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  • 切手
  • 2023.05.25

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

切手は国内の日本切手だけでなく「外国切手海外切手)」も存在しています。

外国切手といえば「中国切手」の価値が高いイメージがありますが、実際にはヨーロッパやアメリカなど、世界各国で高額取引される切手もあるのです。

今回は、外国切手とはどのようなものか、その種類や魅力、そして買取市場での価値について詳しく解説します。

目次

外国切手とは

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

外国切手海外切手)」とは、日本以外の国々が発行した郵便切手のことです。

切手は本来、郵便料金を前払いした証として使用されますが、その役割は国が変わっても同じ。各国が独自の郵便制度に基づき、多種多様なデザインや額面の切手を発行しています。

日本切手との基本的な違い

日本切手と外国切手の最も基本的な違いは、発行国と使用できる国です。日本切手は日本国内での郵便料金として使用できますが、外国切手は日本国内の郵便には使用できません。

また、デザインやテーマにも大きな違いがあります。

日本切手は日本の皇室、伝統文化、自然、アニメなどが題材になりますが、外国切手はその国の文化や歴史を色濃く反映しています。

国や地域によって異なるデザインの魅力

外国切手の最大の魅力は、その国や地域の歴史、文化、芸術、自然などが小さな紙面に凝縮されている点でしょう。

たとえば、イギリスの切手には王室の肖像や歴史的建造物が多く描かれます。

オーストラリアはカンガルーやコアラといった独自の野生動物、アメリカは歴代大統領や歴史的な出来事をテーマにすることが多いのが特徴です。

ほかにも、フランスの切手は芸術性が高いことで知られ、有名な絵画やファッションを題材にすることがあります。

北欧諸国では洗練されたシンプルなデザインが、アフリカ諸国では色鮮やかな動植物や民族文化が描かれるなど、地域ごとの特色が豊かに表現されています。

「フィラテリー」と呼ばれる切手収集の世界

これらの外国切手を集める趣味は「フィラテリー」と呼ばれ、世界中に多くの愛好家(切手収集家・フィラテリスト)がいます。

収集の動機は、デザインの美しさ、希少性、歴史的価値など人それぞれです。

イギリスの切手だけを集める」といった国別の収集や、「動物・乗り物・宇宙・スポーツ」といった特定のテーマで世界中の切手を集める「テーマ収集」など、楽しみ方は無限にあります。

日本における外国切手の役割

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

日本において、外国切手は主に3つの役割を持っています。

趣味・コレクションとしての役割

最も一般的な役割は、趣味としての収集対象で、外国切手はその国の文化や歴史を映す「窓」のような存在です。

切手を通じて、訪れたことがない国の風景や歴史上の人物を知り、世界観を広げるきっかけとなります。

美しいミニチュアアートとして、アルバムに収めて鑑賞する楽しみは、古くから多くの人々に愛されてきました。

歴史や地理を学ぶ教材としての側面

外国切手は、教育的な教材としての側面も持っています。

子どもたちが切手のデザインを通じて、世界の国々の地理、歴史、文化、自然に興味を持つきっかけにもなるでしょう。

また、年代順に切手のデザインの移りかわりを見ることで、その国の社会情勢や技術の進歩を感じ取ることも。子どもだけでなく大人の教養を深める題材としても非常に優れているのです。

通信手段としての利用(国際返信切手券など)

かつては、海外との手紙のやり取り(国際通信)で外国切手が必要になる場面もありました。ただし、現代において日本から差し出す郵便物には日本の切手が必要で、外国切手は使用できません。

返信用の費用を先方に負担させない方法としては、国際返信切手券(IRC)を同封し、相手国で現地の切手と交換してもらう手段があります。(※日本国内での交換額・有効期限等の条件あり)

