型50銭銀貨を紹介します。
旭日竜大型50銭銀貨

- ✔︎ 重さ:約12.5g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約32.1mm
旭日竜大型50銭銀貨は、1870年の明治3年と1871年の明治4年に作られました。
表面は額面が「五十銭」と漢字で彫られている以外は、竜50銭銀貨の竜などと同じデザインです。
裏面は旭日や菊紋、桐紋などが刻印されています。
明治時代に製造された他の50銭銀貨よりも数mm大型に作られているのが特徴です。
当時、貿易用として発行されていた一圓銀貨の補助貨幣として発行されました。
旭日竜大型50銭銀貨について詳しくはこちら↓
旭日竜大型50銭銀貨!偽物の見分け方やその他50銭銀貨、50銭以外の旭日竜銀貨紹介
旭日竜小型50銭銀貨

- ✔︎ 重さ:約12.5g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約30.9mm
旭日竜小型50銭銀貨は、表面も裏面も旭日竜大型50銭銀貨と同じ刻印が彫られ、大きさのみ数mm小さく作られました。
イギリスから新しく導入したマシンで最初に製造した銀貨だったと言われています。
明治4年と明治5年の年銘が存在し、明治4年銘には竜図が大きい「大竜」と竜が小さい「小竜」があります。
旭日竜小型50銭銀貨について詳しくはこちら↓
旭日竜小型50銭銀貨の参考買取価格を紹介!現在の価値や大竜小竜の違い
竜50銭銀貨と同じ時期に作られた他の額面の銀貨

- ✔︎ 竜20銭銀貨
- ✔︎ 竜10銭銀貨
- ✔︎ 竜5銭銀貨
竜50銭銀貨の額面が違う竜の銀貨を紹介します。
50銭以外にも、20銭・10銭・5銭が製造されました。
額面と大きさ以外は竜50銭銀貨と同じデザインです。
竜20銭銀貨

- ✔︎ 重さ:約5.4g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約22.4mm
竜20銭銀貨は、1/5円の価値を持つ銀貨として発行されました。
有名な手替わりには「日」の字が一部欠けている「欠日」があります。
竜50銭銀貨と同じように発行年数によって希少価値が違い、一番希少価値が高いと言われているのは明治13年銘です。
竜10銭銀貨

- ✔︎ 重さ:約2.7g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約18.1mm
竜10銭銀貨は1906年の明治39年まで発行され続けたと言われています。
代表的な手替わりは「明」の字に特徴があり、「日」と「月」が続け字のようになっています。
竜5銭銀貨
- ✔︎ 重さ:約1.3g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約15.2mm
竜5銭銀貨は1/20円の価値を持つ銀貨として発行されました。
明治6年・7年・8年・9年・10年の年銘があると言われています。
サイズが小さいので使い勝手が悪かったため、他の額面より鋳造期間が短くなっています。
竜50銭銀貨の査定は福ちゃんへ

竜50銭銀貨は、明治6年から明治38年まで発行された銀貨で、竜図や額面の刻印が特徴です。
発行年数によって価値が変わり、希少価値が一番高いのは明治13年と言われています。
また、「長年」や「中年」、「上切」や「下切」といった手替わりの特徴を持っているものは、査定額がアップするでしょう。
真贋の見極めは重さやサイズ、刻印などが材料となりますが、プロの査定士に見てもらう方法が一番です。
福ちゃんは、竜50銭銀貨の他にも古銭の買取実績が高く、数々の取引を成功させています。
真贋の見極めはもちろんのこと、さまざまな特徴を加味して価値を査定するため、損のない取引が可能です。
竜50銭銀貨の査定は福ちゃんにお任せください。
銀貨について詳しくはこちら↓
人気の銀貨一覧!今の値段や当時の価値、日本が製造した現在の注目銀貨も紹介
竜50銭銀貨に関するQ&A
竜50銭銀貨について、お客様からよくいただくご質問とその回答をまとめました。
Q1. 竜50銭銀貨の素材は純銀(シルバー100%)ですか?
A1. いいえ、純銀ではありません。竜50銭銀貨の品位(素材の割合)は、銀が約80%、銅が約20%の合金です。
これは当時の日本の貨幣(補助銀貨)の標準的な品位でした。銅を混ぜることで、銀の柔らかさを補い、流通に耐えられる強度を持たせています。
Q2. 竜50銭銀貨を売却したい場合、どこに持っていけばよいですか?
A2. 竜50銭銀貨のような古銭は、一般的なリサイクルショップや金券ショップでは、その価値を正確に判断できない場合があります。とくに「特年」や「手替わり」といった希少な要素を見逃されてしまうケースもあるようです。
売却をご検討の場合は、福ちゃんのように専門知識と買取実績が豊富な、古銭買取の専門店にご相談いただくことを強くオススメします。
Q3. 竜50銭銀貨を保管するうえで気をつけることはありますか?
A3. 銀貨は非常にデリケートです。価値を損なわないために、以下の点にご注意ください。
☑素手で触らない
☑磨かない・洗わない
☑湿気を避ける
☑専用ケースに入れる

