- 古銭/記念硬貨
- 2023.10.13
旭日50銭銀貨の買取相場!現在の価値や本物と偽物の違い、他50銭硬貨の種類も

「旭日50銭銀貨を売ったらどれくらいになる?」
「旭日50銭銀貨をを持っているけど本物かわからない」
という方のために、旭日50銭銀貨について見ていきましょう。今の価値、真贋の見極め方、その他の50銭硬貨などをまとめました。
また、違う額面の旭日銀貨やなるべく高く売るポイントもぜひ参考にしてください。
旭日50銭銀貨ってどんな貨幣?

旭日50銭銀貨は、明治39年(1906年)から大正6年(1917年)まで発行された、額面50銭(1/2円)の価値を持つ銀貨です。
日本の近代化が進む中で誕生したこの銀貨には、当時の経済状況やデザインの変遷が色濃く反映されています。
そんな旭日50銭銀貨の特徴や発行経緯を説明します。
特徴|表面・裏面のデザイン詳細
- ✔︎ 重さ:約10.13g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 寸法:直径 約27.3/厚み 約1.7
旭日50銭銀貨のデザインは、当時の日本を象徴する意匠が用いられています。
表面の中央に「五十銭」と漢字で彫られており、その額面の周りを菊紋や桐枝、リボンが囲んでいます。
裏面は小桜に囲まれた旭日や「大日本」という文字、額面などが彫られているのがわかるでしょう。
なぜ「龍」から「旭日」にデザインが変わったのか
旭日50銭銀貨が登場する以前、明治期の50銭銀貨には「龍図」が描かれていました。
銀地金高騰への対処として明治39年(1906年)の法改正で規格(直径・量目)が引き下げられ、それに合わせて意匠も更新。
その代わりに採用されたのが、日本の象徴である「旭日」でした。これは、デザインの刷新であると同時に、後述する貨幣の仕様変更を国民に示す意味合いも持っていました。
発行経緯|銀価格高騰と「鋳潰し」防止
旭日50銭銀貨は、1906年の明治39年に貨幣法が改正された際に発行されました。デザイン変更の大きな理由は、当時の世界的な銀相場の高騰です。
銀の価格が上昇したことで、それまでの「竜50銭銀貨」(量目13.48g)は、額面の50銭よりも素材である銀の価値が高くなる「銀価格の逆転」が懸念されました。
この状態を放置すると、硬貨を溶かして銀の地金として売却する「鋳潰し」が横行する恐れがあったため、政府は貨幣法を改正。
銀の含有量を減らすため、竜50銭銀貨より約25%軽量化(量目10.125g)した、新しい50銭銀貨として「旭日50銭銀貨」が発行されたのです。
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竜50銭銀貨は価値が高い?重さや厚みなどのサイズや真贋の判断方法なども紹介
製造停止の理由|第一次世界大戦
旭日50銭銀貨は明治39年から約11年間発行されましたが、1914年に「第一次世界大戦」が勃発すると、銀の価格は再び急騰します。
その結果、大正6年(1917年)頃には、軽量化されたはずの旭日50銭銀貨でさえも、地金価値が額面を上回る事態となりました。
これにより、政府は銀貨の製造を停止せざるを得なくなり、代わりに「50銭紙幣(小額政府紙幣)」が発行されることとなったのです。
査定・出張費・手数料はすべて無料。
旭日50銭銀貨の買取相場

旭日50銭銀貨は、数百円から数千円で取引されることが多いでしょう。しかし、未使用品のものは数万円の価格がつくこともあります。
累計発行枚数は年別合算で「約1億4,333万枚」と非常に多く、現存数も多いため、古銭としての希少性は前代の竜50銭銀貨などと比べると高くありません。
そのため、買取価格を決定する上で最も重要な要素は「年銘」と「状態」です。
旭日竜大型50銭銀貨について詳しくはこちら↓
旭日竜大型50銭銀貨!偽物の見分け方やその他50銭銀貨、50銭以外の旭日竜銀貨紹介
価値を左右する「年銘」(特年)とは
古銭の世界では、発行枚数が極端に少ない年のことを「特年」と呼び、他の年号(平年号)よりも高値で取引されます。
旭日50銭銀貨における特年は、発行枚数が最も少ない「大正3年」(約187万枚)と、次に少ない「大正元年」(約193万枚)。
また、初年度である「明治39年」もコレクターに人気があり、価値も高い傾向がみられます。
逆に、明治40年(約2,406万枚)や明治41年(約2,547万枚)などは発行枚数が多く、並品であれば価値はつきにくいでしょう。
価値の最大の決め手は「状態(グレード)」
旭日50銭銀貨は発行枚数が多いため、特年であっても、流通していた並品(傷や摩耗が多いもの)の価値は数千円程度に留まることが一般的です。
現在の古銭市場では、硬貨の状態(グレード)が価格を決定する最大の要因です。未使用品や、それに近い「極美品」など、保存状態が良好なものほど価値は飛躍的に高まります。
とくに、PCGSやNGCといった第三者鑑定機関によって「未使用」と格付けされたトップグレード品は、数万円単位のプレミア価値で取引されます。
旭日50銭銀貨 状態・年銘別 買取相場目安表
旭日50銭銀貨の年銘と状態ごとの買取相場目安は以下のとおりです。
| 年銘 | 並品(流通品) | 美品 | 未使用品 |
|---|---|---|---|
| 平年号 (明治40年など) | 数百円~1,000円程度 | 1,500円~3,000円程度 | 10,000円~20,000円程度 |
| 特年 (大正3年・大正元年) | 3,000円~5,000円程度 | 10,000円~20,000円程度 | 40,000円~70,000円程度 |
| 準特年 (明治39年・大正4年など) | 1,000円~2,000円程度 | 5,000円~10,000円程度 | 30,000円~60,000円程度 |
旭日50銭銀貨の本物と偽物の違い