日本切手と外国切手の人気

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

日本切手と外国切手ではどちらが人気があるか」という疑問は一概に答えることができません。

切手の人気は、収集家の趣味、デザインの美しさ、歴史的価値、そして何より希少性によって決まるからです。

日本切手の魅力と人気の傾向

日本の切手は、その緻密なデザインと世界的に見ても非常に高い印刷技術によって、海外の収集家からも高く評価されています。

とくに「見返り美人」や「月に雁」といった浮世絵を題材にした切手は、日本独自の芸術性を象徴するものとして人気です。

また、発行枚数が限られた記念切手や、特定の時期の普通切手なども、その希少性から高い人気につながることがあります。

外国切手の多様な人気

一方、外国切手は人気の対象となる範囲が非常に広大です。国や地域、テーマによって異なる特色があり、それが多様なコレクションの可能性を生み出しています。

たとえば、イギリスの王室関連(ロイヤルファミリーの記念切手など)や、ディズニー、オリンピックといった世界的なテーマの切手は、国境を越えて根強い人気を誇ります。

買取市場で際立つ「中国切手」の人気

切手買取の市場において、近年とくに高い人気と価値を示しているのが「中国切手」です。

とくに1980年に発行された「赤猿(T46)」は有名で、高額で取引されています。

中国切手が高騰している背景には、1960年代から70年代の文化大革命の時期に切手収集が禁止され、多くの切手が失われたこと。

そして、近年の中国の経済成長により、富裕層が自国の文化遺産として切手を買い戻す動きが活発化したことなどが挙げられます。

外国切手の買取相場

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

外国切手の買取相場は、切手の種類、状態、希少性、歴史的価値など、多くの要素によって大きく変動します。

買取価格も一定ではなく、常に市場の需要と供給のバランスによって決まります。

買取価格を左右する4つの要素

外国切手の価値は、主に以下の4つの要素で決まります。

希少性(発行枚数)

発行枚数が少ない切手や、エラー(印刷ミス)がある切手は、その希少性から価値が高くなります。

状態(コンディション)

未使用か使用済みか、シミや破れがないか、裏面の糊(のり)が残っているかなど、切手の保存状態は査定額に直結します。

人気(需要)

中国切手のように、特定の国やテーマで収集家からの需要が高い切手は、相場も高くなる傾向があります。

歴史的価値

世界最初の切手「ペニーブラック」のように、郵便史において重要な意味を持つ切手は、それ自体に歴史的な価値があります。

高価買取が期待できる外国切手の特徴

一般的に、使用済みの切手(消印が押されたもの)よりも、未使用の切手(「ミント」とも呼ばれます)の方が高値で取引されます。

また、切手が発行された初日に、その日の消印が押された封筒「初日カバー(FDC: First Day Cover)」や、切手が複数枚連なった「シート」、記念の小型シートなども、単体の切手より高額になる傾向です。

切手の状態(コンディション)の重要性

切手の価値を保つうえで、状態は非常に重要です。以下のような状態は、減額の対象となる可能性があるので注意しましょう。

✔ シミ、カビ、黄ばみ(湿気が原因で発生)
✔ 破れ、折れ
✔ 指紋や汚れ
✔ ヒンジ跡(切手をアルバムに貼るための蝶番状の紙の跡)

ただし、非常に古い切手や希少性が極めて高い切手の場合は、状態に少しの難があっても高値になることがあります。

専門知識を持つ業者への査定依頼が重要

外国切手は種類が膨大で、その価値判断は非常に専門的な知識を要します。日本切手と異なり、一般の人がその相場を把握するのは困難です。

価値を知らずに安価で手放してしまうことを避けるためにも、外国切手の査定は、専門の知識と豊富なデータを持つ買取業者に依頼することが重要でしょう。

人気のある主な外国切手

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

世界中には数え切れないほどの外国切手が存在しますが、そのなかでもとくに有名で人気のある切手をいくつかご紹介します。

《中国》赤猿(T46)

1980年に発行された中国初の年賀切手です。鮮やかな赤色の背景に子ザルの絵が描かれています。中国切手ブームの象徴的存在です。

発行当時は一般的でしたが、現在は文化大革命後の需要増や投機目的により価格が上昇。状態が良いものは単片でも数十万円で取引されることもあるでしょう。

《中国》オオパンダ(特59)

1963年に発行されたこの第1次シリーズがとくに有名です。水墨画調の愛らしいパンダが描かれており、中国切手のなかでも高い人気を誇ります。

目打ち(ギザギザ)がない「無目打」などの希少な種類は、さらに高値がつく傾向にあります。

《中国》牡丹シリーズ(特61)

1964年に発行された、美しい牡丹の花が15種類描かれた切手シリーズです。

文化大革命直前の発行であり、その後の収集禁止措置などの影響で現存数が少なく、とくに小型シートは入手困難なプレミア切手として知られています。

《中国》全国の山河は赤一色

1968年に発行された中国切手史上最大級のプレミア切手です。地図表現の不備(国境線や南沙・西沙の欠落等)が指摘され、ごく短期間で回収されました。

一般には「台湾が赤く塗られていない」との説明が広く知られますが、公式説明は地図の正確性に関する問題とされています。

現存数が極めて少なく、「中国切手界の至宝」といえるでしょう。

《イギリス》ペニーブラック

1840年にイギリスで発行された「世界初の郵便切手」です。ヴィクトリア女王の横顔が描かれています。

「すべての切手の始まり」という歴史的価値から、世界中の収集家に愛され続けています。未使用品や初日カバー(発行初日の消印入り)はとくに高額です。

《イギリス》2ペンス・ブルー(ウィング・ブルー)

ペニーブラックとほぼ同時期(1840年)に発行された世界で2番目の切手です。デザインはペニーブラックと似ていますが、額面が2ペンスで青色となっています。

発行枚数がペニーブラックよりもはるかに少ないため、希少性の観点からはこちらを上と見る収集家も多く、白い線が入っていない初期版はとくに高値で取引されます。

《イギリス》ペニー・レッド(プレート77)

ペニーブラックの消印が見えにくいという欠点を解消するため、1841年に色を赤に変えて発行された切手です。

通常品は安価ですが、「プレート77」と呼ばれる製造番号のものは、本来破棄されるはずだった試作品がごくわずかに流通してしまったもので、英国切手の中でもトップクラスの希少性を誇ります。

《イギリス》古城シリーズ

1955年から発行された、イギリスの古城(ウィンザー城など)を描いた高額面切手シリーズです。印刷時期やメーカーの違いによるバリエーションが豊富で、専門的な収集家に人気があります

《アメリカ》インヴァート・ジェニー(逆さまジェニー)

1918年にアメリカで発行された航空切手です。中央の複葉機「カーチス・ジェニー」が上下逆さまに印刷されるという痛恨のミスが起きたエラー切手で、1シート(100枚)分しか見つかっていません。