- ✔︎ 重さやサイズ
- ✔︎ デザインの緻密さ
たくさんの偽物やレプリカが出回っている銀貨ですが、本物と偽物を見分けるためのポイントは、重さやサイズ、デザインです。
重さが1g以上違うものや直径、厚みに差が見られるものは、偽物の可能性があるでしょう。
また、デザインにも注目してください。
本物は緻密で深めの刻印ですが、偽物は稚拙で浅めの刻印であることがあります。
本物かどうかの判断は、本物に関する専門的知識が必要になる場合があるため、旭日50銭銀貨の買取実績がある買取業者に持っていくのが一番の方法です。
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旭日50銭銀貨以降の50銭硬貨

旭日50銭銀貨が鋳造停止となった後も、さまざまな50銭硬貨が製造されました。
そのなかから、コレクターにも注目されている3種類を紹介します。
八咫烏50銭銀貨
- ✔︎ 重さ:約6.75g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約24.85mm
銀の価格が高騰したことで、旭日50銭銀貨より量目を減らした銀貨が1918年の大正7年に製造されました。
それが「八咫烏50銭銀貨」で、国内初、デザインを一般公募にて決定した貨幣です。
表面には額面と鳳凰が2羽、裏面には旭日と八咫烏が彫られています。
しかし、第一次世界大戦後も銀価格の高騰が続いたため、この銀貨が市場に流通することはありませんでした。
製造された銀貨(約3,118万枚)は、そのほぼすべてが発行されないまま保管され、のちに鋳潰されてしまったといわれています。
小型50銭銀貨(鳳凰50銭銀貨)

- ✔︎ 重さ:約4.95g
- ✔︎ 品位:銀 約72/銅 約28(%)
- ✔︎ 直径:約23.5mm
銀の価格高騰が落ち着き始めた1922年の大正11年、「小型50銭銀貨」が発行されて銀貨が復活しました。
旭日50銭銀貨(量目約10.13g)よりもさらに小型化・軽量化(量目約4.95g)されています。
表面に刻印された額面「五十銭」を挟んで鳳凰が2羽向かい合っているデザインが特徴です。
裏面は旭日と桜、発行年数などが彫られています。
時代が移り変わり、年号が昭和となっても発行され続け、昭和13年が最後の年銘と言われています。
小型50銭銀貨(小型鳳凰50銭銀貨)について詳しくはこちら↓
小型50銭銀貨(鳳凰50銭銀貨)の価値!特年は昭和13年?その他50銭銀貨も
小型50銭黄銅貨
- ✔︎ 重さ:約2.8g
- ✔︎ 品位:銅 約60〜70/亜鉛 約30〜40(%)
- ✔︎ 直径:約19mm
小型50銭黄銅貨は、1947年の昭和22年に発行された銅貨です。
戦後処理によるインフレーションなどで銀が不足していたため、この頃は貨幣に黄銅が使われるようになっていました。
表面は「五十銭」や菊紋、桜の枝が刻印され、裏面は「50」と数字で額面が彫られ、「日本国」と発行年数があり、現在の硬貨と少し似たデザインとなっています。
旭日50銭銀貨以降の主要50銭硬貨 比較表
| 名称 | 発行時期 | 素材(品位) | 重さ(量目) | 直径 |
|---|---|---|---|---|
| 旭日50銭銀貨 | 明治39年~大正6年 | 銀80% 銅20% | 約10.13g | 約27.27mm |
| 八咫烏50銭銀貨 | 大正7年~8年 | 銀80% 銅20% | 約6.75g | 約24.85mm |
| 小型50銭銀貨(鳳凰) | 大正11年~昭和13年 | 銀72% 銅28% | 約4.95g | 約23.5mm |
| 小型50銭黄銅貨 | 昭和22年~23年 | 銅60-70% 亜鉛30-40% | 約2.8g | 約19mm |
旭日50銭銀貨と同時期に発行された違う額面の銀貨

旭日50銭銀貨と同じ時期に製造された、他の額面の銀貨を紹介します。
どれも旭日50銭銀貨とほとんど同じ刻印がされており、額面部分だけが違うものです。
旭日20銭銀貨

- ✔︎ 重さ:約4.1g
- ✔︎ 品位:銀 約80/銅 約20(%)
- ✔︎ 直径:約20.3mm
旭日20銭銀貨は、当時1/5円の価値で流通していました。
旭日50銭銀貨や旭日10銭銀貨は大正に入ってもしばらく製造されていましたが、旭日20銭銀貨は1911年の明治44年で製造停止となっています。
20銭という額面が不便だったことが原因と考えられています。
旭日10銭銀貨
- ✔︎ 重さ:約2.25g
- ✔︎ 品位:銀 約72/銅 約28(%)
- ✔︎ 直径:約17.57mm
旭日10銭銀貨は、明治40年(1907年)から流通しました。旭日50銭銀貨や20銭銀貨とは品位が異なり、銀の純度が少し低い(銀72%)のが特徴です。
なお、流通する前年の明治39年にも製造されていますが、その際は品位が異なり(銀80%・銅20%)、見本用として数枚が製造されたのみといわれています。
この明治39年銘は市場に流通しておらず、現在は造幣博物館に展示されている大変希少なものです。
旭日50銭銀貨の高額売却を狙うなら

- ✔︎ 複数持っている場合はまとめて売る
- ✔︎ ケース等付属品も一緒に売る
- ✔︎ 銀貨の取引実績が高い買取業者を選択
旭日50銭銀貨は、状態がよく未使用品と査定されない限りは大きな買取額にはならないでしょう。
少しでも高額売却するには、上記3つがポイントです。
他にも古銭を持っている場合は、まとめて査定に出してみてください。
1枚ずつよりもセットの方が査定額が高くなる傾向にあります。
また、ケースや保証書など、付属品がある場合は一緒に査定に出しましょう。
付属品の価値がプラスになる可能性があります。
査定は、銀貨の買取実績が高い買取業者を選ぶと、損のない取引ができるでしょう。
旭日50銭銀貨の査定は福ちゃんへ

旭日50銭銀貨は明治から大正にかけて発行された貨幣です。
旭日50銭銀貨より前に発行された50銭銀貨に比べると価値が低くなりますが、状態が極めて良好であれば高額査定の可能性もあります。
高額売却を狙うなら、複数の古銭をまとめて査定に出したり、付属品を一緒に売却したりなどしましょう。
銀貨の買取実績が高い買取業者を選択すれば、安く買い叩かれたり、価値を低く見積もられたりしにくくなります。
福ちゃんには、銀貨などの古銭に精通した査定士が在籍し、これまで多数の銀貨を買い取ってきました。
旭日50銭銀貨の査定は、福ちゃんにお任せください。
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旭日50銭銀貨に関するQ&A
最後に、旭日50銭銀貨に関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q1:旭日50銭銀貨は今でもお金として使えますか?
A1:いいえ、現在はお金として使用できません。旭日50銭銀貨を含む、円の補助貨幣(銭や厘)は、昭和28年(1953年)に施行された「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」によって、その通用が停止(廃止)されています。現在は、古銭コレクター向けの「収集品」としてのみ価値があります。
Q2:最も価値が高い年銘(特年)は何年ですか?
A2:発行枚数が最も少ない「大正3年」(約187万枚)です。次に少ない「大正元年」(約193万枚)も特年として扱われます。これらの年号は、他の年号に比べて希少価値が高く、高額査定が期待できます。
Q3:銀貨が黒ずんでいますが、価値は下がりますか?
A3:一概に価値が下がるとは言えません。銀貨の黒ずみは、空気中の硫黄成分などと反応して生じる自然な「硫化」であり、古銭コレクターの間では「トーン」と呼ばれ、味わいとして好まれることもあります。
むしろ、この黒ずみを無理に落そうとして磨いてしまうと、表面に傷がつき、古銭としての価値が大きく損なわれる可能性が高いです。黒ずんでいても、そのままの状態で査定に出してください。
Q4:同じ「50銭」なのに、なぜ竜50銭銀貨より価値が低いのですか?
A4:主な理由は「発行枚数(希少性)」の違いです。旭日50銭銀貨は累計で約1.4億枚と非常に多く発行され、現存数も多いため、古銭としての希少性が低くなります。
一方、竜50銭銀貨は、年号によっては発行枚数が極端に少ないもの(例:明治13年など)があり、希少価値が非常に高くなっています。そのため、同じ50銭銀貨でも、竜50銭銀貨の方が全体的に価値が高い傾向にあります。