アメリカ切手の中で最も有名かつ高額な1枚として知られ、保存状態が良いものは数億円で取引されるほど。

《英領ギアナ》1セント・マゼンタ

「切手界のモナ・リザ」とも称される、世界で最も高価な切手のひとつです。

1856年に英領ギアナ(現ガイアナ)で急きょ発行された暫定切手で、現存するのは世界にたった1枚のみといわれています。

2014年と2021年のオークションでは、それぞれ約10億円前後という天文学的な価格で落札され話題となりました。

《スウェーデン》トレスキリング・イエロー

1855年発行。本来は緑色で印刷されるはずの3スキリング切手が、誤って黄色(8スキリング用の色)で印刷されてしまったエラー切手です。

こちらも現存数は世界に1枚のみとされ、長年にわたり世界最高額の切手のひとつとして数えられています。

《モーリシャス》ブルー・モーリシャス

1847年にイギリス植民地時代のモーリシャスで発行された切手です。

本来「POST PAID」とすべきところを「POST OFFICE」と刻印してしまった初期版は極めて希少で、世界的な宝物として扱われています。

封筒に貼られた状態のものは、十数億円の価値がつくこともあります。

《オーストリア》1933年WIPA切手

1933年にウィーンで開催された国際切手展(WIPA)を記念して発行された切手です。

美しいデザインと特殊な用紙が特徴で、とくに小型シート形式のものは発行数が少なく、欧州の切手のなかでも高い人気と価値を誇ります。

《スイス》バーゼルの鳩

1845年にスイスのバーゼル州で発行された、世界初の多色刷り切手です。

浮き出し加工が施された白い鳩のデザインは美術的評価も高く、「世界で最も美しい切手のひとつ」と称されます。

《フランス》マリアンヌ

フランス共和国のシンボルである女性像「マリアンヌ」が描かれた普通切手シリーズです。

第二次世界大戦後から現在に至るまで多くのデザインが登場しており、フランス国民に親しまれています。

基本的には一般的な切手ですが、一部のエラー品や限定シートなどは収集対象となります。

《韓国》産業復興切手

朝鮮戦争後の1950年代に発行された切手シリーズです。当時の復興への願いが込められたデザインで、歴史的意義があります。

透かし(ウォーターマーク)が入った特定のタイプは現存数が少なく、韓国切手のなかでは高値での取引に期待できます。

主要な外国切手の参考買取相場

以下は、状態が良好な未使用品の場合の参考買取価格(相場)の一例です。実際の買取価格は、切手の状態、市場動向、在庫状況によって変動します。

切手名 買取相場・主要価格帯(1枚あたり)
中国 赤猿(T46) 80,000円~150,000円
中国 オオパンダ(特59) 10,000円~100,000円
中国 牡丹シリーズ(特61) 80,000円~280,000円(小型シート)
イギリス ペニーブラック 数万円~数百万円
(バージョンにより大きく異なる)

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まとめ

外国切手(海外切手)とは?切手の種類や魅力を解説

外国切手は、その国の文化、歴史、自然、芸術を小さな紙面に映し出す「ミニチュアの美術品」のような存在です。切手を集めることは、世界中の多様な価値観に触れる機会ともいえるのです。

緻密で美しいデザイン、歴史的な出来事の記録、そして地理や自然科学を学ぶ教材としての側面も持ち合わせており、楽しみながら知識を広げられる趣味として、多くの人々に愛され続けています。

もしご自宅のアルバムに、価値が分からないまま眠っている外国切手があるならば、一度確かめてみましょう。もしかしたら、思わぬ高額な査定額がつく貴重な切手の可能性もあります。

福ちゃんでは、外国切手の専門知識を持った査定士が、お客様の大切な切手を1枚1枚丁寧に査定いたします。査定は無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。

外国切手に関するQ&A

最後に外国切手の価値や買取で、よくあるご質問に回答いたします。

Q1. 使用済みの外国切手に価値はありますか?

A1. はい、価値がつく可能性はあります。

基本的には未使用の切手の方に高値がつきやすいですが、例外もあります。たとえば「ペニーブラック」は使用済み(消印あり)のものが一般的です。

また、消印自体に価値がある場合(特定の日の消印、珍しい場所の消印など)もありますので、使用済みだからといって諦めずに査定に出すことをオススメします。

Q2. 汚れたり破れたりした切手は買い取ってもらえますか?

A2. 状態によりますが、買取が難しい場合もあります。切手の査定において、状態は非常に重要です。

大きな破れ、ひどいシミやカビがある場合、買取価格が大幅に下がるか、買取ができないこともあります。ただし、非常に希少な切手であれば、状態が悪くても価値がつく場合がありますので、一度専門家にご相談ください。

Q3. 切手アルバムごと査定に出してもよいですか?

A3. はい、ぜひアルバムごとお見せください。切手アルバムに収められたままの状態でお持ちいただくのが一番です。

無理に切手を剥がそうとすると、切手自体や裏面の糊を傷つけてしまい、価値を下げてしまう恐れがあります。査定士がアルバムの状態のまま、丁寧に拝見します。

Q4. 価値がまったく分からないのですが、どうすればよいですか?

A4. そのような場合こそ、福ちゃんの無料査定をご利用ください。外国切手の価値判断は非常に専門的です。

価値が分からないのは当然のことですので、ご不安に思わず、そのままの状態でお持ちください。どの切手に価値があり、どの切手に価値がないのかを専門家が仕分けし、1点ずつ丁寧に査定いたします。

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